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東大教養学部の学校推薦型選抜で合格者に求められる、“学力以外”の3つの資質とは?

更新日:
大学受験
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基礎学力だけでなく、学問への意欲や社会課題への問題意識、そして主体性や行動力が問われる東京大学教養学部(以下、東大教養学部)の学校推薦型選抜。今回取材に協力してくれたのは、東大の教養学部に現役合格した経験を持つ櫻井ひろ花さんです。

中高時代から社会貢献活動や環境問題に取り組み、探究活動を重ねてきた彼女が、推薦入試を通じて見つけた“自分の軸”とは? そして出願に必要な書類づくりや面接準備で直面した不安をどのように乗り越えたのか? 選抜入試に挑む受験生に向けて、参考になる体験とアドバイスを語ってもらいました。

塾選ジャーナル編集部

編集部

塾選ジャーナル編集部

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洋々

監修者

洋々

洋々は将来に亘って社会で活躍できる人材を育てる、総合型選抜専門塾。総合型選抜の塾の総本山として、特に慶應義塾大学、早稲田大学をはじめ、数多くの名門大学への合格実績を誇る。

清水信朗

監修者

清水信朗

「総合型選抜の個別指導塾 洋々」代表・GM。日本アイ・ビー・エム株式会社にて、海外のエンジニアに対する技術支援を行う。その後、eラーニングを中心とした教材開発に、コンテンツ・システムの両面から携わる。東京大学工学部電子情報工学科卒。ロンドンビジネススクール経営学修士(MBA)。共著書に『採点者の心をつかむ 合格する総合型選抜・学校推薦型選抜』(2023年、洋々 著/かんき出版)。

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目次

<お話を伺った人>
総合型選抜の個別指導塾 洋々メンター
櫻井 ひろ花(さくらい ひろか)さん

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大学:東京大学 教養学部学際科学科PEAK国際環境学コース
入学年月日:2022年4月(現役合格)現4年生
合格した受験方式:学校推薦型選抜
その他合格校:慶應義塾大学法学部政治学科A方式
出身高校:東京学芸大学附属国際中等教育学校

中高時代から、社会貢献意識の研究や海藻を活用した環境に優しい包装材の開発に取り組み、環境問題に関する団体を設立して活動。高校2年生の2月には、「世界都市農業サミット」や「サステナブル・ブランド国際会議2021 in 横浜」でスピーカーとして登壇し、環境課題への取り組みを発信した。来年、大学院へ進学予定。洋々では、担当外メンターとして多くの受験生の書類原稿にフィードバックを行う「サードパーティチェック(3PC)」業務を中心に活躍。また、自身と同じ東大教養学部の学校推薦型選抜を受験する生徒への個別指導も経験している。

 東大の教養学部、学校推薦型選抜では何が評価される?

櫻井さんが東大の教養学部を学校推薦型選抜で志したきっかけ

—最初に、東大教養学部の学校推薦型選抜に挑戦しようと思ったきっかけをお伺いできますか。

櫻井 ひろ花さん(以下、櫻井):私自身、受験のことを真剣に考え始めたのは比較的遅い方だったと思います。漠然と文系に進むのだろうと思いながら高校の選択科目を選んでいましたが、進学する学部ははっきりとイメージできていませんでした。

東大教養学部を志すきっかけは、高校3年生の春に見た1本のYouTube動画。現在所属している学科の先生の動画を見て、英語で学位が取れる環境が面白いと思って。その先生の所属している大学を調べてみたら偶然、東京大学だったんです。

—大学ありき、ではなく学ぶ内容に魅力を感じたのですね。

櫻井:
はいでも当時私が勉強していた科目では、一般入試での合格は難しそうだなと感じていました。

最初は諦めかけていたのですが、ほかに道はないかと調べていく中で、学部・学科ごとの募集となる「学校推薦型選抜」があることを知りました。この選抜内容であれば、 中高で取り組んできた環境問題に関する学外活動の実績を自分の強みとして活かせると感じて、挑戦することに決めたんです。

東大の教養学部が学校推薦型選抜で求める学生像

—東大教養学部の学校推薦型選抜とはどのような入試なのでしょうか?

櫻井:一次選考は志望理由などを記載する「入学志願票」のほか、高校側に準備をしていただく「推薦書」「調査書」による書類選考です。

一次選考を通過すると12月に面接、1月に大学入学共通テストを受験し、総合的な評価で最終の合否が決定します。学部ごとに選考内容が異なる点が特徴で、共通テストでは目安として8割以上の得点が求められます。

—共通テストの受験準備と書類・面接の準備、両方を進める必要があるのですね。櫻井さんから見て、大学が求めるのはどのような学生だと感じましたか?

櫻井:
入試の方式を問わず、東大生には勉強した知識を早く吸収し問題を解く力に長けている人がたくさんいます。その中でも、 推薦型選抜で入学を決めた同級生、先輩・後輩に共通しているのは、「思いが社会に向いていること」です。学びの出発点に社会に対する問題提起や興味があって、自ら積極的に行動に移す人が多いですね。

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私の場合、合格できたのは学科が掲げる理念との一致性と情熱を見てもらえたからだと思います。

参考:東大教養学部の学校推薦型選抜概要


【募集人員】

学部合計 100人程度
法学部・経済学部・文学部・理学部・農学部 10人程度
教育学部・教養学部・薬学部 5人程度
工学部 30人程度
医学部医学科 3人程度
医学部健康総合科学科 2人程度


【入試内容】

重視される点
(期待する学生像より一部抜粋)
・東京大学の教育研究環境を積極的に最大限活用して、自ら主体的に学び、各分野で創造的役割を果たす人間へと成長していこうとする意志を持った学生

・学校の授業の内外で、自らの興味・関心を生かして幅広く学び、その過程で見出される諸問題を関連づける広い視野、あるいは自らの問題意識を掘り下げて追究するための深い洞察力を真剣に獲得しようとする学生
第1次 選考概要 書類・資料選考
第2次 選考概要 学部ごとの面接等
基礎学力 選考概要 大学入学共通テスト(目安:8割以上の得点)

(1)法学部、経済学部、文学部、教育学部、教養学部
→6教科8科目又は7教科8科目(配点合計 1000点)

(2)工学部、理学部、農学部、薬学部、医学部 教育学部、教養学部
→6教科8科目(配点合計 1000点)

※提出書類・資料、面接等、及び大学入学共通テストの成績を総合的に評価したうえで、最終合格者を決定。詳細は「令和8(2026)年度 東京大学学校推薦型選抜 学生募集要項 」参照

【出願・選考日程】

出願期間 高等学校長が取りまとめて出願。志願者自身によるアップロード及び郵送での出願は不可

①志願者によるインターネット入学志願票作成

②検定料の納入
2025年10月15日(水)12:00頃~ 11月6日(木)17:00

③高等学校による出願
2025年年11月1日(土)12:00頃~ 11月6日(木)17:00
1次選考合格発表 2025年12月2日(火)15:00頃 ※東京大学ウェブサイトに掲載
共通テスト出願手続き 2025年は12月10日(水)~12月23日(火)
※共通テスト出願サイトのマイページより「成績請求チケット」を自身で取得し、印刷したチケットを提出
面接等日程 2025年12月13日(土)・12月14日(日)
※学部により異なる
大学入学共通テスト 本試験:2026年1月17日(土)・18日(日)
追試験:2026年1月24日(土)・25日(日)
合格発表 2026年2月11日(水)12:00頃
※東京大学ウェブサイトに掲載
入学手続期間
(予定)
2026年2月12日(木)~2月18日(水)

【出願書類】

志願者自身が作成するもの ①入学志願票
②学校推薦型選抜志願書
③学部が求める書類・資料
高等学校が作成するもの ①調査書
②推薦書

参照:「令和8(2026)年度 東京大学学校推薦型選抜 学生募集要項 より抜粋。詳細および最新情報は募集要項を確認してください。

東大教養学部の学校推薦型選抜に向けて受験生が取り組むべきことは?

書類作成に向けた準備

—櫻井さんが東大の学校推薦型選抜準備を始めたのは高3の4月からになりますか?

櫻井:はい。高3の4月から洋々に通い始めて、メンターと何度も会話を重ねながら書類と面接の準備をしていきました。

—受験された東大の教養学部の場合、どのような提出書類が必要となるのでしょうか。

櫻井:出願者自身で用意する「入学志願票」は、一般的な履歴書にあたる経歴と志望理由を記載する書類になります。志望理由にあたる項目は主に3つです。

  1. これまでやってきたこと
  2. 入学後に何をしたいか
  3. これまでの活動実績の補足資料

1と2は論述形式で、3は枚数制限がなく、資料を添付する形式でした。論述では内容に一貫性を持たせるため、たくさん書きたい気持ちをこらえて、簡潔でわかりやすくすることを心がけました。活動実績は「自分は頑張ってきたこと」として、すべて伝え切ることを意識しました。

—櫻井さんは慶應義塾大学法学部FIT入試も受験・合格されていますよね。

櫻井:慶應のFIT入試は、どちらかというと自己アピールや個性を強く求める傾向があります。私もビジュアルを駆使した資料を作るなど、クリエイティブな表現を心がけました。

一方、東大の学校推薦型選抜は、質問内容も資料の形式も比較的一般的で、オーソドックスな形式だと思います。

—オーソドックスな形式と聞くと、差別化が難しそうです。合格するために工夫したポイントを教えてください。

櫻井:正直なところ、中高の過ごし方として「この大学の、この学部に行くためにこういう活動をしてきた」というような明確な目的意識があったわけではありません。これまでやってきたことや頑張ってきたことは、どちらかというとバラバラで散らかっているような状態でした。

準備を始めた当初は「自分をよく見せたい」気持ちから、できるだけ多くの情報を詰め込もうとしていたんです。でも、これまでの活動と大学で学びたいこと、そして将来のビジョンをつなげて語るには、情報が多すぎると伝わりにくくなるんです。

惜しい気持ちもありましたが、思い切って軸を絞ることで、全体として一貫性のある人物像が伝わるように構成ができたと思います

— 櫻井さんは中高時代から、さまざまな活動に取り組まれてきました。その中から“自分の軸”をどのように整理していきましたか?

櫻井:自分がこれまで取り組んできたことを振り返ると、大きく分けて3つのテーマがあったと思います。

  1. 環境分野の活動
  2. 人の社会参加意欲の根源への関心(なぜ人は社会に参加したいと思うのか?)
  3. 昔から関心があった哲学的な問いへの探究

最初はそれぞれの経験をできるだけ多く盛り込もうとしていました。でも「広く書こう」とすると、「環境学を学びたい」という意欲が薄く見えてきて。

最終的には、環境分野にまつわる活動に焦点を当てて構成を見直しました。たとえば、理系の研究に挑戦したこと、企業とサステナビリティについて語る団体を立ち上げたこと。環境問題に対する取り組みや経験を軸にストーリーを組み立てていきました。

—当初の構想から最終案に着地するまで、さまざまな葛藤や試行錯誤があったのですね。

櫻井:書類を読んだ洋々のメンターは、いつも私の気持ちを汲みながら、「こうした方がいい」という具体的なアドバイスではなく、「私はこう思う」という新しい視点を感じさせてくれました。

気づきを得ながら「これは違うかな」と自分で考え直して再構築する。書類が完成するまでは、その繰り返しでした。

面接に向けた準備

—面接については、どのような対策をされたのでしょうか。

櫻井:教養学部は、最初に小論文の問題を解いてから面接を受ける形式でした。

面接では小論文にまつわる質問と、志望理由などを聞かれました。おそらく、私が「興味を持っている学問的な内容に対して、自分の意見をしっかり持てているか」を見ていたのかなと思います。

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東大教養学部の学校推薦型選抜。ぶつかりやすい壁と乗り越え方

東大の学校推薦型選抜で受験生がぶつかる不安とは?

—書類から面接まで一連の準備を進めるうえで、一番不安だったのはどのような点でしたか。

櫻井:面接対策について、明確に何をすればいいか見えないことは不安でした。書類に関しては、何度も練り直して、最終的に納得のできるもので提出ができたので、そこまでの不安はありませんでした。

—その不安を乗り越えるために、どんなことを意識していましたか。

櫻井:
「自分の言葉」を持つことでしょうか。私の場合、不安の正体は「環境問題に興味がある」と言っておきながら、もし質問されたときに答えられなかったらどうしようという気持ちでした。だからこそ書類作成をする中で、誰かの知識や表現を借りるのではなく、自分の経験や思いに基づいた言葉で綴ることが大切です。

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受験生といってもまだ高校生ですから、完璧な答えや高度な論理力を求められはしません。自分の経験をとおして何を考えたか、どんな思いを持っているかを「借り物ではない言葉」で伝えることが大事だと気づき、不安を乗り越えました。

—自分の思いを言葉にするために、ほかに取り組んだことはありますか?

櫻井:面接までは志望理由書を何度も読み返して、「なぜこれを書いたのか?」「そのと
き自分はどう感じたのか?」を自ら問い直す時間をつくりました。

当時は環境学を今ほど理解できていたわけではありません。でも実際に面接で聞かれたのは、「気候変動で難民になった人々についてどう思うか?」といった、社会的な視点を問う内容でした。

これは専門的な知識がなくても、自分の考えや思いがあれば表現できることです。普段からニュースや社会課題に関するトピックに触れて、自分の考えを言葉に留めておくことが大事だと思います。

東大の教養学部では「人類にどう役立つか?」を問われる。第三者との対話で客観性を磨こう

—櫻井さんが、大学生になってから洋々のメンターとして関わるなか、受験生がつまずきやすい悩みはありますか。

櫻井:私は書類原稿にフィードバックする業務(サード・パーティ・チェック)をメインに従事してきました。受験準備を始めた頃の私もそうでしたが、「思い込み」に縛られてつまずくのが受験生の“あるある”だと思います。

自分が興味のあることをテーマにすれば、深く考えなくても、自分の考えを書くことはできるでしょう。しかし合格につなげるためには、自分の主張に客観性があるかを立ち止まって考えるプロセスが必要です。

たとえば「古くからの日本文化」に興味がある人にとって、「伝統が大事」というのは理解できますが、興味がない人でも理解できるかどうかはわかりません。

東大の教養学部では「自分の学びたいことが、人類にどう役立つか?」を問われる傾向があるので、誰もが「なるほどね」となるように伝えることが大切です。

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—客観性を高めるためには、やはり第三者との対話がカギとなるのでしょうか。

櫻井:誰かと話をすることで、自分にない視点を得ることが大切です。私の受験生時代のメンターは、環境学とは異なる専攻の方でした。私が「こうでなくては」と主張すれば、「こういう考え方もあるよね」と一歩引いた目線で意見をしてくれたので、その点がよかったです。おかげで独りよがりの主張ではなく、異なる視点があることを理解したうえで話ができるようになりました。

メンターが近くにいない場合は、友だちや家族と「私はこう思うけど、あなたはどう思う?」と話をして、新しい視点を探しにいくのもいいと思います。

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東大教養学部を学校推薦型選抜で目指す受験生が、押さえておきたい3つのこと

—東大教養学部の学校推薦型選抜に挑む受験生が、押さえておくべきポイントを教えてください。

櫻井:募集要項の確認が大前提ですが、そのうえで私が自身の経験や在校生から聞いた話、メンターとして受験生と向き合う中で共通項として考えるポイントは次の3つです。

①先入観にとらわれずに、自分の経験を振り返る

推薦入試を視野に入れて戦略的に学内外活動に取り組む人もいますが、中高時代の経験の多くを「面白そうだからやってみた」と自然発生的なものと認識している人が多いと思います。

一見すると関係性のない経験でも、「なぜ行動を起こしたのか」を突きつめていくと、そこにつながりが見えてくることがあります。自分らしい視点を見つけるうえでも、一度先入観を捨てて、過去の行動が線でつながらないか振り返ってみてください。

②思い込みから抜け出せないときは、誰かと話をする

櫻井:一生懸命に準備を進めるからこそ、受験生は「こうあるべき」という思いに陥ります。思い込みから抜け出せず、納得できる準備ができてないなと感じたら、少しの間、書類作成や面接準備と距離を置いてみてください。

距離を取ったら、家族や友だち、学校の先生や塾の講師でもいいので、「これってどう思う?」と質問して異なる視点を探してみましょう。他者の視点を踏まえて考え直す時間が、言葉に深みをもたらします。面接などの大事な場面で「この人はいろいろな視点を踏まえて、考えてきたんだな」という背景が、面接官や採点者にも伝わるはずです。

③大学入学以降のビジョンを具体的に描く

櫻井:入学後に学びたいこと、なりたい自分を、具体的にイメージすることが大事です。教養学部の場合、「大学での学びが、どう社会貢献につながるか」を重視します。

未来を具体的にイメージするなら、ロールモデルを探すのがおすすめです。私は環境学の研究者や、学問的に直接は関係のないジャーナリストの著書を読むことで、自分らしい“自分像”をイメージしました。

受験する学部と直接関係することを学ぶのもいいですが、一見すると関係がなさそうな分野に、意外な視点や発見があります。今まで目を向けてこなかった方向にアンテナを張ることもおすすめです。

東大教養学部の学校推薦型選抜で成長できたこと

—最後になりますが、櫻井さんご自身が学校推薦型選抜を通してどのように成長したと思いますか?

櫻井:学校推薦型選抜に挑戦を決める前は、「受験とは、ひたすら勉強だけに集中しなければならないもの」という思い込みがありました。これまで自分が考えてきたことや取り組んできたことを一度脇に置いて、ただ受験勉強に集中しなければならないような気がして、正直憂うつだったんです。

でも、学校推薦型選抜の準備期間は、これまで「自分がやってきたこと」のつながり、自分自身を見つめ直す貴重な時間でもありました。直感的に「面白そうだから」「今やってみたいから」と行動してきたことが、振り返ってみると、「あの経験があったから、次にこういう行動を取ったんだな」と気づけてよかったです。

自己分析のプロセスを通じて、自分の考えや行動の意味を言語化する力が身についたと感じています。

清水GMが語る、東大教養学部の学校推薦型選抜で必要な視点と準備

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株式会社洋々 代表・GM 清水信朗 氏

清水GM:櫻井さんが言っているように東大の学校推薦型選抜は「オーソドックス」な試験です。

東大は一般選抜でも本質を突く直球の問題を出してきますが、学校推薦型も同様で特別なことを求めてくるわけではありません。共通テストも8割という、そこまで高くない点数が目安になっています。なので特別な才能が必要だったり、並外れた活動実績が必要な試験というわけではありません。

ただ、もちろん簡単な試験ではありません。高校の成績、活動実績、共通テストで一定の水準をクリアすることはもちろんのこと、自分のこれまでのことを東大での学びにどのように活かし、将来どのようなことを実現したいのか、というストーリーを魅力的に語れるようになる必要があります

そのためには櫻井さんのように「焦点を絞る」ことも重要になってきます。自分がこれまでやってきたことを整理し、自分の本質がどこにあるかを見極めて、それを書類と面接で表現していく、ということが求められます。

これも一般選抜と共通しますが、東大の学校推薦型選抜では変な小細工はせずに正攻法で準備していくのがよいでしょう。

執筆者プロフィール

塾選ジャーナル編集部
編集部
塾選ジャーナル編集部

塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。

監修者プロフィール

洋々
総合型選抜の個別指導塾
洋々

洋々は将来に亘って社会で活躍できる人材を育てる、総合型選抜専門塾。総合型選抜の塾の総本山として、特に慶應義塾大学、早稲田大学をはじめ、数多くの名門大学への合格実績を誇る。

監修者プロフィール

清水信朗
株式会社洋々 代表・GM
清水信朗

「総合型選抜の個別指導塾 洋々」代表・GM。日本アイ・ビー・エム株式会社にて、海外のエンジニアに対する技術支援を行う。その後、eラーニングを中心とした教材開発に、コンテンツ・システムの両面から携わる。東京大学工学部電子情報工学科卒。ロンドンビジネススクール経営学修士(MBA)。共著書に『採点者の心をつかむ 合格する総合型選抜・学校推薦型選抜』(2023年、洋々 著/かんき出版)。

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