【高校受験】英語の勉強方法|学習する際のコツや入試までのスケジュールなどを解説


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塾選ジャーナル編集部
高校受験に向けて英語の効果的な勉強法を知りたい人も多いでしょう。今回は高校入試の英語はどのような問題が出るのか、単語・文法・長文読解・リスニングの勉強方法、効率よく学習する際のコツを解説します。
また、英語における中学1〜3年生別の高校入試までのスケジュールやスピーキング対策は必要なのか、などについても紹介していますので参考にしてみてください。
高校受験の英語はどんな問題が出る?
高校受験の英語に出題される問題は、都道府県の違いや、公立・私立など学校の違いによって若干の差はありますが、大まかに分けると「語彙・文法」・「長文読解」・「英作文」・「リスニング」の4つの分野に分けることができます。
これらのうちどれか一つでも欠けると試験において高得点をとることは難しくなります。というのも、いわゆる英語力というものは、語彙を土台として文法が、さらにその上に長文読解や英作文が、というようにピラミッド状にして培われていくものだからです。語彙なくしては文法は身につきませんし、文法なくしては長文読解は解けないのです。
高校受験に向けた英語の勉強方法
受験に限らず定期試験等においても、英語で高得点を狙うためには計画的に、順序だてて学ぶことが重要です。英語ができない子供はこの点を理解していないことが往々にしてあります。では、なにからどのように学習していけばいいのでしょう?以下、項目別に解説していきます。
単語の勉強法や覚え方のコツ
現状、高校受験にはどのくらいの語彙数が必要なのでしょうか?2021年の学習指導要領の改訂により、中学生で習う単語は約1200語から1600~1800語へと大幅に増えました。また、英語が必修化・教科化された小学校では600~700語を学ぶため、最大2500程度が中学生で身に付けていなければならない語彙数となります(難関校ではそれ以上求められる場合もあります)。
実際は、単語によって出題頻度の違いがあるので必ずしも全てを覚える必要はありませんが、語彙力の重要性が高まっているのは確かでしょう。
では、効果的な単語の勉強法・覚え方のコツについて述べていきます。
まず、単語学習ですが可能な限り継続的に、できれば毎日行うことが望ましいです。1日で覚える数は、多すぎても少なすぎても効果は出にくくなるので、30~50語程度から始めると良いでしょう。覚えるのに慣れてくれば数は増やしてもかまいません。
覚える時は、見ているだけでは覚えられませんので必ず書いて覚えましょう。覚えたい単語をノートに、意味と発音をしっかりと確認しながら書いていきます。自分の部屋など声を出しても大丈夫な場合は発音しながら書くと、より効果的です。学校や塾など発声できない場合も必ず頭の中で読み上げながら書くようにしてください。
書くときは、「5回書く」「10回書く」など回数を決めるのは絶対にやめてください。その回数、書くことが目的化してしまいがちです。書く回数は、自分が「覚えられた」と感じるまでにしましょう。
「bus」など簡単な単語なら1回で済むかもしれませんし、「dictionary」なら10回書かないといけないかもしれません。書く練習が終わったら(10~15分程度)、必ず確認テストをしてください。
英単語に限らず、何かを覚えるには「インプットよりもアウトプットが重要」です。つまり書く練習(インプット)をいくらしても、テスト(アウトプット)をしなければ意味はないということです。
テストは覚えたい単語全てに対して行います。「50個中20個をテスト」など一部だけで行うと効果が薄くなるので注意してください。また、テスト方式は日本語→英語で行うことが大事です。読めても書けない場合はありますが、書けるのに読めない場合はほとんどないからです。
テストをしたら丸付けをし、全問合っていればOKです。全問正解でない場合は、間違った単語を中心に最初と同じ要領で練習し、以下、テスト→練習→テストを繰り返し全問正解するまで続けてください。50語であれば最初は1時間、あるいはそれ以上かかるかもしれませんが、覚え方のコツをつかんでくると20~30分程度で覚えられるようになってきます。
文法の勉強方法
文法の勉強を始める際は、現在習っているところまでをしっかり理解できているかを確認することから始めてください。英文法はひとつひとつ積み重ねていくことが重要です。前の内容を理解していないのに先に進んでもほとんど意味がありません。
塾のテキストや学校のワークなどの文法問題を解きなおし、自分がどこを理解できているか、どこがわからないかを確認してください。1年生であれば「be動詞と一般動詞の使い分け」や「3単現のs」、2年生であれば「時制」や「不定詞」、3年生であれば「分詞」や「関係代名詞」などが特に重要な文法事項です。不安なところは繰り返し練習しましょう。
学習の際は文法の問題集が1冊あれば便利です。中学3年間分が収録されたものも多く出版されています。難易度は標準的なものでいいので「左に解説、右に確認問題、次ページに演習問題」となっているものを使うと学習しやすいです。
「左ページの解説を見ながら確認問題を解く→解答・解説を確認し丸付け→演習問題を解く→解答・解説を確認し丸付け」のサイクルで確実に身に付いていきます。必ずノートに解いて、最終的に何も見ないでも解けるまで繰り返しやりましょう。
苦手な人ほど、不安感から複数の問題集に手を出しがちですが、まずは1冊の問題集を完璧にすることが、英文法習得のコツです。
長文読解の勉強方法
長文読解を始めるのは、必ず一定の語彙と文法が身に付いてからにしましょう。このふたつを身に付けていない状態で始めてしまうと、全く意味のないものになってしまうので注意してください。詳しくは後ほど紹介しますが、始める時期は3年生の夏以降で十分です。それまでは単語と文法を完璧にすることを目指しましょう。
具体的な勉強方法としては、とにかく数をこなすことが大事です。受験での長文には様々なトピックが出題されるため多くの問題に触れておくことが必要です。過去問のほかに受験する学校のレベルに応じて最低1冊は長文の問題集を用意しましょう。
解くときは必ず時間を計って解いてください。多くの問題集には解答時間が明示されているのでそれに沿って時間を設定するとよいです。過去問を使って演習する場合も試験時間を考慮し、長文の配分を考えて時間設定しましょう。
また、長文を解くときは、「本文を全て読む→各設問を解く」ではなく「本文→設問1→本文→設問2」と設問箇所が来るたびに、解き進めていきましょう。その際、いきなり本文を読むのではなく、あらかじめ全ての設問に目を通しておくと、設問内容を意識しながら読めるのでより効率的に解くことができます。解答時間を大幅に節約できるので、よほど自信がある人でない限り後者の解き方をおすすめします。
長文を解いたあとに解答・解説を読んで丸付けをする際は、必ず意味がわからなかった単語や熟語をピックアップするようにしてください。専用のノートや単語カードを作成すると、よりいいでしょう。
語彙は筋肉と同じで常に鍛えていないと衰えるので、学習が長文の段階に入ったからと言って気を抜いてはいけません。文法についても同じです。長文読解を学習する際は、単語・文法の復習も意識しながら行いましょう。
リスニングの勉強方法
リスニングも長文と同じく数をこなすことが大事です。聞いた分だけ耳は英語に慣れていきます。長文同様、過去問に加え、問題集を最低1冊は用意しましょう。
問題を解いた後はリスニング原稿を確認しながら、自分が聞き取れていなかったり聞き間違えていた単語を確認してください。ネイティブ話者は1単語1単語、区切って発音はしません(リンキングなどと言います)。
それを聞き取る感覚は実際に英語を聞くことでしか磨けませんので、ネイティブ特有の発音が聞き取れるようになるまで繰り返し学習しましょう。youtubeなどネットでも音源は聞けますが、リスニング原稿がないと確認ができませんので、必ず問題集を用意しましょう。
英作文の対策とコツ
ある意味、受験において最も対策しにくいのが英作文ではないでしょうか?単語・文法とも高いレベルで習得していることが求められます。都道府県や高校によって出題方法は異なるので一概に対策法を述べることは難しいですが、ここではある程度汎用性の高い英作文の対策について書いてみます。
一つめは、It (for) to~構文や比較表現など使えそうな構文や熟語を多く身に付けておくことです。このバリエーションが多ければ多いほどあらゆるタイプの問題に対処できます。単語帳などで慣用表現をチェックし、あらかじめ使えそうなものをリストアップしておくといいでしょう。
二つめは、文章の型を作っておくことです。英検などでよく使うパターンですが、「意見→理由①→理由②→結論」といった文章の型を身に付けておくといいでしょう。ただ、全てのタイプの問題に使えるわけではないので注意が必要です。
最後は、正しい英文を書くことです。その際、心がけることは「一つの文に主語と動詞があるか」「名詞に冠詞を付けるのを忘れていないか」「接続詞を節が一つしかない文に使っていないか」といった基本的ですが犯しがちなミスをしないということです。また、英作文は減点法で採点されることが多いです。内容も大事ですが、「書きたいことを間違った英文で書く」より、「書けることを正しい英文で書く」方が点数を取ることができる、ということは覚えておいてください。
【英語】高校入試までのスケジュール
ここまでは具体的な学習方法について述べてきましたが、入試では計画的に学習を進めていくことが必須です。ここからは入試までのスケジュールを、それぞれの時期に分けて述べていきます。
中学1年~2年生
多くの都道府県では、1年生の内申点から受験の点数に関わってきます。1年~2年の学習では、目の前の定期テストで高得点をとることが最重要です。
「定期テストと入試では出題傾向も難易度も全く違うのに定期テストで点数をとっても意味があるのか」と思われるかもしれませんが、そもそも内申点が低いと受験できる高校の選択肢が狭まってしまいます。加えて、英語は積み重ねが非常に重要な科目です。他の教科と違って、前の内容がわかっていないと先に進むことができません。よって定期テストで点数が取れているということは、着実に英語の力がついているということの証でもあるのです。
定期テストで点数をとるためには日々の予習・復習が重要になります。英語学習においては「予習は単語・復習は文法」が基本です。単語は学校や塾で習わなくても自分で学べるので、すでに述べた勉強法でどんどん進めていってください。発音がわからない場合でも最近の教科書はQRコードを読み取って発音が聞けるようになっていることが多いです。もしついていない場合は、スマホや電子辞書を活用して必ず調べるようにしてください。
文法については授業を受けた内容を次回の授業までに復習するようにしましょう。その際、わからないところがあれば学校や塾の先生、または家族でも良いので、必ず教えてもらってください。英語は何度も言う通り「積み重ねの教科」です。わからないことを放置すれば後々まで響いてくることになります。もしつまづいてしまいなかなか先へ進めなくなった場合は、焦らずに夏休みなど長期休暇を利用して挽回しましょう。
中学3年生の夏まで
中学3年生になっても引き続き、定期テストが重要であることに変わりはないですが、そろそろ入試問題に対応するための学習も必要になってきます。特に中3夏休みの過ごし方が大切です。夏以降、長文読解の学習に入ることを考えれば、この夏休みである程度、単語・文法を固めておく必要があります。
単語は今まで教科書に出てきたものを全て覚えているかを確認し、忘れていたところは覚えなおしましょう。余裕があれば2学期以降の単語の先どりをしてください。
文法は1年生からその時点までの総復習を行い、学校の補習や塾の講習を活用して、必ずわからないところがない状態にしましょう。中3夏休みの学習成果は、その後の勉強スケジュールや志望校などあらゆるものに関わってきます。心して取り組みましょう。
中学3年生の夏以降
先述した通り、中学3年生の夏以降は長文読解にも取り組んでいきます。単語・文法の学習がある程度進んでいることが前提ですので、進んでいない場合は単語・文法を固めてから長文の学習に入ってください。始める時期は、早くて夏休み後すぐ〜、遅くとも12月には始めていきましょう。受験する学校の難易度が高いほど早く始める必要があります。
過去問演習は必ず中学3年間の文法事項を全て学んだ上で、始めてください。受験時期によって若干前後しますが、私立なら12月~1月、公立なら1月~3月にかけて行うと良いでしょう。
おすすめの過去問活用法は、入試約1カ月前から志望校の過去問を毎週1回1年分、解いていく方法です。週1回と決まったスパンで行うことで、その1週間の課題が明確になり、入試までのラストスパートを着実にステップアップしていくことができます。
都立高校ではスピーキングテスト対策が必要?
都立高校では2022年度中学3年生(2023年に実施される入試)より、スピーキングテストが導入されます。
スピーキングテストは11月27日で、結果はA=20点 B=16点C=12点 D=8点 E=4点 F=0点の6段階に分けられ入試得点に加算され、試験内容は「音読問題」「質疑応答問題」「内容説明」「意見発言」の4つのパートに分かれています。
形式としては英検の3級以上で実施される2次試験と似たものです。よって、英検3級や準2級の問題集や過去問を購入し2次試験用の問題を解いておくと有効な対策となるでしょう。
さらに一部高校では英検3級以上を取得していれば、入試結果に加点もしくは得点換算がなされることがあります(2級以上が多いです)。なので英検取得を目指せばスピーキング対策と入試対策の一石二鳥になるのでおすすめです。ぜひ、自分の志望校の入試要項をチェックしてみてください。また、一部報道ではテスト内容がベネッセが実施する「GTEC」と非常に似ているという情報もあります。そちらの試験内容・過去問をチェックしてみるのもいいでしょう。
最後に、スピーキングテストに最も効果のある対策は、何といっても英会話の個人レッスンです。最近では教室に通わなくともオンラインで気軽にレッスンを受けられますので、英会話教室や英語専門塾をさがしてみるのも非常におすすめです。以下におすすめの英語塾をいくつかピックアップしていますのでぜひ参考にしてみてください。
高校受験に向けたおすすめの英語塾
まずはトリプレットイングリッシュスクールです。関東と関西を中心に教室を持ち、全体で1550人以上の生徒を指導しています。特徴は無学年制の個別方式というところです。学年にとらわれず子どもの英語力に着目して指導が行われ、必要に応じて前の学年にさかのぼって学習ができるので、英語が苦手な中学生にもおすすめです。また、授業時間を自由に選べるので忙しい中学生にも通いやすいです。
次に紹介するのは東京都渋谷区に教室を持つ、プログレスアカデミー英語塾です。授業は3~4人の少人数制を採用し、個別に実施しています。授業は通っている学校の教科書に沿って進められるので定期テスト対策も万全です。また、音読学習に力を入れ、声に出して英語を読むことで発音力や速読力も身に付けられます。リスニングやスピーキング指導も充実しており、「一生使える英語」の習得を目指す英語塾です。
最後に紹介するのは、東京都を中心として日本各地に教室を展開する英検アカデミーです。指導歴10年以上のプロ講師が授業を担当し、1対1のプライベートレッスンのほかに講師1人に対して生徒が3人までのセミプライベートレッスンも設置しており、ニーズに合わせて指導スタイルを選ぶことができます。英検対策では文法力・読解力・リスニング力のアップを目標に、オリジナル教材を使って徹底的にトレーニングします。また、個別指導なので英検3級以上で課される2次試験対策も万全です。
より詳しい情報や、 今回紹介した教室以外もこちらで紹介していますのでぜひチェックしてみてください。
まとめ
以上、高校受験における「英語の勉強法・コツ」や「受験までのスケジュール」、「おすすめの英語塾」について述べてきました。
英語は単語→文法→長文読解の順に学習し、中3の夏までには単語・文法をある程度固めておきましょう。夏以降は長文読解にシフトしていき、最後は過去問演習でラストスパートをかけましょう。ぜひこちらの内容を参考にしていただき、計画的に勉強を進め志望校合格をつかみ取ってください。
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