【2027年度】共通テスト利用入試とは?自分の得点を生かす方式の選び方・出願戦略を解説
「共通テストとは別に大学への出願が必要なのだろうか」「どの科目や配点で判定されるのだろうか」「一般選抜と併用すべきなのだろうか」。共通テスト利用入試(以下、共テ利用)について調べ始めると、こうした疑問が次々と出てくるのではないでしょうか。
共テ利用とは、主に私立大学が大学入学共通テストの成績を合否判定に利用する入試方式です。
この記事では、単独型と併用型の違いや出願から合格までの流れ、メリット・デメリット、科目数や配点を踏まえた方式選び、出願戦略とボーダーの見方までを順に解説します。
| 出願前の注意! 共テ利用の科目、配点、必要書類、出願期限は大学・学部・方式によって異なります。最終的な出願条件は、必ず受験年度の大学公式募集要項で確認してください。 |
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目次
共テ利用ってどんな入試?仕組みをまず理解しよう

共通テストの成績をどう使うかという基本と、単独型・併用型の違い、そして一般選抜との位置づけの違いを整理します。
共通テストの成績で私立大学に出願できる入試方式
共テ利用とは、主に私立大学が実施する、大学入学共通テストの成績を合否判定に使う入試方式です。
同じ共通テストの成績を、複数の大学・学部への出願に使えるのが最大の特徴です。1回の受験結果を軸に、併願の幅を広げられます。
ただし、共通テストを受験しただけで自動的に大学へ出願されるわけではありません。共通テストへの出願と、志望大学への出願は別の手続きです。出願単位や必要な手続きは方式によって異なります。
単独型と併用型、何が違う?

共テ利用には、大きく「単独型」と「併用型」の2つの方式があります。何を使って合否を判定するかがそれぞれの違いです。
共通テスト利用入試における単独型・併用型の比較表を以下に示します。
| 比較項目 | 単独型 | 併用型 |
|---|---|---|
| 合否判定に使うもの | 共通テストの成績が中心 | 共通テストの成績+大学独自試験 |
| 大学独自試験の有無 | 大学独自の教科学力試験は原則なし | あり |
| 向いている受験生 | 共通テストの成績を中心に合否判定を受けたい人 | 大学独自試験でも挽回したい人 |
| 注意点 | 一発の結果で判定されるため失点の影響が大きい | 試験日程の重複に注意が必要 |
単独型は共通テストの成績を中心に合否判定を受けたい人向け、併用型は大学独自試験での挽回も狙いたい人向けという違いを押さえておくと、方式選びの土台になります。単独型でも学部によっては面接や書類審査が課される場合があるため、面接・小論文の有無は募集要項で確認しておきましょう。
共テ利用と一般選抜、結局どっちがいいの?
共テ利用と一般選抜(大学独自の試験を中心に行う入試)は、使う試験も出願の負担も異なります。
以下の表で、主な違いを比較します。
| 比較項目 | 共テ利用 | 一般選抜 |
|---|---|---|
| 使用する試験 | 共通テスト(+大学独自試験の場合あり) | 大学独自の試験 |
| 複数校への出願 | 同じ共通テストの成績を利用できる | 大学ごとに試験を受ける必要がある |
| 本番の失敗が及ぼす範囲 | 1回の結果が複数校の判定に影響 | 大学ごとに結果が独立している |
共テ利用は1回の結果を複数校に使える効率性がある一方、その1回の結果に依存するリスクがあります。一般選抜は大学ごとの対策負担がありますが、共通テストの結果にかかわらず、大学独自試験で合格を狙える余地が残ります。
どちらが有利かを一概に決めるのではなく、両方を組み合わせることで合格ルートを増やせる、という視点で捉えるとよいでしょう。
共テ利用の申し込みから合格発表までの流れ

共テ利用は、出願のタイミングによって流れが少し異なります。全体の流れを表で整理すると、次のようになります。
| 順番 | ステップ | 内容 |
|---|---|---|
| 1 | 共通テストに出願 | 大学入試センターへ共通テストの受験を申し込む |
| 2 | 志望大学の出願期間を確認 | 事前出願か事後出願か、方式ごとの出願期間をチェックする |
| 3 | 大学へ出願 | 【事前出願】共通テスト受験前に出願/【事後出願】共通テスト受験・自己採点後に出願 |
| 4 | 共通テストを受験 | 事前出願の場合はこの時点で本番を迎える |
| 5 | 成績請求情報を提供 | 大学の指定に従って、成績を取り寄せるための情報を提出する |
| 6 | 大学が正式な成績を取得 | 大学入試センターから正式な得点が大学へ送られる(※出願すれば自動的に合格が決まるわけではありません) |
| 7 | 合否判定・合格発表・入学手続き | 大学が成績をもとに合否を判定し、結果が発表される |
特に混乱しやすいのが「共通テストの出願」と「大学への出願」の関係です。順番に見ていきましょう。
共通テストへの出願と、大学への出願は別物
共テ利用を受けるには、共通テストと志望大学の両方に申し込む必要があります。
共通テストへの出願だけでは、私立大学へ出願したことにはなりません。共通テストを受験する手続きと、各大学への出願手続きはまったく別のものです。
利用したい大学・学部・方式ごとに、それぞれ出願が必要です。同じ大学であっても、一般選抜と共テ利用は別出願になっている場合があります。
大学はどうやって自分の共通テストの点数を知るの?
共テ利用では、受験生が自己採点の結果を大学へ申告して合否が決まるわけではありません。大学は所定の成績請求情報を使い、大学入試センターから正式な成績を取得します。成績請求情報の提供方法には、志望大学の出願サイトと連携する「Web方式」と、チケットを印刷して提出する「チケット方式」があります。自己採点は、あくまで受験生自身が出願先を判断するための材料として使うものです。
出願は共テ前?後?「事前出願」と「事後出願」の違い
私立大学の共テ利用には、出願時期の異なる2つのタイプがあります。
| 項目 | 事前出願 | 事後出願 |
|---|---|---|
| 出願時期 | 共通テスト前 | 共通テスト後 |
| 判断材料 | 共通テスト模試の結果、過去問演習の得点 | 自己採点 |
| メリット | 早めに受験機会を確保できる | 得点を見て判断できる |
| 注意点 | 本番の得点がわからない | 出願先が集中する場合がある |
事前出願では、共通テスト模試などで把握した得点帯をもとに、チャレンジ・実力相応・安全校を分散させて出願先を決めることになります。事後出願では、自己採点後に大学独自の配点へ換算し、出願先を選ぶという流れです。どちらの方式で出願するかによって、判断材料も出願のタイミングも変わることを押さえておきましょう。
出願のときに必要な手続き・書類まとめ
出願時に必要となる代表的な項目は、次の通りです。
- Web出願登録
- 検定料の支払い
- 調査書
- 顔写真
- 志願票
- 成績請求に必要な情報の登録
- 郵送書類(必要な場合)
- 必着または消印有効の期限確認
これらはあくまで代表例であり、大学・方式によって必要な項目は異なります。Web出願の登録を完了しただけでは出願完了とならず、書類の郵送や検定料の支払いが別途必要になる場合がある点には注意しましょう。成績請求情報や必要書類の詳細は、志望大学の募集要項で確認してください。
共テ利用のメリット・デメリットを知っておこう

共テ利用には、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
1回の共通テストで複数の大学に出願できる
共テ利用の大きな特徴は、1回の共通テストの成績を複数校の出願に使えることです。
単独型であれば、大学ごとに試験会場へ足を運ばずに済む場合が多く、移動や宿泊の負担を抑えられます。特に地方在住の受験生にとっては、首都圏や関西圏まで出向かなくても複数の大学に出願できる点は大きな利点です。国公立大学志望者であれば、共通テストの受験勉強をそのまま私立大学への出願に生かせます。
一般選抜より受験料が安く済むことが多い
共テ利用は、一般選抜より検定料が低く設定されている大学が多い傾向にあります。同一大学の複数学部・方式へ出願する場合に割引制度を設けている大学もあり、交通費や宿泊費も含めて負担を抑えられる可能性があります。実際の金額は大学・出願方式によって異なります。
募集人数が少ない方式は倍率の見方に注意
共テ利用は、一般選抜より募集人数が少ない方式が多く見られます。出願しやすいことから志願者が集まりやすく、志願倍率(志願者数÷募集人員)は高く見えやすい傾向があります。
共テ利用には国公立大学やほかの私立大学との併願者も含まれるため、志願倍率だけでは合格難易度を判断しにくい面があります。志願倍率に加え、合格者数やボーダー、過去の入試結果も確認しましょう。
共通テスト本番の結果が、複数の大学の合否を左右する
共テ利用では、同じ成績を複数校で利用するため、一度の受験結果が複数の合否判定に影響するという構造があります。
マークミスや時間配分の乱れ、体調不良などの影響を大きく受けやすく、単独型では大学独自試験で挽回することもできません。この1回の結果に依存するリスクをカバーする方法として、一般選抜を併願しておくことが有効です。
大学・学部によって使う科目や配点がバラバラ
大学・学部・方式によって利用科目や配点は異なります。必要科目を受験していなければ、そもそも出願できない場合もあります。出願前に、利用科目・配点・判定方法の3点を必ず確認しましょう。
共テ利用は自分に向いてる?方式の選び方

共テ利用の特徴を踏まえ、自分に当てはめて判断するための視点を整理します。
こんな人は共テ利用が向いている
次のいずれかに当てはまる場合、共テ利用の活用価値は高いといえます。
- 国公立大学を第一志望にしている
- 共通テスト形式の問題で安定して得点できる
- 私立大学の受験機会を増やしたい
- 地方から遠方の私立大学へ出願したい
- 得意科目を高く評価する方式がある
- 大学独自試験の日程を増やしたくない
複数当てはまる場合は、共テ利用を併願計画に組み込む価値があります。
私立専願でも共テ利用は使える?
私立専願者にとって共テ利用が向いていないというわけではありませんが、いくつか注意点があります。
一般選抜と共通テストでは問題形式が異なるため、共通テスト対策に時間を使いすぎると、志望大学の一般選抜対策が薄くなってしまうことがあります。私立専願者は、共通テスト対策を新たに大きく増やすのではなく、一般選抜の学習を生かせる方式に絞って利用するのが基本です。
科目数・配点・得意科目から方式を選ぶコツ
方式選びは、次の順番で進めると整理しやすくなります。
- 受験した科目で出願できるか確認する
- 各科目の配点と換算方法を確認する
- 自分の得点を大学の配点に換算する
- 得意科目が高く評価される方式を選ぶ
確認すべき項目には、英語のリーディング・リスニングの比率、国語で古文・漢文を含めるかどうか、高得点科目を採用する傾斜配点の有無などがあります。自分の総合得点率だけで出願先を決めるのではなく、大学独自の配点で有利になるかを見ることが方式選びの核心です。
科目数が少ない方式と多い方式、どっちを選ぶ?
共テ利用の科目数はさまざまですが、代表的な3科目程度の少科目型と、4科目以上の多科目型を比較します。
少科目型は得意科目を生かしやすく、私立専願者にも利用しやすい一方、高得点の受験生が集まりやすい傾向があります。多科目型は国公立志望者が受験科目をそのまま利用しやすく、一部の苦手科目をほかの科目で補える場合がありますが、科目負担が大きいため私立専願者には利用しにくいこともあります。
科目数が少ないほど簡単というわけではなく、自分の得点分布に合う方式を選ぶことが重要です。
共テ利用の出願先はどう決める?ボーダーの正しい見方

実際の出願判断では、大学一覧やボーダーの数値をそのまま眺めるのではなく、自分の得点を出願先のルールに当てはめて考えることが大切です。
自分の得点を、志望大学の配点で計算し直してみよう
出願先を判断する際は、単純な総合得点率ではなく、志望大学が採用する科目と配点で得点を再計算することが重要です。
例えば、英語80%・国語70%・地歴公民60%の得点だった受験生を例に考えてみましょう。3科目の均等配点(各100点)であれば、総合得点率は70%です。一方、英語の配点が150点、国語・地歴公民が各75点という英語重視の配点であれば、換算得点率はおよそ73%まで上がります。
このように、総合得点率で見て届いていないと感じても、大学独自の配点では有利になっているケースがあるため、自己採点後は総合点だけで判断しないようにしましょう。
ボーダーは「超えたら合格」を意味するものではない
ボーダーを超えれば必ず合格するというものではありません。
この記事で参照するKei-Netのボーダーラインとは、河合塾が予想する合否の可能性が50%に分かれるラインです。大学が保証する合格点ではなく、実際の入試結果である合格最低点とも異なります。志願者の得点分布や募集人数によって結果は変動し、同じ大学でも学部・方式・科目数によってボーダーは異なります。
チャレンジ校・実力相応校・安全校をバランスよく組み合わせる
出願校を分散させる際は、「大学のボーダー」を基準にするのではなく、自分の換算得点がボーダーに対してどの位置にあるかを基準に考えます。
- 自分の換算得点がボーダーを下回る:チャレンジ校候補
- 自分の換算得点がボーダー付近:実力相応校候補
- 自分の換算得点がボーダーを一定程度上回る:安全校候補
ボーダーをわずかに上回る程度では、安全校とは言い切れません。過去の得点の変動や、予備校の判定なども合わせて確認しましょう。同じ難易度帯の大学だけに出願先を絞らず、得点帯を分散させて出願することをおすすめします。
主要私立大学の共通テスト得点率の目安
以下は、2026年8月5日時点でKei-Netに掲載されている2027年度入試の「方式別ランク」をもとに、各大学の共通テスト得点率の最小値〜最大値をまとめたものです。方式別ランクは、入試日程・方式ごとの実際の科目と配点を使って設定されています。
| 大学名 | 2027年度の得点率 |
|---|---|
| 早稲田大学 | 75%〜94% |
| 上智大学 | 74%〜89% |
| 東京理科大学 | 60%〜86% |
| 明治大学 | 76%〜87% |
| 青山学院大学 | 73%〜87% |
| 立教大学 | 74%〜89% |
| 中央大学 | 74%〜88% |
| 法政大学 | 70%〜86% |
| 関西大学 | 62%〜86% |
| 関西学院大学 | 68%〜92% |
| 同志社大学 | 76%〜90% |
| 立命館大学 | 68%〜90% |
この表からは、同じ大学でも得点率の範囲が10〜20ポイント以上ひらいていることが読み取れます。これは学部・入試方式によって科目数や配点、独自試験の有無が異なるためです。出願の判断では、大学単位の数値だけで決めず、志望学部・入試方式・利用科目ごとの最新の数値をKei-Netや大学公式サイトで確認してください。
共通テストで失敗したと思ったときの立て直し方
共通テスト本番の得点が想定より低かった場合は、次の順番で立て直しを検討しましょう。
- 自己採点の入力ミスがないか確認する
- 志望方式の配点で得点を再計算する
- 事後出願できる方式を確認する
- 一般選抜の対策へ切り替える
総合点が想定より低くても、大学の配点次第で状況が変わることがあります。精神論ではなく、まず何を確認し、どこに切り替える余地があるかを順番に見ていくことが立て直しの第一歩です。
共テ利用で合格した先輩の体験談

ここでは、共通テスト利用入試で実際に合格をつかんだ受験生の勉強法や戦略を紹介します。
実際の声から、どのように日々の学習を積み重ねていったのかを見ていきましょう。
高3から学習開始時の偏差値55の、成蹊大学に共通テスト利用で合格した受験生の合格体験記には、以下のような記述があります。
ニックネーム:ミ氏(生徒)
このように、通学中や空き時間を無駄にせず、毎日のルーティンに勉強を組み込む工夫を徹底した点が、安定した得点力につながったといえます。
共テ利用のよくある疑問Q&A

共テ利用って何校まで出願できるの?
一律の上限はありませんが、検定料、試験日程、入学手続き期限を踏まえて出願数を決めましょう。
同じ共通テストの成績を、複数の大学・学部の出願に利用できます。ただし、出願するたびに検定料が必要になる点や、併用型を選ぶ場合は大学独自試験の日程が重複すると同時に受験できない点には注意が必要です。
共テ利用で落ちたら、一般選抜にも影響する?
原則として、共テ利用方式で不合格になっても、同じ大学の一般選抜の合否には影響しません。
共テ利用と一般選抜は、それぞれ別方式として合否判定が行われます。両方に出願すれば、それぞれの結果を独立して受け取ることができます。同じ大学・学部であっても方式ごとに出願手続きが必要な場合があるため、出願条件は大学によって異なります。
共通テストだけで受験できる国公立大学はある?
共通テストの得点を中心に判定し、個別の教科試験を課さない国公立大学・学部は存在します。ただし、面接や調査書などを利用する場合もあり、実施の有無は大学・学部・年度によって変わります。
なお、これは国公立大学の一般選抜における制度であり、私立大学の「共テ利用」とは制度上別のものです。共通テストのみで受験できる国公立大学の一覧については、以下の記事で詳しく紹介しています。
まとめ 共テ利用は「自分の得点をどう生かすか」がカギ

共テ利用を活用するうえで押さえておきたいポイントは、次の3つです。
- 共通テストと大学への出願は別に必要
- 大学・学部ごとに利用科目と配点が異なる
- ボーダーだけでなく、自分の換算得点をもとに出願先を選ぶ
共テ利用の本質は、出願校を無理に増やすことではありません。自分の得点が評価されやすい方式を選び、一般選抜と組み合わせて合格ルートを増やすことにあります。まずは志望大学の利用科目・配点・出願日程を確認し、自分の得点を大学ごとのルールで計算するところから始めましょう。
執筆者プロフィール
塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。
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