共通テストのリスニング対策!東大卒ライターが教える原因診断と大問別攻略
「共通テストのリスニング、どうしても点が取れない」。そんな悩みを抱えていませんか。
共通テストのリスニングで点数が伸びない原因は、聞き取り不足だけではありません。語彙・文法の不足、音の認識、処理速度の遅れ、情報整理の弱さなど、人によって原因は異なります。まず自分の原因を見極め、それに合った練習を選ぶことが得点への近道です。
この記事は、独自のメソッド「お金も時間も節約する自習術」を編み出して東大へ合格し、現在はカルぺ・ディエムで全国各地でさまざまな教育や勉強法に関する講演活動を精力的に行っている教育ライター・布施川天馬さん監修です。
編集部
塾選ジャーナル編集部
塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。
監修者
布施川天馬
著述家、教育ライター。東京大学文学部卒。 教育メディア「未来図」副編集長。一般財団法人「ドラゴン桜財団」評議員。 1997年生まれ。世帯年収300万円台の家庭に生まれながらも、効率的な勉強法を編み出し、一浪の末東大合格を果たす。著書に最小コストで結果を出すノウハウを体系化した『東大式節約勉強法』、膨大な範囲と量の受験勉強をする中で気がついた「コスパを極限まで高める時間の使い方」を解説した『東大式時間術』など。株式会社カルペ・ディエムにて、お金と時間をかけない「省エネスタイルの勉強法」などを伝える。MENSA会員。(Xアカウント:@Temma_Fusegawa)
目次
共通テストリスニング対策は何から始める?

リスニング対策を始めるとき、いきなりシャドーイングや問題演習に飛びつくのは遠回りになりがちです。まずは今の得点と、失点している原因を確認するところから始めましょう。
現在の得点と失点原因を整理すると、精読から始めるべきか、大問別演習へ進むべきかを判断しやすくなります。
まずは過去問で得点と苦手な大問を確認する
大学入試センターが公開している過去問を1回分、本番と同じ時間で解いてみてください。このとき、合計点だけを見るのではなく、大問ごとの正解・不正解と、間違えた理由を記録することが重要です。
具体的には、どの大問で失点したか、音声そのものが聞こえなかったのか、聞こえたが意味を理解できなかったのか、選択肢や図表の処理が間に合わなかったのか、長い音声の途中で内容がわからなくなったのか、先読みやメモができていたのかを、大問ごとにチェックしていきます。
| 大問 | 正解できたか | 主な失点理由(聞こえない/意味不明/処理遅れ/内容忘れ) |
|---|---|---|
| 第1問 | ||
| 第2問 | ||
| 第3問 | ||
| 第4問 | ||
| 第5問 | ||
| 第6問 |
この表を埋めていくと、自分がどの大問、どの理由で失点しやすいかが可視化されます。
|
東大卒ライター・布施川先生のアドバイス「自分の苦手な問題のタイプを把握」 もちろん満遍なくどの問題も対策しておくことは重要ですが、特に自分の苦手な大問の型を重点的に対策すると非常に効果的です。そのため、対策を始める前に一度過去問なり予想問題なりを解いてみて、どの大問が難しいと感じたか、どの大問で特に失点しているかなどを分析する必要があります。 会話を聞き取るのが苦手なのか、問題の選択肢から最適解を選び出すのが苦手なのか、長めの講義を聞き取るのが苦手なのか……。それを実際に解いてみて考えてみましょう。そして、分析を踏まえて、勉強計画を立ててみてください。 |
リスニングが聞き取れない4つの原因を見極める
過去問の結果をもとに、課題を大きく4つに分類してみましょう。同じ「聞き取れない」という悩みでも、原因によって優先すべき対策は変わります。以下は、原因ごとの状態と優先すべき対策をまとめた表です。
| 原因 | 主な状態 | 優先する対策 |
|---|---|---|
| 語彙・文法不足 | スクリプトを読んでも意味がわからない | 単語、文法、精読 |
| 音を認識できない | 文字ならわかるが音では聞き取れない | 音声確認、オーバーラッピング、ディクテーション |
| 意味処理が遅い | 聞こえるが日本語に訳している間に遅れる | 音読、シャドーイング |
| 情報を保持・整理できない | 長文、図表、複数話者で混乱する | リプロダクション、大問別演習 |
この表からわかるのは、「聞き取れない」という一言の中に、まったく性質の違う課題が混ざっているということです。単語や文法の知識が足りない人がシャドーイングだけを続けても、意味の理解が追いつかないままになってしまいます。
共通テスト特有の課題として、音は聞こえているのに、選択肢や図表を処理できず失点するケースもあります。この場合は、音声練習だけを増やすのではなく、図表や選択肢を処理する大問別演習も取り入れる必要があります。
得点帯に合わせて最初に取り組む対策を決める
得点帯別の学習方針も参考にはなりますが、得点だけで対策を決めてしまうと、原因診断の結果と矛盾することがあります。
| 現在の得点 | 主な学習方針 |
|---|---|
| 5割未満 | 語彙・文法、精読、短い音声の聞き取りから始める |
| 5〜6割 | 音声とスクリプトを照合し、聞き取れない原因を減らす |
| 7割前後 | 図表問題、長い音声、1回読みの問題を重点的に練習する |
| 8割以上 | 苦手な大問に絞り、正確さと情報処理速度を高める |
この表はあくまで目安です。たとえば同じ6割でも、音そのものが聞こえていない人と、図表処理で失点している人とでは、必要な対策がまったく異なります。
高1・高2・高3で対策の進め方を変える
学年や時期によっても、対策の重点は変わります。ここでは得点帯別対策とは重複しないよう、学年・時期ごとの学習目的を中心に整理します。
高校1〜2年生の時期は、語彙・文法を固めながら、短時間でも英語の音に触れる習慣を作ることが目的です。教科書やスクリプト付きの音源を基本としながら、洋楽や英語ニュースなど興味の持てる素材も補助的に活用し、英語の音に触れる習慣を作りましょう。演習量を急いで増やす必要はありません。
高校3年生の春から夏にかけては、次の章で紹介する精読・音読やオーバーラッピングなど、基礎練習を進める時期です。
高校3年生の秋以降は、過去問や共通テスト形式の問題を使った実戦演習の比重を増やしていきます。そして直前期は、新しい勉強法を増やすのではなく、苦手な大問と復習に絞ることを意識してください。
2026年度共通テストリスニングの出題傾向

対策を選ぶには、共通テストリスニングがどのような試験なのかを理解しておく必要があります。ここでは最新年度の構成を簡潔に整理し、後半の大問別攻略につなげていきます。
大問6題・100点満点で出題される
共通テストの英語(リスニング)は、ICプレーヤーの作動確認や音量調節を含めた試験時間が60分で、そのうち解答時間は30分です。出題は大問6つで構成されています。
大学入試センターの配点では、リーディングとリスニングがそれぞれ100点、合計200点満点です。
ただし、大学によっては入試で利用する際に配点比率を換算する場合があるため、志望大学の募集要項もあわせて確認しておきましょう。
| 大問 | 配点 | 音声の回数 | 主な内容 |
|---|---|---|---|
| 第1問 | 28点 | 2回 | 短い発話、イラスト選択 |
| 第2問 | 12点 | 2回 | 対話とイラスト |
| 第3問 | 18点 | 1回 | 短い対話 |
| 第4問 | 12点 | 1回 | 順序、表、条件整理 |
| 第5問 | 16点 | 1回 | 講義、会話、図表 |
| 第6問 | 14点 | 1回 | 2人・3人の会話 |
この配点と読み上げ回数は、2026年度の公式問題冊子で確認できます。表からわかる通り、第3問から第6問は音声が1回しか流れないうえに、配点全体の6割を占めています。第1問・第2問を安定して得点することに加え、第3問以降の1回読みの問題にも重点的に取り組む必要があります。
直近の実施結果を見ると、令和8年度(2026年1月実施)の本試験における英語(リスニング)の平均点は54.65点でした。前年の令和7年度は61.31点だったため、年度によって平均点が変動していることがわかります。
参考:共通テスト 受験者数・平均点の推移(本試験)|独立行政法人 大学入試センター
2026年度の出題傾向が、次年度もそのまま続くとは限りません。特定年度の問題だけでなく、複数年度の過去問を使って対応力を養うことが大切です。
1回読みと2回読みでは解き方が異なる
2026年度は、第1問と第2問の音声が2回、第3問から第6問の音声が1回流れました。第3問以降は聞き直せないため、設問や選択肢を事前に確認し、必要な情報を一度で捉える力が求められます。
1回読みの区間では、音声前に設問や図表を確認しておくこと、聞き逃しても立ち止まらないこと、必要な情報を絞って聞くこと、そして一度で判断する練習を積んでおくことが重要です。
2回読みの大問では、1回目で全体の状況や話の流れをつかみ、2回目で選択肢を決めるための細部を確認するというように、1回目と2回目で役割を分けて聞くと精度が上がります。
図表・選択肢・音声を同時に処理する力が必要
共通テストのリスニングは、純粋な聞き取り能力だけでは得点できない試験です。必要なのは、選択肢や図表を短時間で読む力、音声から必要な情報を選ぶ力、複数の条件を整理する力、聞いた内容を一時的に保持する力、そして話者の立場や意見を区別する力です。
「音声は聞こえているのに正解できない」という場合は、リスニング力そのものではなく、情報処理や読解に原因がある可能性があります。この点は、リーディング対策とも共通する部分です。
苦手な大問から不足している力を逆算する
第1問から第3問で失点した場合は、短い英文の音声認識や場面把握に課題がある可能性があります。
第4問で失点した場合は、数字、順序、条件、図表の整理に課題があるかもしれません。第5問で失点した場合は、長い説明の構成をつかみ、要点を保持する力に課題があると考えられます。第6問で失点した場合は、話者ごとの立場や意見を区別する力が不足していることが多いです。
このように、失点した大問から逆算すると、自分に足りない力が具体的に見えてきます。ここで見えた課題は、前の章で紹介した4つの原因、そして次の章で紹介する勉強法と照らし合わせながら対策を決めていきましょう。
共通テストリスニングの得点を伸ばす6つの勉強法

原因がわかったら、その原因に合った練習を選ぶ段階に進みます。6つの方法は横並びの選択肢ではなく、基礎から実戦へ進む学習の順番として紹介します。
精読・音読|英文の意味と構造を理解する
スクリプトを読んでも意味が取れない場合は、聞く練習よりも先に精読が必要です。まずスクリプトを読み、知らない単語や文法を確認し、主語・動詞・修飾関係を整理します。そのうえで、英文の意味を意識しながら音読し、英語の語順のまま理解できるまで繰り返してください。
単語の意味を調べるだけで終わらせず、英文全体の意味を理解してから次の音声練習に進むことが大切です。
オーバーラッピング|音声と同じ速さで読む
オーバーラッピングは、スクリプトを見ながら音声と同時に英文を読む練習です。単語同士の音のつながり、弱く発音される語、強勢やイントネーション、音声の速度、自分の発音との違いを確認しながら取り組みます。
最初から音声についていけない場合は、短い英文に区切って練習する、再生速度を落とすといった調整をしてください。ただ音声に合わせて口を動かすだけでなく、意味を理解しながら読むことが重要です。
ディクテーション|聞き取れない音を特定する
ディクテーションは、短い範囲の音声を書き取り、聞き取れなかった原因を特定する練習です。音声を聞いて書き取り、数回聞いてもわからない箇所を残したまま、スクリプトと照合します。
聞き取れなかった理由は、単語を知らなかった、発音を間違えて覚えていた、音がつながっていた、弱く発音されていた、文法構造を理解できなかった、というように分類してみましょう。原因がわかったら、該当部分を音読やオーバーラッピングで補強します。
全文を書き取る必要はなく、苦手な部分に絞って行う方法でも構いません。
シャドーイング|英語の音とリズムを身につける
シャドーイングは、音声を聞きながら少し遅れて発声する練習です。いきなりスクリプトなしで始めるのではなく、精読→音声確認→オーバーラッピング→スクリプトを見ながらのシャドーイング→スクリプトなしのシャドーイングという段階を踏むと無理なく進められます。
難しすぎる音源を選ばないこと、意味を理解せずに音だけを追わないことにも注意してください。
リプロダクション|聞いた内容を保持して再現する
リプロダクションは、一文または短いまとまりを聞いたあとに音声を止め、聞こえた英文をできるだけ同じ語順・表現で再現する練習です。自分の言葉で言い換える要約とは異なり、元の表現に沿って再現することを重視します。
慣れないうちは、まず日本語で内容を説明できるかを確認してから、英文での再現に挑戦してもよいでしょう。情報を一時的に保持する力、要点を整理する力、話の流れをつかむ力を同時に鍛えられます。
初心者には難度が高いため、短い一文から始め、慣れてきたら複数の文へと範囲を広げていきましょう。共通テスト後半に出題される長い音声への対策として、特に有効な練習です。
過去問演習|共通テスト特有の型に慣れる
基礎練習だけでは、共通テスト特有の図表問題、先読みの必要性、複数話者の会話には対応しきれません。
過去問は、解いて点数を確認するだけでなく、
- 本番と同じ条件で解く
- 間違えた原因を分類する
- スクリプトを読んで内容を確認する
- 音声を聞き直す
- 必要に応じてディクテーションや音読を行う
- 数日後に解き直す
という流れで復習してください。
|
東大卒ライター・布施川先生のアドバイス「過去問で共通テストの型に慣れる」 リスニング自体は得意だけれど、共通テストのリスニングはなぜか点数が伸びない、という人は一定数います。それは、共通テストのリスニング問題が純粋なリスニング力以外にも、高度な情報処理能力や要点把握の力を求めているものだからです。 リスニングが得意であれ、不得意であれ、共通テストのリスニング問題は独特なので、専用の対策が必須です。過去問や大手予備校が出している予想問題集などを駆使して、とにかく量をこなし、共通テストの「型」に慣れることが重要になってきます。いくつか繰り返し解いていると、自分はどの大問でいつも間違えるか、という分析ができるようになってきます。そうしたら、その大問で求められている力は何かを考え、それに特化した勉強ができるはずです。 こうして、傾向に慣れ、苦手をしらみつぶしにしていきましょう。 |
基礎練習の段階では一つの音源を丁寧に復習し、実戦演習の段階に入ったら複数年度の過去問に触れて、出題形式そのものへの対応力を高めていきましょう。
大問別の共通テストリスニング攻略法と試験中の解き方

身につけたリスニング力を得点につなげるには、大問ごとの出題形式に合わせて聞き方を変える必要があります。ここでは、試験中の具体的な動き方を中心に解説します。
第1問〜第3問は場面・選択肢・イラストを先読みする
第1問から第3問は、大問によって紙面に書かれている情報が異なります。
第1問Aでは英文の選択肢が示されるため、選択肢どうしの意味の違いを先に確認しておきましょう。第1問Bと第2問ではイラストが示されるので、複数のイラストの違いはどこにあるかを見ておきます。第3問では、日本語の場面設定と英文の問い、選択肢が示されており、何を聞き取ればよいかを事前に絞っておくことができます。
いずれの大問でも、誰が話しているか、何について話すかという場面設定を意識しておくと、聞くべきポイントが絞りやすくなります。あわせて、5W1H(Who・What・When・Where・Why・How)や否定表現、時制にも注意しておきましょう。
第4問は条件と図表を対応させる
第4問では、数字・順番・条件を整理する力が重要になります。音声前には、表の縦軸・横軸、選択肢の共通点と違い、数字や曜日、条件の数、並べ替えの基準を確認しておきましょう。
メモを取る場合は、数字や記号、矢印などを使い、聞こえた英文をそのまま書き取ろうとしないことがポイントです。
第5問は講義の展開と要点を整理する
長い講義や説明が出題される第5問では、すべての単語を覚えようとするのではなく、話の構造を追うことが重要です。話題、主張、理由、具体例、対比、結論といった要素に注目しながら聞いてください。
ワークシートや図表がある場合は、空欄の前後や項目名を先に確認しておきましょう。最初の部分を忘れてしまうという人は、要点を短い日本語や記号で残しておくと、後半の設問にも対応しやすくなります。
第6問は話者ごとの立場と意見を区別する
複数の話者が登場する第6問では、誰が何に賛成・反対しているかを整理することが得点のカギになります。話者を頭文字や記号で分けて記録し、賛成・反対は○×などで記録しましょう。意見が途中で変化する場合もあるため、注意しておく必要があります。
内容そのものよりも、話者の立場を問われる設問もあるため、全員の発言を完全に書き取ろうとする必要はありません。
メモは必要な問題だけ短く取る
メモが有効なのは、数字、時刻、曜日、順番、比較、賛成・反対、条件といった情報です。
一方で、短い対話の内容を英文でそのまま書き取ろうとすると、次の音声を聞き逃してしまう可能性があります。自分にとってどの程度のメモがちょうどよいかは、過去問演習を重ねながら調整していきましょう。
聞き逃した問題は引きずらず次へ進む
1回読みの問題では、聞き逃した内容を思い出そうとしている間にも、次の音声が始まります。判断できない場合はいったん選択肢をマークし、次の設問の確認へ移りましょう。過去問演習でも、前の問題を引きずらず切り替える練習が必要です。
|
東大卒ライター・布施川先生のアドバイス「前の問題は気にせず、終わったら次」 リスニングはこちらのペースで問題を解くことができません。なぜなら、流れる音声に沿って解答しなければならず、仮に前の問題が解き終わっていなくても、確信が持てなくても、音声はどんどん先に進んで行ってしまうからです。 だからこそ、前の問題がよくわからず、解答に自信がなかったとしても、次の問題が流れる前にとりあえず何かしらマークして、すぐに気持ちを切り替えることが非常に重要です。 わからない、と思った瞬間に思考が停滞して、立ち止まってしまうというのがよくあるケースですが、そうならないように、すぐに次の問題に集中する練習をしておくとよいでしょう。 |
1日15分のリスニング学習計画とよくある質問

まとまった学習時間を取りにくい受験生でも、短時間の練習を継続できるよう、具体的な学習計画に落とし込んでいきましょう。
平日は一つの音源を使って15分練習する
平日は、毎日新しい音源に進むのではなく、同じ音源を1週間かけて使い込み、少しずつ練習の難度を上げていく方法がおすすめです。
| 曜日 | 15分の学習内容 |
|---|---|
| 月曜 | スクリプトを精読し、単語・文法を確認する |
| 火曜 | 音声を聞きながらオーバーラッピングする |
| 水曜 | 聞き取れない部分をディクテーションする |
| 木曜 | シャドーイングする |
| 金曜 | リプロダクションで英文を再現し、仕上げとして聞き直す |
リプロダクションが難しい場合は、音声の内容を日本語で説明したあと、スクリプトを見ながら音読する方法に置き換えても構いません。また、音源がすでに簡単すぎる場合や、十分に理解できている場合は、同じ音源に1週間こだわる必要はなく、理解度に応じて途中で次の音源に切り替えても構いません。
|
東大卒ライター・布施川先生のアドバイス「隙間時間に英語のシャワーを浴びよう」 上記の学習以外にも、日常生活のいたるところで英語のシャワーを浴びることができる環境を用意しておくと効果的です。通学時間、食事の時間、湯船に浸かっている時間など、いわゆる「隙間時間」に英語を流しておく。これだけで、英語が流れた瞬間に耳を傾ける癖がつきます。 基本我々人間は、母語以外の情報を積極的に取り入れることはあまりありません。つまり、英語が母語でない限り、流れてきた英語に集中するためには意図的に耳を傾ける必要があります。それができるようになるために、普段から英語のシャワーを浴びることが大切なのです。 集中して取り組む15分の学習と、隙間時間の英語接触は、目的が異なる別のものとして考えてください。 |
土日は実戦演習と聞き直しに取り組む
土曜日は、時間を測って大問または1回分の過去問を解く実戦演習の日にしましょう。
日曜日は、間違えた問題のスクリプト確認、音読、聞き直しなど、復習と弱点分析にあてます。毎週1回分をまるごと解く必要はなく、学習段階に応じて大問単位で演習しても構いません。
平日の基礎練習と、土日の実戦演習をつなげていくことがポイントです。
教材・音源はレベルと目的に合わせて選ぶ
特定の参考書名やアプリ名にこだわる必要はありません。大切なのは、自分の目的とレベルに合った教材を選ぶことです。
| 目的・レベル | 選びたい教材・音源 |
|---|---|
| 基礎から始める | 短い英文、ゆっくりめの速度、スクリプト・和訳付き |
| 音の弱点を確認する | 一文ずつ再生しやすく、スクリプトと照合できる |
| 5〜6割から伸ばす | 短い会話と設問がセットになっている |
| 7割以上を目指す | 図表、長い説明、1回読みを含む |
| 本番対策をする | 共通テストと同じ形式・時間で演習できる |
教材の難度は、スクリプトを読めばほぼ理解できるが、音声では一部聞き取れない、という程度を目安にするとちょうどよいバランスになります。難しすぎる音源を無理に使うことが、高得点への近道になるとは限りません。
共通テストのリスニングは何分・何問ですか?
共通テストの英語(リスニング)は、解答時間30分で大問6題が出題されます。試験全体の時間は60分ですが、前半の音量確認や説明の時間を含んでおり、実際に問題を解く時間は30分です。
第1問・第2問は音声が2回、第3問〜第6問は1回しか流れないため、後半ほど時間配分に注意が必要です。
リスニングで7割・8割を取るには何を優先する?
7割を目指す場合は、短い対話を安定して取ること、語彙・文法の穴を減らすこと、先読みを習慣化すること、1回読みの問題に慣れることを優先してください。
8割以上を目指す場合は、第4問以降の失点を分析すること、図表や複数話者の処理速度を上げること、苦手な大問に絞って演習すること、小さな聞き逃しから内容を推測する力を養うことが優先事項になります。
年度によって難易度や平均点が変動するため、「7割ならこのレベル」「8割なら安心」と一概に断定できるものではありません。
リスニングは朝と夜のどちらに勉強する?
朝と夜のどちらが絶対に効果的というものではなく、集中でき、継続しやすい時間帯で行うことが大切です。
朝は集中しやすく、毎日の習慣にしやすい人に向いています。夜は、その日の学習内容の復習として取り組みたい人に向いているでしょう。
通学時間は英語の音に触れる時間として活用し、机に向かえる時間はディクテーションや問題演習に使う、というように分けることもできます。
|
東大卒ライター・布施川先生のアドバイス「目標は厳しく設定しすぎない」 筆者は、本番が夜であることを踏まえ、夜にやっていました。とはいえ、そこまで明確に時間を意識していたわけではありません。その日のノルマを達成するためにその日中にやる、という形を取っていたので、時間については比較的自由でした。 上述の隙間時間のリスニングは朝も夜も関係なく、とにかく時間が空いた時に英語を流していました。合計時間や何時に何をやる、と目標をあまりに厳しく設定すると、それが目的と化してしまいがちです。あまり気にせず、やるべきことをやればよいのではないでしょうか。 |
洋楽・洋画や聞き流しにも効果はある?
洋楽や洋画は、英語に触れる習慣づくりや気分転換としては有効です。
ただし、ただ聞き流すだけでは、共通テストで必要な図表処理や設問対応は身につきません。
活用する場合は、歌詞や字幕を確認する、聞き取れなかった部分を照合する、短い場面を繰り返し聞く、というように工夫し、共通テスト対策の中心は別に用意しておくことを意識してください。
|
東大卒ライター・布施川先生のアドバイス「洋楽を使った勉強は気分転換にもなる」 私も、気分転換に好きなアーティストの洋楽を聴いていました。最初は歌詞を見ずに聴いて、なんとなく歌えるくらいまで曲を覚えてきたら、今度は歌詞を見てみて間違えて聞き取っていたところを直します。それで最終的にはその曲を完璧に歌えるくらいまで練習していました。 机に向かってガツガツやる必要がない分、ハードルが高くないため、モチベーションがあまりない時などにおすすめです。 |
リスニング対策で塾に通う必要はある?
リスニング対策は独学でも進められますが、聞き取れない原因を自分で特定できない、勉強法が合っているか判断できない、一人では継続できない、発音や音読へのフィードバックが必要、リスニング以外の英語力にも課題がある、といった場合は、塾を検討する価値があります。
ただし、塾に通うだけで自動的に点数が伸びるわけではありません。授業以外の時間にも、音声に触れる時間を確保することが必要です。
まとめ 共通テストのリスニングは原因に合った対策を続けて得点源にしよう

共通テストリスニングの対策は、まず過去問を解き、苦手な大問と失点の理由を確認することから始まります。語彙・音声認識・意味処理・情報整理のどこに課題があるかを見極めたうえで、精読・音読、ディクテーション、シャドーイングなどから必要な練習を選びましょう。
また、聞き取る力だけでなく、大問ごとの先読みや図表・選択肢を処理する練習も必要です。平日は一つの音源を1日15分ずつ丁寧に復習し、土日は共通テスト形式の問題で実践力を確認してください。
共通テストリスニング対策の正体は、聞く量をただ増やすことではなく、失点原因に合った練習を共通テスト形式につなげることです。まずは過去問を解き、失点した大問とその理由を確認するところから始めてみましょう。
執筆者プロフィール
塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。
監修者プロフィール
著述家、教育ライター。東京大学文学部卒。 教育メディア「未来図」副編集長。一般財団法人「ドラゴン桜財団」評議員。 1997年生まれ。世帯年収300万円台の家庭に生まれながらも、効率的な勉強法を編み出し、一浪の末東大合格を果たす。著書に最小コストで結果を出すノウハウを体系化した『東大式節約勉強法』、膨大な範囲と量の受験勉強をする中で気がついた「コスパを極限まで高める時間の使い方」を解説した『東大式時間術』など。株式会社カルペ・ディエムにて、お金と時間をかけない「省エネスタイルの勉強法」などを伝える。MENSA会員。(Xアカウント:@Temma_Fusegawa)
注目の塾
PR



