【2026年度版】共通テスト情報Ⅰ対策はこれでOK!点数アップできる最短ルート
「共通テストの情報、どう対策したらいいのかわからない……」と悩んでいませんか?情報Ⅰの勉強を始めてはみたものの、なかなか点数が伸びずに不安を感じている受験生も多いでしょう。
共通テスト「情報Ⅰ」は2025年から新たに導入された科目で、初年度は「やや易しめ」と評されました。しかし平均点が高めに出たことから、2026年度は難化する可能性も指摘されています。つまり、早めに基礎を固めておくことが、来年の得点を左右する重要なポイントになります。
この記事では、偏差値35から独自の「暗記術」「読書術」「作文術」を生み出し、東大に合格した西岡壱誠さん(カルぺ・ディエム所属・講演家)の監修のもと、共通テスト「情報Ⅰ」を基礎から効率よく攻略する方法をわかりやすく解説します。
編集部
塾選ジャーナル編集部
塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。
監修者
西岡壱誠
1996年生まれ。偏差値35から東大を目指すも、現役・一浪と、2年連続で不合格。崖っぷちの状況で開発した「独学術」で偏差値70、東大模試で全国4位になり、東大合格を果たす。 そのノウハウを全国の学生や学校の教師たちに伝えるため、2020年に株式会社カルペ・ディエムを設立。全国の高校で高校生に思考法・勉強法を教えているほか、教師には指導法のコンサルティングを行っている。著書『東大読書』『東大作文』『東大思考』『東大独学』(いずれも東洋経済新報社)はシリーズ累計40万部のベストセラーになった。
共通テスト「情報Ⅰ」とは?試験概要を徹底解説

情報Ⅰは、2022年度に施行された新学習指導要領で新たに設けられた高校の必修科目です。旧課程では「社会と情報」「情報の科学」という2つの基礎科目があり、生徒はいずれかを選択して履修していました。
この新科目は、従来の2科目の内容を統合・改善した教科で、全ての高校生が共通で学ぶことが定められています。
数学ような計算力や国語のような長文読解力に偏らないため、文系・理系どちらの受験生でも努力次第で得点を伸ばしやすい科目です。
ここでは、共通テスト「情報Ⅰ」の基本的な位置づけや背景について解説します。
情報Ⅰの導入背景と位置づけ
なぜ、今になって「情報Ⅰ」という新しい科目が導入されたのでしょうか?その背景には、急速に進む情報化社会への対応があります。
人工知能(AI)の進化やIoT(モノのインターネット)の発展により、私たちの社会や生活は大きく変化しています。さらに、政府が提唱する「Society 5.0(ソサエティ5.0)」の時代には、データや情報技術を活用して社会課題を解決する力が求められます。
こうした社会の変化に対応するため、学校教育でも「情報を正しく見極める力」や「情報技術を使って課題を解決する力」を育むことが必要になりました。その目的で新たに設けられたのが、情報Ⅰです。
情報Ⅰは、生徒が複雑化する社会に順応し、主体的に社会に参画していくための基盤を養うことを目指しています。
参考:高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 情報編(文部科学省)(2025年10月7日閲覧)
試験時間・配点・問題数
共通テスト「情報Ⅰ」の基本情報は以下のようになっています。
共通テスト「情報Ⅰ」
| 日程 | 2日目の最後 |
|---|---|
| 試験時間 | 60分 |
| 配点 | 100点満点 |
| 問題数 | 4つの大問で構成され、おおよそ40~50問前後 |
共通テスト「情報Ⅰ」の試験時間は60分です。昨年度入試と同様、2026年度入試では、2日目の最後の時間帯に実施される予定となっています。つまり、共通テスト本番では、ここまでに複数科目を受け終えた状態で臨むことになりますので、「試験体力」を鍛えておきましょう。
共通テスト「情報Ⅰ」の配点は100点満点です。出題は4つの大問で構成され、おおよそ40~50問前後が出題されます。
ページ数だけ見ると、現行の数学や理科よりも多く、英語リーディングと同程度の分量です。また、単純な知識問題や計算問題にとどまらず、会話文・図表・状況文を読み取りながら解答する思考型問題が中心です。
60分という限られた時間の中でこれらを解き切る必要があるため、時間配分と読解スピードが得点のカギになります。
過去問や試作問題が少ない
共通テスト「情報Ⅰ」は、2026年度入試でまだ2回目の実施となる新科目です。
そのため、利用できる問題は前年度の本試験・追試験、および各予備校が作成した模試や予想問題程度に限られています。
このように他科目に比べて過去問が圧倒的に少ないため、実践的な練習量を確保しにくい点が最大の課題です。
とはいえ、限られた教材でも繰り返し解くことで十分に得点力を高めることができます。試作問題や共通テスト模試の問題を使って、実践的トレーニングを積み重ねましょう。
「過去問が少ない」という状況は、全ての受験生に共通する条件です。したがって、限られた問題をどう使いこなすかが差をつけるポイントになります。
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東大卒教育ライター・西岡さん「過去問を効率的に使うために一番重要なポイント」 過去問を効率的に使うために一番重要なポイントは、正しく復習することです。 間違えてしまった問題は「なぜ間違えてしまったのか」「何を覚えていなかったのか」「自分はどこで間違いやすいのか」を明確にすれば、試験当日のミスも格段に減らせるはずです。 間違えた問題をメモする「復習ノート」を用意しておくという方法もあります。完璧に解けるようになるまで何度も解き直せば、確実に実力をつけられるでしょう。 徹底的に復習することは、情報の試験に限らず全ての過去問や模試について大事です。解いた問題は放っておかず、次に出た時は絶対に間違えないぞという気持ちで復習する習慣を普段からつけておきましょう。 |
2026年度入試は難化する可能性が高い
2025年度の共通テストでは、「情報Ⅰ」の平均点は69.26点と高めに推移しています。この結果から、2026年度入試では平均点を調整する可能性が高いと指摘されています。
つまり、出題の難易度を上げたり、処理すべき情報量を増やしたりして、限られた時間の中でより多くの判断を求める構成になるおそれがあります。
とはいえ、過度に心配する必要はありません。「難化する」ということは、裏を返せば基礎を確実に固めた人が差をつけやすくなるということです。問題文が長くなっても、問われる知識や思考の基本はこれまでと変わりません。
共通テスト「情報Ⅰ」の出題傾向と難易度を知ろう(2025年度版)

2025年度の難易度は「やや易〜標準」レベル
2025年度共通テストの「情報Ⅰ」は、比較的取り組み易かった科目といえます。
共通テスト全体では平均点が60点前後に調整されることが多い中で、「情報Ⅰ」の平均点は69.26点と高めに推移しました。
出典:大学入試センター プレス発表資料(令和7年2月6日付)
これは、しっかりと対策した受験生が得点を伸ばしやすい科目だったことを示しています。
初年度ということもあり、試験の難易度は全体的に「やや易〜標準」レベルといえるでしょう。
出題分野と配点イメージ
2025年度の共通テスト「情報Ⅰ」の大問の内訳は以下のようになっていました。
- 小問集合
- データの活用とシミュレーション
- コンピュータとプログラミング
- 情報通信ネットワークとデータの活用
共通テスト「情報Ⅰ」では、単純な知識暗記を問う問題はほとんどありません。場面設定や会話文を読み取りながら、与えられた情報を整理・分析して解答を導く問題が中心です。
初見の内容であっても、問題文内で必要な情報や定義が与えられており、論理的に考えれば解ける設計となっていました。
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東大卒教育ライター・西岡さん「2025年度試験の特徴」 平均点が高いということは、その分解けるはずの問題も多かったということです。このような試験では、一つのミスが命取りになってしまうことも多々あります。 特に2025年度の情報の試験では、ほとんどの問題が2,3点の配点がありました。これは言い換えると、難しい問題を頑張って解くのと簡単な問題のミスを減らすのとではせいぜい1点しか違わないということです。 難しい問題を解く能力も大事ですが、いかにミスを減らせるか、ちゃんと見直しをできるかという点で最も差が開いたテストだったと言えるでしょう。 |
2026年度はやや難化?注目ポイントはここ
2025年度の共通テスト「情報Ⅰ」は、初年度ということもあり、全体的にやや易しめの出題傾向でした。基礎的な知識や典型的な操作の理解を問う問題が中心で、初めての受験生にも取り組みやすい構成でした。
その一方で、「データの活用」分野からの出題が多かった点は見逃せません。実際に、大問2と大問4にこの範囲が含まれており、データを正しく読み取り活用する力が求められました。
こうした傾向を踏まえると、2026年度はやや難化する可能性があります。共通テストでは例年、初年度が基礎確認にとどまり、次年度以降に思考力や応用力を問う問題が増える傾向があるためです。
とくに「データの活用」については、引き続き重要な単元であると同時に、より踏み込んだ内容や多面的な視点からの出題へと広がる可能性も考えられます。単に操作を覚えるだけでなく、「どのようにデータを読み解き、考察するか」という思考の流れを意識した学習が、今後の対策の鍵となるでしょう。
共通テスト「情報Ⅰ」の分野別対策法!覚えることは?

ここまでで、共通テスト「情報Ⅰ」の概要や出題傾向をつかめたと思います。ここからは、各分野ごとの特徴と、効果的な勉強法を見ていきましょう。
情報社会の問題解決
「情報社会の問題解決」では、情報の科学的な見方・考え方を働かせながら、情報や情報技術を活用して課題を発見・解決する力を養います。
高校で学習した「情報Ⅰ」の知識やスキルが、実際に活用できているかどうかが問われます。穴埋め問題もありますが、単なる知識問題にとどまらず、法規・マナー・モラル・責任といった社会的な観点を広く理解しておくことが重要です。
基本的には、教科書の内容を体系的に整理し、基礎知識を確実に身につけることで十分対応できます。
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東大卒教育ライター・西岡さん「日頃の自分のインターネットの使い方に立ち返ってみる」 情報の知識はただ試験で問われるだけのものではなく、実生活に密接に関連するものでもあります。特に、法規やマナーに関連する知識はインターネットを使う上で欠かせない知識でもあります。 教科書の知識に留めておかず、日頃の自分のインターネットの使い方と照らし合わせながら学ぶようにしましょう。逆に、もしも試験でわからなくなった時は、常識通りの解答を選ぶようにしておけば間違いが少ないはずです。 |
コミュニケーションと情報デザイン
「コミュニケーションと情報デザイン」では、目的や状況に応じて情報をわかりやすく伝える力を養います。
共通テストでは知識理解を問う問題が中心です。ただし単なる暗記ではなく、教科書の内容と身近な情報技術(SNS・広告・プレゼンなど)を結びつけて考えることで、より深く理解しやすくなります。
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東大卒教育ライター・西岡さん「知識確認を怠らないようにしよう」 情報というと、コンピュータの使い方やプログラミングなどに意識が向きがちです。しかし、情報をどのようにデザインするのか、どのように発信するのかもとても重要な要素です。 軽視されがちな分野だからこそ、知識確認を怠らないようにしておきましょう。 |
コンピュータとプログラミング
「コンピュータとプログラミング」では、問題解決のためにコンピュータなどを活用する力を身につけます。
共通テスト「情報Ⅰ」では、実際にプログラムを書く問題は出題されません。しかし、アルゴリズムやプログラムの動作原理を理解しているかが問われます。普段から簡単な擬似コード(疑似言語)に慣れ、入力 → 処理 → 出力の流れを追う練習をしておくと、得点しやすくなります。
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東大卒教育ライター・西岡さん「問題文の状況をうまく解決できるかを考える」 出題される疑似コードは、受験生が一目でわかるような工夫がされています。 2025年度の試験では、部員数を表す変数は”buinsu”、担当者を表す変数は”tantou”のように、変数名をローマ字読みすると状況に合致するような工夫がされていました。 つまりこの問題では、プログラミングを読み解くことが問われているわけではありません。どうすれば問題文の状況をうまく解決できるかを考える必要があるわけです。 プログラミングが得意な人も気を抜かず、問題文から状況をしっかりと読み取り、状況に応じた解決策を疑似コードに落とし込む練習をしておきましょう。 |
情報通信ネットワークとデータの活用
「情報通信ネットワークとデータの活用」では、情報通信ネットワークや情報システムを使ってサービスを安全・効率的に活用する力を身につけます。
共通テストでは、IPアドレスやパケット通信など、日常生活でも身近なネットワーク技術に関する問題が多く出題されます。
さらに、サーバーのアクセスログを分析する問題や、セキュリティ上のリスクを判断する設問なども見られます。単なる暗記ではなく、状況を読み取って判断する思考力も重要になることについて留意しておきましょう。
Wi-FiやWebサイトの仕組みといった、普段は意識しない部分に関する知識が問われる内容になっています。特に専門用語がよく出てくる分野なので、定義は自分で説明できるようになりましょう。
統計データの使い方もこの範囲で出題されています。数学ⅠAに出題されるデータの分析と特に関連している内容なので、苦手な人は数学の過去問も用いながら一緒に対策を行うとより効率的でしょう。
「情報Ⅰ」はいつから勉強すればいい?

「情報Ⅰ」の勉強は、いつから始めるのが効果的なのでしょうか?
ここでは、共通テスト本番までの流れに合わせて、無理なく進めるためのスケジュールを解説します。
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東大卒教育ライター・西岡さん「重要なのは日々少しづつ勉強を進めていくこと」 「情報に本腰を入れて勉強する時間が取れない」という方も多くいるとは思いますが、重要なのは一度に長時間を確保することよりも、計画を立てて日々少しづつ勉強を進めていくことです。 |
基礎固め期(~高3夏まで):教科書・基礎参考書で知識整理
多くの高校では、「情報Ⅰ」を高校1〜2年生のうちに履修します。そのため、高3になってから改めて勉強を始めようとすると、以前学んだ内容をすっかり忘れてしまっているケースも少なくありません。
高3の夏までは、まず教科書や基礎的な参考書を使って内容を整理し直すことが大切です。理解の抜けやすい部分を中心に、少しずつ知識を積み上げていきましょう。
- 情報の表現方法(2進数・論理回路など)
- 情報社会やモラルに関する基本用語
- プログラミングの基本構造(入力→処理→出力)
- データ活用や統計の基礎的な考え方
短い時間でも構いません。毎日少しずつ復習する習慣をつけておくと、秋以降の応用演習がスムーズに進みます。
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東大卒教育ライター・西岡さん「高3夏までには対策を始めておこう」 直前期は理科・社会の知識も詰め込まなければならず、全ての暗記を直前期に済ますことはほぼ不可能です。計画的に知識を復習するためにも、この時期から対策を始めておきましょう。 1〜2年生の時の定期考査などが残っている人は、改めて解いてみると自分が忘れている内容の確認ができます。ただ教科書を流し見するだけでなく、簡単な問題を解いてみて知識が定着しているかを確認すると効率良く勉強できるでしょう。 |
応用演習期(秋以降):演習問題で思考力を鍛える
秋以降は、いよいよ本格的な実践演習に入る時期です。この段階では、まず共通テストの出題形式に慣れることが最優先になります。
過去問や各予備校の模試・予想問題を活用し、
- どのような形式で問われるのか
- 問題文の読み方や考え方のパターン
- 制限時間の中で解き切る感覚
また、1回解いて終わりではなく、解き直しを徹底することが大切です。間違えた問題をもう一度分析し、「なぜ間違えたのか」「どんな情報を見落としたのか」を振り返ることで、情報処理力や思考の柔軟性がぐっと伸びます。
さらに、模試を受ける際は本番と同じ環境・時間配分で挑戦するのがおすすめです。試験慣れが進むほど、当日の焦りやケアレスミスを減らせます。
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東大卒教育ライター・西岡さん「早いうちから演習問題をこなそう」 試験が近くなると、苦手科目や2次試験で必要な科目に時間が取られてしまい、情報の対策に手が回らないという人も少なくありません。試験直前期に焦らなくても済むように、早いうちから演習問題をきっちりこなしておきましょう。 |
直前期(冬):過去問・模試で時間配分を最適化
冬の直前期は、これまでに身につけた知識とスキルを本番仕様に仕上げる時期です。この段階では、新しい知識を詰め込むよりも、時間配分と得点安定化の練習を中心に進めましょう。
共通テスト「情報Ⅰ」は60分の試験時間に対して、設問数が多く情報量も豊富です。そのため、過去問や模試を使って本番と同じ条件で解く練習を繰り返すことが重要です。
また、間違えた問題はすぐに答えを覚えるのではなく、「どこで時間を使いすぎたのか」「情報をどう整理すれば良かったのか」を分析しましょう。
時間管理と情報処理の両面を意識して復習することで、安定して高得点を狙える力が身につきます。
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東大卒教育ライター・西岡さん「直前期は『次に解くのは本番』という気持ちを持つ」 この時期に勉強する内容は、試験当日まで二度と出会わず復習するチャンスがないかもしれません。「次に解くのは本番」という気持ちを持って、漏れのないようこれまで以上に復習に力を入れるようにしましょう。 |
3か月前からでも間に合う?直前期に最低限やるべきこととは?

共通テスト「情報Ⅰ」は、基本的に本番の3か月以上前から対策を始めておくのが理想です。多くの学校では高1〜高2のうちに授業が終わっており、しばらく触れていない受験生も少なくありません。
そのため、ゼロの状態から3か月で一気に仕上げるのは簡単ではないのが現実です。とはいえ、「あと3か月しかない」ではなく「まだ3か月ある」と考えることが大切です。
ここでは、残り3か月で少しでも点数を上げるための実践的な対策を紹介します。
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東大卒教育ライター・西岡さん「まずは過去問や模試などを数回分解いてみる」 情報の試験内容は数学と関連する部分も多いうえに、問題文をきっちりと読み込めば解ける問題も少なくありません。まずは時間を長めに取ってもいいので、過去問や模試などを数回分解いてみましょう。 その結果から、自分はどの分野の知識が足りていないのか、苦手分野がどこなのかを明確にすることができれば、短期間であっても効率よく勉強ができるはずです。 |
志望大学の「情報Ⅰ」の配点を確認する
まず最初に確認すべきは、志望大学での「情報Ⅰ」の配点です。大学によっては「情報Ⅰ」が総合点の中で占める割合が低く、その場合は他教科を優先した方が効率的なケースもあります。
一方で、一定の配点がある大学を受験する場合は、短期間でも十分に得点アップを狙えます。限られた時間の中で成果を出すには、分野の取捨選択と集中学習がカギです。
教科書に出てくる重要語句は最低限覚える
共通テスト「情報Ⅰ」では、まず教科書に載っている基本用語をしっかり理解しておくことが大切です。「聞いたことはあるけれど意味があいまい」という状態をなくすだけでも、正答率は大きく上がります。
ここでは、覚えておきたい代表的な重要分野と用語を簡単にまとめました。本番前の確認リストとして、スキマ時間に何度も見返しておきましょう。
覚えておきたい代表的な重要分野と重要語句まとめ
| 分野 | 重要語句・キーワード |
|---|---|
| 情報社会と情報モラル | 個人情報保護法/著作権/オープンデータ/情報モラル/情報倫理/SNSトラブル/フェイクニュース対策 |
| コンピュータと情報の仕組み | 2進数/16進数/論理回路(AND・OR・NOT)/CPU/メモリ/ストレージ/アルゴリズム/プログラム構造(入力→処理→出力) |
| 情報通信ネットワーク | IPアドレス/DNS/パケット通信/プロトコル/ルータ/暗号化通信(HTTPS)/ファイアウォール/クラウドサービス |
| データの活用と統計 | 平均/中央値/最頻値/分散/標準偏差/相関関係/外れ値/散布図/グラフの読み取り/統計的推測 |
| 情報セキュリティ | マルウェア/ウイルス/フィッシング詐欺/アクセス権限/認証(ID・パスワード・二段階認証)/バックアップ/脆弱性対策 |
苦手分野を明確にしてそこをつぶしていく
短期間で効率よく得点を伸ばすには、自分の苦手分野を正確に把握することが欠かせません。「なんとなく苦手」な感覚のまま全範囲を復習しても、時間だけが過ぎてしまいます。
まずは、過去問や模試、予想問題を解いてみて、どの分野で点を落としているかを分析しましょう。特に「選択肢を読んでもピンとこない」「時間が足りなくなる」と感じた部分こそ、 真の苦手分野です。
効率的な「つぶし方」のコツとしては、以下のような方法が挙げられます。
- 似た問題を3回解く
- 1分野=1ページで要点を整理する
- 苦手分野をあえて毎日5分だけ触れる
東大生がやっていた「情報Ⅰ」対策は?

ここでは、東大生も実践していた「情報Ⅰ」対策を紹介します。共通テストの新科目として注目される「情報Ⅰ」は、出題範囲も広く、どこから手をつければよいのか迷う受験生も多いでしょう。
このセクションでは、カルぺ・ディエムの西岡さん監修のもと、実際にカルぺ・ディエムに所属する東大生が行っていた学習の工夫をもとに、効率的な対策法を紹介します。
難関大学を目指す彼らがどのように「情報Ⅰ」を理解し、得点につなげたのか、その実践例から、あなたの勉強にも生かせるヒントを見つけてください。
時間を気にせず解いてみる
共通テスト「情報」は、問題数が40~50問程度と多く、問題文の文章量も多いのが特徴です。そのため、試験形式に慣れるまでは時間内に全問解答することは難しい試験です。
そのため、どうしても時間が足りないことばかりに気を取られてしまい、自分が理解しているのかという、一番重要な部分を見落としがちになります。
そこで、まずは学習の第一歩として、一度時間を気にせずに過去問や問題集を解いてみましょう。そうすることで、自分が「時間をかければ解ける問題」で間違えているのか、「そもそも知識や解き方がわからず解けない問題」で間違えているのかを区別してみましょう。
この分析によって、時間配分の練習をすべきか、基礎知識のインプットを優先すべきか、今後の学習方針が明確になります。
現実問題と関連して理解しておく
最初は時間を気にせず解いていても、試験本番には時間制限に間に合わせる必要があります。そこで、東大生が実践していた、高得点を取るためのコツをお伝えします。
試験時間は60分で、大問4つの構成です。一見、1問15分で解けそうですが、その時間配分では失敗してしまう可能性が高いです。特に第3問のプログラミングは時間がかかる受験生が多いため、第1, 2, 4問の知識・読み取り問題を素早く解答することが高得点の鍵となります。
これらの問題は、単なる知識確認にとどまらず、長い文章を理解して解答しなければなりません。しかし、その文章は全く初見の内容とは限らず、実社会での応用例と絡めて出題されやすい特徴があります。
例えば2025年の第2問では、2人の会話文を読んだ上で解答する問題が出題されました。しかしその内容は、教科書に書かれているPOSシステムを丁寧に説明しているだけで、POSシステムをよく理解している受験生にとってはほとんど読む必要のない内容でした。
知識を正確に暗記するだけでなく、それが現実でどう使われているかをセットで整理しておくと、素早い判断につながり、時間短縮に効果的です。
まとめ 情報Ⅰは戦略次第で得点源にできる

共通テスト「情報Ⅰ」は、まだ新しい科目であり、対策法が確立されていない分、戦略の立て方で差がつきやすい科目です。出題範囲は広く見えても、内容そのものは高校の授業や教科書レベルを中心に構成されています。
つまり、基本をしっかり理解し、問題形式に慣れれば、高得点を狙うことも可能です。
特に、
- 早めに基礎を固めること
- 演習を通して出題形式に慣れること
- 直前期は時間配分を意識して仕上げること
この3つを意識すれば、情報Ⅰは確実に得点源になります。
また、2026年度以降は難化が予想されるため、今から計画的に学習を進めることが大切です。焦らず、できることから一つずつ取り組みましょう。戦略的に学べば、「情報Ⅰ」はあなたの強みになります。
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東大卒教育ライター・西岡さん「諦めず1点でも多く点を取る気持ちを忘れない」 過去問も少なく、あまり情報も出回っていないため不安になるかもしれません。特に今年度は難化が予想され、試験当日思ったよりも解けない可能性が高いです。 しかし、それはあなただけではなく受験生全員について言えることです。もし解けなくても、心が折れることなく1点でも多く点を取ろうという気持ちがとても大事になります。 情報は共通テストの最後の試験です。最後まで諦めず、悔いなく自分の力を出し切れるよう対策を頑張ってください! |
執筆者プロフィール
塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。
監修者プロフィール
1996年生まれ。偏差値35から東大を目指すも、現役・一浪と、2年連続で不合格。崖っぷちの状況で開発した「独学術」で偏差値70、東大模試で全国4位になり、東大合格を果たす。 そのノウハウを全国の学生や学校の教師たちに伝えるため、2020年に株式会社カルペ・ディエムを設立。全国の高校で高校生に思考法・勉強法を教えているほか、教師には指導法のコンサルティングを行っている。著書『東大読書』『東大作文』『東大思考』『東大独学』(いずれも東洋経済新報社)はシリーズ累計40万部のベストセラーになった。