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心理学部では何を学ぶ?就職事情や向いている人も徹底解説

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大学受験
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 「心理学部って、カウンセラーになる人が行く学部?」
そう思う方も多いかもしれません。

心理学部では、人の心と行動を科学的に解明し、その知識を教育・医療・福祉・ビジネスに活かす力を身につけます。

子どもの発達や学習のつまずき、職場での人間関係やストレス、消費者の購買行動など、身近な課題が研究対象。観察や実験、アンケート調査やデータ分析を通じて、人の気持ちや行動を客観的にとらえ、課題解決へ結びつけます。

進路は心理職に限りません。公務員や企業の人事・営業・マーケティング、研究職など、心理学部卒の就職先は多様です。

この記事では、心理学部で何を学ぶか、取得できる資格や主な就職先、向いている人まで、わかりやすく解説します。

塾選ジャーナル編集部

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目次

心理学部とは?

心理学部は、人間の「心」と「行動」を科学的に研究する学部です。観察・実験・アンケート・統計を使って、感情や思考、考え方、行動の背景にあるしくみを探ります。

心理学部での学びは、「人の気持ちを理解する」だけでなく、データに基づいて考える力を育てます。これにより、心理職はもちろん、企業や行政など幅広い分野で活躍できる人材を輩出しているのが心理学部の大きな魅力です。

心理学部にはどんな学科がある?

心理学部は大学によって複数の学科が置かれることもあります。代表的な4学科と、大学独自の特色を打ち出した学科例を紹介します。

心理学科

心理学の基礎となる認知・発達・社会・人格・学習などを幅広く学習。実験や統計を通じて、人の心や行動を科学的に理解する力を養います。

臨床心理学科

心理検査やカウンセリングの方法を学び、心の健康を支援する基礎を修得します。面接技法や心理アセスメントを実習形式で学べるのが特徴です。

応用心理学科

産業組織心理学、健康心理学、犯罪心理学など、実社会に直結する領域を中心に学びます。講義と調査を通じて、心理学の応用的な研究方法を身につけます。

発達心理学科

乳幼児から高齢者までの心の発達過程を探究。観察・調査を組み合わせ、発達段階ごとの学習・行動・適応の理解を深めます。

その他の学科の例

心理学部には、以下のように独自の学科構成で特色を打ち出している大学もあります。

立命館大学 総合心理学部には「総合心理学科」があり、認知・行動、発達・キャリア、社会・文化、アドバンスドといった専門ユニットを横断的に学べます。心の仕組みを基礎から学びつつ、社会や医療の現場に応用できる点が特徴です 。

また、東京成徳大学 応用心理学部 には「健康・スポーツ心理学科」があり、健康心理学・スポーツ心理学・ポジティブ心理学を学習。心理学の知識を、競技力向上やメンタルヘルスの維持、日常生活の健康づくりに活用できます。

心理学部は、学部として独立していない大学も少なくありません。文学部や人間科学部、教育学部などの中に「心理学科」や「心理系専攻」が置かれているケースもよくみられます。そのため、進路を考える際は「心理学部」だけでなく、「心理学科」がある大学を探すこともおすすめします。

心理学部で学ぶ内容

心理学部で学ぶ内容の図

心理学部で学ぶ分野は大きく三つに分かれます。心の働きを理解する 「基礎心理学」、特定分野に応用する 「応用心理学」、研究に欠かせない「調査・分析手法」 です。ここでは代表的な分野を紹介します。

基礎心理学分野

  • 発達心理学
    人の一生を通じた心や行動の変化を研究します。たとえば、赤ちゃんが言葉を覚える過程や、思春期に「自分らしさ」を模索する姿など、ライフステージごとの特徴を明らかにします。

  • 認知心理学
    記憶や思考、意思決定といった「頭の中のはたらき」を扱います。入試勉強の覚え方や試合での瞬時の判断など、日常的な例を、実験やシミュレーションを通じて解き明かします。

  • 生理・神経心理学
    脳や神経の働きと心の関係を研究します。脳波やMRIといった計測を使い、感情や記憶がどのように生まれるのかを探ります。「緊張すると記憶力が下がる理由」といったことに科学的に迫る学問です。

  • 社会心理学
    集団や社会が人に与える影響を研究。リーダーシップ、人を説得する方法、偏見が生まれる仕組みなど、学校生活やビジネスの場面にも活かせるテーマを扱います。

応用心理学分野

  • 臨床心理学
    心の悩みや精神的な障害を理解し、支援する方法を学習。カウンセリングや心理療法、心理テストの使い方など、将来カウンセラーや心理職を目指す人に必要な知識と技術が身につきます。

  • 教育心理学
    人が学ぶときに大切な要素を研究します。効果的な指導法、発達に合わせた支援など、学校教育や特別支援教育の改善に役立つ知見が得られます。

  • 産業・組織心理学
    働く人や職場に関する心理がテーマ。やる気や人間関係、リーダーシップ、働き方改革など、社会に出たあとに直面する課題に心理学を応用します。企業の人事や人材育成にも役立ちます。

  • 犯罪・司法心理学
    犯罪の背景にある心理や再犯防止、犯罪被害者への支援などを学びます。取り調べや証言の信頼性など、司法の場に関わるテーマも扱います。

調査・分析手法

  • 心理統計学・実験法
    心理学部では調査や分析の基礎を徹底的に学びます。アンケート作成、観察、実験の組み立て方を習得し、研究の土台を築くことができます。さらに、集めたデータを心理統計で客観的に分析し、数値に基づいて結論を導きます。その力は心理職にとどまらず、企業や行政でも強みとなるでしょう。

これらの学びを通じて、心理学部では「人を理解する力」「冷静に観察する力」「データを読み解く力」を養います。さらに、「筋道立てて考える力」「コミュニケーション力」もバランスよく伸ばすことができます。これらの力は心理職だけでなく、教育や福祉の現場、ビジネスや行政など幅広い就職先で活かせるでしょう。

心理学部での勉強のおもしろさは?

心理学部の大きな魅力は、人の心や行動の背景を多角的に分析し、「なぜそうなるのか」を探っていくところにあります。実験や観察、フィールドワークなどを重ね、人の心と行動を新たな視点から理解できるようになるでしょう。

実験や調査を通して仮説を検証する楽しさ

心理学の授業やゼミでは、仮説を立てて実験や調査を行い、データを分析します。「疲れていると注意力は下がるのか」といった疑問も、実験を通し、数値で確かめられます。結果が予想通りなら達成感があり、意外な結果は次の疑問につながります。こうした学びを通し、論理的思考やデータを読み解く力が身につきます。

日常生活の出来事を心理学的に読み解くおもしろさ

心理学を学ぶと、何気ない日常の行動や会話も分析対象になります。友達との会話に出る「言い間違い」や、つい手が伸びる「衝動買い」も、その背景にある心の仕組みを理解できるのです。普段は当たり前に感じていた出来事を科学的に捉え直すことで、自分や他人の行動をより深く見つめ直せる点も、心理学部ならではのおもしろさです。

正解のないテーマに挑むおもしろさ

心理学では、必ずしも一つの「正解」があるわけではありません。同じ現象でも、理論や研究方法によって異なる解釈が導かれることが多いからです。自分なりの答えを考えることが求められるため、多角的に物事をとらえる視点や柔軟な発想力が養われます。「答えを出すこと」よりも「どう考えるか」を重視する学びは、心理学部の醍醐味です。

現場での実習や観察から得られるリアルな学び

心理学部では、教育現場や医療機関、企業の人事部門などで実習や観察を行う機会があります。「現場の空気感」や「人の関わり方」に触れることで、理論と実践を結びつけることができます。こうした体験は、就職を考えるうえで大きな手がかりとなるでしょう。

心理学部で学ぶメリットや役に立つ場面

心理学部の学びは、人の心や行動を理解するための理論や調査手法を学ぶだけではありません。ここでは、心理学部で身につく知識・スキルが就職先や職業でどう役立つのかをご紹介します。

対人関係の改善や信頼構築に役立つ

心理学部で学ぶコミュニケーション理論や人の行動のとらえ方は、友人関係や職場の人間関係を円滑にします。職場の指導をする際やチーム活動を行う際に、相手の性格や動機づけをふまえて接することができるでしょう。その結果、信頼関係を築きやすく、職場全体のパフォーマンス向上にもつながります。

客観的な分析力で問題解決に貢献できる

心理学部では、アンケートや観察、インタビューなどを通じて得られたデータを分析する力を磨きます。数字を読み解き、課題の原因を探る力は、マーケティングや組織改善など、就職先で評価されるスキルです。

ストレスやメンタルヘルス対策に活かせる

心理学部では、ストレス対策やメンタルヘルス(心の健康)についても学びます。学校での緊張や職場での疲れなど、心の不調を予防し、周囲をサポートする力は、自分自身の健康管理にも役立つでしょう。企業でも「健康経営」「メンタル研修」が広がり、専門人材が必要とされています。

多様な分野で応用可能な汎用スキル

心理学の知識は、教育、医療、福祉、ビジネス、ITなど、多分野で活かせます。学校での学習支援、医療現場での患者との関わり、営業やマーケティングでの顧客理解など、活躍の場は多彩。心理学部で身につけた「人を理解し、データを読み解く力」は、企画・広報・人事など幅広い就職先で活かせる武器となるでしょう。

心理学部で学んだことが実際に役立った場面の体験談

心理学部での学びが、社会に出たあと就職先や職業で実際にどのように役立っているのか、卒業生の体験談から具体的に見ていきます。いずれもアンケートで寄せられた実際の声です。

職場での人間関係構築に役立った

「臨床心理学の分野を学んでいたので、日常生活や仕事で人の悩みを聞くときに、傾聴の仕方を活かすことができました。」(島根大学人間科学部心理学コース卒・女性)

教育や福祉の現場で活用

「障害児福祉領域で働いていますが、発達理論や発達課題を踏まえて子どもを多角的に見ることができ、アセスメント(子どもの発達や特性を見立てる評価)に心理学の学びが大いに役立っています。」(志學館大学人間関係学部卒・男性)

営業や接客での応用

「顧客先で接客中、お客様が怒っている理由が表面的なものだけでないと感じたときに、心理学で学んだ感情理解の知識を活かすことができました。」(同志社大学心理学部卒・男性)

心理学部で取得できる資格

心理学部で取得できる資格の一覧

心理学部では、大学や学科によっては学びを通じて資格取得を目指せるカリキュラムが用意されています。代表的な資格は以下の通りです。

公認心理師

心理学分野で唯一の国家資格です。医療・教育・福祉・司法・産業などの領域で、心理支援や相談活動を行えます。学部で必要な科目を履修し、卒業後に大学院進学などを経ることで受験資格が得られます。

臨床心理士

専門性の高い心理相談に携わる民間資格です。取得には大学院進学が必要ですが、学部で基礎を身につけておくことで進む道が広がるでしょう。活躍の場は医療機関や学校、福祉施設など多岐にわたります。

認定心理士

心理学の基礎知識を修めたことを示す民間資格で、大学で所定の単位を修得することで取得可能です。教育・人材・福祉など幅広い業界で「心理学を学んだ」ことを客観的に証明できます。

このように、心理学部では将来の進路に直結する資格を目指せる可能性があります。どの資格を取得できるかは大学によって異なります。進学を検討する際はカリキュラムや資格対応状況を確認しておくことが重要です。

心理学部の卒業生の就職事情!何になれる?

心理学部の卒業生の就職事情

心理学部では、調査や実験、統計分析を通じて「人の心や行動を科学的に理解する力」や「データに基づいて分析する力」を養います。こうした力は、企業での採用・組織づくり、消費者行動の分析など、様々な場面で強みとなります。

次の章では、実際のアンケートデータをもとに、心理学部卒業生がどのような職業に就いているのか、就職先でどのように学びを活かしているのかを詳しく見ていきましょう。

心理学部の主な就職先

心理学部の主な就職先

医療・福祉・教育業界

卒業生の多くが、病院では心理士やカウンセラー、福祉施設では相談員、学校ではスクールカウンセラーや特別支援教育の担当者として活躍しています。公認心理師や臨床心理士などの資格を取得して専門職として働く人も少なくありません。

官公庁・公社・団体(公務員)

心理学の知識は教育行政や福祉行政、矯正施設や少年院での支援業務にも役立ちます。心理職採用枠として心理技官や自治体の福祉課職員、雇用支援の相談員などで働く例も。安定性や福利厚生の整っている点から、公務員を目指す卒業生も少なくありません。

金融業界

人の意思決定を理解する力が求められる金融業界。営業やコンサルティング職では、顧客の価値観や考え方を理解して信頼関係を築く力が成果に直結。心理学で学ぶ行動経済学や消費者心理を応用し、顧客対応に活かす卒業生も増えています。

マスコミ・メディア・広告業界

広告や番組制作、広報・PRなどの仕事では、人がどんな情報に注目し、どう感情が動くかという心理学の知識が強みに。大学で学ぶ調査法や統計のスキルはマーケティングリサーチにもつながり、視聴者や顧客の行動を予測する場面で活用されています。

小売・流通業界

接客や店舗運営、顧客データ分析など、人と向き合う場面が多い小売・流通業界でも心理学の学びは活かせます。顧客満足度の向上や購買行動の分析に心理学を応用する企業も増えており、従業員研修や人材育成でも心理学部卒業生の力が重宝されています。

心理学部卒業の女子の就職先として人気なのは?

アンケート調査をもとに、心理学部出身の女子の就職先例をご紹介します。

医療・福祉・教育

専門的な資格を活かせるだけでなく、長期的に安心して働ける環境が整っている点が女性に支持されています。産休・育休制度や時短勤務制度を整えている職場も多く、ライフステージの変化に対応しやすいのが特徴。「誰かを支える」というやりがいと、働きやすさを両立できる就職先として選ばれています。

マスコミ・メディア・広告

「情報をどう伝えるか」が問われるこの業界では、心理学的な知識に加えて、生活者としての感覚や共感力が大きな強みに。多様な働き方が進みつつあり、企画や制作に柔軟に関われる環境も増えています。感性を活かして社会に発信したい女性にとって、やりがいを感じやすい分野です。

コンサルティング業界

人や組織の課題を見極めるコンサルティングは、心理学部で培った観察力や分析力が活かせる仕事。特に組織開発や人材マネジメントの分野では、心理学的なアプローチが注目されています。女性にとっては、柔軟な働き方やキャリアアップ支援を導入する企業が多い点も安心材料となり、専門性と働きやすさを両立できる就職先です。

実際の心理学部の就職体験談

アンケートに寄せられた声から、心理学部での学びが実際の仕事でどう活かされているのかをご紹介します。

【医療・福祉・教育業界に就職した東京福祉大学心理学部心理学科卒・女性】

就職活動でのメリット
「福祉施設の面接で、心理学部で学んだ経験をアピールできたことが採用につながりました。」

実際の業務での活用
「認知症の高齢者や障害のある方と関わる場面で、心理学的な視点を取り入れて対応できたのは大きな強みになっています。」

【官公庁に就職した島根大学人間科学部心理学コース卒・女性】

就職活動でのメリット
「新卒で公務員試験を受けた際、市民対応が求められる職場だったため、心理学を学んで培ったコミュニケーション力をアピールでき、面接で高評価を得られました。」

実際の業務での活用
「クレーム対応の場面で、相手の心理状態を推測して対応できたため、適切な処理ができ、上司からも評価されました。」

【官公庁に就職した武蔵野大学心理学科卒・男性】

就職活動でのメリット
「心理学科で児童発達を専攻していたことをアピールでき、仕事内容とのつながりを示せたことで面接官にも納得してもらえました。」

実際の業務での活用
「自分がフラストレーションを感じても、一歩引いて相手や自分の心理状況を客観的に見ることで、ストレスをうまくコントロールできています。」

心理学部に向いているのはどんな人?

心理学部に向いている人

心理学部の学びは、人の心や行動を科学的に理解し、その知識を社会のさまざまな場面で活用していくことにあります。ここでは、心理学部に向いている人の特徴をチェックリスト形式でまとめました。自分の興味や適性を確認しながら、進路選びの参考にしてください。

心理学部に向いている?を簡単診断

心理学部に向いているかを簡単診断

判定結果

  • 15〜20個該当
    心理学部に非常に向いています。心理学の学びを通じて、専門知識と実践力を高め、多様な分野で活躍できるでしょう。
  • 10〜14個該当
    心理学部に向いています。関心のある分野を深く学ぶことで、充実した大学生活を送れるでしょう。
  • 5〜9個該当
    適性はありますが、他の学部も含めて検討してみるとよいでしょう。
  • 0〜4個該当
    他の分野も視野に入れ、自分が本当に興味を持てる学びを探すことをおすすめします。

診断のポイント

心理学部で特に大切なのは、客観的に人の心や行動を観察する力」「データを分析する力」「そして相手の立場を理解して伝える力」の3つです。

さらに「なぜ人はそのように考えるのか」「心の変化はどう起きるのか」といった問いに関心を持ち、地道に学び続ける姿勢も大切です。
これらのポイントに多く当てはまるなら、心理学部での学びを通じて大きく成長できる可能性が高いでしょう。

少しでも興味を感じたら、オープンキャンパスや模擬授業などで実際の雰囲気を体験してみるのもおすすめです。

心理学部のよくある志望理由

アンケート調査をもとに、実際に心理学部に進学した先輩たちのリアルな志望理由をご紹介します。どんなきっかけで心理学部を選んだのか、進路選びの参考にしてみてください。

人の心や行動に興味があった

「社会福祉と心理学の両方に関心があり、福祉大学の心理学部ならどちらも学べると思って選びました。」(東京福祉大学心理学部卒・女性)

「高校生の頃、偶然心理学の本を読んで興味を持ちました。周囲に心の病を抱える人もいて、将来そうした人の力になりたいと思ったからです。」(島根大学人間科学部卒・男性)

将来の職業に活かしたかった

「人間の、特に子どもの心理を学びたくて入学しました。将来的には臨床心理士などの資格取得も視野に入れていました。」(武蔵野大学心理学科・女性)

「大学在学中に臨床心理士という資格の存在を知り、人を支える専門職を目指したいと考えるようになりました。」(志學館大学人間関係学部・男性)

高校での学びや経験がきっかけ

「高校生の頃からカウンセリングに興味があり、相談支援に関わる仕事をしたいと考えたのがきっかけです。」(駿河台大学心理学部・男性)

「高校でのいじめの経験から、心の問題や感情についてきちんと学びたいと思い、スクールカウンセラーに関心を持ちました。」(人間環境大学心理学部・男性)

心理学部に向いていない人は?

心理学部は、人の心と行動を科学的に探究できる魅力的な学びですが、一方で「向いていないかも」と感じた卒業生の声もあります。実際のアンケートから、多かった理由を3つに整理してご紹介します。

1.専門職のハードル(大学院進学・資格)が高い

「専門職を目指すなら院進はほぼ必須で、時間もお金もかかります。なっても高収入とは言いにくいので、本当に心理学が好きな人向けだと思います。」(島根大学人間科学部人間科学科心理学コース・女性)

「就活では『心理学部卒だけで即戦力か』『実務経験が足りない』と言われたことがあります。」(東京福祉大学心理学部心理学科・女性)

2. 一般企業では“直接の強み”が伝わりにくい

「保育なら保育士、福祉なら介護福祉士のように資格で示せる強みがある一方、心理学は“学んだだけ”では仕事での強みが見えにくく苦労しました。」(人間環境大学心理学部・男性)

「国家資格を取っていない場合、『専門性が中途半端』と判断されることがありました。」(人間環境大学心理学部・女性)

3. 仕事内容・収入・採用枠の“現実”とのギャップ

「心理学部で学び卒業しても、心理専門職は稼げるものではありません。正規雇用の求人も少ないです。」(駿河台大学心理学部・男性)

「心理関係の職種の募集は他の医療・福祉資格ほど多くないので、心理職以外の選択肢も検討する必要があります。」(東京福祉大学心理学部心理学科/女性)

向いていない人の特徴

アンケートで寄せられた意見から考えると、次のような人には心理学部はあまり向かないかもしれません。

大学院進学や国家資格など、長期の学習に抵抗がある人
心理学部で心理専門職を目指す場合、公認心理師や臨床心理士などの資格取得が基本で、大学院進学がほぼ必須です。短期間で就職・収入を得たい人には負担が大きく感じられるでしょう。

短期で高収入や即戦力スキルを最優先したい人
心理学部では、社会を理解する知識を学びますが、これは直接的な資格や技術職のスキルではありません。すぐに稼げる専門職を期待するとギャップを感じやすいです。

就職活動で心理学の強みを言語化できない人
心理学の知識は幅広く応用できますが、「仕事にどう活かすか」を自分で説明できないと就活で評価されにくい面があります。

SNSやドラマ的な「心理の仕事」のイメージに強く影響されている人
現実の心理職は、華やかさよりも地道な支援や記録・調査の積み重ねが多い仕事です。理想やイメージだけで進学すると「思っていたのと違う」と感じてしまう可能性があります。

自分の興味を大切に

これまで紹介した声はあくまで個人の体験や考えに基づくものです。心理学部で充実した学生生活を送り、その学びを活かして多様な就職先で活躍している卒業生もたくさんいます。

大切なのは、自分が本当に興味を持てるテーマや、やってみたいことに素直に向き合うことです。最終的には自分の気持ちを大切に進路を選びましょう。

おすすめの心理学部がある大学ランキングTOP3

おすすめの心理学部がある大学ランキングTOP3

心理学部への進学を検討している方に向けて、学習レベル・研究実績・進路実績・出願方法の豊富さなどを総合的に評価し、おすすめの大学を国公立・私立に分けてご紹介します。

心理学部が強い!おすすめの私立大学TOP3

1位:上智大学 総合人間科学部 心理学科

上智大学のキャンパス風景

上智大学の心理学科は、日本における臨床心理学教育の先駆けとして知られています。全国の大学に先んじて臨床心理相談室を開設し、実践的な教育を展開。多くの臨床心理士やカウンセラーを輩出しており、日本の臨床心理分野をリードしてきたといえます。

また、「公認心理師」「臨床心理士」の取得にも対応。基礎的な学びから実習・研究まで一貫したカリキュラムが整っており、専門職として必要な知識と技術を体系的に身につけることができます。

臨床心理の確かな伝統と、資格取得を見据えた教育体制。この両面がそろう上智大学は、心理の専門家を目指す学生にとって最適な環境といえるでしょう。

2位:立教大学 現代心理学部

立教大学現代心理学部をおすすめする理由は、心理学の枠を広げる独創的な学びにあります。特に映像身体学科では、写真・映像・ダンス・演劇といった実技を通じて「人間の心と表現の関係」を探究できるのが大きな特徴です。最先端の撮影スタジオや編集室を備え、表現活動を実際に体験しながら心理学を結びつけて学べます。この環境は、他大学にはない強みといえるでしょう。

心理学科においても、暗室や防音室を備えた実験施設、心理教育相談所での実習など、座学だけでは得られない実践的な学びが数多く用意されています。恵まれた設備と専門性の高い教授陣のもとで、多角的に人間理解を深められるのが立教の強みです。

3位:同志社大学 心理学部

同志社大学心理学部は、西日本の大学の中でも、心理学部を単独で設置している数少ない大学のひとつです。基礎から応用まで幅広く学べるカリキュラムに加え、1年次から実験・実習を重ね、早くから実践力を磨けるのが大きな特徴です。

公認心理師を目指すための体系的なカリキュラムや、少人数制による丁寧な指導体制も魅力。文系・理系を問わず多様な学生が集まり、互いに刺激を受けながら学べる環境が整っています。

心理学部が強い!おすすめの国立大学TOP3

1位:筑波大学 人間学群 心理学類

筑波大学のキャンパス風景

筑波大学人間学群心理学類は、国内最大規模を誇る心理学研究の拠点です。脳と行動の基礎研究から心理統計学、発達臨床、心理カウンセリングまで、心理学の主要分野を幅広くカバーしています。専任教員は約30名で、各分野で国内外の最先端研究をリード。世界水準の知に直接触れながら学ぶことができる環境です

この充実した体制のもと、自分の関心に合わせて専門を深めつつ、研究手法を体系的に習得できるのが大きな強みです。さらに、大学院進学を前提とした公認心理師の受験資格にも対応し、専門職を目指す学生にとっても安心できる環境が整っています。

心理学を本格的に探究したい受験生にとって、筑波大学心理学類は日本屈指の学びの場といえるでしょう。

2位:東京大学 文学部 人文学科 心理学専修/ 社会心理学専修 など

東京大学の心理学教育の大きな特徴は、心理学を学ぶ場がひとつに限られない点です。文学部・教育学部・教養学部など複数の学部・専修にまたがり、基礎心理から社会心理、教育心理、認知科学まで幅広く探究することができます。入学後に自分の興味関心や学部の雰囲気を見極めてから進学先を選べるのも魅力です。

さらに、研究実績の高さも際立っています。視覚認知や社会心理学、発達心理学、臨床心理学といった多様な分野で成果を挙げ、日本心理学会や日本基礎心理学会で優秀発表賞を受賞するなど、学会活動への貢献も豊富です。国内外から高く評価される最先端の研究環境の中で、第一線の知に触れ、研究に参加するチャンスがあります。

3位:お茶の水女子大学生活科学部心理学科

お茶の水女子大学の心理学科は、少人数教育と幅広いカリキュラムが特徴です。脳科学・発達・社会心理などを横断的に学びながら、学生一人ひとりが研究にしっかり取り組める環境が整っています。

さらに立地も大きな強みです。東京都心・茗荷谷にキャンパスがあるため、学会や研究会へのアクセスが容易で、医療・教育機関との連携も進めやすい環境にあります。学びを実践に結びつけたい学生にとって大きなメリットになるはずです。

心理学部のその他の注目大学

TOP3以外にも、「この大学ならでは」の制度や学びのスタイルで存在感を放つ心理学部もあります。

立命館大学 総合心理学部

立命館大学総合心理学部は、日本最大級の規模を誇る学部です。大阪いばらきキャンパスには19室の実習室と32室の実験室を備え、多彩な研究領域に触れられる環境が整っています。大規模学部ならではの幅広い研究機会と多様な仲間との出会いが大きな魅力です。

人間環境大学 心理学部(心理学科・犯罪心理学科)

人間環境大学 心理学部は、2022年設置の新しい学部で、日本初の犯罪心理学科を擁しています。犯罪心理学科では犯罪の背景や防止策を科学的に探究。新設学部ならではの柔軟なカリキュラムも特徴です。

関西大学 文学部心理学専修

関西大学の心理学専修は、基礎から応用まで体系的に学べるカリキュラムを備えています。心理実験室や観察室を活用し、心理測定や行動観察、データ分析など実践的スキルを習得可能。さらに地域の教育・医療機関との連携を通じて、学問と現場を結びつけられます。

東洋大学 社会学部社会心理学科

東洋大学の社会心理学科は、心理学と社会学を組み合わせて人間行動を分析できるユニークな学びが特徴。広告・マーケティング・メディアなど実社会につながるテーマを扱い、企業や行政と連携した調査研究を通じて統計解析やアンケート設計などの実証的スキルを磨けます。

まとめ

心理学部は、人の心や行動の仕組みを科学的に学ぶ学部です。心理学部での学びは、医療・福祉・教育はもちろん、ビジネスや行政、メディアなど多様な就職先で活かせます。実験や調査、フィールドワークを重ねながら、人間理解を深め、実践的に考える姿勢を養えるのが大きな特徴です。

アンケートでも、心理学部で培った「伝える力」「データ分析力」が、就職活動や社会人生活で役立ったとの声が寄せられました。

一方で、心理学は幅広く奥が深いため、主体的に学ばないと「興味のある分野をかじっただけ」で終わってしまう可能性もあります。さらに、公認心理師や臨床心理士など資格を取得して専門職として働くには大学院進学も視野に入れ、長い学びが必要になります。

入学後は、自分の関心テーマを早めに見つけ、ゼミや資格取得、研究活動などで専門性を深めていくことが大切です。心理学部で学んだことを社会でどう活かすかも意識し、主体的に学ぶ姿勢が求められます。

進学を検討する際は、自分の興味や将来像に合ったカリキュラムを持つ大学を選び、4年間を実りある時間にしてください。少しでも興味を持った方は、オープンキャンパスや模擬講義に参加して、リアルな学びの雰囲気を体感してみましょう。

アンケート調査概要
調査対象:心理学部出身の20代~40代(有効回答数13名)
調査時期:2025年7月
調査機関:自社調査
調査方法:インターネットを使用した任意回答
調査レポート名:「心理学部卒業生の大学時代の学びの活用状況」についての調査

※掲載しているグラフや内容を引用する場合は「塾選ジャーナル調べ:「心理学部卒業生の大学時代の学びの活用状況」についての調査と明記し、『塾選ジャーナル』の記事(https://bestjuku.com/shingaku/s-article/33776/)へのリンク設置をお願いします。

執筆者プロフィール

塾選ジャーナル編集部
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塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。

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