【2026年度】一番入りやすい国公立大学は?偏差値・ボーダーから選ぶ、今からでも狙える大学
「一番入りやすい国公立大学はどこだろう?」そう感じている受験生も多いのではないでしょうか。
国公立を目指すうえで、現実的に合格できる大学を知ることはとても大切です。例えば、北見工業大学や秋田大学、茨城大学などは、倍率やボーダーが比較的落ち着いており、全国的にも入りやすい国公立大学として知られています。
しかし、本当に大切なのは「将来、自分が何を学びたいのか」を考えること。目先の入りやすさだけで選んでしまうと、「入ったけれど、思っていた学びと違った」と感じてしまうこともあります。
この記事では、その前提を踏まえたうえで、自分の学びたい分野を軸にしながら、現実的に合格を目指せる大学を探すためのヒントをまとめました。
入りやすさにはいくつかの見方があります。以下の3つの観点を満たす大学を中心に紹介します。
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また後半では、見落とされがちな入りやすい国公立大学のグループも紹介します。
自分の学力や志望に合った大学を見つけて、早めに受験準備を進めましょう。
編集部
塾選ジャーナル編集部
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入りやすい国公立大学

ここからは、実際に受かりやすい国公立大学を紹介していきます。
「受かりやすい」とされる大学には、いくつかの共通点があります。それは、倍率が低く競争が緩やかであること、二次試験や共通テストの負担が比較的軽いこと、そして合格ライン(ボーダー)が高すぎないことです。
以下の表では、これらの条件を満たす大学をまとめています。
比較的入りやすい国公立大学
| 大学名 | 共通テスト得点率 | 偏差値 | 倍率(2025年度一般選抜) | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 北見工業大学 | 42%~43% | 37.5 | 約1.2 | 共通テストだけで受験可能 |
| 室蘭工業大学 | 38%~57% | 35.0~37.5 | 約1.3 | 理工学部(後期)は共通テストだけで受験可能 |
| 岩手県立大学 | 51%~67% | 40.0~42.5 | 約2.1 | |
| 宮城教育大学 | 53%~63% | 42.5~47.5 | 約1.8(ただし令和6年度) | |
| 秋田大学 | 45%~87% | 40.0~62.5 | 約1.8 | STARSの一角。医学部以外は比較的入りやすい |
| 群馬大学 | 52%~83% | 42.5~62.5 | 約1.9 | 医学部以外は比較的入りやすい |
| 前橋工科大学 | 47%~63% | 37.5~40.0 | 約2.0 | 古文・漢文を選択する必要がない |
| 高崎経済大学 | 63%~74% | 50.0~52.5 | 経済学部:約3.1 地域政策学部:約2.5 |
文系3教科で受験できる |
| 茨城大学 | 47%~73% | 42.5~55.0 | 約1.9 | |
| 山梨大学 | 54%~88% | 40.0~67.5 | 約1.8 | 5山の一角。医学部以外は比較的入りやすい |
| 福井大学 | 53%~88% | 45.0~62.5 | 約1.7 | 医学部以外は比較的入りやすい |
| 富山大学 | 54%~81% | 42.5~62.5 | 約2.2 | 5山の一角。医学部以外は比較的入りやすい。都市デザイン学部がねらい目 |
| 愛知教育大学 | 53%~77% | 45.0~55.0 | 約2.0 | |
| 奈良教育大学 | 49%~74% | 45.0~52.5 | 約2.9 | |
| 兵庫教育大学 | 57%~65% | - | 約1.9 | |
| 鳥取大学 | 51%~82% | 42.5~62.5 | 約1.9 | STARSの一角。医学部以外は比較的入りやすい |
| 島根大学 | 50%~81% | 42.5~62.5 | 約2.1 | STARSの一角。医学部以外は比較的入りやすい |
| 県立広島大学 | 45%~77% | - | 約2.6 | |
| 佐賀大学 | 53%~83% | 42.5~62.5 | 約1.9 | STARSの一角。医学部以外は比較的入りやすい |
| 琉球大学 | 45%~87% | 37.5~62.5 | 約2.0 | STARSの一角。医学部以外は比較的入りやすい |
| 名桜大学 | 43%~68% | 35.0~37.5 | 国際学部:約1.2 人間健康学部:約2.3 |
参考:一般選抜実施状況|北見工業大学、室蘭工業大学令和7年度入学者数等一覧、令和7年度岩手県立大学入学者選抜結果、令和6年度宮城教育大学教育学部入学者選抜実施状況、令和7年度 秋田大学入学試験状況調(総表)、一般選抜実施状況|群馬大学、2025年度前橋工科大学入試結果、令和7年度経済学部入試結果|高崎経済大学、令和7年度地域政策学部入試結果|高崎経済大学、一般選抜実施状況|茨城大学、令和7年度入試結果|山梨大学、入学志願者資料集2025|福井大学、令和7年度富山大学一般選抜(前期日程)実施状況表、一般選抜実施状況|愛知教育大学、令和7年度入学試験に関する調査|奈良教育大学、一般選抜実施状況|兵庫教育大学、令和7年度 鳥取大学入学試験状況(一般選抜(前期日程・後期日程))、令和7年度島根大学入試実施状況、令和7年度入学者選抜結果【学部】|県立広島大学、令和7年度学部別状況|佐賀大学、令和7年度 琉球大学 入学試験実施状況 前期日程、令和7(2025)年度 入学試験結果|名桜大学
共通テスト得点率と偏差値目安の引用:河合塾の大学入試情報サイト Kei-Net
5山

5山(読み方:ごやま)とは、山形大学・富山大学・山梨大学・和歌山大学・山口大学の5校をまとめた、地方国公立大学群の総称です。各大学には、特色ある学部や研究分野が設置されており、地域課題の解決や国際的な学術活動に積極的に取り組んでいる点も魅力です。
いずれの大学も、地方で確かな知名度と就職実績を持ちつつ、入試難易度が比較的落ち着いているのが特徴です。先ほどの一覧表にもあるように、現実的に狙いやすい国公立大学群といえるでしょう。
STARS

STARS(読み方:スターズ)とは、佐賀大学・鳥取大学・秋田大学・琉球大学・島根大学の5校をまとめた、地方国公立大学群の総称です。
各大学は、地域に根差しながらも国際的な学びや研究を重視しており、グローバル人材の育成や地域課題の解決に力を入れているのが特徴です。理系・文系を問わず幅広い学部が設置されており、教育内容のバランスが良いことから全国の受験生にとっても挑戦しやすい大学群といえます。
STARSに含まれる大学は、派手さはないものの堅実な教育体制と安定した合格難易度を持ち、現実的に狙いやすい国公立大学群として注目されています。
知っておくとチャンスが広がる!入試方式が特徴的な国公立大学

ここまで紹介してきた大学は、偏差値や倍率などのデータから見た「受かりやすさ」を基準にしています。しかし、入試方式の違いによって、実は見逃されがちな入りやすい国公立大学も存在します。
ここでは、受験生が気づきにくい試験形式に注目し、知っておくとチャンスが広がる国公立大学を紹介します。
共通テストだけで受験できる国公立大学
通常、国公立大学の入試では、共通テストと大学独自の二次試験(筆記・面接など)の総合評価で合否が決まります。
しかし、中には共通テストの得点のみで合否を判定する大学・学部も存在します。
例えば、都留文科大学の文学部(国文学科・英文学科)や教養学部(学校教育学科・国際教育学科)では、3教科3科目(国語・英語必須+選択1科目)の共通テストのみで受験することが可能です。二次試験で独自の筆記試験や面接が課されることはありません。
このような大学を選べば、記述問題や面接が苦手な受験生でも、共通テストの得点力だけで勝負できるため、戦略的な選択肢の一つとなります。
共通テストだけで受験できる国公立大学については、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
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公募推薦で受かりやすい国公立大学
一般選抜(一般受験)以外にも、国公立大学には公募推薦という選択肢があります。
例えば、横浜国立大学経営学部は、公募推薦における提出書類が比較的少ない国公立大学の一つです。出願に必要なのは、高校側が作成する調査書や推薦書、そして受験者本人が記入する志願理由書のみとなっています。長文の自己推薦書や活動報告書の提出が不要なため、試験勉強に集中したい受験生にとっては、負担の少ない受験方式といえるでしょう。
参考:令和8年度(2026年度)学校推薦型選抜学生募集要項|横浜国立大学
選考は、提出書類・小論文・面接の総合評価で行われます。書類作成にかかる時間を短縮できる分、小論文や面接対策にしっかり時間を割くことが合格への鍵となります。
総合型選抜で受かりやすい国公立大学
総合型選抜(旧AO入試)で受かりやすい国公立大学もあります。
例えば、東京都立大学の総合型選抜は、例年の倍率が比較的低めに推移しています。もちろん、倍率が低いからといって必ず合格できるわけではありませんが、十分に対策する価値のある入試方式といえるでしょう。
東京都立大学における推薦・総合型選抜の倍率
| 学部名 | 2025年度倍率 |
|---|---|
| 経済経営学部 | 約1.2 |
| 都市環境学部 | 約2.1 |
| 理学部 | 約1.8 |
総合型選抜では、大学によって求められる書類や評価基準が異なります。志望理由書や面接対策を早めに進めておくことで、ほかの受験生と差をつけやすくなります。
受かりやすい国公立大学についてよくある質問(FAQ)

ここでは、受かりやすい国公立大学についてよくある質問を紹介します。
3教科で受験できる国公立大学はありますか?
3教科で受験できる国公立大学はあります。
例えば、文系では信州大学人文学部、理系では広島大学理学部などが、3教科で受験可能な大学です。
参考:令和8年度入学者選抜要項|信州大学、令和8年度入学者選抜要項|広島大学
国公立大学は一般的に科目数が多くなりがちですが、一部の学部では3教科で出願できる方式を採用しています。このような大学を選べば、得意科目に絞って効率的に得点を伸ばせるため、戦略的に出願先を選ぶことが可能です。
有名だけど入りやすい国公立大学はありますか?
一定の知名度を有しながら、比較的入りやすい国公立大学はあります。
例えば、金沢大学は、同じ「金岡千広(かなおかちひろ)」と呼ばれる大学群の中でも、倍率がやや低めです。
以下は、2025年度(令和7年度)前期日程の志願者数・合格者数・倍率の比較です。
金岡千広の志願者数と倍率(2025年入試前期日程)
| 大学名 | 受験者数 | 合格者数 | 倍率 |
|---|---|---|---|
| 金沢大学 | 3,185 | 1,688 | 約1.9倍 |
| 岡山大学 | 3,630 | 1,679 | 約2.2倍 |
| 千葉大学 | 6,924 | 1,975 | 約3.5倍 |
| 広島大学 | 4,215 | 2,004 | 約2.1倍 |
出典:令和7年度金沢大学入試状況一般選抜(前期日程)、2025年度 岡山大学入学試験実施状況、令和7年度 千葉大学入学者選抜実施状況(前期日程)、令和7年度入学者選抜結果情報|広島大学
名の知れた大学でも、入試方式や学部によっては比較的狙いやすいケースがあります。「知名度は高いが倍率が低めの大学」をうまく選べば、戦略的に出願することも可能です。
まとめ 自分に合った入りやすい国公立を見つけよう

入りやすい国公立大学といっても、ただ偏差値が低めの大学という意味ではありません。
倍率・共通テストのボーダー・試験科目数・入試方式など、さまざまな角度から見た「入りやすさ」があります。
大切なのは、データに頼りすぎず、自分の得意科目・学習スタイル・志望地域と照らし合わせて考えることです。
共通テスト重視型や科目数が少ない方式を選べば、負担を減らしながら合格の可能性を高められます。
しかし、本当に大切なのは「将来、自分が何を学びたいのか」という視点です。目先の入りやすさだけにとらわれて入学しても、学びたい内容と合わなければ、4年間を有意義に過ごすことは難しくなります。
入試データを参考にしつつも、自分が興味を持てる学問分野・将来目指したい方向を軸に大学を選びましょう。
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