総合政策学部では何を学ぶ?就職事情や向いている人も徹底解説

「総合政策学部って、何を学ぶ学部なの?」「卒業後の就職はどうなるの?」
そんな疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。
総合政策学部は比較的新しい学部です。そのため、保護者世代にとっては「何を学ぶのか」「卒業後にどんな進路につながるのか」がイメージしづらいかもしれません。
現代の社会課題は複雑化しており、法律・経済・政治・情報・国際関係といった複数分野を学問の垣根を越えて学び、解決する力が求められています。
だからこそ、複数の分野を横断的に学んだ総合政策学部の卒業生は官公庁や自治体、金融、メーカー、IT、不動産など幅広い分野で活躍できるのです。まだ将来の進路を絞りきれていない高校生にとっても選択肢を広げられる学部といえるでしょう。
この記事では、総合政策学部で何を学ぶのか、就職事情、そして向いている人の特徴をわかりやすく解説します。

編集部
塾選ジャーナル編集部
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総合政策学部とは?
総合政策学部は、現代社会が抱える課題を解決するために「法律・経済・政治・情報・国際関係などを複数の学部分野を横断的に学ぶ学部です。
一つの分野に絞るのではなく、複数の視点を組み合わせて「どうすれば社会をよりよくできるか」を考えるのが特徴です。
授業では、法律や経済を土台にしながら、環境問題、地域社会の活性化、国際協力、ICT(情報通信技術)などを組み合わせ、実践的な政策や解決策を構想します。
学びを通じて、社会課題を分析する力、解決策を企画する力が磨かれます。複数の分野を結びつけて考える視点を得られることが大きな魅力です。
総合政策学部にはどんな学科がある?
総合政策学部は、大学によって複数の学科が置かれることも。代表的な4学科と、大学独自の特色を打ち出した学科例を紹介します。
総合政策学科
法律・経済・政治・環境・情報などを幅広く学び、現代社会の課題に多角的にアプローチする学科。座学にとどまらず、自治体や企業と連携したプロジェクト学習や実習を重視する大学が多く、実社会に直結した学びを得られます。
地域政策学科
地域社会が直面する人口減少や高齢化、防災、まちづくりなどをテーマに学ぶ学科。現地調査やフィールドワークが重視され、地域住民や行政と協働しながら、地域課題の解決策を具体的に探ります。
国際政策学科
外交・安全保障・国際経済など、グローバルな視点から政策を学ぶ学科。国際協力や開発支援、地球規模の課題を対象に研究し、海外研修や留学を組み合わせて国際的な発信力や交渉力を養います。
メディア情報学科
情報化社会に対応した政策立案を重視し、ICTやメディアを活用した情報発信や社会調査を学ぶ学科。データ分析や情報発信力を実践的に鍛え、公共政策や地域づくり、企業活動に役立てることができます。
その他の学科の例
大学によっては、総合政策学部の中に独自の学科を設けて特色を打ち出しているところもあります。
関西学院大学 総合政策学部には「都市政策学科」があり、まちづくりや都市環境をテーマに、都市計画や交通政策、防災などを学べます。地域社会と都市機能を両立させる政策を研究できるのが強みです。
また、同志社大学 政策学部には「政策学科」と「グローバル地域文化学科」があり、前者では公共政策や社会制度を組み合わせて学習。後者では地域文化や国際的なつながりを重視して政策を考えるユニークなカリキュラムが組まれています。
このように、総合政策学部は大学ごとに学科構成や重点分野が異なり、学びの幅が広いのが特徴です。
自分が「地域課題に取り組みたいのか」「国際問題に関心があるのか」「幅広く政策を学びたいのか」によって、選ぶ学科や大学も変わります。
また、総合政策学部は比較的新しい学部のため、まだ学部として独立していない大学もあります。例えば「国際関係学部の総合政策学科」「法政経学部の総合政策専攻」といった形です。
そのため、志望校を検討するときは学部名だけにとらわれず、総合政策を学べる学科や専攻があるかどうかを確認することが大切です。
総合政策学部で学ぶ内容
総合政策学部の学びの分野は多岐にわたります。代表的な領域は次のとおりです。
主な学問分野
法政策学
法律を基盤に、どのように政策を設計し実行するかを考える分野です。行政法や憲法を学びながら、環境問題や地域課題など具体的テーマに法律をどう応用できるかを研究します。
経済政策学
景気変動、雇用、産業振興、格差是正など、経済活動に直結するテーマを学びます。経済学の知識を基盤に、政府や自治体がどのような政策を行えば持続可能な成長を実現できるのかを研究します。金融政策や地域経済活性化策を立案する演習もあり、理論と実践を結びつけながら学ぶことができます。
政治・行政学
国や地方自治体の政策決定の仕組みを理解し、実際の行政運営や政治プロセスを分析。選挙制度や議会運営、行政改革などを題材に、政策がどのように生まれ、実施されていくのかを学びます。公務員や行政官への就職を目指す学生には直結する知識であり、現場の政策立案に携わる力を養えるでしょう。
環境・地域政策学
環境保全やまちづくり、防災など、地域に根ざした課題を扱います。人口減少や高齢化による地域課題、災害に強いまちづくり、再生可能エネルギー導入など、実践的なテーマが多いのが特徴。フィールドワークや自治体との共同研究を通じ、地域の現場に即した政策づくりを体験できます。
国際政策学
国際関係や国際協力をテーマに、グローバルな課題を政策的に解決する方法を探究。外交、安全保障、開発援助、国際機関の役割などを研究し、国際社会で求められる視点を養います。難民問題や気候変動への国際対応を題材に、国際的な枠組みと政策のあり方を考える授業も行われます。
情報政策学
現代社会の政策に欠かせないデータ分析や情報技術(ICT)の活用を研究します。例えば、行政のデジタル化や、大量のデータ(ビッグデータ)を用いた政策評価、AIを活用したシミュレーションなど。数字やデータを根拠として政策を設計する力を養えるため、企業や官公庁での実務にも直結するスキルを身につけられるでしょう。
こうした学びを通して、社会の課題を多角的にとらえる観察力、データや統計を正しく読み解く分析力、複雑な課題を整理して考える論理的思考力、自分の考えを明確に伝える表現力、そして立場の異なる人々と協力して合意形成を進める協働力が自然と身につきます。
これらは、将来どの業界・職種に進んでも役立つ「一生ものの力」となります。
総合政策学部での勉強のおもしろさは?
総合政策学部の学びは、法律や経済といった専門知識を土台にしながら、現実の社会問題を多角的に分析して解決策を考える知的探究の連続。授業や演習、現場での体験を通じて、「社会をより良くする政策」を自分の頭で構想することのおもしろさを実感できるでしょう。
ここでは、総合政策学部ならではの学びの魅力を具体的に紹介します。
身近な社会課題で政策を考えるおもしろさ
総合政策学部では、ニュースや日常生活で目にする課題が勉強のテーマ。「少子高齢化で働く人が減ったら?」「交通渋滞を減らすには?」といった身近な問題を「なぜそうなっているのか」「どう改善できるのか」と掘り下げて考えます。自分の暮らしに直結する課題を扱うため、学びは机上の空論で終わりません。知識で社会を変える政策を生み出す実践が、深い納得感と大きな充実感につながる学部です。
フィールドワークで現場に触れるおもしろさ
机の上で勉強するだけでなく、地域の人にインタビューしたり、市役所のまちづくり会議に参加したりする機会があります。授業で学んだ知識を実際の現場で試せるので、「勉強が社会にどうつながるか」を肌で感じられるのが魅力です。
政策立案シミュレーションの醍醐味
授業の中には、政治や行政をまねたシミュレーションがあります。学生が議員や官僚の役を担当し、ある社会問題をどう解決するかを話し合って政策を提案。意見がぶつかっても、最終的に一つの案にまとめていく過程は、まるで模擬国会のように白熱します。実社会に近い経験であり、交渉力や論理的思考力を鍛えられる場となるでしょう。
学際的な学びを横断できるおもしろさ
総合政策学部の大きな特徴は、法律・経済・政治・情報・環境など複数の分野を組み合わせて学べること。「環境問題」を考えるときには、法律だけでなく「経済的にどれくらいお金がかかるのか」「二酸化炭素がどれくらい減るのか」といったデータをあわせて検討します。いろんな角度から一つの課題を見るおもしろさを実感できるはず。
総合政策学部で学ぶメリットや役に立つ場面
総合政策学部での学びは、複雑な社会課題に多角的にアプローチする姿勢を養うだけでなく、仕事や日常生活のあらゆる場面で役立つスキルへとつながります。
幅広い分野を横断的に学ぶからこそ、進路の選択肢が広がり、キャリア形成に強みを持てるのが大きな特徴。ここでは、そのメリットと実際に役立つシーンを紹介します。
幅広い分野を横断する力がつく
法律、経済、政治、環境、情報などを組み合わせて学ぶため、課題を多面的に分析できるようになります。例えば「地域活性化」を考える際には、経済的な側面に加え、法律上の規制や住民意識、情報発信の方法などを総合的に検討します。こうした広い視野は、行政や企業での政策立案・企画立案で役立つスキルとなるでしょう。
調査・データ分析のスキルが実務に直結
アンケートを作って調査したり、数字のデータを整理して結果をまとめたりする授業があります。こうしたデータを読み解く力は、企業のマーケティングやシンクタンクの調査など、社会に出てすぐ役立つスキルになるでしょう。客観的な根拠に基づいて提案できる人材は、多くの業界で重宝されます。
問題発見・解決力が養われる
総合政策学部の授業や演習では、現実の社会課題を自ら見つけ、その解決策を考える力が求められます。単なる知識の習得にとどまらず、理論と現場を結びつけながら「実行可能な解決策」を導くプロセスは、社会人としての問題解決力を大きく高めてくれるはずです。
コミュニケーション力と発信力が磨かれる
ゼミやグループワーク、政策シミュレーションを通じて、他者と議論しながら合意形成を進める経験が豊富に得られるでしょう。自分の考えを分かりやすく伝えつつ、異なる立場の人の意見を調整するスキルは、職場の調整業務や会議、プレゼンテーションの場で生かせる強みとなります。
総合政策学部で学んだことが実際に役立った場面の体験談
総合政策学部出身者の皆さんにご協力いただいたアンケート調査の結果をもとに、「総合政策学部で学んだ知識やスキルが実際に役立った場面」についてご紹介します。
文理横断の学びが社会人としての課題解決力に直結
「関西学院大学の総合政策学部は文系と理系の学問を幅広く学べるのが特徴でした。仕事で課題に直面したときも、理系的な分析力と文系的な発想力をあわせて活かせるのは、この学部ならではだと思います。」
(関西学院大学 総合政策学部卒・男性)
文章力が社会人の基礎スキルとして活かされた
「大学では、自分の考えを文章にする授業が多かったため、社会に出てから文章を書くような業務にかなり役立ちました。報告書や提案書をまとめるときに、簡潔に分かりやすくまとめる力が自然と身についていました。」
(島根県立大学 総合政策学部卒・男性)
政策立案シミュレーションが合意形成力につながった
「政策立案のシミュレーションを通じて、利害の異なる人の意見を整理し、最適な解決策を導く訓練をしました。今の職場でも、社内外の調整や合意形成を進める場面で非常に役立っています。」
(関西学院大学 総合政策学部卒・女性)
総合政策学部の就職事情!何になれる?
総合政策学部は、社会課題を多角的に学べる“実学系”の学部として、就職市場でも幅広い評価を受けています。
法律・経済・政治・国際・情報などを学問の垣根を越えて学ぶことで、課題を多面的に分析し、解決策を考える力を養えます。
このように培った知識やスキルは、メーカー・金融・不動産・建設・官公庁など、多様な就職先で活かすことができます。大学で学んだことが就職活動のアピール材料となるだけでなく、入社後の実務にも直結。これが企業や官公庁からも「幅広い視野と分析力を備えた人材」を輩出する学部として評価されている理由です。
ここでは、実際のアンケートデータをもとに、総合政策学部の主な就職先や卒業生が何になれるのかを具体的に紹介します。
総合政策学部の主な就職先
メーカー
製品を扱う現場では、課題発見力や提案力が求められます。総合政策学部で学んだ「多角的に物事をとらえる力」や「論理的に説明する力」は、営業や企画の業務で活かせるスキルです。プロジェクト進行の際に意見調整を任される場面もあり、協働力が評価されやすい環境です。
金融
銀行や保険などの金融業界は、説明力や発信力が重要となる分野です。総合政策学部で発表やディスカッションを繰り返した経験は、就職活動の自己PRや、社会人としての会議・プレゼンの場で活かせます。論理的に話を組み立てられる力は、顧客対応においても大きな強みとなります。
不動産・建設
顧客対応や営業活動が中心となる不動産・建設業界では、大学で培ったコミュニケーション力や幅広い視点が役立ちます。外国語の講義や多様な人との交流経験を通じて養った対応力は、接客や説明の場面で強みになりやすく、信頼関係を築く力として活かせるでしょう。
小売・流通
総合政策学部で鍛えた「データを読み解く力」や「消費者の動向を多面的にとらえる力」は、売れ筋商品の分析や販売戦略の立案で活かせます。店頭での接客やキャンペーン企画の場面でも、幅広い視点と調整力が評価されやすい業界です。
総合政策学部卒業の女子の就職先は?
アンケート調査をもとに、総合政策学部出身の女子の就職先例をご紹介します。
メーカー
食品や日用品、家電など、生活に身近な商品を扱うメーカーは女子学生にも人気の業界。大手企業では福利厚生や制度が整っていることが多く、長く働きやすい環境が整っています。消費者の目線を活かした発想や、関係部署の意見をまとめて進める力が強みになります。
金融
銀行や保険などの金融業界は安定性が高く、キャリアを積みやすい業界。顧客に安心してもらえる説明や、正確な情報の整理が求められるため、大学で培った発表や議論の経験がそのまま役立ちます。生活とキャリアの両立を重視したい女性に選ばれる進路でもあります。
不動産・建設
住まいや暮らしに関わる不動産・建設の仕事では、お客さまの希望を丁寧に聞き取り、信頼関係を築く姿勢が大切。総合政策学部で身につけた多角的な見方やコミュニケーション力は、納得感のある提案につながります。生活者としての視点が活かせる場面も多く、人と接することを大切にしたい人に向いています。
実際の総合政策学部の就職体験談
アンケートに寄せられた声から、総合政策学部での学びが就職活動や社会人としての業務にどう活かされたのかを具体的にご紹介します。
【メーカーに就職した関西学院大学 総合政策学部卒・男性】
就職活動でのメリット
「関西では関西学院大学の評判が高く、エントリーシートで落とされることはありませんでした。幅広い知識や分析力を背景に、面接での回答の幅を広げられたのも強みでした。」
職場で活かされた経験
「総合政策学部は文系と理系の学問を高いレベルで学ぶことができるので、仕事での問題について考えるときに人的問題とコストをセットで考えられるようになりました。」
【メーカーに就職した関西学院大学 総合政策学部卒・女性】
就職活動でのメリット
「総合政策学部での学びは、単に知識を蓄えるだけでなく、問題解決に向けた分析力や提案力を培うものでした。企業説明会や面接で『課題を発見し、仮説を立てて行動できる点』に注目してもらい、実際に複数企業から高評価をいただきました。 」
職場で活かされた経験
「業務でのプロジェクト進行の際、部門間の意見調整やリスクの洗い出しを担当することがあります。学部でのケーススタディやディスカッション形式の授業が土台となり、全体を俯瞰した判断や調整役として活躍できています。」
【不動産業界に就職した日本大学 国際関係学部総合政策学科卒・女性】
就職活動でのメリット
「幅広い分野を学んだ経験や、海外の方を含め多様な人との交流経験を通じて培ったコミュニケーション力をアピールできました。」
職場で活かされた経験
「複数の外国語の講義が必須だったため、海外の方も多く来場される職場で、英語やその他の言語が役立っています。」
【官公庁に就職した龍谷大学 政策学部卒・女性】
就職活動でのメリット
「SDGsの事を詳しく説明できたり、未来の社会についてしっかりと考えられる人だという印象を面接官に与えることができました。」
職場で活かされた経験
「学部での授業では一人で答えを出すのではなく、仲間と意見を出し合いながら最適解を探る訓練が多かったため、現在の職場でも周囲と協力して課題に取り組む力が自然と活かされています。」
総合政策学部に向いているのはどんな人?
総合政策学部の学びは、社会の課題を多角的にとらえ、実際の解決につなげることを目指しています。法律・経済・政治・情報など幅広い分野を横断して学ぶため、好奇心や柔軟な考え方が求められる学部です。
ここでは、総合政策学部に向いている人の特徴や考え方の傾向をわかりやすくご紹介します。「もしかして自分に合っているかも?」と感じたら、進路選びの参考にしてください。
総合政策学部に向いている?を簡単診断
以下のチェックリストで、あなたが総合政策学部に向いているかどうかを診断してみましょう。
当てはまる項目が多いほど、総合政策学部での学びと相性が良いかもしれません。
判定結果
- 15〜20個該当
総合政策学部に非常に向いています。複数の分野を学び、調査力や合意形成力を磨くことで、幅広い進路で活躍できる可能性が高いでしょう。 - 10〜14個該当
総合政策学部に向いています。興味のあるテーマを見つけて深めることで、大学生活がより充実します。 - 5〜9個該当
一定の適性はありますが、他学部も比較しながら自分の関心を探してみるのがおすすめです。 - 0〜4個該当
他学部も含めて幅広く検討してみるとよいでしょう。自分が最も関心を持てる学びを大切にしてください。
診断のポイント
総合政策学部で特に重要なのは、「幅広い知識を結びつける力」「論理的に考える力」「調整や合意形成を進める力」の3つです。
「交通渋滞をどう解消するか」「地域の人口減少にどう対応するか」といったテーマを、法律・経済・地域社会・情報技術などさまざまな視点から考えられる人は、この学部で大きく成長できるでしょう。
少しでも興味を感じたら、オープンキャンパスや模擬授業などで実際の雰囲気を体験してみるのもおすすめです。
総合政策学部によくある志望理由
アンケート調査をもとに、実際に総合政策学部に進学した先輩たちのリアルな志望理由をご紹介します。どのようなきっかけで商学部を選んだのか、参考にしてみてください。
幅広い分野を学べるから
「高校時代にまだ大学で学びたいことが決まっておらず、分野を狭めるよりは大学に入って様々な分野を学びたいと思いました。法学や経済、国際関係など幅広く扱っている点に惹かれました。」(関西学院大学 総合政策学部卒・男性)
就職の選択肢を広げたかったから
「大学受験時には将来就きたい仕事が決まっていませんでした。総合政策学部は幅広く学べる分、就職先の選択肢も広いと思い、この学部を選びました。」 (島根県立大学 総合政策学部卒・男性)
「高校時代に進路を明確に決められなかったのですが、国際関係と総合政策の両方を学べることで幅広く将来を考えられると思い、この学科を志望しました。」 (日本大学 国際関係学部総合政策学科卒・女性)
国際・環境・地域など多様なテーマに興味があったから
「国際関係や環境政策、経済、行政、まちづくりなど幅広く学べる点に魅力を感じました。将来の進路がまだはっきり決まっていない中で、多様なテーマに触れられるのは大きな魅力でした。」(関西学院大学 総合政策学部卒・女性)
社会や環境に関わる学びを重視したかったから
「持続可能な社会のために、理論と実践を組み合わせて学べる点に惹かれました。自然や社会など幅広い方面から学べることに魅力を感じました。」 (龍谷大学 政策学部卒女性)
総合政策学部で学ぶ前に知っておきたい注意点は?
総合政策学部は幅広い分野を学べる魅力がある一方で、課題を感じた卒業生の声もあります。アンケートに寄せられた意見をもとに、その理由を3つに整理しました。
1. 学ぶ内容が広く浅く、専門性を説明しにくい
「総合政策学部ということもあり、『結局、大学で何を学んできたの?』とよく聞かれました。幅広い知識を学べる反面、一言で説明できる専門性がなく、就活では伝えにくい面もありました。」 (関西学院大学 総合政策学部卒・男性)
2. 将来の方向性を自分で決めにくい
「専門性があまりない学部でしたので、大学で何を学んできたか聞かれた時に一言で答えにくい場面がありました。自分で関心分野を見つけて深めないと、方向性が定まらずに終わってしまう危険もあります。」 (島根県立大学 総合政策学部卒・男性)
3. 他学部に比べてアピールポイントが分かりにくい
「法学部なら法律、経済学部なら経済と明確に言えるのに対して、総合政策学部は説明が難しいと感じました。幅広く学べる良さはあるものの、就職活動では工夫が必要だと思います。」 (関西学院大学 総合政策学部卒・男性)
向いていない人の特徴
こうした意見を踏まえると、次のような人には総合政策学部はあまり向かないかもしれません。
明確な専門スキルや資格取得を第一に考えている人
総合政策学部は幅広い分野を横断的に学べる反面、「専門は何か」と聞かれると説明しにくい面があります。法律や経済などを一から深く掘り下げたい場合は、法学部や経済学部などの専門学部の方が合っていることもあります。
受け身で授業を受けるだけで、自分からテーマを深める意欲が薄い人
学びの幅が広いからこそ、自分で関心分野を見つけて掘り下げないと方向性が曖昧になりがちです。アンケートでも「結局何を学んだのか説明しづらかった」という声がありました。
学んだことを言語化して説明するのが苦手な人
総合政策学部では複数の分野を組み合わせて考えるため、「どういう力が身についたのか」を言語化する力が欠かせません。ここを避けると、就職活動で自分の強みを伝えにくい場面があります。
自分の興味を大切に
これまで紹介した声は、あくまで個人の体験や考えに基づくものです。実際には、総合政策学部で充実した学生生活を送り、その学びを活かして官公庁や企業、地域社会など幅広い分野で活躍している卒業生も多くいます。
大切なのは、自分が本当に興味を持てるテーマを見つけ、それを深めていくことです。総合政策学部の学びは、法律・経済・政治・情報・環境など多彩な分野に触れられるからこそ、自分の関心に合った課題を見つけるチャンスがあります。
その興味をもとに積極的に学び、ゼミやフィールドワーク、政策シミュレーションといった実践的な経験を積めば、学生生活はきっと充実し、将来にも直結します。
おすすめの総合政策学部がある大学ランキングTOP3
総合政策学部とそれに準じた学びを提供する学部の中から、学習レベル・研究実績・進路実績・出願方法の豊富さなどを総合的に評価し、おすすめの大学を国公立・私立に分けてご紹介します。
総合政策学部が強い!おすすめの私立大学TOP3
1位:慶應義塾大学 総合政策学部
慶應義塾大学 総合政策学部は、日本で最初に設立された総合政策学部のパイオニア的存在。自分の関心をとことん追求できる環境が最大の強みです。
ここでは、原則2年次から研究会に所属し、自らのテーマを設定して探究を進めることができます。講義で得た知識を活かす研究会やプロジェクト活動も充実。「学ぶこと」と「実践すること」が一体化しています。
さらに、湘南藤沢キャンパスには、24時間利用可能な施設や先進的なICT環境、映像・編集機材など、学生の発想を形にするためのインフラが整備。自分のアイデアを実際の研究やプロジェクトに落とし込む後押しとなっています。
また、教員が学生の挑戦を支えるメンターとして寄り添うのも特徴です。学生一人ひとりの興味や研究テーマに寄り添いながら、共に考え、実現まで導いてくれるのも、この学部ならではと言えるでしょう。
2位:青山学院大学 総合文化政策学部
青山学院大学 総合文化政策学部の最大の魅力は、日本の文化の中心地・青山という立地を活かし、文化や芸術の最前線に直接触れながら学べる点です。
地域や外部機関と連携して行う「ラボ・アトリエ実習」や、文化・アートの創造を推進する「青山コミュニティ・ラボ(ACL)」では、学生自身が社会とつながりながら実践的に学ぶことができます。単に知識を学ぶだけでなく、外部のクリエイターや実務家から直接指導を受けられるため、現場で通用するスキルと実力を学生のうちから養えるのが大きな強みです。
さらに、「メディア文化」「ソーシャルデザイン」「表象文化」といった多彩な分野から専門を選べるため、自分の興味を活かしながら将来につながる経験を積めるのも魅力。青山の街と連動した学びは、学生にとって就職やキャリアの大きなアドバンテージとなります。
3位:中央大学 総合政策学部
中央大学 総合政策学部は、政策そのものの理論と実例をしっかりと学べる総合政策学部の王道的カリキュラムが特徴。特に政策科学科では、政治・法律・経済を体系的に学び、政策が社会でどのように機能するのかを多角的に理解することができます。
さらに、法律に強い伝統を持つ中央大学の特性を活かし、法学と経済学の知見を組み合わせて政策を考える教育が展開されているのも大きな強みです。公務員や政策立案・行政を志す学生はもちろん、企業の企画や政策対応部門を目指す学生にとっても実用性の高い学びが得られます。
総合政策を学べる!おすすめの国公立大学TOP3
1位:一橋大学 社会学部
一橋大学 社会学部は、日本で最も長い歴史を持つ社会学部のひとつとして、社会課題を多角的に分析し、政策につなげる力を養えるのが大きな特徴です。社会学・政治学・経済学など幅広い分野を横断的に学びながら、現代社会の複雑な課題を理論と実証の両面から探究します。
さらに、社会政策を専門的に研究できる研究室・ゼミが存在するのも強みです。例えば労働・福祉・教育といった社会問題を取り上げ、データ分析やフィールドワークを組み合わせながら実践的に学ぶことができます。
社会の仕組みを深く理解し、公共政策や企業戦略に活かせる人材を育成する点で、まさに国立大学の中でトップクラスの環境といえるでしょう。
2位:横浜国立大学 都市科学部
横浜国立大学の都市科学部は、都市というフィールドを通して政策を実践的に学べるユニークな学部です。都市社会や都市経済、環境・交通・まちづくりといった領域を横断的に学び、実際の都市課題に向き合うことができます。
特に横浜という大都市に立地している強みを活かし、自治体や企業と連携した実習やプロジェクト型授業が豊富。理論だけでなく、リアルな現場で政策のあり方を体験的に学べるのが魅力です。都市問題を切り口に総合政策を学びたい学生におすすめの学部です。
3位:東京都立大学 都市環境学部
東京都立大学の都市環境学部は、東京という大都市を舞台に、都市が抱える課題を実践的に学べるのが特徴です。都市政策科学科では、高齢化や環境問題、防災、多様性といった複雑なテーマを扱い、理論にとどまらず現場での研究を重視しています。
また、理系的な都市環境研究と社会科学的な政策研究を組み合わせることで、文理の垣根を越えた学際的な学びが可能です。東京というフィールドを活かした具体的な課題解決に挑戦できる点で、国公立大学の政策系学科の中でも独自の存在感を放っています。
総合政策学部のその他の注目大学
関西学院大学 総合政策学部
関西学院大学 総合政策学部では、文理横断のカリキュラムで、法律・経済・国際関係などを複合的に学び、社会課題の解決力を養います。政策立案シミュレーションやフィールドワークなど実践的授業が多く、自治体や企業と連携して地域の課題に取り組めるのが大きな魅力です。
津田塾大学 総合政策学部
津田塾大学 総合政策学部は、女性の社会進出や国際的キャリアを意識した教育が特徴です。国際関係・社会政策・ジェンダー・環境に加えデータサイエンスを重視し、少人数制で議論を深められます。国内外のインターンやフィールドワークも充実し、知識を実践に活かせる環境が整っています。
千葉大学 法政経学部
千葉大学の法政経学部は、「法学コース」「経済学コース」「経営・会計コース」「政治学・政策学コース」があり、総合政策学部に近い学際的な教育を実施しています。千葉県という地域性を活かした自治体との連携プロジェクトも多く、実際の政策立案に近い体験をすることが可能です。
岩手県立大学 総合政策学部
岩手県立大学の総合政策学部は、地域社会の課題解決を軸に据えた教育が特徴です。人口減少や高齢化といった地方特有の課題を対象に、現場でのフィールドワークや調査を重視しています。学生は自治体や地域団体と協力しながら学ぶ機会が多く、理論だけでなく実践力を磨ける環境です。
まとめ
総合政策学部は、法律・経済・政治・国際関係・情報・環境など幅広い分野を学び、社会課題に向き合いながら解決策を考える学部。学びの幅が広いからこそ、自分の関心に合わせてテーマを深め、実践につなげられる柔軟さが大きな特徴です。
一方で、「学びが広く浅くなりがちで、専門性を説明しづらい」との意見もあり、主体的にテーマを掘り下げて学ぶ姿勢が求められる学部といえます。
変化の激しい現代社会においては、複雑な課題を整理し、多様な立場を調整しながら解決へと導く力が求められます。総合政策学部での学びは、まさにそのための基盤を築くもの。進学を検討する際には、大学ごとのカリキュラムや実習内容をよく比較し、自分の興味や将来像に合った環境を選ぶことが大切です。
少しでも関心を持った方は、オープンキャンパスや模擬授業に参加し、実際の雰囲気を体験してみてください。総合政策学部で培う学びと経験は、将来のキャリアを大きく広げる力になるはずです。
アンケート調査概要
調査対象:総合政策学部出身の20代~40代(有効回答数6名)
調査時期:2025年7月
調査機関:自社調査
調査方法:インターネットを使用した任意回答
調査レポート名:「総合政策学部卒業生の大学時代の学びの活用状況」についての調査
※本調査レポートの内容(グラフ・データ・本文など)の無断転載・改変を禁じます。
掲載しているグラフや内容を引用する場合は、出典「塾選ジャーナル調べ:『総合政策学部卒業生の大学時代の学びの活用状況』についての調査」と明記し、『塾選ジャーナル』の記事(https://bestjuku.com/shingaku/s-article/33875/)へのリンク設置をお願いします。
執筆者プロフィール

塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。