共通テスト対策【2026年度対応】科目別の勉強法を東大卒ライターが徹底解説


編集部
塾選ジャーナル編集部

株式会社カルペ・ディエム所属 東京大学文学部卒ライター
布施川天馬
「共通テストに自信がない」「勉強法がわからない」と感じていませんか?
2025年度からの大学入学共通テストは新課程に対応し、共通テストは7教科21科目(国語、地理歴史、公民、数学、理科、外国語、情報)で構成されます。出題傾向や形式も年々進化しており、早めの対策が重要です。
本記事では、東京大学文学部出身のライターが、各教科の特徴を踏まえた科目別勉強法を詳しく紹介。さらに、共通テストまでのおすすめ勉強スケジュールや、効果的な学習計画の立て方もまとめています。
ぜひ本記事を参考に、合格への一歩を踏み出してください。

共通テスト対策を始める前に意識しておきたいポイント3選
共通テスト対策を始める前に、必ず意識しておきたい3つのポイントを紹介します。
- 共通テストで受験する科目はどれか確認する
- 共通テストで何割を目指すのか目標点を設定
- 共通テスト対策は高3の夏までに仕上げる
共通テストで受験する科目はどれか確認する
共通テストは、7教科21科目(国語、地理歴史、公民、数学、理科、外国語、情報)で構成されています。
ただし、受験に必要な科目は、志望大学・学部によって異なるため、注意が必要です。出願条件として、特定の教科や科目を指定している大学も多くあります。
例えば、「地理探究」が指定されているのに「地理総合」で受験してしまうと、出願資格を満たせません。こういったミスは絶対に避けておきたいところです。
そのため、まずは共通テストの科目選択ミスを防ぐことが重要です。大学公式サイトや入試要項を確認し、必要な教科・科目を明確にしましょう。
共通テストで何割を目指すのか目標点を設定
共通テストは、国公立大学の一般選抜で重要な役割を担います。国公立大学の場合、合否は共通テストと個別試験(二次試験)の合計点で決まります。
そのため、まずは志望大学の共通テスト配点割合と合格最低点を調べることが重要です。大学によっては、共通テストの比重が6割以上になる場合もあります。
自分の得意・不得意科目や二次試験の難易度を踏まえ、現実的かつ戦略的な得点目標(例:共通テストで8割)を設定しましょう。
目標点を明確にすることで、学習計画にも具体性が生まれます。
共通テスト対策は高3の夏休みまでに仕上げる
共通テスト対策の第一歩は、教科書レベルの知識を確実に身につけることです。特に基礎内容のインプットと、典型問題の解法パターンの習得が重要です。
結論から言えば、高校3年生の夏休み終了までに基礎固めを完了させるのが理想です。
この時期までに主要科目の教科書を復習し、共通テストレベルの標準問題に対応できる状態を目指しましょう。
夏までに対策が進んでいれば、秋以降は共通テスト模試や過去問を中心とした実戦的な演習に集中できます。効率的な共通テスト対策につなげるために、「高3の夏休みまでに共通テスト対策を完璧にする」という意識を持っておきましょう。
東大卒ライターのアドバイス「共通テスト対策で重要なのは基礎固め」 共通テストで各科目8割程度を安定して取ることを目指すのであれば、もっとも重要なのは基礎固めです。そしてそれは、国公立大の二次試験や私立の個別学力試験にもつながってきます。 私の場合は、高3の夏休み明けには基礎固めは完了しており、すでに本格的な受験勉強に専念していました。その時点で安定した点数を取ることはできていたので、最終的な追い込みは本番までの1か月間だけ。このように、直前の対策を短くして、二次試験等の対策に時間を使いたい場合は、やはり高3の夏休みまでに基礎を完璧にしておくと良いでしょう。 (布施川先生) |
共通テスト対策【国語】
国語の共通テストで重要となるポイントを以下の表にまとめました。
共通テスト国語の科目 | 意識しておきたいポイント |
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現代文 |
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古文 |
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漢文 |
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現代文
共通テストの現代文では、複数資料の読解や思考力を問う設問が中心となっています。評論文・随筆文の読解に加え、図表やグラフとの組み合わせ問題も出題されます。
特に重要なのは、筆者の主張・論理構造を正確に把握する力と、複数のテキストを比較し、共通点・相違点を整理する力です。
対策の第一歩は、教科書レベルの文章を丁寧に読み込む習慣をつけることです。ジャンルを問わず幅広い文章に触れ、「どんなテーマでも読める力」を育てておきましょう。
さらに、「本文のどこに根拠があるか」を意識しながら演習問題を解くことが大切です。
正解を選ぶだけでなく、誤答の根拠を説明できるようになると、共通テストの選択肢問題に強くなります。
模試や過去問を通じて問題形式に慣れることも、現代文対策では欠かせません。特に新傾向にあたる複合資料型の問題(例:図表+評論文)には早めに慣れておきましょう。
古文
共通テストの古文で得点するためには、まず頻出古文単語と基本文法の習得が欠かせません。古文単語帳を活用し、共通テストに出やすい語から優先的に覚えていきましょう。
特に、「いみじ」「あはれ」「をかし」などの多義語は文脈に応じた意味の違いを理解することが重要です。
次に、助動詞・助詞・活用形などの古典文法を一通りマスターしてください。
単語と文法を覚えたら、古文を読む際に「その知識が実際にどう使われているか」に注目しましょう。このとき、現代語訳の練習が非常に有効です。意味の通る訳をつくることで、主語の把握や敬語の理解も自然と身につきます。
また、音読によって古文のリズムや構文に慣れると、読解力が安定しやすくなります。
演習段階では、共通テスト形式の問題を20分以内で解く練習が必須です。特に古文はスピード感と設問処理能力が合否を分けます。
古文は「短期間でも伸びる科目」です。語彙・文法の基礎を固め、過去問演習を重ねれば、得点源に変えられます。
漢文
共通テストの漢文では、返り点の理解・句法の暗記・語彙力が得点の土台になります。
まずは「レ点」「一二点」「上下点」などの基本的な返り点の読み方を正確に覚えましょう。
次に、「使役」「受身」「否定」「疑問・反語」などの頻出句法(句形)をインプットしてください。
重要語句や漢文特有の語彙も、意味と用例をセットで覚えると実践力が高まります。
読解力の向上には、音読の継続が極めて効果的です。目と耳を同時に使うことで、記憶への定着と文構造の把握力が上がります。学習済みの文章を繰り返し声に出して読むことで、書き下し文の精度も高まるのでおすすめです。
共通テストでは複数の短文を組み合わせた設問もありますが、文章の関連性を読み取る力と基本的な読解力があれば十分対応できます。対策としては、単文の精読と句法の定着を重視し、基礎を確実に固めることが大切です。
短時間で得点を伸ばしやすい漢文は、古文とセットで学習スケジュールを立てるのが効果的です。満点も狙える科目ですので、積極的に狙っていきましょう。
東大卒ライターのアドバイス「共通テスト国語の対策」 私の場合は、過去問や予想問題を活用して、時間内に解き終わる感覚を掴む練習を中心に対策していました。時間内に評論、小説、古文、漢文全てにおいて、バランスよく内容を理解し、各パートで安定した点数を取るためには、時間配分の意識が非常に重要です。時間を測って、過去問をたくさん解くことをおすすめします。 また、共通テストの過去問はまだまだ少ないですが、センター試験も共通テストも、問われている力は大きくは変わっていないので、センター試験の過去問も活用するとさらに本番力を高めることができるでしょう。 (布施川先生) |
共通テスト対策【数学】
数学の共通テストで重要となるポイントを以下の表にまとめました。
共通テスト数学の科目 | 意識しておきたいポイント |
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数学Ⅰ・A |
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数学Ⅱ・B・C |
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数学Ⅰ・A
数学I・Aの対策としては、以下のポイントを重視しましょう。
- 解く順番や時間配分を工夫する
- 状況把握能力と読解力を高める
- 公式の丸暗記は避ける
解く順番や時間配分を工夫しよう
共通テストの数学I・Aは試験時間が70分と限られており、解く順番や時間配分の工夫が欠かせません。
特に、計算に手間取る問題や、解法がすぐに浮かばない設問に時間を費やしすぎるのは避けたいところです。
まずは確実に得点できそうな問題から解き、難問は後回しにするなど、優先順位を意識した戦略的な演習を心がけましょう。
過去問は必ず時間を測って解く習慣をつけてください。複数の模試に取り組むのも、時間感覚を養ううえで効果的です。
状況把握能力と読解力を高める
近年の出題では、身近なテーマをもとにした融合問題や、初見で考えさせる問題が多く見られます。
かつてのようなパターン学習だけでは通用しにくくなっており、状況を整理して基礎知識と結びつける力が問われているのです。
また、文章の長文化も進んでおり、数学力に加えて読解力も問われる傾向にあります。
問題文に含まれる条件や意図を正確につかむには、情報を読み解く力が不可欠です。
こうした力は数学だけでなく、国語や理科、社会でも共通して必要とされます。
読解力を高めるには、読書や調べ物を通じて、日頃から言語に対する感覚を磨くことが効果的です。
公式の丸暗記は避ける
数学の定理や公式は、単に暗記するだけでは応用が利きません。重要なのは、その意味や成り立ちを理解したうえで使いこなすことです。
例えば、なぜその公式が使えるのかを説明できるようになれば、初見の問題に対する対応力も高まります。理解の浅い知識をそのままにせず、ひとつずつ納得を積み重ねていくことが、着実な得点力につながります。
数学Ⅱ・B・C
数学Ⅱ・B・Cの対策としては、以下のポイントを重視しましょう。
- 解く順番や時間配分を工夫する
- 数学の知識のインプットを優先して進める
- 数学Ⅰ・Aと同じく読解力を高める
- スピードと正確性を維持した計算力をつける
特に数学B・Cは選択形式のため、得意な単元を見極める力と、時間を無駄なく使う判断力が求められます。問題量が多く、読解を要する設問も増えているため、正確かつ素早く情報を処理する力を伸ばしていきましょう。
解く順番や時間配分を工夫する
数学II・B・Cの試験時間は、数学Ⅰ・Aと同じく70分です。
このうち、数学IIの3単元はすべて必答。数学B・Cの4単元(数列、統計的な推測、ベクトル、平面上の曲線と複素数平面)からは3つを選択して解答します。
大問数が多く、試験全体のボリュームがあるため、時間の使い方が得点を大きく左右します。共通テスト形式の問題集を用いて、実際の時間感覚に慣れておくことが重要です。
数学の知識のインプットを優先して進める
共通テスト対策に取り組むにあたっては、まず数学の基礎知識をしっかりと固めることが大切です。
数学II・B・Cでは、定理や公式の理解を前提に考えさせる問題や、二次・私立大レベルに近い問いが含まれることもあります。
特に現役生の場合、「見慣れた問題なら対応できるが、形式が変わると戸惑ってしまう」といった悩みも少なくありません。
マーク式という形式にこだわりすぎず、幅広く知識を蓄える姿勢が重要になってきます。
授業や独学を通じて、知識の習得と同時に、論理の流れや数式の意味を理解する習慣を意識してください。
公式を使うだけでなく、「なぜその解法になるのか」を考えることで、初見問題への対応力が磨かれます。
また、余裕のある時期には証明問題にも積極的に挑戦しましょう。
一つひとつの理解を深めることで、共通テスト本番でも自信を持って問題に向き合えるはずです。
数学Ⅰ・Aと同じく読解力を高める
数学II・B・Cでも、数学I・Aと同様に、問題文を正確に読み取る力=読解力が得点を左右します。
出題者がどのような意図で条件や設定を提示しているのかを把握することが、解法のスタート地点になるのです。
例えば、日常生活の場面をもとにした出題や、会話形式の問題、複数の条件が複雑に絡む設問などが出題されることも。
こうした設問では、必要な情報を抜き出し、数学的な言葉で整理する力が求められます。
数学の読解力とは、単に文章を読む力ではなく、「情報を取捨選択し、数理的に再構成する力」です。対策をする中でしっかりと身に着けていきましょう。
スピードと正確性を維持した計算力をつける
数学II・B・Cでは、複雑な計算処理を求められる問題がたびたび出題されます。特に積分や三角関数、ベクトル、数列といった単元では、正確な式変形と計算の速さが得点を左右します。
計算力を鍛えるうえで大切なのは、単に速く解くことを目指すのではなく、自分のミスしにくいスピードを把握することです。慌てて計算を進めると、符号ミスや数字の見落としといったケアレスミスにつながりやすくなります。
解説を読んだだけでは計算力は身につきません。毎日の学習に計算練習を組み込むことで、数字や式の扱いに対する感覚を養うことができます。例えば、苦手な因数分解や分数処理だけをまとめて練習する時間を設けるのも有効です。
共通テストでは70分という限られた時間の中で、大量の設問を処理する必要があります。
スピードと正確性の両立は、あらゆる設問で求められる基盤的な力といえるでしょう。
日々の練習で、「ゆっくり正確に」から「速く正確に」へと段階的にレベルアップすることを意識して取り組んでください。
東大卒ライターのアドバイス「共通テスト数学の対策」 共通テストの数学は特に、圧倒的に時間が足りません。のんびり解いていたら、解き切れずに終わってしまいます。他の科目でも言えることですが、とにかく時間配分を細かく決めること、その通りに解き進める練習をすること。この2点を意識して対策していました。 また、過去問や予想問題を解いて、間違えた問題は必ず基礎に立ち返るようにしていました。共通テストで問われるのは、基礎的な公式や定理をうまく活用できるか否かなので、間違えたのなら、基礎が定着していない可能性が高いのです。教科書に戻って、公式の証明を読み返し、理解を深めてから解き直すことを繰り返していました。 (布施川先生) |
共通テスト対策【英語】
英語の共通テストで重要となるポイントを以下の表にまとめました。
共通テスト英語の科目 | 意識しておきたいポイント |
---|---|
リーディング |
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リスニング |
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リーディング
英語のリーディングは、以下のポイントを意識しておきましょう。
- 速読力を鍛える
- 複数情報を統合して読む力をつける
- 設問と選択肢の先読みで着眼点を明確にする
- 言い換え表現に強くなる
- 読解の基盤としての文法・語法
- 試験形式の変化に動じないための準備
速読力を鍛える
共通テストでは、限られた時間内に大量の英文を処理する必要があります。
そのためには、英文を早く・正確に読む速読力が欠かせません。
日常的に多様な英文に触れ、短時間で要点をつかむ練習を積んでおきましょう。
ニュース記事、メール文、掲示、広告文など、出題されやすい形式に慣れておくことが大切です。
複数情報を統合して読む力をつける
共通テストでは、複数の英文や図表を組み合わせて考える問題が出題されます。視覚情報と文章情報を結びつけて理解する力が求められるのです。
模試や過去問を使い、設問以外の部分も含めて全体を正確に読み取る練習を行いましょう。
設問と選択肢の先読みで着眼点を明確にする
問題に取りかかる前に、設問文と選択肢にあらかじめ目を通す習慣をつけましょう。
あらかじめ着目すべきポイントが分かっていれば、本文を読む際の迷いが減り、効率的に読み進められます。
特に、話題・登場人物・目的・意図といった基本的な情報は、事前の把握が読解スピードに大きく影響します。
言い換え表現に強くなる
共通テストの正解選択肢は、本文の内容を別の表現で言い換えたものがほとんどです。
したがって、本文と選択肢の表現の対応関係を見抜く力が求められます。
パラフレーズ(言い換え)を意識しながら読むトレーニングを、問題演習の中で意識的に取り入れてください。
読解の基盤としての文法・語法
長文読解では、文法や語法の基礎が不可欠です。
共通テストでは高度な文法力は問われませんが、中学〜高校基礎レベルの構文知識があれば対応可能です。
文法項目を単体で暗記するのではなく、長文中でどう使われているかを理解する視点を持ちましょう。
試験形式の変化に動じないための準備
共通テストでは、年度によって大問の数や出題形式に変化が見られることがあります。
実際、2025年度のリーディングも大問構成の大幅な変更が実施され、受験生を驚かせました。
こうした変更は今後も起こり得ますが、根本的に問われている力は変わりません。
重要なのは、形式に惑わされず、文章を正確に読み取り、情報を整理し、すばやく処理する力を着実に養っておくことです。
本番で想定外の出題形式に出会っても、焦らず本文の中にある根拠を冷静に探し出せる力があれば対応できます。そのためにも、形式より中身=読解力そのものを鍛える学習を継続することが大切です。
リスニング
リスニングについては、以下のポイントを意識しましょう。
- シャドーイングから精読・音読の5つのサイクルを徹底
- 問題文のリード文や選択肢は先読みする
- リスニングは5W1Hの単語に注目
- 動詞に着目しながらメモする
[JOURNAL FULL id=23845]
シャドーイングから精読・音読の5つのサイクルを徹底
リスニングに強くなるには、以下の5つのおすすめサイクルを回していくことをおすすめします。
- シャドーイング:まずは発音とリズムを真似る
- ディクテーション:聞き取れない音を見える化
- オーバーラッピング:英語の処理速度を上げる
- リプロダクション:記憶力と要点把握の訓練
- 精読・音読:基礎文法と語彙を並行強化
こちらのサイクルを1週間、日替わりで回していくことでリスニングの基礎力を付けていきましょう。
問題文のリード文や選択肢は先読みする
共通テストのリスニングでは、音声が流れる前にリード文や選択肢を先読みすることが極めて重要です。
先に内容を把握しておくことで、聞き取り中に焦ることなく、選択肢の判断に集中できます。
特に、会話の場面設定や登場人物の関係性を把握しておくだけでも、聞くべきポイントが絞れます。
先読みの精度が高まるほど、試験中の処理速度と正答率が向上するでしょう。
リスニング音声は一度きりの出題も多いため、「読む・聞く・選ぶ」の流れをスムーズにする準備として、先読みは必須のテクニックです。
リスニングは5W1Hの単語に注目
リスニング問題では、5W1H(Who・What・When・Where・Why・How)に注目することが重要です。
これらのキーワードを意識するだけで、設問の意図や会話の展開を事前に予測しやすくなります。
例えば、「When」で始まる質問なら時刻や日付に関する情報に集中すればよく、効率的に聞き取ることが可能です。
また、話し手が誰に何を尋ねているのかをつかむことで、リスニング中の混乱を避けられます。
先読みの段階で5W1Hを見極めるクセをつけておくと、正確に情報を整理する力が養われるでしょう。
動詞に着目しながらメモする
共通テストのリスニングでは、設問が音声の流れに沿って出題される構成になっています。
そのため、聞こえた順にメモを取っておくだけでも、後の設問に役立つことがあります。
メモを取る際は、動詞に注目するのがコツです。
「誰が」「何をしたのか」を軸に簡潔に書き留めると、話の要点が整理しやすくなります。
聞き逃した問題があっても、動詞中心のメモを見返せば、再度のリスニングで理解が深まる可能性があります。
キーワードだけでも残しておくことが、得点につながる一手です。
東大卒ライターのアドバイス「共通テスト英語の対策」 リーディングの問題は、大問ごとに特徴がはっきりしています。前半は記事から読み取れる情報について聞かれる問題が中心で、後半は、長い文章の時系列を追って総合的に理解することを求められる問題が中心です。この違いを踏まえ、各大問で何が聞かれるか、意識しながら長文を読むようにしていました。出題者の視点に立って客観的に考えながら読み進めるだけで、問題を解く時にすんなりと答えを見つけ出すことができるのです。 リスニングについては、共通テスト専用の対策が必要だと考えています。共通テストのリスニングは、英語力だけでなく、情報処理能力が求められるからです。私は、過去問や予想問題をとにかくたくさんこなすことを意識していました。そして、特に苦手なタイプの大問を見つけ出し、それだけに絞って練習することで、点数を安定させることができたように思います。 (布施川先生) |
共通テスト対策【理科】
理科の共通テストで重要となるポイントを以下の表にまとめました。
共通テスト理科の科目 | 意識しておきたいポイント |
---|---|
物理基礎・物理 |
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化学基礎・化学 |
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生物基礎・生物 |
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地学基礎・地学 |
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物理基礎・物理
共通テストの物理基礎・物理では、出題形式や題材に変化があっても、求められる力の本質は変わりません。
基本法則の理解・実験や現象の考察・論理的な思考力を日々の学習で積み上げておくことが、安定した得点につながります。
実験の観察力と考察力を養う
共通テストでは、実験を題材にした問題や、グラフを読み取り推論する形式が継続的に出題されています。
日ごろから実験や観察に積極的に取り組み、現象と物理法則のつながりを実感する経験を積んでおくことが大切です。
教科書に記載されている探究活動などは、出題可能性の高いテーマとして重点的に扱われる傾向があります。
器具の扱い、データの読み取り、誤差の考察といった観点も含めて、実践的に学んでおきましょう。
実際に実験ができなかった場合でも、共通テストの過去問を通じて、擬似的に実験を体験することは可能です。
過去問の中から、実験系の問題を意識的に取り上げて取り組むことをおすすめします。
論理的思考を意識した読解と演習
物理では、「なぜそうなるのか」を順序立てて考える力が問われます。
特に、会話文形式の空欄補充問題では、内容そのものよりも論理展開の理解が重視されます。
たとえ自分が詳しくないテーマであっても、本文を読んでその場で理解し、論理的に判断する力があれば対応できます。
日頃の学習でも、暗記や反復だけで終わらせず、条件と結果の関係を意識して考察する練習を積みましょう。
基本法則と典型問題で土台を固める
共通テストで出題される問題の大半は、教科書に載っている法則や公式に基づいています。
形式が新しく見えても、解法の本質は従来通りの基礎知識で対応可能です。
まずは、各分野の代表的な法則・公式を満遍なく理解し、数値計算や有効数字の扱いも含めた実践練習を進めましょう。
教科書だけでなく、基本~標準レベルの演習問題に繰り返し取り組むことも重要です。
特に、実験データの解析やグラフの読み取りを含む問題を通して、知識の定着を図ってください。
化学基礎・化学
共通テストの化学基礎・化学では、教科書に基づく基本知識の理解、データやグラフの読み取り、実験や現象に対する考察力を日々の学習の中で積み重ねていくことが、安定した得点につながります。
教科書中心に基本事項を確実に押さえる
共通テストでは、教科書に記載されている基本的な知識・語句・計算事項の正確な理解がまず求められます。
基本問題を確実に得点源にすることが安定した合格ラインの土台となります。
共通テスト形式にこだわりすぎず、教科書例題や傍用問題集などで丁寧に内容を確認しながら学習を進めましょう。
特に、語句・原理・反応式などは、その背景や理由を自分の言葉で説明できるかを意識することが大切です。
計算問題・思考力問題に強くなる
共通テストでは、公式に数値を当てはめるだけでは解けない複数ステップを要する計算問題が出題されます。
また、初見の題材から情報を読み取り、自分で解法の流れを構築する力も必要です。
こうした問題に対応するには、複数の知識をどのように組み合わせるかの「型」や「道筋」をあらかじめ持っておくことが有効です。
国公立・私立大学の入試問題などを活用し、初見の計算問題にも慣れる訓練をしておきましょう。模試の解説には思考のプロセスが丁寧に書かれているため、「なぜその式を立てたか」を読み解く練習としても効果的です。
探究・実験の視点を活かす
教科書にある「探究」や「実験」の記述は、原理や法則の理解と応用の橋渡しになります。
実験に取り組める環境があれば積極的に参加し、器具操作やデータ処理、誤差の原因といった観点まで含めて学びを深めましょう。
実験機会がない場合でも、「操作」「仮説」「考察」など各プロセスの意味を理解することが重要です。
また、資料集にある写真や器具図を見て、操作手順をイメージできるようにしておくと、情報量の多い設問にも対応しやすくなります。
初見問題に対応する読解力と柔軟性を養う
近年は、見慣れない物質や新しい反応設定を使った問題が出題される傾向があります。
問題文や図表から必要な情報を抜き出し、教科書で学んだ知識と照らし合わせながら、柔軟に解法を導く力が求められます。
実験操作や背景の説明が含まれる長文問題でも、文章・図・数値の関係を読み解き、整合性を意識して考察する姿勢が重要です。
分野横断問題への対策と実戦演習
一つの大問の中に、理論化学・無機化学・有機化学の複数分野が組み合わされた出題も想定されます。
こうした問題への対応力を高めるには、共通テスト予想問題集や私大のマーク式問題が有効です。
分野をまたぐ知識のつながりを意識しながら、問題の概要把握から正答導出までのプロセスを訓練しておきましょう。
情報整理・構造化・計算・考察という一連の力を、バランスよく引き上げていくことが重要です。
生物基礎・生物
生物基礎・生物の共通テストでは、知識の背景理解・読解力・考察力の3つをバランスよく伸ばすことが求められます。
単なる暗記では対応できない問題に備えて、情報を読み解き、自分で考え抜く力を少しずつ育てていきましょう。
用語の丸暗記ではなく理解をともなう知識定着を目指す
共通テストの生物では、単に用語を問う設問は少なく、文章形式の選択肢から正誤を見極める問題が主流です。
そのため、教科書の語句を暗記するだけでは対応が難しく、用語の意味や他の内容との関連性を含めて理解することが求められます。
共通テスト・センター試験の過去問や、共通テスト向け問題集などを用いて、知識を「使う」ための演習を積み重ねておきましょう。
また、すべての分野から幅広く出題されるため、苦手単元を放置せず、バランスよく学習を進めることが重要です。
データ・グラフを読み取る考察力を鍛える
共通テストでは、表・グラフ・図などのデータをもとに考察させる設問が多く出題されます。
このような問題では、単なる暗記では対応できず、情報を正確に読み取り、論理的に判断する力が問われます。
例えば、「どのデータが仮説を支持するか」「変化の原因はどこにあるか」など、複数の視点から図表を読み解く練習が必要です。
過去問や問題集の演習を通して、正確に情報を取捨選択し、判断の根拠を持つ訓練を重ねていきましょう。
探究活動や実験の視点を持つ
近年は、探究的学習を意識した問題も増えており、実験の目的・仮説・操作・結果・考察といった流れを理解しているかが問われます。
学校での観察や実験に主体的に取り組むことで、教科書に記載された内容が“実感を伴った知識”へと変わります。
実験の機会が限られている場合は、教科書や資料集にある探究活動の記述や写真資料に目を通して、操作や現象の流れをイメージできるようにしておきましょう。
初見の題材に対応する柔軟な読解力を育てる
共通テストでは、教科書に載っていない現象や新しい実験設定が出題されることもあります。
このような設問では、問題文・図・グラフなどから必要な情報を抽出し、自分の知識と結びつけて解答を導く力が必要です。
一朝一夕で身につく力ではないため、早い段階から「初見の情報を読み取る練習」を意識して積み重ねることが重要です。
共通テスト用の問題集や模試では、このような力を問う問題が多く掲載されているため、継続的に取り組んでおきましょう。
地学基礎・地学
共通テストの地学では、知識・視覚理解・データ処理・考察力の総合力が求められます。
文章・図・写真から意味のある情報を読み取り、地学的にどう解釈するかを判断できる力を、日々の学習の中でじっくり育てていきましょう。
図や写真を活用して現象理解を深める
地学では、現象を視覚的に理解する力が重要です。
教科書の本文だけでなく、図や写真の解説を丁寧に読み、形成の過程や特徴を具体的に理解しておきましょう。
共通テストでは、化石、堆積構造、天体など、写真資料をもとにした問題が出題されることがあります。
単語の暗記だけでなく、実物がどういうものか、どうしてその形になるのかをイメージできる力が求められます。
資料集の写真や図解を繰り返し見て、見慣れておくことも効果的です。
中学理科の内容もふまえた知識の整理
地学基礎の学習と並行して、中学の復習も行っておくことが大切です。
特に天体や地球の構造など、中学で扱った基本事項を自分の知識として結びつけておくことで、知識問題への対応力が高まります。
図表を用いた考察力を養う
共通テストの考察問題では、図・グラフ・表を用いた読解と判断が求められます。
与えられた情報から地学的に意味のあるポイントを抽出し、自分の知識と照らし合わせて考察する力を鍛えておきましょう。
教科書にある探究活動の「図表作成」などを実際に行い、その結果から地学現象をどう説明できるか考える練習が効果的です。
レポートや会話文などを題材とした問題にも備えて、文章・図・数値の情報を総合的に読み解く力を身につけておくと安心です。
東大卒ライターのアドバイス「共通テスト理科の対策」 理科については、毎年問われるポイントは似通っているので、数年分過去問を解いて、覚えるべき部分と理解すべき部分を抽出しました。 間違えた知識問題は教科書や資料集に戻って復習して覚え直します。間違えた原因が公式の理解不足であれば、公式の導出や使える条件などを振り返って、なぜ間違えたのか分析します。これを繰り返すだけで、理科は順当に点数を上げていくことが可能です。 (布施川先生) |
共通テスト対策【社会】
社会の共通テストで重要となるポイントを以下の表にまとめました。
共通テスト社会の科目 | 意識しておきたいポイント |
---|---|
地理総合・地理探究 |
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日本史探究(歴史総合) |
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世界史探究(歴史総合) |
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公共、倫理 |
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公共、政治・経済 |
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地理総合・地理探究
地理の共通テストでは、多様な資料と知識を統合して論理的に考える力が試されます。
図や表から正確に情報を読み取り、背景を踏まえて思考を深める力を日頃の学習で育てていきましょう。
資料の読み取りと思考力を鍛える
共通テスト地理では、複数の情報を統合し、考察・推論する力が問われます。
資料に示された数値や差異に注目し、何を示唆しているのかを見抜く力が求められます。
また、学習した事柄と照らし合わせながら、統計や図表を自ら整理・表現する経験を積むことで、多様な資料に対応できる読解力が養われます。
地誌の学習は背景理解と関連づけがカギ
地誌の学習では、単に国ごとの特徴を暗記するのではなく、その背景にある自然的・社会的条件にも目を向けましょう。
気候・地形・宗教・歴史的経緯といった要因が、地域特性や人々の生活・産業にどう関係しているかを考察する姿勢が大切です。
地域の理解を深めるには、具体例と背景を結びつけて学ぶことが効果的です。
自然環境と人間活動の相互関係を読み解く
共通テストでは、自然環境と農業、生産や人口、災害などとの関係性を読み取る問題が多く出題されます。
地形・気候・産業立地など、地理的要因が人間活動や文化にどのような影響を与えるかを論理的に整理する力が問われます。
資料の量が多く題意も複雑になりがちなので、設問の狙いをすばやく把握し、図表と文章を結びつけて考察する練習が不可欠です。
図表・地図帳を使った学習習慣をつける
地理は図表を読む力がそのまま得点力に直結する教科です。
教科書や地図帳に掲載されている図・表を使い、何が読み取れるか、なぜその傾向になるかを考える習慣をつけましょう。
とくに、プレート境界と変動帯、大気の大循環、気候区分などの自然環境分野は、成因と結果を結びつけて理解することが重要です。
日本史探究(歴史総合)
日本史探究の共通テストでは、知識・資料読解・思考力の3つをバランスよく伸ばすことが求められます。
教科書中心の基礎を固めたうえで、多くの資料問題を解いて実戦力を養うことが、高得点への近道です。
知識のインプットは「毎日・反復・取捨選択」で効率的に
共通テストでは、教科書に基づいた知識の習得が前提です。3か月程度で全範囲の知識をインプットする期間を設けましょう。
ポイントは、「少しの時間でも毎日取り組む」ことです。一問一答集などは、全問を何度も繰り返すのではなく、間違えた問題を優先的に解き直す方式をとりましょう。
難問や教科書に載っていない内容にはこだわらず、「最初からやらない」という判断も戦略のひとつです。
なお、全問マーク式の共通テストにおいては、漢字で書くことにこだわりすぎず、選択肢の内容に集中することも効率的な学習法といえます。
歴史資料・図版・統計から読み取る力を鍛える
共通テストでは、リード文・史料・図版・グラフを活用した設問が多数出題されます。速く正確に情報を取捨選択する力を磨いておきましょう。
とくに、史料から読み取れるポイントを自分の言葉で要約する練習が重要です。教科書や資料集に載っている史料・略系図・地図・統計表を使って、情報を要約し、問いへの応答につなげる力を意識的に鍛えましょう。
多面的な視点と因果関係の理解を深める
共通テストでは、出来事を一方向から捉えるのではなく、複数の立場や視点から考察する力が問われます。
「同じ出来事でも、誰の立場で見るかによって評価が変わる」という視点を持ち、背景や因果関係をたどって理解を深めることが重要です。
また、用語の意味を単純に覚えるだけでなく、その用語が歴史の中でどう使われ、どんな影響を与えたかまで押さえると、思考型問題にも対応しやすくなります。
共通テスト形式に慣れるには模試と問題集を活用
日本史探究は、共通テストとしての出題が始まったばかりの科目であり、過去問の蓄積が少ない点に注意が必要です。
まずは2025年度の本試験や、予想問題に取り組みましょう。
加えて、市販の共通テスト対策問題集や模試を使って、資料問題・リード文付き問題への対応力を高める演習を重ねることが大切です。
旧課程の問題も活用し、実戦力を高める
過去問の不足を補うために、旧課程の「共通テスト日本史A・B」や「センター試験」の問題にも積極的に取り組みましょう。
とくにセンター試験は、知識面の強化や設問形式に慣れるうえで優れた教材です。
さらに、「歴史総合」教科書に含まれる世界史的内容との関連付け学習にも取り組むと、知識の接続力が向上し、思考力型の設問にも強くなります。
世界史探究(歴史総合)
世界史探究の対策では、知識・資料読解・横断的思考の3つが不可欠です。
用語を覚えるだけでなく、なぜその出来事が起きたのか、何に影響したのかを丁寧に考えながら、共通テストに対応できる総合力を磨いていきましょう。
資料を読み解き、多角的に考察する力を育てる
共通テストの世界史探究では、複数の資料を読み比べ、それらの内容を基に歴史的な因果関係を考察する力が問われます。
単に史料の内容を読み取るだけでなく、「なぜそれが起きたのか」「どのような影響があったのか」といった背景やつながりを想像し、根拠に基づいて考察する力が求められます。
学習の際は、教科書・資料集などを活用しながら、資料の性質や立場、出典の違いにも注意を払う習慣をつけましょう。
会話文・複合資料の読解力を鍛える
共通テストでは、生徒と教師による会話文を読み解く形式の設問が増加しています。
このような問題では、登場人物がどの視点に立ち、どのような資料に基づいて発言しているのかを正確に読み取る必要があります。
また、今後は複数の新しい資料を組み合わせた問題も出題されると考えられます。
そのため、設問を正確に読み取る情報処理力・事務処理力が、従来以上に重要になります。
暗記よりも理解重視、因果関係を掴む学習へ
世界史探究では、「用語そのもの」を問う出題は減少し、出来事の背景・内容・結果といった深い理解を前提とする問題が中心です。
また、出来事の時期の把握が必要な設問も頻出します。
したがって、単語の丸暗記では対応できず、流れや因果を意識したインプットが不可欠です。
教科書の記述をもとに、「何が起きて、何に影響を与えたのか」を丁寧に整理して学ぶことが大切です。
幅広い時代・分野を横断的に整理する
古代から現代まで幅広い時代が出題され、とくに第二次世界大戦後の現代史にも注意が必要です。
政治史に加え、社会・経済・文化の分野も頻繁に出題されるため、文化史・社会経済史で差がつく傾向にあります。
広範な範囲を効率よく整理するには、「縦(時系列)」と「横(地域・分野)」の両面から関連付けながら学ぶのが有効です。
出来事をつなげて整理し、横断的な理解を深めるよう意識しましょう。
実戦力は過去問・問題集で養う
世界史探究の出題傾向に慣れるには、共通テスト本試験の過去問が最適です。
世界史Bと比較して用語数は少ないものの、設問の内容は深く、資料の読解力や背景理解が求められる点では変わりません。
過去問に加え、試作問題や模試形式の問題集にも積極的に取り組むことで、実戦力を養いましょう。
設問形式に慣れることで、読解に要する時間を短縮し、正確に対応できる力が身につきます。
公共、倫理
「公共・倫理」の対策では、知識を理解し、文脈の中で活用する力が求められます。
教科書の精読と問題演習を地道に積み重ね、暗記型学習から脱却し、考える力を育てる学習を進めていきましょう。
倫理は全分野をカバー、特に西洋思想は重点対策
「倫理」では、青年期・源流思想・西洋近現代思想などから出題されます。特に西洋近現代思想は配点が高く、差がつきやすい分野のため、重点的に学習を行いましょう。
まずは教科書をベースに全範囲の知識をインプットし、過去問や共通テスト対応の問題集を繰り返し解くことが効果的です。解説をしっかり読み込み、思想家の言葉や考え方を理解とともに定着させることが得点力に直結します。
現代的課題と思想を結びつけて考察力を養う
共通テストでは、現代の社会課題をテーマとした設問が出題されることもあります。
単なる知識の再生ではなく、「思想家の考えを借りて、現代の問題をどう考えるか」という視点が求められます。
そのためには、普段から倫理的思考や価値観の違いに注目し、他者の立場を想像しながら問題意識をもつ訓練が大切です。
「公共」は基本を押さえて全体像をつかむ
2025年度の本試験では、「公共」から25点、「倫理」から75点の出題でした。
「公共」は倫理よりも出題割合は少ないですが、政治・経済を中心に内容が幅広く、基礎知識の習得が不可欠です。時間をかけすぎる必要はありませんが、全体像を理解し、基本事項を確実に押さえる学習を心がけましょう。
教科書精読+問題演習で知識の定着をはかる
共通テストでは、単なるキーワードの暗記では対応できない思考型問題が中心です。
教科書の記述を丁寧に読み、文脈のなかで知識を理解・整理する学習を積み重ねる必要があります。
おすすめは、教科書を単元ごとに読みながら、分野別の問題集で並行演習を進める方法です。
知識をインプットした直後にアウトプットの機会を設けることで、記憶の定着が飛躍的に高まります。
旧試験や模試も活用して実戦力を強化
旧課程の「倫理」や「現代社会」の過去問には、「公共・倫理」に通じる出題のヒントが多数含まれています。
時間に余裕がある方は、これらの過去問にも取り組んでおきましょう。
また、予想問題や模試を通じて、本番形式の設問に慣れておくことも重要です。
設問の構造や選択肢のひねり方に慣れることで、共通テスト本番での思考力・判断力の発揮がしやすくなります。
公共、政治・経済
「公共・政治・経済」では、知識の定着と資料処理力の両方が得点の柱です。
教科書の内容を確実に理解しつつ、資料を読み取る力と現実社会への関心を育てる学習を心がけましょう。
模試や過去問も積極的に活用し、知識と思考を結びつける力を磨くことが重要です
教科書の細部まで丁寧に読み込む
「公共」「政治・経済」の共通テストでは、教科書に書かれている細かい知識がそのまま問われる問題が少なくありません。
資料や図説を併用しながら、各単元をていねいに読み込み、隅々まで理解することが高得点の鍵となります。
とくに短期間での詰め込み学習では取りこぼしが生まれやすいため、早めの学習開始が重要です。
まずは、基本事項のインプットを確実に済ませましょう。
複数資料の読解力と時事への関心が得点を左右する
政治・経済分野では、統計資料・新聞記事・図表を読み解く問題が数多く出題されます。
そのため、複数の資料を比較・統合し、背景や影響、因果関係を読み取る力が問われます。
日ごろからニュースや新聞、資料集などに親しみ、文章やデータの情報を処理し、根拠をもとに考察する習慣をつけましょう。
また、最新の時事問題も設問に絡むことがあるため、日常的に社会の動きへ関心を持っておくことも有効です。
「公共」と「政治・経済」は関連付けて効率よく学習
「公共,倫理」と同様に、2025年度本試験では、「公共」から25点、「政治・経済」から75点の配点となっていました。
「公共」の政治・経済に関する内容は、「政治・経済」の範囲と重なる点が多いため、関連づけながら学ぶことで効率的な対策が可能です。
まずは共通テスト本試験の問題を確認し、出題形式や難易度を把握したうえで、無理のないスケジュールを立てましょう。
模試・過去問を通じて実践力を高める
出題形式に慣れるには、旧課程の「政治・経済」「現代社会」の過去問に取り組むことが効果的です。
「これは公共や政治・経済でも出題されそうだ」と感じる問題をピックアップし、思考力・判断力を磨く材料として活用しましょう。
さらに、模試の問題や予想問題を解くことで、共通テスト本番と同等の問題への対応力が身につきます。
形式だけでなく、設問文の読み取りや資料の解釈にも注目して実戦感覚を養いましょう。
東大卒ライターのアドバイス「共通テスト社会の対策」 共通テストの社会は特に、資料の読み取りが試されます。そのため、一問一答に答えられるだけでは足りず、普段から積極的に資料集を開く癖をつけることが必要です。他の科目の勉強で疲れた時、ガリガリ勉強する気が起きない時などに、資料集をパラパラめくって、図や表、グラフや古い文献から情報を読み取るようにしていました。 また、理科同様、問われるポイントは毎年似通っているので、過去問や予想問題を分析することも大切です。その中で、自分がよく間違える問題をピックアップして、そこを中心に勉強すると更なる点数アップが見込めます。 (布施川先生) |
新課程対応!共通テスト対策【情報】
情報Iでは、単なる知識の暗記ではなく、状況判断や課題解決の視点が問われる新傾向の出題が特徴です。
幅広い分野をまんべんなく学び、図表や文章から素早く情報を読み取る力、考察力を高めておきましょう。過去問が少ない分、演習量と試行錯誤の工夫で差がつく科目です。計画的に取り組んでいきましょう。
暗記にとどまらず「なぜそうなるか」を理解
用語や知識だけを丸暗記する学習では通用しません。
学習内容がどのように現実に使われているかを考えながら、仕組みや背景まで掘り下げて理解しましょう。
また、「情報社会の問題解決」では総合的な活用力が求められるため、普段から課題発見・課題解決の視点をもつ習慣づけが有効です。
数学の知識も必要になる
例えば組合せの問題など、数学的思考(場合の数・確率・関数など)が求められる問題も出題されています。
中学数学や数学Iの内容も見直し、必要な考え方を再確認しておきましょう。
長文・図表・会話文の読解に慣れる
共通テスト全体に言えることですが、情報Iでは特に会話文や図表の読み取りが重視されます。
例えば、以下のポイントを押さえておきましょう。
- 「データの活用」:散布図・箱ひげ図・相関係数などの統計的知識
- 「情報デザイン」:設問中に示された新たなルールや法則の理解
文章・図表・設問の条件を結びつけ、正確かつ迅速に考察する読解力と判断力が重要です。
時間配分と形式への慣れがカギ
「情報I」は比較的新しい科目で、過去問が少ないという特性があります。
そこで以下のような演習を活用しましょう。
- 共通テスト本試験・追試験・試作問題を繰り返し解く
- 「情報関係基礎」の第1問〜第3問に取り組む
- 共通テスト模試を利用し、「時間内に解ききる練習」に重点を置く
さらに、プログラミングやデータ活用など得意分野から先に解く、ざっと全体を見てから取りかかるといった時間戦略も事前に立てておくと効果的です。
東大卒ライターのアドバイス「共通テスト情報の対策」 共通テストの情報は、新課程で初めて導入された科目なので、過去問が少なく、対策が難しいと思います。ですが、求められている力は他の科目と大きくは変わりません。教科書をしっかり理解し、すでにある過去問や試作問題を分析して、対策に臨みましょう。各予備校が出している予想問題も活用すると良いです。受験生の皆さんの成功を祈っています。 (布施川先生) |
共通テスト対策でおすすめのスケジュールは?
共通テスト対策では、以下のようなスケジュールで対策していくことをおすすめします。
- 高2の冬~春:基礎完成+模試活用
- 高3春~夏:実戦演習に向けて仕上げる
- 高3秋~本番直前:時間配分と弱点補強のラストスパート
高2の冬~春:基礎完成+模試活用
共通テスト対策の第一歩は、基礎力の完成です。高2の冬から高3の春にかけて、まずは教科書レベルの内容をしっかり理解し、主要科目の土台を固めましょう。
この時期は、全国模試を積極的に活用して、自分の現状を把握するのが重要です。模試の復習では、間違えた問題の原因分析と、弱点単元の洗い出しを行いましょう。得点だけで一喜一憂せず、「今、何ができていないか」を明確にすることで、次の学習に役立てられます。
高3春~夏:実戦演習に向けて仕上げる
高3の春から夏にかけては、共通テスト対策の完成を目指す最重要期間です。すでに基礎が固まってきた人は、実戦演習にしっかり取り組む時期に入りましょう。
この時期は、マーク模試の実施頻度が高まるため、模試で実力を試すチャンスが増えていきます。ただ受けるだけでなく、「時間配分」「問題を解く順番」「マークミスの防止」なども意識しながら、本番を見据えた演習を重ねてください。
模試の復習では、間違えた問題だけでなく「正解したが根拠があいまいだった問題」もチェックするのが効果的です。弱点の把握と修正を繰り返すことで、得点力が安定してきます。
高3秋~本番直前:時間配分と弱点補強のラストスパート
高3の秋から本番直前にかけては、実戦力を高めるための総仕上げ期間です。この時期は、すでに各科目の学習を一通り終えているはずなので、「時間配分の最適化」と「弱点の重点補強」が最大の課題になります。
模試や過去問を本番さながらの時間設定で解き、限られた時間の中で高得点を取る感覚を養いましょう。問題を解く順番やマークの正確さも含め、試験当日の行動を想定したシミュレーションが重要です。
また、得意科目で得点を稼ぎつつ、苦手科目で致命的な失点を防ぐためにも、自分の弱点を分析し、短期間で伸ばせる分野を優先的に対策することが効果的です。
共通テスト対策でよくある質問(FAQ)
ここでは、共通テスト対策でよくある質問について解説します。
共通テストで8割を取るとレベルはどれくらいですか?
共通テストで8割(800点/1000点)を取れれば、全受験生の中でも上位層に位置しているといえます。以下は、2025年度共通テストの主な科目の平均点です。
科目名 | 平均点 |
---|---|
国語 | 126.67 |
地理総合、地理探究 | 57.48 |
歴史総合・日本史探究 | 56.99 |
歴史総合・世界史探究 | 66.12 |
公共、倫理 | 59.74 |
公共、政治・経済 | 62.66 |
数学Ⅰ・数学A | 53.51 |
数学Ⅱ・数学B・数学C | 51.56 |
物理(物理基礎) | 58.96(24.78) |
化学(化学基礎) | 45.34(27.00) |
生物(生物基礎) | 52.21(31.39) |
地学(地学基礎) | 41.64(34.49) |
英語(リーディング) | 57.69 |
英語(リスニング) | 61.31 |
情報Ⅰ | 69.26 |
参考:独立行政法人大学入試センター|令和7年度大学入学共通テスト実施結果の概要
上記のとおり、全体的に平均点は6割以下の科目が多く、8割得点できればほとんどの科目で平均点を大きく上回る実力を持っていることになります。
特に国公立大学や難関私立大学を目指す場合、8割は一つの到達目標として設定されることが多いため、共通テスト対策ではこのラインを一つの基準として考えるとよいでしょう。
共通テストで何割を取れば国立大学に行けますか?
共通テストの得点と国立大学の合否には明確な「合格ライン」はありません。なぜなら、大学ごとに共通テストと個別試験(2次試験)の配点比率が異なるためです。
ただし、おおまかな目安としては以下のように捉えることができます。
- 最難関国立大学:得点率90%前後
- 旧帝大や難関国立:80%以上
- 地方の中堅国立大学:65〜75%程度
共通テストの得点は、2次試験の負担を減らす意味でも非常に重要です。例えば、共通テストで高得点を取れれば、2次試験で多少ミスしても合格の可能性を維持できます。
また、大学の募集要項に記載されているボーダーラインや配点比率は、出願前に必ず確認しておきましょう。
共通テスト対策は高1から始めるべきですか?
結論から言うと、共通テスト対策は高1から始めるべきです。共通テストは高校3年間の学習範囲からバランスよく出題されるため、高1・高2で学ぶ基礎内容をどれだけ定着させられるかが、その後の得点力を左右します。
実は、特別な対策をしていないつもりでも、日々の授業や定期テストへの取り組みそのものが、共通テスト対策になっているともいえます。高1からの「基礎固め」が、共通テスト本番での高得点への第一歩です。
高校3年生になると、共通テスト特有の問題形式や時間配分に慣れる「実戦演習」のフェーズに入ることになります。そのときに重要なのは、高1・高2で学んだ基礎力がしっかり身についているかどうかです。土台が不安定なままでは、過去問や模試を解いても効果が出にくくなってしまいます。
受験にフライングはありません。高1から意識して準備を進めておきましょう。
共通テストの対策はいらないのではと思うのですが……?
「共通テストは基礎的な内容だから対策はいらない」「私立大学志望だから共通テストを受けないつもり」という声を耳にすることがあります。しかし、このような考えはリスクが高いといえるでしょう。
共通テストは教科書レベルの基礎から出題されるものの、問題文が長く、思考力や読解力が求められる形式になっています。内容を理解していても、時間内に正確に解き切るには練習が不可欠です。つまり、対策なしでは得点しづらい構成になっているのです。
また、「私立大学を受験するから関係ない」と考えている方にも注意が必要です。多くの私立大学が「共通テスト利用入試」を採用しており、共通テストの得点を利用して出願・合格できるチャンスがあります。一般選抜と併用すれば、併願校を増やしながら受験負担を軽減できるというメリットもあります。
共通テストの対策をしておけば、国公立・私立どちらを受ける場合でも受験戦略の幅が広がるのが大きな利点です。基礎力の底上げとともに、将来の選択肢を広げる意味でも、早い段階から意識して取り組むことをおすすめします。
大学受験に強い塾について詳しく知りたいという方は、以下の記事をご覧ください。
まとめ|共通テストで実力を発揮するために
ここまで、共通テストの科目別対策やスケジュール、勉強法について詳しく解説してきました。
共通テストで実力を発揮するためには、高校1年生から基礎をしっかり固めておくことが、最も確実で効果的な対策になります。すでにその時期を過ぎている方も、今この瞬間から始めれば遅くありません。まずは、目の前の一問一問に真剣に向き合うことから始めましょう。
また、模試や過去問に取り組むことで、自分の弱点や理解の浅い箇所が見えてきます。同じミスを繰り返さないように、復習を徹底することが得点アップへの近道です。
共通テストの過去問には、高1・高2生でも解ける問題も含まれています。早いうちから触れておくことで、「自分にもできる」という自信が芽生えるはずです。
本気で合格を目指すなら、今日が一番早いスタートです。さあ、共通テスト対策を始めましょう!
執筆者プロフィール

塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。
監修者プロフィール

1997年生まれ。東京大学文学部卒。世帯年収300万円台の家庭に生まれ、幼少期から貧しい生活を送る。金銭的、地理的な事情から、無理のない進学先が東京大学のみに絞られ、東大進学を志す。 塾に通う金銭的余裕がなく、勉強の傍ら週3日フルタイムのアルバイトで学費を稼ぐ。受験生活を通してオリジナルの「お金も時間も節約する自習術」を編み出し、一浪の末、東大に合格。 在学中から、自身の勉強法や学習法を、執筆活動や、全国の学校での講演を通して広める。著書に『東大式節約勉強法』『東大式時間術』(扶桑社)『東大合格はいくらで買えるか?』(星海社)など。