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情報学部では何を学ぶ?就職事情や向いてる人も徹底解説

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大学受験
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「情報学部って、何を学ぶの?プログラマーになるための学部なの?」
そんな疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。

情報学部は比較的新しい学部で、まだなじみが薄いかもしれません。ですが、実際には就職にも強い学部として注目されています。その理由は、プログラミングやコンピュータに加えて、データサイエンスやAI、情報デザインなど、社会で今まさに求められているスキルを幅広く学べるからです。

また、技術面にとどまらず、人や社会との関わりの中で情報をどう活かすかまで学べるのも特徴的。数学が得意でなくても挑戦しやすい学科があり、文系科目で受験できる大学も少なくありません。さらに社会学や経済学と組み合わせた学びを提供する大学もあり、文系出身者にも門戸が開かれています。

卒業後の進路もIT業界のほか、メーカーや金融、マスコミ、官公庁など、多彩な就職先につながるのも魅力です。

この記事では、情報学部とはどんな学部か、何を学ぶのか、就職事情、さらに向いている人の特徴まで、わかりやすく解説します。

塾選ジャーナル編集部

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目次

情報学部とは?

情報学部は、「情報をどう集め、整理し、活用するか」を科学的に学ぶ学部です。

基盤となるのは数学やプログラミングなどの理系スキルですが、それだけではありません。情報の社会的な影響やデータを活用した意思決定、情報デザインや人との接点を作るインターフェース設計といった幅広い分野を扱います。

多くの大学で、実習やグループワーク、システム開発プロジェクトなど実践的な科目が用意されており、座学にとどまらない「作って試す」学びが情報学部の大きな特徴です。

情報学部にはどんな学科がある?

情報学部は、大学によって設置される学科の内容が大きく異なります。理系寄りの専門分野から、社会科学やデザインに近い領域まで幅広くカバーしているのが特徴。ここでは、その中から代表的な学科を取り上げて紹介します。

情報科学科

情報の仕組みや計算の原理を理解し、社会や産業で活用できる情報技術を学ぶ学科です。

アルゴリズム、AI、データサイエンス、ソフトウェア開発などを幅広く学習。実習や演習を通じて実践的なスキルを身につけます。

情報工学科

工学的な視点から情報技術の応用を学びます。システム開発、ロボティクス、IoT、組込み技術などを対象に、実習や演習を通じて実践的なスキルを習得。ものづくりに直結する学びが中心です。

情報デザイン学科

人間中心設計(HCD)やUI/UXを重視し、誰にとっても使いやすいサービスやシステムを考える学科。アプリやWebデザイン、VRや映像表現なども扱い、技術とデザインの両面を学びます。

社会情報学科

SNSやメディアの影響など、情報化が社会に与える影響を研究します。社会調査やデータ分析を行い、情報化が人や社会にどのような変化をもたらすかを研究している学科です。

その他の学科の例

大学によっては、独自の学科やコースが設けられていることも少なくありません。

たとえば、立命館大学 情報理工学部の「情報理工学科」には、知能情報コース・情報システムコース・セキュリティ・ネットワークコースなど7つの専門コースがあり、AIやデータサイエンス、セキュリティを体系的に学べます。

また、筑波大学 情報学群は「情報科学類」「情報メディア創成学類」「知識情報・図書館学類」の3学類。知識情報・図書館学類では、図書館やインターネットを通じた情報の整理と共有の仕組みを学習。情報を人や社会に活かす方法を探究できます。

このように情報学部は、大学ごとに「情報×理学」「情報×工学」「情報×社会」といった形で専門を組み合わせています。進路を考える際には、自分がどの領域に重点を置きたいのかを見極めましょう。

情報学部で学ぶ内容

情報学部で学ぶ内容の図

情報学部での学びは、単なるコンピュータスキルの習得にとどまりません。ここでは代表的な分野を紹介。

主な学問分野

情報科学(コンピュータサイエンス)
アルゴリズムやプログラミング、ネットワークなど、情報処理の基盤を学ぶ分野。効率的に問題を解決する力や、大規模システムを設計する力を身につけます。

データサイエンス
統計学や機械学習を用いて、大量のデータから意味を見つけ出す学問です。マーケティング分析、需要予測、医療や行政の意思決定支援など、社会のあらゆる場面で応用されます。

人工知能(AI)・機械学習
AIの基礎から深層学習、自然言語処理、画像認識まで幅広く扱います。自動化や効率化の技術にとどまらず、AIの倫理や社会への影響についても理解を深めます。

情報デザイン・ユーザーインターフェース
情報の「わかりやすさ」を追求する分野。アプリやWebサイトの使いやすさや見やすさを考えた設計を学びます。さらに、ゲームに用いるVRや、動画・画像といった映像表現も対象。

社会情報・コミュニケーション
SNSやネットメディアの影響、人と人とのコミュニケーションの仕組みを学ぶ分野。社会学や心理学と結びつけながら、「情報をどう伝えるか」を探究。文系的な要素が強いのも特徴です。

こうした学びを通して、情報学部では 観察力・分析力・論理的思考力・表現力・協働力が自然と身につきます。これらはプログラマーやエンジニアだけでなく、企画・マーケティング・研究開発など多くの職業で役立つ「一生ものの力」となるでしょう。

情報学部での勉強のおもしろさは?

情報学部での学びは、データや技術を活用して社会や人を理解し、新しいサービスやシステムを生み出します。ここでは、情報学部ならではの魅力を紹介。

プログラミングを通じて「動くもの」をつくる楽しさ

情報学部といえば、まずプログラミングです。授業で学んだ知識をもとに自分でアプリやWebサイトをつくり、実際に動いた時の達成感は格別。学んだことが形になる実感こそ、情報学部の大きな魅力です。

データから社会を理解する面白さ

情報学部では、データを通して社会の動きを数字で理解します。たとえばSNSの投稿数や購買データを分析すると、流行や社会問題の背景が見えてくるでしょう。社会を「なぜそうなるのか」と客観的に捉える視点が養われます。

AIや最先端技術に触れられる魅力

人工知能(AI)や機械学習、ロボット、VRといった最新技術に触れられるのも情報学部の特徴。「未来をつくる最前線にいる」というワクワク感は、他の学部にはない面白さです。

学際的なつながりから広がる学び

情報学部は文系分野とも密接。経済学や社会学、心理学、デザインなどと組み合わせることで、情報を多角的に活用できます。異なる分野を学ぶ仲間と交流しながら学ぶことで、視野を大きく広げられるのも魅力。

情報学部で学ぶメリットや役に立つ場面

情報学部の学びは、就職や日常の多くの場面で活かせます。ここでは、情報学部ならではのメリットを紹介します。

就職での選択肢が広い

情報学部で学ぶプログラミングやデータ分析の力は、IT業界はもちろん、メーカー、金融、流通、官公庁など広い業界で求められています。進路の自由度が高いのが大きな強み。

専門スキルが武器になる

AIやネットワーク、情報セキュリティなどの専門的スキル・知識は、そのまま仕事で役立ちます。学生のうちに資格や研究に取り組めば、就職活動でも「即戦力」として評価されるでしょう。

社会課題を考える力がつく

情報学部では、データをもとに社会の課題を分析します。たとえば、SNSの広がりや少子高齢化といった現象を数値でとらえることで、客観的に社会を考える力を養成。

情報発信が鍛えられる

データをどう伝えるかを学べるのも特徴的。情報デザインやUI/UXを学ぶことで、人に伝わるプレゼン資料や、使いやすいアプリ・サービスを作れるようになります。ビジネスや就職の場面で強みになります。

情報学部で学んだことが実際に役立った体験談

ここでは卒業生の声をもとに、どのように学びが役立ったのかを具体的に紹介します。

プログラミングの基礎が学習・業務に直結した

「大学でC言語を一から学んだことで、他のプログラミング言語を習得する際にスムーズでした。社会人になってから新しい技術に挑戦するときも、基礎力が土台になっています。」 (工学院大学 情報学部卒・女性)

「新卒で入社した会社がIT業界で、職種もシステムエンジニアでした。大学で学んだプログラミングの基礎知識があったことで、研修や実務にスムーズに入れました。」(電気通信大学 情報理工学部卒・女性)

デザインやWeb制作スキルが実務に活きた

「IllustratorやPhotoshopなどのAdobeソフトウェアやHTMLを使った授業での経験が、バナー制作やWebページのコーディング業務に役立っています。学生時代に学んだことが、社会人になって即戦力になったと感じています。」 (文教大学 情報学部卒・女性)

情報リテラシーが日常や職場で役立った

「パソコンやスマートフォンの仕組みを理解していたことで、職場でのトラブル対応や業務の効率化に活かせました。システムの基礎を知っているだけでも安心感がありました。」 (Barcleys College 情報通信学部卒・男性)

このように、情報学部での学びは「プログラミング」「デザイン」「情報リテラシー」など幅広い分野で活かされています。理論にとどまらず、日常や職場の現場で実践的に役立つ知識とスキルを身につけられるのが大きな特徴です。

情報学部で取得を目指せる主な資格

情報学部で取得を目指せる主な資格

情報学部では、学んだ知識を活かせる資格が数多くあります。大学によっては資格取得を支援する科目や実習が用意されていることも。在学中から実践的なスキルを身につけながら資格取得を目指すことが可能です。

基本情報技術者試験(FE)

情報処理技術者試験の登竜門。システム開発やネットワーク、データベースなど幅広い基礎知識を証明できます。IT業界への就職活動での強みになります。

応用情報技術者試験(AP)

FEよりも高度な内容を扱い、システム設計やプロジェクト管理などのスキルを証明できる資格。エンジニア職での就職時に高評価となります。

ITパスポート

情報セキュリティ、経営戦略、システム管理など、社会人に必要なIT知識を広くカバー。ITを使うすべての業界で評価される国家資格です。

教職(中学・高校:数学・情報 など)

情報学部のカリキュラムと教職課程を組み合わせることで、中学校では数学や技術などの免許、高校では数学や情報などの免許を取得できる大学もあります。教育分野でITを伝えるキャリアを考える人に有利。

情報セキュリティマネジメント試験(SG)

近年需要が高まっている情報セキュリティ分野の基礎資格。サイバー攻撃への対策や情報管理体制の整備に関わる知識を証明できます。

このほかにも、データベーススペシャリストやネットワークスペシャリストなどの高度情報処理技術者試験を目指せる大学もあります。資格取得の可否やサポート体制は大学ごとに異なるため、志望校の公式サイトやパンフレットで確認しておきましょう。

情報学部の卒業生の就職事情!何になれる?

情報学部卒業生の就職事情

情報学部では、これからの社会に欠かせない情報技術やデータ活用のスキルを身につけられるため、就職活動でも大きな強みになります。

ここでは、アンケートで多く挙げられた代表的な就職先と、そこで生かされる学びを紹介します。

情報学部の主な就職先

情報学部の主な就職先

ソフトウェア・通信(IT業界)

もっとも多くの学生が選ぶ進路。システム開発やアプリ制作、ネットワークの運用など、情報学部で学んだ知識がそのまま仕事に活かせます。特に近年はAIやデータサイエンスを専門にした学生が、入社後すぐに活躍できる職場も増加傾向。大学での学びを社会で活かせる環境が整っているのが魅力です。

メーカー

製造業の現場でも情報学部で学ぶ知識は欠かせません。製品開発や品質管理のシステム設計、IoT機器や組込みソフトウェアの開発に進む学生が多数存在。加えて、営業や企画職でもデータ活用やプレゼン力が求められ、大学で培った分析力が役立ちます。

医療・福祉・教育

医療や教育、福祉の分野に進むケースも。医療機関の情報システム管理や、学校でのICT導入支援、福祉現場でのデータ活用など、情報技術が社会を支える場面が少なくありません。デジタル化の進む今、情報リテラシーを持った人材の需要が高まっています。

官公庁・公社・団体

行政のシステム部門や公共インフラのデジタル化に携わる卒業生も。自治体の住民サービスをオンライン化したり、セキュリティ強化に関わったりと、社会を支える仕事です。安定した働き方ができる点も魅力。

情報学部卒業の女子の就職先は?

情報学部で身につくのは、プログラミング力・データ分析力・論理的思考力といった汎用性の高いスキルです。これらのスキルは、どの業界でも重宝される武器であり、待遇面もよい傾向。情報学部を卒業した女子学生も、そうした強みを生かして幅広い分野で活躍しています。ここでは、情報学部で学んだ知識を活かせる女子の主な進路を紹介。

ソフトウェア・通信(IT業界)

女子学生にとっても、IT業界は代表的な進路です。システム開発やサポート業務ではプログラミング力が活かされます。UI/UXデザインやデータ分析では利用者の視点が重視され、観察力や丁寧さが評価されることも。リモートワークや柔軟な働き方が選べる点も魅力です。

マスコミ・メディア・広告

情報発信やコンテンツ制作の場でも女子学生が活躍。Webメディアの編集や広告企画、デジタルコンテンツ制作では情報処理やデザインの知識が強みに。社会や生活者の視点をとらえる力が求められる分野であり、「データをどう伝えるか」という学びが活きます。

官公庁・公社・団体

公共部門も女子学生に人気の進路。行政のシステム運営やデジタルサービスの企画に加え、統計やデータ活用を政策に応用する仕事もあります。安定性に加えて産休・育休制度が整い、安心して働き続けられる環境を選びたい学生に支持されています。

実際の就職体験談

ここでは情報学部を卒業した先輩たちが、就職活動や実際の仕事でどのように学びを活かしてきたのかを紹介。学びがどのようにつながるのかをイメージしてみましょう。

【文教大学 情報学部卒・女性の体験談】

就職活動でのメリット
「AdobeやHTMLのスキルを身につけていたので、自己PRで具体的に話すことができました。Web制作やデザインの基礎を学んだ経験は、面接官からも評価されました。」

実際の業務での活用
「入社後はバナー制作やコーディングを担当しました。学生時代の演習経験がそのまま実務に直結し、最初から業務をスムーズに進めることができました。」

【工学院大学 情報学部卒・女性の体験談】

就職活動でのメリット
「大学でC言語を基礎から学んでいたことをアピールしました。『他の言語を習得する土台になっている』と説明でき、技術面の強みとして評価されました。」

実際の業務での活用
「開発現場で新しい言語を扱うときも、大学で得た基礎力が役立ちました。応用力を示せたことで、上司からの信頼も得られています。」

【Barcleys College 情報学部卒・男性の体験談】

就職活動でのメリット
「パソコンやスマートフォンの仕組みを体系的に学んだことを、情報リテラシーの高さとしてアピールしました。」

実際の業務での活用
「日常的なPCトラブル対応や業務効率化の提案に役立っています。特別なシステム部門でなくても、基礎知識を持っていることが仕事の中で強みになっています。」

【電気通信大学 情報理工学部卒・女性の体験談】

就職活動でのメリット
「システムエンジニア志望でしたが、大学でプログラミングをしっかり学んでいたことを具体的に伝えられたのが良かったです。」

実際の業務での活用
「新人研修や現場配属のときに、基礎知識があったおかげで理解が早く、仕事にスムーズに入ることができました。」

情報学部に向いているのはどんな人?

情報学部に向いている人

情報学部では、技術的なスキルに加えて、社会や人の動きを理解し、それを仕組みに落とし込む発想も求められます。ここでは、情報学部に向いている人の特徴をチェックリスト形式でご紹介。

情報学部に向いてる?を簡単診断

以下のチェックリストで、あなたが情報学部に向いているかどうかを診断してみましょう。当てはまる項目が多いほど、情報学部での学びと相性が良いかもしれません。

情報学部に向いているか簡単診断

判定結果

  • 15〜20個該当
    情報学部に非常に向いています。プログラミングやデータ分析などの専門スキルを伸ばしながら、社会で活躍できる可能性が高いでしょう。
  • 10〜14個該当
    情報学部に向いています。特に関心のある分野を深めることで、大学生活がより充実します。
  • 5〜9個該当
    一定の適性はありますが、他学部と比較しながら自分の進路を考えるのもおすすめです。
  • 0〜4個該当
    情報学部以外の学部も含めて検討してみましょう。自分がより興味を持てる分野を見つけることが大切です。

診断のポイント

情報学部で大切なのは、「論理的に考える力」「新しい技術を学び続ける姿勢」「データやシステムを社会に活かす発想力」。

たとえば、「なぜこのアプリは便利なのか」「SNSでこの機能が流行した理由は?」といった疑問を持ち続けられる人です。このような人は、情報学の学びを通じて大きく成長できます。

少しでも関心を持ったら、オープンキャンパスや模擬授業で実際に体験してみるのもおすすめ。

情報学部によくある志望理由

ここでは、実際のアンケート回答をもとに代表的な志望理由を紹介します。

ITスキルを武器に将来の仕事につなげたかったから

「プログラミングができたら将来仕事の幅が広がるし、どんなものでも作ることができる可能性を感じていました。情報学部ならその基礎から実践まで学べると思いました。」 (工学院大学 情報学部卒・女性)

メディア系への興味関心から

「高校時代からITやメディアに関心があり、将来はテクノロジーを活かした仕事に就きたいと考えていました。そのため、情報学部で学ぶことを決めました。」 (静岡大学 情報科学科卒・男性)

「出版についての勉強がしたかったため、情報学部を選びました。」 (文教大学 情報学部卒・女性)

情報技術が今後の社会で重要になると考えたから

「まだインターネットがそこまで発達していない時代でしたので、今のうちに学んでおけば数年後に役立つだろうと考え、情報学部を志望しました。」 (東京情報大学 総合情報学部卒・男性)

情報学部で学ぶ前に知っておきたい注意点は?

情報学部はプログラミングの実技からコミュニケーション学まで幅広い分野を学べる一方で、課題を感じる声もあります。アンケートに寄せられた意見をもとに、その理由を3つに整理しました。

1. 学んだ内容を就職活動で説明しにくい

「就職活動の面接で、情報学部で学んだことを一言で説明するのが難しかったです。幅広く学べる分、専門性をうまく伝えられず苦労しました。」 (静岡大学 情報学部卒・男性)

2. 専門性が浅いと見られることがある

「どの分野も広く浅く学んだ印象になってしまい、就活で『強みは何か』と聞かれた時に答えづらかったです。」 (関西大学 総合情報学部卒・女性)

3.作品実績がないと評価されにくい業界も

「プログラミングができるからといって、ゲーム業界でプログラマーとして就職するのは難しいと思います。何かしらゲームで作品を作らないと評価されないイメージです。」(電気通信大学 情報理工学部卒・女性)

向いていない人の特徴

アンケート回答を踏まえると、次のような人には情報学部はあまりおすすめできません。

目的が曖昧な人
幅広い分野を学べるのが魅力ですが、興味や方向性が定まらないと学びが散漫になり、充実感を得にくくなります。

受け身で学びたい人
授業だけでは力が十分につかず、自分でプログラミングや作品制作に挑戦する姿勢が必要です。受け身では成長が難しいでしょう。

資格一本で即戦力を求める人
情報学部では幅広い知識や分析力を育てますが、特定資格の取得に直結するわけではありません。短期間で結果を求める人には合わない可能性があります。

自分の興味を大切に

これまで紹介した声はあくまで個人の体験や考えに基づくものです。情報学部で充実した学生生活を送り、その学びを活かして多様な就職先で活躍している卒業生もたくさんいます。

大切なのは、自分が本当に興味を持てるテーマに向き合うこと。プログラミングやAIに挑戦したいのか、データを使って社会を分析したいのか、それともデザインやサービスづくりに関心があるのか。興味の軸を持つことで学びが深まり、かけがえのない強みになるでしょう。

おすすめの情報学部がある大学ランキングTOP3

おすすめの情報学部がある大学ランキングTOP3

情報学部を目指す際には、学べる分野の幅広さや研究環境、卒業後の進路実績を比較することが大切です。ここでは、国立・私立のおすすめ大学をランキング形式で紹介。

情報学が強い!おすすめの私立大学TOP3

1位:慶應義塾大学 理工学部・情報工学科

慶應義塾大学のキャンパス風景

慶應義塾大学 理工学部 情報工学科は、日本の情報科学をリードしてきた学科です。日本初の学術ネットワーク「JUNET」を立ち上げ、「日本のインターネットの父」と呼ばれる村井純教授を輩出。さらに、世界のウェブ標準を策定するW3Cの拠点を設置し、ICT発展に大きく貢献してきました。

教育面では、1・2年次に数学・物理・プログラミングを基礎から学び、3年次以降は情報セキュリティやヒューマンインタフェースなどの先端分野を探究。最新設備を備えた矢上キャンパスで実践的研究にも早期から取り組めます。

卒業後は多くが大学院へ進学し、研究者や専門職として活躍しています。

2位:早稲田大学 基幹理工学部 情報理工学科

早稲田大学 基幹理工学部 情報理工学科の魅力は、世界で活躍できる研究者・エンジニアを育てる教育システム

2007年の設置以来、IEEE/ACM基準に基づくカリキュラムで数学やプログラミングといった基盤を徹底的に強化し、情報技術を国際基準で体系的に学べる環境を整えてきました。

さらに、産業界と連携したプロジェクト型授業や、英語で学位を取得できる国際コースを設置。理論と実社会を結びつける実践力に加え、海外大学や国際企業でも通用する知識・技術力を兼ね備えた人材を育成しています。

3位:東京理科大学 理工学部・情報科学科

東京理科大学 理工学部・情報科学科は、厳格な実力主義と基礎重視の教育で知られています。数学やアルゴリズムを徹底的に鍛える厳しいカリキュラムは「理科大らしさ」を象徴しています。

そのうえで、1・2年次から演習・実験を通じて実践力を磨き、3年次以降は研究室で医療データ解析や社会システム設計など社会課題に直結するテーマに挑戦。理論を徹底的に積み上げたうえで応用につなげる力が養われます。

「努力した分だけ成長できる環境」で鍛えられた卒業生は、就職率も高水準。確かな基礎と応用力を武器に幅広い分野で活躍しています。

情報学部が強い!おすすめの国立大学TOP3

1位:東京科学大学 情報理工学院

東京科学大学 情報理工学院は、最先端の情報科学研究で国内外から高い評価を得る学部です。なかでもスーパーコンピュータを活用した大規模AI研究や映像検索技術、開発自然言語処理の分野は特に強く、2024年には「富岳」を用いた大規模言語モデルを発表するなど、世界的に注目される成果を挙げています。

教育面でも研究者志向の学生に最適な環境が整っています。学生の約9割が大学院へ進学し、より高度な研究活動に携わるのが特徴です。学部から大学院まで一貫して研究力を高められる体制があり、将来研究者や先端技術者を目指す人にとって大きなメリットとなります。

世界水準の研究実績と、研究に没頭できる環境を兼ね備えた情報理工学院は、AIやデータサイエンスなど情報科学の最前線で活躍したい学生にふさわしい進学先といえるでしょう。

2位:筑波大学 情報学群

情報を多角的に探究できるのが筑波大学 情報学群の大きな強みです。 情報学群は、情報科学類・情報メディア創成学類・知識情報・図書館学類の3学類から構成されており、それぞれに専門領域を持ちながら、共通科目や学際的な取り組みを通じて横断的に学べるのが特徴です。

さらに、筑波研究学園都市という立地を活かし、産業技術総合研究所や企業との共同研究やインターンシップの機会も豊富です。学んだ理論を実社会で試せる環境が整っているのは、筑波ならではの魅力です。

国際性や学際性も強みで、多くの留学生と学び合えるほか、人文社会系との連携も活発。卒業生はシステムエンジニアやデータサイエンティストにとどまらず、UXデザイナーや情報管理の専門職など、多彩なキャリアに進んでいます。

3位:名古屋大学 情報学部

名古屋大学 情報学部は、基礎から応用までをバランスよく身につけられるバランスに優れた学部です。自然情報学科、人間・社会情報学科、コンピュータ科学科という3学科を備え、数理・データ科学や複雑系、情報社会学など幅広い研究領域を学ぶことができます。

研究面では、理学・工学の強みを背景に、理論研究と社会実装をつなぐ取り組みが活発です。特に東海圏の産業界との連携が強く、自動車産業やロボティクス分野との協働を通じて、データサイエンスやAI技術を実社会で活かす人材を育成しています。

情報学部のその他の注目大学

TOP3以外にも、特色あるカリキュラムやユニークな学科編成を展開している大学があります。ここでは、情報学部志望者におすすめしたい注目大学を紹介します。

芝浦工業大学 システム理工学部 工学部 情報・通信工学課程/システム理工学部 電子情報システム学科

工学部 情報・通信工学課程では、情報工学コースでAIやプログラミングを体系的に、情報通信コースでネットワークやセキュリティをソフト・ハード両面から学べます。
一方、システム理工学部 電子情報システム学科は、情報工学・通信工学に加えて電子工学も横断的に扱い、ソフトからハードまで幅広く技術を習得できるのが特徴です。
いずれの専攻でも、企業との連携も盛んで、産業界で即戦力となる教育環境が整っています。

東京電機大学 未来科学部 情報メディア学科

情報メディア学科は、情報技術とデザイン表現の融合が特色です。CG・映像・UI/UXなどを実践的に学び、企画から発表まで制作プロセスを体験。クリエイティブとテクノロジーを兼ね備えた人材を育成し、映像・コンテンツ業界を志す学生に人気です。

一橋大学 ソーシャル・データサイエンス学部

社会科学×データサイエンスを融合させた新学部です。統計や分析を基礎から学び、社会課題をデータで解決する力を養成。人文社会の視点を持つことで、政策立案やビジネス分析など幅広い進路につながります。

青山学院大学 社会情報学部

社会学と情報学を組み合わせ、デジタル社会での人と情報の関係を探究。SNSやメディアが社会に与える影響を分析し、「情報が社会をどう動かすか」を研究できるのが特徴。広報やメディア、公共政策などに活かせる学びです。

明治大学 総合数理学部 先端メディアサイエンス学科

数学・情報・メディア表現を横断する教育が特色。AI、CG、VRなど先端技術を扱い、新しい表現やシステムを創出します。エンタメやシミュレーション分野に応用でき、技術と創造性を兼ね備えた人材を育成します。

まとめ

情報学部は、コンピュータサイエンス・AI・データサイエンスを中心に学べる学部です。加えて、デザイン・社会情報・メディア研究など、学科ごとに特色のある幅広い学びも可能です。大学によっては工学寄りの実践教育を展開するところもあれば、社会学や人文科学と融合させる学部もあります。文理を問わず自分に合った進路を描けるのが大きな魅力です。

学びを通じて得られるのは、プログラミング力・データ分析力・論理的思考力・問題解決力・社会課題への応用力といった汎用性の高いスキルです。これらはIT業界やメーカー、官公庁、メディア業界など幅広い就職先で強みとなり、女子学生にとってもキャリアの選択肢を大きく広げます。

一方で、情報学部は学べる分野が非常に広いため、受け身で学んでしまうと自分の強みを作りにくいことも。だからこそ、進学を考える際には「理論を深めたいのか」「社会やメディアと情報の関わりを学びたいのか」「実務的なIT技術を極めたいのか」と、自分の関心やキャリア像をしっかり考えることが重要です。

少しでも興味を持ったら、オープンキャンパスや模擬授業に参加してみましょう。カリキュラムや先輩の体験談を知ることで、自分の関心に合う学びが見えてきます。情報学部で得られる学びと経験は、変化の激しい情報社会を生き抜く大きな武器となり、未来の可能性を広げてくれるはずです。

アンケート調査概要
調査対象:情報学部出身の20代~40代(有効回答数14名)
調査時期:2025年7月
調査機関:自社調査
調査方法:インターネットを使用した任意回答
調査レポート名:「情報学部卒業生の大学時代の学びの活用状況」についての調査

※本調査レポートの内容(グラフ・データ・本文など)の無断転載・改変を禁じます。掲載しているグラフや内容を引用する場合は、出典「塾選ジャーナル調べ:『情報学部卒業生の大学時代の学びの活用状況』についての調査」と明記し、『塾選ジャーナル』の記事(https://bestjuku.com/shingaku/s-article/33977/)へのリンク設置をお願いします。

執筆者プロフィール

塾選ジャーナル編集部
編集部
塾選ジャーナル編集部

塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。

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