高校受験|塾に行きたくない!勉強はご褒美がないとやらない中2男子に勉強させる方法とは

「塾に通わせても嫌がり、成績も伸びない」。しかも「ゲームなどのご褒美がないと勉強しない子ども」に、不安を抱える親は少なくありません。ご褒美で勉強するのはきっかけとして悪くありません。大切なのは、その先に「理想の高校生活を送りたい」という気持ちへとつなげていくことです。子どもにどう勉強させるか――受験指導のプロが、親ができるサポートのコツを解説します。

編集部
塾選ジャーナル編集部
塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。

監修者
大山雅司
塾講師として中学・高校・大学受験指導を行っている。2020年にYou Tubeチャンネル「ひのき三軒茶屋」を開設し、主に高校受験に関する内容を配信中。2024年8月には都立高校の口コミ・データサイト「都立合格.com(ドットコム)」の運用を開始。“受験を少しでも面白く乗り越える”手助けを行うことを目標に動画制作を行っている。

ゲームのご褒美目当てに勉強する我が子。受験へと意識を向けさせるには?
【CASE 037】中学2年生・男子
性格:
明るくてハキハキしたタイプ。
【今回のお悩み】
ペンネーム:まさしさん(中学2年生 保護者)
勉強アレルギーで勉強すると頭が痛くなると言う子ども。なかなか受験勉強が進まないため、第一志望校に合格するか不安です。高校に入ってからのことを考えて、受験する高校のレベルを落とすように話をしましたが、それは嫌だと言います。娘に受験の現実を理解し勉強してもらうには、どうすればいい?
「ご褒美頼み」で大丈夫!でもそれ以外のコツも知っておこう
短期的な報酬は、勉強に向かう糸口にする
ご褒美がないと勉強しない我が子を見て、不安に思う保護者の方は多いものです。ですが、大人でも将来の大きな報酬よりも「目の前の楽しみ」に心が動くもの。それは子どもも同じです。
勉強そのものにやる気を持てないときは、短期的でわかりやすいご褒美を活用して、勉強へのきっかけをつくってあげるのも一つの手です。その先で小さな成功体験を積み重ねることができれば、勉強を続ける励みにもなるでしょう。
ただし、短絡的なご褒美を活用するうえで、気を付けたい点が2つあります。
一つは、ご褒美で勉強がおろそかにならないよう、あらかじめ工夫を講じておくことです。ゲームソフトを買い与えたあと、そのゲームをする時間に制限をかけておかないと勉強時間がどんどん削られてしまいます。
例えば「平日は30分だけ」「テスト前の週は休日だけ」など、あらかじめルールを決めておきます。ご褒美を与える前に順番を整えておくことで、「勉強が終わったら遊べる」という習慣づけがしやすくなり、効果的です。親子で一緒にルールを話し合って決めておくと、子どもも納得しやすく、長続きしやすくなります。
もう一つは、最終的に目指すべきところは「ご褒美のために頑張る」ではないということです。
「行きたい学校での理想の高校生活」を勉強のモチベーションにする
本来目指すべきところは、「行きたい高校で理想の生活を送ること」をモチベーションに、勉強を頑張ることです。
そのためには、遠回りであっても高校生活の話題を中心に、イメージとモチベーションを膨らませていく必要があります。
「高校生になったら何がしたい?」「どんな高校生活を過ごしたい?」と、高校生活を想像させるようなコミュニケーションを積極的にとりましょう。
コミュニケーションが難しければ、気になる高校の学園祭や学校説明会に参加して、リアルな高校生活を自分の目で見るのも良い刺激になるはずです。
このとき、おすすめなのは親同伴で行かないこと。なぜなら、高校生になって通学するとき、親はそこにいないからです。高校見学の目的は親子で違います。
親は子どもを任せて大丈夫か確認するために学校を見に行きます。一方で子どもは自分がその高校に通っているイメージを持つためにいきます。
仮に親が同じ日に高校見学に行く場合でも、訪れる時間をずらしたり、子どもには友達同士で行ってもらったりするといいですね。
通学路から友達と一緒に行くと「あの子可愛いね」「かっこいい先輩がいた」など、勉強とは無関係な話でさぞ盛り上がったりもするでしょう。そんな他愛のない会話の中でリアルな高校生活のイメージが芽生えることもあります。
私の生徒でも、「生徒会長が可愛かったあの高校に通いたい」と言って受験勉強を頑張っていた男子生徒がいました。
現地を訪れて目にしたことが勉強を頑張る原動力になる場合もあるので、ぜひ学園祭や学校説明会を活用してください。
“ゲームを楽しむ自分”ではなく“高校生活を謳歌する自分”を、受験勉強を頑張る動機にする手助けをしてあげましょう。
塾を嫌がる子に大切なのは“環境づくり”
中学生は友達の影響を強く受けやすい年頃です。今回の相談にも『通塾していない子同士で遊んでしまう』という声がありました。それでも「塾に通う」ということは、おおいに有効です。
塾は勉強するためだけの空間ですから、自然と机に向かうことになります。そのときは乗り気でなくても、教室で聞いた話が勉強の取っ掛かりになったり、塾の友達のやる気に影響を受けたりすることは少なくありません。
友達に影響されやすい子ほど、勉強する仲間に囲まれることで良い刺激を受けられます。
通塾自体を嫌がる場合は、親御さんとしては、まず「欠かさず通うようになる」こと自体を目標に考えてよいでしょう。少なくとも通い始めた時点で、本人の中で変わる可能性が開けています。
また、友達と一緒に行けるように通塾時間を合わせたりするだけで、気持ちが前向きになるケースも少なくありません。
どうしても抵抗が強いときは、塾以外にも図書館や自習室など「勉強する子どもに囲まれる場」を利用するのも一つの方法です。
大切なのは、子どもを継続的に「勉強する環境」に身を置かせること。最初は多少嫌がっても、環境の力を借りることで徐々にやる気の火が育っていきます。
親は焦らず、少し先の未来を見せてあげよう
高校受験に対して本気スイッチが入らないお子さんを見て、親御さんがヤキモキしてしまう気持ちはよくわかります。でも、受験をするのは子ども自身。
高校受験という経験を今後の糧とするためには、「親の受験」ではなく「子どもの受験」として全うさせてあげることが大切です。「目標を達成するためにどうやって勉強を進めるか」というプロセスは、なるべく本人に考えさせるといいですね。
中学生は、まだ遠い将来を見据えるのが難しい年頃です。近い未来の自分をイメージさせながら、一歩ずつ前に進むサポートをしてあげてください。
成功へ導く賢者からの金言!
最初は「ご褒美で頑張る」でもOK!
学校見学で「この高校に合格したい気持ち」を育もう。
※塾選調べ:
対象:高校受験に関してお悩みを持っていた保護者50名にアンケートを実施
期間:2025年6月20日~25日実施
執筆者プロフィール

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監修者プロフィール

塾講師として中学・高校・大学受験指導を行っている。2020年にYou Tubeチャンネル「ひのき三軒茶屋」を開設し、主に高校受験に関する内容を配信中。2024年8月には都立高校の口コミ・データサイト「都立合格.com(ドットコム)」の運用を開始。“受験を少しでも面白く乗り越える”手助けを行うことを目標に動画制作を行っている。