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高校受験|学校行事に没頭して勉強しない中1の娘。自ら机に向かわせるには?

更新日:
高校受験
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テスト前なのに、子どもが学校行事の練習ばかりで勉強しない……。

合唱コンクールや部活の大会も大切だけれど、成績は大丈夫かと心配になり、つい「勉強しなさい」と声をかけて、親子喧嘩になった経験はありませんか。保護者としてはどうすればよかったのかと悩んでしまいますよね。

学校行事と定期テストが重なって、子どもが学校行事の準備に夢中になっているとき、親はどんな関わり方をすればいいのか? 今回は、高校受験指導のプロ・大山雅司先生に対応のコツを伺いました。

塾選ジャーナル編集部

編集部

塾選ジャーナル編集部

塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。

大山雅司

監修者

大山雅司

塾講師として中学・高校・大学受験指導を行っている。2020年にYou Tubeチャンネル「ひのき三軒茶屋」を開設し、主に高校受験に関する内容を配信中。2024年8月には都立高校の口コミ・データサイト「都立合格.com(ドットコム)」の運用を開始。“受験を少しでも面白く乗り越える”手助けを行うことを目標に動画制作を行っている。

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目次

定期テスト前でも学校行事に夢中で勉強しない子ども。テストは散々。親はどうすべき?

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【CASE 036】中学1年生・女子
性格:
おとなしくて真面目。不器用頑固。何かするときに時間はかかるが、諦めず一生懸命頑張るタイプ。

【今回のお悩み】
ペンネーム:マイさん(中学1年生 保護者)

小さい頃から習い事でピアノを続けていた娘が、学校の合唱コンクールでクラスの伴奏者に選ばれたことが嬉しくて猛練習。定期テストの直後にコンクールがあるため、お友達は合唱の練習を一度ストップしてテスト勉強をしているのに、娘はピアノの練習ばかり。伴奏者に選ばれたことは私もうれしいですが、「今は勉強が優先では」と思い、「もう少し勉強したら?」と声をかけました。その結果、親子喧嘩になってしまい、テストの点数は散々なことに。
あのとき、私は親としてどういう対応をとればよかったのかと今でもモヤモヤしています

なぜ子どもはテスト前でも勉強しないのか?

「勉強はあとでいいや」となってしまう子どもの気持ち

学校行事があるとはいえ、「テスト前なのになんで勉強しないの?」と、親としては不安になりますよね。

今回寄せられた相談では勉強しない理由がはっきりしていましたが、理由がわからないケースも多いでしょう。

合唱コンクールに限らず、部活や委員会に真剣に取り組むのはいいことです。でも親としては「いつ勉強するの?」と、心配になる場面は少なくありません。
勉強よりも行事を優先してしまう理由には、いくつかの心理が隠れています。
ひとつは「勉強は気が進まない」というシンプルな気持ち。もうひとつは「今しかできないことをやり遂げたい」という前向きな思いです。

今回のように伴奏者に選ばれて全力で練習したい場合、子どもにとっては「勉強よりも大切にしたい今」があるのです。

片付けが苦手な子が部屋をなかなか片付けられないのと同じで、勉強も「気が進まない」という気持ちが勝ってしまうと、理由をつけて先延ばしにしてしまいます。

さらに中学生は「今しかできないこと」「目の前のこと」に強く気を取られる年ごろです。今回のように合唱コンクールや部活動といった行事が魅力的であれば、「勉強はあとでいい」と考えてしまいやすくなります。

つまり“やりたくないから避ける気持ち”と“やり遂げたいことに夢中になる気持ち”が重なり合うことで、勉強がおろそかになってしまうのです。

勉強習慣がないと、目の前の楽しい事に流れてしまう

「テスト前なんだから、きちんと机に向かってほしい」と願うのは当然のこと。ところが普段から勉強する習慣ができていないと、必要なときに机に向かうのがとても難しくなります。

逆にいえば、普段から少しでも勉強習慣がある子は、行事が重なっても「最低限はやっておこう」と気持ちを切り替えられます。

やりたくない子を勉強に向かわせるためには、まず勉強習慣を身につけさせることから始めましょう。例えば、次のような方法があります。

  • 毎日、1問だけやってみる:最初の一歩を低く設定すると行動に移しやすい
  • 15分+休憩のサイクル:集中力の持続時間に合わせて区切る
  • 勉強環境を整える:スマホやゲームを視界から外す、親も隣で読書をするなど
  • やったことを記録する:今日できたことをノートやカレンダーに残すと達成感が積み上がる

中1、中2で勉強習慣ができず、受験生になってから「勉強するぞ!」と思っても、振り返って勉強するには量が膨大です。早いうちから少しずつでもいいので、勉強するクセはつけておきたいですね。

親からの声がけは無駄じゃない。あとで気づく“伏線”に

お母さんの「勉強しないの?」その声がけは正しい対応

今回の相談者の方は『勉強しなさいと声をかけたせいで、親子喧嘩になり、成績が下がったのでは』と自分を責めています。しかし、親が何も言わなかったとしても、子どもは勉強しなかったと思います

成績が振るわなかった原因は、親に『勉強しなさい』と言われたからではありません。本人が勉強に向き合えなかったことが理由です。

声をかけること自体が間違いなのではなく、どのように声をかけるかが大切です。伝え方ひとつで、後々『あのとき勉強しておけばよかった』と気づくきっかけに変わります。

「やらないとダメ」「なぜやらないの?」と責めるより「どうしたらやりやすい?」と一緒に考える姿勢を持つと、反抗期の子でも受け入れやすくなります。

もし声をかけなければ、『行事があったから仕方ない』で終わってしまったかもしれません

親から声がけしてもらってもやらなかった。その結果、点数が下がった――。

子どもが自分でそう実感することが、成長につながります。親御さんは「だから言ったじゃない!」ではなく、「コンクールを頑張ったから今回は仕方ないよ。次はどうしようか」と声がけしてください。改善へ向けて前向きなフォローをしてあげましょう。

逆に避けたいのは、テスト前に何も言わずにいて、結果が出たあとに『だからダメだったんだ』と責めること。学校行事を一生懸命頑張った、その努力を否定されたと感じてしまいます。そうするとますます親子で見ている方向がすれ違ってしまい、コミュニケーションが取りづらくなってしまいます。

「なぜ勉強するのか?」目標を見つけるお手伝いを

子どもに勉強を促すときは、単に「やりなさい」と伝えるのではなく、「なぜ勉強するのか」という理由を一緒に見つけてあげたいですね。

特に効果的なのは、目標探しをサポートすることです。

  • 高校見学や説明会に行くことを勧める。
  • 学校案内や先輩の体験談を共有する
  • 興味がありそうな分野の本やイベントを紹介する
  • 「行きたい学校が見つかったら、そこに近づく方法を一緒に考えよう」と声をかける

こうした体験を通じて「ここに行きたい」と思える目標が見つかれば、子どもにとって勉強は「自分の未来を広げる手段」として腑に落ちやすくなります。

まだ具体的な目標が見つからない子どもには、「クラスで悪い成績を取りたくない」「友達に負けたくない」といった身近な感情も立派な動機になります。中学生にとっては遠い未来より、日常の中の承認や達成感のほうがリアルだからです。

ただし、「誰かに勝ちなさい」と比較を押しつける言い方は逆効果。プレッシャーや反発心を生むだけです。大切なのは「勉強すれば自分の力になる」「続ければ必ず伸びる」と、自分の努力が自分に返ってくることを伝え、根気強く支えていくことです

失敗を学ぶチャンスに!前向きに言い続けることが大切

定期テストの点が振るわなくても、早い時期に失敗して気づきを得られたのであれば、それもひとつの良い経験です。

大事なのは、テストの点が良くなかったという過去ではなく、今後どうするかを前向きに考えること。中学1年生であれば、まだまだ挽回できる時期です。

嫌々勉強に向かっていたとしても、3年生になった頃に学力面の土台ができていて良かったと思える場面がきっと来るはずです。

すぐに自分から勉強するようにならなくても、心配はいりません。子どもの中に「やらなくちゃ」と思う種をまくつもりで、何度も声をかけてあげましょう。

「いつか自分から勉強を始めてくれたらいい」ぐらいの気持ちで大丈夫です。完璧を求める必要はありません。子どもが自分で気づき、動き出すためのサポートをしていきましょう。

成功へ導く賢者からの金言!

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今は伝わらなくても、
その声かけが未来の気づきに

中学生の定期テストに関わる親は88%!子どもとのベストな距離感とは?中学生の定期テストに関わる親は88%!子どもとのベストな距離感とは?

※塾選調べ:
対象:高校受験に関してお悩みを持っていた保護者50名にアンケートを実施
期間:2025年6月20日~25日実施

Onayami Bnr

執筆者プロフィール

塾選ジャーナル編集部
編集部
塾選ジャーナル編集部

塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。

監修者プロフィール

大山雅司
ひのき進学教室 三軒茶屋校講師
大山雅司

塾講師として中学・高校・大学受験指導を行っている。2020年にYou Tubeチャンネル「ひのき三軒茶屋」を開設し、主に高校受験に関する内容を配信中。2024年8月には都立高校の口コミ・データサイト「都立合格.com(ドットコム)」の運用を開始。“受験を少しでも面白く乗り越える”手助けを行うことを目標に動画制作を行っている。

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