【新課程対応】共通テスト現代文の解き方|東大卒ライターが教える大問別攻略法
「共通テスト現代文、どうしても選択肢で間違える……」そんな悩みを抱えていませんか。2択までは絞れても正解を選べない、評論は解けても小説や大問3で失点する、模試ごとに得点の波が大きいなど、共通テスト現代文には特有のつまずきがあります。
この試験では、単に速く読むだけでなく、本文や資料から根拠を探し、選択肢とのずれを見抜く力が問われます。「センスの科目」と思われがちですが、大問ごとの読み方と判断手順を身につければ得点は安定します。
本記事は、独自の自習術で東大へ合格し、現在はカルペ・ディエムで教育や勉強法についての講演活動を行う教育ライター・布施川天馬さんの監修のもと、共通テスト現代文の対策法をやさしく紹介します。
編集部
塾選ジャーナル編集部
塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。
監修者
布施川天馬
著述家、教育ライター。東京大学文学部卒。 教育メディア「未来図」副編集長。一般財団法人「ドラゴン桜財団」評議員。 1997年生まれ。世帯年収300万円台の家庭に生まれながらも、効率的な勉強法を編み出し、一浪の末東大合格を果たす。著書に最小コストで結果を出すノウハウを体系化した『東大式節約勉強法』、膨大な範囲と量の受験勉強をする中で気がついた「コスパを極限まで高める時間の使い方」を解説した『東大式時間術』など。株式会社カルペ・ディエムにて、お金と時間をかけない「省エネスタイルの勉強法」などを伝える。MENSA会員。(Xアカウント:@Temma_Fusegawa)
目次
【新課程】共通テスト現代文の問題構成と最新動向

まず、共通テスト国語のうち、どこまでが現代文にあたるのかを整理します。国語は大問1から大問5までで構成されており、大問1から大問3が現代文にあたる部分です。
共通テスト国語における大問1から大問3、現代文部分の出題内容と配点、主に問われる力をまとめると、次のようになります。
| 大問 | 出題内容 | 配点 | 主に問われる力 |
|---|---|---|---|
| 大問1 | 論理的文章・評論 | 45点 | 論理展開、内容説明、理由説明、筆者の主張 |
| 大問2 | 文学的文章・小説 | 45点 | 登場人物の心情、人物関係、表現の効果 |
| 大問3 | 実用的な文章・複数資料 | 20点 | 情報の比較・統合、文章の修正・推敲 |
| 合計 | 現代文 | 110点 | 読解、情報整理、根拠に基づく判断 |
なお、大学入試センターでは「近代以降の文章」と表記していますが、本記事では一般的な呼び方に合わせて「現代文」と表記します。
参考:令和8年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト 出題教科・科目の出題方法等|大学入試センター
共通テスト現代文は大問1〜3の合計110点
共通テスト国語は90分・200点満点で、そのうち現代文にあたる大問1から大問3は合計110点です。国語全体の55パーセントを占めるため、現代文の得点が安定するかどうかは、国語全体の成績を大きく左右します。
布施川先生のアドバイス
共通テストの国語は一問一問の配点が非常に高く、一つでもミスしてしまうと大きく点数が下がるのが特徴です。現代文、古文、漢文それぞれで高水準の正解率を保っていかなければなりません。新課程になり、第三問が追加されて、時間との戦いになっているのも大きな特徴です。早いうちから過去問に触れておく必要があるでしょう。
2026年度の現代文はどうだった?平均点と難易度を確認
大学入試センターが公表した確定平均点によると、2026年度の国語全体の平均点は200点満点中116.37点でした。2025年度の126.67点から10.30点下がっています。
参考:共通テスト 受験者数・平均点の推移(本試験)|大学入試センター
また、大学入試センターが公表した設問別得点率及び正答率表によると、大問1の平均点は45点満点中28.7点(得点率63.86パーセント)、大問2は45点満点中31.4点(得点率69.86パーセント)、大問3は20点満点中12.2点(得点率61.04パーセント)でした。これらを合算すると、現代文部分にあたる大問1から大問3の平均得点は110点満点中約72.4点(※)となります。
(※)大学入試センターが「現代文部分110点」として独立に公表した公式平均点ではなく、大問別の公表データを編集部が合算した参考値
参考:令和8年度 問題評価・分析委員会報告書(本試験)|大学入試センター
大事なのは平均点の高低ではなく、本文と選択肢を丁寧に照合する力を身につけることです。
布施川先生のアドバイス
近年の共通テストは、毎年何かしらの科目で大きく難化する傾向があるようです。次年度以降の難易度がどうなるかはわかりませんが、易化しても難化しても対応できる力を身につけておかなければなりません。易化すれば、みんなが高得点を取れるので、負けじと失点を抑えなければなりませんし、難化した場合は、動じずに最後まで粘る力が求められます。
共通テスト現代文を攻略するための基本的な解き方

大問ごとの攻略法に入る前に、評論・小説・実用的な文章に共通する基本姿勢を確認しておきましょう。
共通テスト現代文では、文章の内容を何となく理解するだけでは不十分です。設問で問われた内容について、本文や資料の根拠を見つける姿勢が求められます。
本文と設問のどちらから読むかを固定する
設問から読むべきか、本文から読むべきか。どちらが正解というわけではなく、大切なのは自分の手順を固定することです。
設問を先に見る場合は、選択肢まで細かく読み込む必要はありません。傍線部の位置や問われている内容、複数資料を使う問題かどうかを確認する程度にとどめましょう。選択肢まで読み込むと、誤った内容に引っ張られることがあります。
だから、どちらを選んだから正解、ということはないのです。それよりも、本文から読む場合も、段落の役割や論理展開を意識しながら読み進めてください。
布施川先生のアドバイス
自分なりの解き方を確立することは、テストにおいてとても重要です。周りの様子や試験の難易度に左右されず、実力が発揮しやすくなります。
そのため、早いうちから共通テスト型の問題に取り組み、本文から読むやり方と設問を先に読むやり方を試してみてください。より自分に合っていると感じるほうを選びましょう。それがわからなければ、点数が高いほうでもいいかもしれません。
答えは自分の感想ではなく本文・資料から探す
共通テスト現代文で選ぶべきは、自分が納得できる選択肢ではありません。本文や資料に最も正確に合う選択肢です。どの大問でも、判断の根拠を本文や資料へ戻って確認することが基本になります。
正解した問題でも、本文のどこが根拠だったのかを確認する習慣が、得点の安定につながります。大問ごとの具体的な根拠の探し方は、次のセクションで詳しく解説します。
布施川先生のアドバイス
正解には、必ず根拠があります。本文に何度も立ち返って、根拠となっている部分を探しましょう。そして、解き終わって丸つけもしたあとは、どうやって根拠を探しているのか、解説から学んでください。自分が探した根拠が正しかったのかを確かめることで、見つけ方が身についていきます。
ただ、どうしても根拠が見つけられない問題に出会うこともあるでしょう。時間も限られていますから、そういうときは、倫理観に従って選択肢を選ぶのも一つの手です。あくまで教育の一環ですから、倫理的に間違った選択肢を正解に持ってくることは少ないと考えられます。
とはいえ、邪道には変わりありませんから、常に自信をもって答えを選べるようにトレーニングしておくべきでしょう。
文章全体を完璧に理解しようとしない
文章の細部をすべて理解・記憶しようとする必要はありません。論理の流れや場面の変化、資料の役割など、設問の根拠を探すために必要な構造をつかむことを優先しましょう。
目指すべきは、すべてを理解することではなく、設問に必要な情報を探せる状態です。
布施川先生のアドバイス
特に評論文は馴染みがないテーマだと、内容が難しく理解ができないこともあるでしょう。
そんなとき、頼りになるのが具体例です。筆者は自分の主張を理解してもらうために、具体例を用いてわかりやすく説明します。だから、抽象部分やまとめ部分がよくわからなくても、最低限具体例に共感できていれば、問題を解きながら理解していくことも可能です。
現代文にかける時間をあらかじめ決めておく
現代文に時間をかけすぎると、古文・漢文を解く時間が不足します。現代文全体の終了時刻を、あらかじめ決めておきましょう。
大問ごとの制限時間を決め、1問に固執しないこと。迷う問題には印をつけて後回しにし、古文・漢文に必要な時間を先に確保してください。
具体的な配分は過去問演習を通じて、自分に合う形に調整していくことが大切です。時間配分や解く順番の詳細は、以下の記事で解説しています。
布施川先生のアドバイス
現代文にどうしても時間をかけてしまうから、と古文漢文から解き始める人も多いようです。古文や漢文は知識がなくて理解ができなかったら切り上げることもできますが、現代文は普段使っている言語ですから、理解できなくても読み込んだらわかる気がするのですよね。そうやってどんどん時間だけが溶けていく。そうなると、点数が取れたはずのところも丸ごと落とすことになってしまいます。
共通テスト現代文の大問別攻略法

大問1から大問3では、文章の種類も問われる力も異なります。同じ読み方ですべてを解こうとすると、得点が安定しにくくなります。
それぞれの大問について、何が問われるか、本文のどこに注目するか、根拠をどこから探すか、選択肢をどう判断するかを順に確認していきましょう。
大問1・論理的文章は対比・因果・言い換えを捉える
評論・論説文では、難しい言葉をすべて理解しようとするより、筆者がどのような論理で主張を組み立てているかを捉えることが重要です。
本文を読む際は、「しかし」「一方で」などの対比表現、「なぜなら」「したがって」などの因果関係、「つまり」「言い換えれば」といった要約表現に注目してください。抽象的な説明と具体例の関係、他者の意見と筆者自身の意見の違いも見分けるポイントになります。
傍線部問題では、傍線部だけを見て答えるのではなく、前後の文や段落とのつながりを確認します。解答は、設問の確認、指示語や抽象語の具体化、前後の対比・因果・言い換えの確認、答えの方向性の検討、選択肢との照合という順で進めると迷いにくくなります。
本文中に同じ言葉が含まれているという理由だけで選択肢を選ぶと、主語や因果関係のずれを見落とし、誤答につながります。
布施川先生のアドバイス
接続詞がどんな役割を果たしているのかに注目して読む癖をつけましょう。
ただ、接続詞に印をつけることが目的になっては意味がありません。前後で何が論じられているのかを意識するようにしましょう。
また、難しい用語が出てきても、そこで立ち止まる必要はありません。筆者は大抵、あとで具体例を挙げたり、別の言葉で言い換えたりして説明してくれます。
大問2・文学的文章は心情を想像で補わない
小説では、登場人物の心情を自分の感覚で想像するのではなく、本文に書かれた描写から判断する姿勢が欠かせません。
心情を判断する根拠になるのは、発言内容や行動、表情、周囲の人物への反応、情景描写、過去と現在の変化、登場人物同士の距離感です。心情を表す言葉が直接書かれていない場合も、行動や会話の変化から読み取れます。傍線部の前後だけでなく、そこに至るまでの出来事や人物関係も確認しましょう。
表現問題では、比喩が使われている、強調しているといった説明だけでは不十分です。その表現がどのような人物の状態や場面の雰囲気を伝えているのかまで考える必要があります。
自分ならどう思うかで判断したり、一つの言葉だけから心情を決めたりすると、本文とずれた解釈になりやすい点に注意してください。語り手と登場人物の考えを混同しないことも大切です。
布施川先生のアドバイス
ある程度共感しながら読み進めることは大切ですが、解答する際は自分の気持ちは排して、客観的な根拠から正解を導き出しましょう。
本文に直接的な感情が描かれていない場合も多いです。その場合でも、行動や情景に気持ちは表れているはず。そして、その行動の「ありえる感情」と、前後の状況から読み取れる「ありえる感情」をすり合わせて答えを決めるのです。
例えば、「拳を握りしめていた」とあれば怒り、悔しさ、悲しさなどネガティブな感情はもちろん、「嬉しくてガッツポーズ」などポジティブな状況も考えられますし、「決意表明」かもしれません。ですが、直前に「絶対に東大に受かると決めた」とあれば、「決意表明」だとわかるでしょう。「甲子園の優勝が決まった」とあれば「嬉しさのガッツポーズ」でしょうし、「力が及ばず患者を救えなかった」のであれば「やるせなさ、くやしさ」などが当てはまります。
人間の行動と感情の組み合わせパターンを全て想定して、何が一番あり得そうかを考えてください。
大問3・実用的な文章は課題と資料の役割を整理する
大問3は、図表の数字だけを読む問題ではありません。複数の情報を目的に応じて整理し、統合する力が問われます。
まず、生徒が何をしようとしているのかを確認します。発表資料を作る、レポートを書く、調査結果をまとめる、下書きを修正するなど、目的はさまざまです。そのうえで、文章や図表、メモ、下書きといった資料それぞれの役割を整理していきます。
解答は、課題の目的の確認、各資料が示す内容の把握、設問で使う資料の特定、共通点・相違点・補足関係の整理、課題の目的に合う選択肢の選択という順で進めます。下書きの修正や削除を問う設問では、文章自体が正しいかだけでなく、段落の趣旨や課題の目的に合っているかを確認してください。資料同士の関係の整理は、この大問全体を通して行う作業です。
資料に書いてあるという理由だけで選ぶのではなく、その内容が設問の条件にどう関係するかを判断することが重要です。
布施川先生のアドバイス
資料は基本的に、整理されているものです。タイトルから何のテーマのものなのかはすぐにわかりますし、項目の見出しから、その部分には何が書かれているのかが一目瞭然です。そのため、この大問ばかりは、先に設問を見て、何が聞かれているのかを把握して、資料からその内容を探すのが手っ取り早いでしょう。
共通テスト現代文の設問・選択肢を攻略するコツ

文章の種類だけでなく、設問のタイプによっても根拠の探し方は変わります。「選択肢は本文と照合する」という考え方を、設問ごとに具体化していきましょう。
内容説明問題は傍線部を具体的に言い換える
内容説明問題では、傍線部に含まれる抽象的な表現や指示語を具体化することが重要です。
まず傍線部の主語・述語を確認し、「これ」「そのような」といった指示内容を特定します。抽象語が本文中で何を意味しているかをつかんだうえで、自分の言葉で簡単に言い換えてから選択肢を見てください。
本文と同じ単語が含まれているというだけで、正解と判断してはいけません。選択肢を一度に比較するのではなく、主語・対象・内容など意味のまとまりごとに分けて照合すると、ずれを見つけやすくなります。
選択肢の言葉が本文と一致していても、指す内容がずれていれば誤答になる点に注意してください。
布施川先生のアドバイス
選択問題だとしても、まずは自分で記述答案を作るつもりで解答を考えてみましょう。内容説明問題は、傍線部を文節ごとに区切って、一つずつ言い換える作業が必要です。
実際に自分でその作業をやってみて、解答を作ってみてから、選択肢と見比べてみましょう。ぴったりとまでは言わずとも、方向性が近いものが見つかりやすいのではないでしょうか。もちろん、自作の解答はメモなどしている暇はないですから、頭の中で留めておいてくださいね。
理由説明問題は原因と結果のつながりを確認する
理由説明問題では、選択肢の内容が本文中で正しいかだけでなく、傍線部の理由として成立しているかを確認します。
本文には書かれていても傍線部の理由になっていない選択肢や、原因と結果が逆になっている選択肢、周辺情報だけを述べている選択肢には注意が必要です。一つ前の出来事と取り違えている場合もあります。
「なぜか」と問われたら、傍線部は結果であり、その原因となる部分を前後から探します。選択肢を読んだ後、傍線部へ「なぜなら」とつないで意味が通るか確認する方法も有効です。
内容として正しく見える選択肢でも、傍線部の理由になっていなければ不正解です。
布施川先生のアドバイス
選択肢を作る側に立って考えてみましょう。受験生が引っかかるような選択肢を作ろうと思ったら、あえて誤答に本文のキーワードを入れると思いませんか?
だから、文中の言葉が入っていて、一致しているから、と選ぶのは危険なのです。傍線部に論理的につながるかどうかを必ず確かめてから解答するようにしましょう。
心情・表現問題は変化の前後を比較する
心情問題では、傍線部の瞬間だけを見るのではなく、前後で人物の態度や認識がどう変わったかを確認します。
会話の前後、ある出来事を知る前と後、相手への態度や行動の変化、情景の描かれ方の変化などを比較してください。
表現問題では、技法名を当てることが目的ではありません。その表現が人物の心情や場面をどのように伝えているのかまで確認します。「印象を強めている」という曖昧な説明ではなく、何の印象をどう強めているかまで本文と照らして判断しましょう。
傍線部単独ではなく、前後の変化を比較する視点が、心情・表現問題を解く鍵になります。
布施川先生のアドバイス
少し立ち止まって考えてみてほしいのですが、心情が一切変化しない小説なんて、読んでいて面白いでしょうか? そんなはずはないですよね。
小説家は人間の心の機微を繊細に掴み取って、文章に落とし込んでいるのです。だからこそ、それを読む私たちに求められるのは、その変化を追うこと。どんな出来事がきっかけで、どのように気持ちが揺れ動いたのかを端的に表現できると、大筋は理解できたと言えるはずです。問題も解きやすくなるでしょう。
会話・推敲問題は発言や修正の根拠を本文・資料に戻って確認する
生徒同士の会話や推敲問題では、情報量の多さに惑わされず、設問が何を完成させようとしているかを確認します。
会話問題では、各発言が本文のどこに対応しているかを確認してください。推敲問題では、削除・追加する文が段落の趣旨や課題の目的に合っているか、資料の内容を正しく引用・反映できているかを確認します。資料同士の共通点・相違点を整理する作業は、大問3の解答手順そのものと重なります。
情報量に圧倒されそうになったときこそ、設問が何を求めているかに立ち返ってください。
布施川先生のアドバイス
共通テストの特徴の一つに、圧倒的な情報量があります。純粋な読解力以上に、情報処理能力を求められていると言っても過言ではありません。ですが、どの情報も解答のヒントになり得ます。対策としては、やはり過去問や予想問題で共通テスト型の問題に慣れるのが一番でしょう。
2択で迷ったら誤答選択肢のパターンを疑う
最後の2択で迷ったときは、選択肢そのものの正しさよりも、誤答に多いパターンを疑うと判断しやすくなります。
代表的なのは、本文にない内容が加えられている、主語や対象がすり替わっている、原因と結果が逆になっている、「一部」が「すべて」に広げられている、本文よりも程度が強くなっている、前半は正しいが後半が誤っている、内容としては正しいが設問の答えになっていない、といったパターンです。小説では心情を一般的な感覚で補っているケース、大問3では資料の内容は正しくても課題の目的に合っていないケースもよく見られます。
たとえば本文が「場合がある」と述べているのに、選択肢では「必ず起こる」と言い切ってしまっているような違いです。
「何となく合っている」で終わらせず、主語・述語・理由・程度に分けて確認する習慣が、2択の迷いを減らします。
布施川先生のアドバイス
二択まで絞れたら、その選択肢を文節ごとに区切ってみましょう。各文節において、本文から導けるかどうかを確かめるのです。一つでも読み取れない部分が出てきたら、その選択肢は誤答。根拠が見つかったら、その文節に丸印をつけると一目瞭然になるのでおすすめです。
共通テスト現代文の点数が伸びない原因と勉強法

現代文の勉強法は、一律に並べても効果が出にくいものです。今の失点原因によって、優先すべき対策は変わります。
自分がどの状態に近いかを確認し、そこから優先すべき勉強を見つけていきましょう。よくある悩みと考えられる原因、優先すべき勉強をまとめると、次のようになります。
| よくある悩み・症状 | 考えられる原因 | 優先すべき勉強 |
|---|---|---|
| 本文の内容がつかめない | 語彙・文章構造の理解不足 | 語彙、接続詞、段落要約 |
| 2択で間違える | 選択肢の検証不足 | 誤答箇所を説明する練習 |
| 小説が苦手 | 心情を想像で判断している | 行動・会話・描写から根拠を探す |
| 大問3が苦手 | 資料の役割を整理できていない | 資料の目的・関係を整理する |
| 時間が足りない | 読み戻り、1問への固執 | 大問別の時間制限演習 |
| 得点が安定しない | 解答手順が固定されていない | 同じ手順で解く練習 |
この表からもわかるとおり、同じ「点数が伸びない」という悩みでも、原因はさまざまです。まずは自分の症状に近い項目を見つけ、そこに対応する勉強から始めてみてください。
漢字・語彙・論理を示す言葉を身につける
語彙力は、漢字問題で得点するためだけのものではありません。本文を正確に理解する土台としても欠かせません。
特に評論では、抽象語の意味が曖昧だと、対比や筆者の主張を読み違えやすくなります。漢字だけでなく、評論で頻出する抽象語、接続詞、対比・因果関係・言い換えを示す言葉も学んでおきましょう。
単語帳を眺めるだけでなく、実際の文章の中でどう使われているかを確認することが大切です。間違えた語句は、意味だけでなく、その文章での使われ方まで記録しておくと定着しやすくなります。
語彙は暗記して終わりではなく、文章の中で使い方を確認して初めて力になります。
布施川先生のアドバイス
「抽象」「具体」「逆説」など、評論文で頻出の語彙を抑えることで、難しいと感じていた文章も少しずつ理解しやすくなっていきます。
単語帳である程度覚えたら、読解問題にチャレンジしてみましょう。解き終わって解説まで読んだら、本文を音読してみてください。声に出して読み上げると、自分が理解できていなくて適当に読み飛ばしていた単語に気づくことができます。
その単語を調べて、意味や使い方を覚えることで、さらに点数を高めていけるのです。
段落ごとの役割を短くまとめる練習をする
評論文の構造を捉えられない場合は、各段落の役割を一言で整理する練習が効果的です。
問題提起、一般的な考え、反対意見、具体例、筆者の主張、結論といった役割を、余白に短くメモする程度で構いません。最初から長い要約文を書く必要はありません。
小説でも同様に、場所や時間の変化、新しい人物の登場、心情が変わるきっかけ、人物関係の変化を整理できます。この練習は、本番ですべての段落に要約を書くためではなく、文章構造を捉える力を養うために行います。
段落の役割を一言で整理する習慣が、文章全体の構造をつかむ力につながります。
布施川先生のアドバイス
段落の役割を書くためには、文章全体を俯瞰する視点が必要です。文章の内容を理解していなければ、到底できません。だからこそ、役割を一言でまとめたり、段落ごとの小見出しをつけたりすることで、理解度を測ることができるのです。
大問別演習から始めて通し演習へ進む
現代文が苦手な段階で、古文・漢文を含む90分の通し演習だけを繰り返しても、個別の読み方や判断方法は身につきにくいものです。
まずは評論・小説・実用的な文章を大問別に解き、時間を気にしすぎず根拠を正確に探す練習から始めます。解答手順が身についたら大問ごとに時間を計り、その後は現代文3題を続けて解いてください。最後に古文・漢文を含む国語全体を通して解く、という流れで段階的に進めます。
記録するのは正答率だけではありません。大問ごとの所要時間、迷った設問、読み戻した回数、2択で間違えた問題、時間をかけすぎた問題も残しておくと、復習の質が上がります。
段階を踏んで演習することが、本番で再現できる解答手順を身につける近道です。時間配分の詳しい決め方は、以下の記事で解説しています。
布施川先生のアドバイス
普段は大問ごとに演習して、時間に余裕がある日などに通し演習をしてみましょう。大問が完成してから通しでやる、などと決めてしまうと、いつまで経っても本番同様の練習ができません。
そして、過去問や予想問題に取り組むときは、必ず時間を測ってください。焦りながらでも実力を発揮できるように練習するのです。ただ、解き終わらなかった分は、そのあとじっくり自力で解いてから丸つけに入りましょう。
共通テスト現代文の過去問・模試を生かす復習方法
共通テスト現代文は、問題を解いた数だけでは得点が伸びにくい科目です。復習を通じて、自分の読み方や判断のずれを修正する必要があります。
「解説を読んで納得した」で終わらせず、次の問題でも再現できる形にすることが復習の目的です。
間違えた原因を分類する
誤答の原因は、知識不足、本文の読み違い、選択肢の判断ミス、時間・解答手順の4つに大きく分けて記録します。
たとえば漢字・語句の知識が足りなかった場合や、対比や因果関係を見落として本文を読み違えた場合、選択肢の一部分を見落とした場合、時間不足で焦って解答手順が崩れた場合などが代表的です。
間違いノートを作る場合は、問題文や解説を丸写しするのではなく、原因と次回の対策を短く記録してください。たとえば「原因は選択肢後半の程度表現を確認しなかったこと、次回は選択肢を前半と後半に分けて読む」といった形です。
原因を分類して記録することが、同じ間違いを繰り返さないための第一歩になります。
布施川先生のアドバイス
不正解の理由を「読解力不足」と片付けてはいませんか? 確かにそれはそうかもしれませんが、もっと掘り下げて分析する必要があります。
知識不足なら、なんの知識が足りなかったのか、それは何で補えば次は間違えないのか。論理を読み取れていなかったのなら、どう勘違いしたのか、どこに注意すればその勘違いは起きないか。
具体的な誤答要因を分析して、その対処法を実行するところまでが、「復習」です。
正解の根拠と誤答の誤りを両方確認する
復習では、正解の選択肢がなぜ正しいかだけを確認しても不十分です。自分が選んだ選択肢のどこが誤っていたかも合わせて確認しましょう。
正解の根拠が本文のどこにあるか、その根拠がどのように言い換えられているか、自分が選んだ選択肢はどこまで正しかったか、どの言葉や因果関係、範囲が本文とずれていたかを、自分の言葉で説明できる状態を目指してください。特に2択で迷った問題は、正解と誤答の違いを説明し、誤答選択肢を本文に合う内容へ書き直す練習も効果的です。同じ誤答パターンが次に出たときに、見抜きやすくなります。
解説を読む前に、もう一度本文へ戻って根拠を探してみるのも有効です。解説を読んだ後は、選択肢を見ずに答えの方向性を自分の言葉で説明できるか確認してください。
正解と誤答の両方を確認する復習が、選択肢を見抜く力を鍛えます。
布施川先生のアドバイス
正解には必ず根拠があります。その根拠を探す力こそが求められているのです。その力を磨くために、解説を丁寧に読み込んで、なぜそこが正答の根拠となるのかを理解していきましょう。
自分が正解した問題でも、根拠が間違っていたら、それはまぐれ当たりでしかないのです。正しい根拠をもって正答を選ぶためにも、根拠の探し方を学んで身につける必要があります。
時間を空けて同じ問題を解き直す
解説を読んだ直後は答えを覚えているため、正しく解き直せても、解答手順が身についたとは限りません。
数日から1週間ほど時間を空けて、もう一度同じ問題を解いてみましょう。本文から根拠を探せるか、前回と同じ誤答パターンに引っかからないか、解答までの手順を再現できるかを確認してください。
同じ原因で再び間違えた場合は、演習量を増やす前に、読み方や選択肢の確認方法そのものを見直す必要があります。
布施川先生のアドバイス
内容や答えを覚えているうちに解き直しても、意味がありません。初見の問題にも太刀打ちできるようにしておかなければならないのですから。
2回目の丸つけが終わったら、正しい根拠を見つけてこられたかどうかを確かめてください。また間違えてしまったら、前回の復習の際の分析が甘かったのでしょう。なぜ間違えたのか? どうしたら正解にたどり着ける? と自問自答し、時には先生や友達の力を借りて、納得するまで考え抜いてください。
まとめ 共通テスト現代文は解答手順を固定して得点を安定させよう

共通テスト現代文は、感覚や読書量だけで決まる科目ではありません。大問1から大問3まで、それぞれ求められる読み方が異なり、選択肢は本文や資料の根拠と照らし合わせて判断する必要があります。
「なんとなく解いて、なんとなく間違える」状態から抜け出す鍵は、特別な才能ではなく、同じ手順を繰り返し使えるようにすることです。評論では論理展開を、小説では心情の変化を、実用的な文章では資料の役割を、それぞれ本文に沿って確認する。この積み重ねが、模試ごとの得点の波を小さくしていきます。
自分がどこでつまずいているのかがまだ分からない場合は、まず直近の模試や過去問を1回分見直してみてください。間違えた設問を一つずつ、漢字や語彙の不足なのか、選択肢の見落としなのか、時間不足なのかを分類するだけでも、次に取り組むべき勉強が見えてきます。
現代文は、正しい手順を身につければ、着実に安定させられる科目です。
布施川先生のアドバイス
現代文はセンスで解くものではありません。なんとなくで解けてしまう人がいるから、才能が重要だと思われがちですが、読み方を身につければ、誰でも着実に点数を伸ばせる科目でもあるのです。
それに、「センス」で解く人もどこかで必ず壁にぶち当たります。なぜその選択肢が正解なのか? なぜ間違えたのか? と振り返り、正解の根拠を探し出す訓練を重ねていきましょう。そうやって身につけた読解力は、本番で必ずあなたを支えてくれるはずです。
【現代文の解き方はこちら】
執筆者プロフィール
塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。
監修者プロフィール
著述家、教育ライター。東京大学文学部卒。 教育メディア「未来図」副編集長。一般財団法人「ドラゴン桜財団」評議員。 1997年生まれ。世帯年収300万円台の家庭に生まれながらも、効率的な勉強法を編み出し、一浪の末東大合格を果たす。著書に最小コストで結果を出すノウハウを体系化した『東大式節約勉強法』、膨大な範囲と量の受験勉強をする中で気がついた「コスパを極限まで高める時間の使い方」を解説した『東大式時間術』など。株式会社カルペ・ディエムにて、お金と時間をかけない「省エネスタイルの勉強法」などを伝える。MENSA会員。(Xアカウント:@Temma_Fusegawa)
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