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漢文の置き字とは?7つだけ覚えればOK!迷ったときに見分けるポイントも解説

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大学受験
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「漢文の置き字って結局どういう役割をしているの?」と戸惑った経験はありませんか。受験勉強を進める中で、置き字の扱いに苦手意識を持つ人は少なくありません。

置き字とは、漢文の原文には書かれているものの、訓読の際には実際には読まれない文字のことを指します。ただ意味を持たない文字というわけではなく、文と文をつないだり、文章の調子を整えたりする役割と、漢文を成り立たせる重要な働きを担っています。

本記事では、漢文で頻出する置き字について基礎から解説します。特に覚えておきたい7つの置き字を取り上げ、それぞれの役割や見分け方を整理しました。さらに、理解を深めるための例題も用意していますので、置き字につまずいている人はぜひ最後まで読んでみてください。

塾選ジャーナル編集部

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目次

漢文の置き字とは? 意味と「読まない」理由

漢文における置き字とは、原文の中には書かれているものの、訓読の際には日本語としては読まれない文字のことです。意味を持たない文字というわけではなく、文と文の関係を示したり、文章全体の調子を整えたりする役割を担っています。

置き字の大きな特徴は以下の3点です。

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  • 訓読(書き下し文)では読まない・書かない
  • 文法的な役割(接続・強調・リズム)を持っている
  • 同じ漢字でも、文脈によっては「読む」場合がある

【重要】置き字は「書き下し文」に含めない! テストで最も間違えやすいポイントです。置き字は、ひらがなにも直さず、完全に消去して書き下し文を作ります。

【一覧】これだけは覚える!重要置き字 7選

高校の古典学習では、置き字として扱われる文字は、あらかじめある程度決まっています。特に重要なのが、以下の7つです。

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置き字 働き 説明
接続を表す 文と文をつなぐ役割を持つ
於・于・乎 前置詞的に使われる 動作の対象や方向を示す
矣・焉 文末で語調を整える 文末に置かれ、意味の調子を補う
詩や歌のリズムを整える 詩文でリズムを整えるために用いられる

置き字は、書き下し文にする際には基本的に日本語訳に含めません。そのため、「読まない文字」と説明されることもあります。

ただし、注意すべき点があります。同じ漢字であっても、常に置き字として使われるとは限らないということです。文脈によっては、置き字ではなく、意味を持つ語として用いられる場合があります。

その場合は、書き下し文や日本語訳に正しく反映させる必要があります。置き字かどうかを見極めることが、漢文を正確に読むための大切なポイントです。

再読文字、返読文字や助字との違いを比較

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再読文字との違い

再読文字とは、漢字一字でありながら、訓読の際に二度読まれる文字のことです。置き字とは異なり、書き下し文や日本語訳の中で、実際に意味を持つ語として読まれるのが特徴です。

再読文字は、まず返り点に従わずに副詞として先に読み、あとで返り点に戻って助動詞や動詞として読むのが基本です。

たとえば「未」や「将」などが、再読文字の代表例にあたります。

このように、読まれないのが置き字、二度読むのが再読文字という点が、両者の最も大きな違いです。

返読文字との違い

返読文字とは、日本語とは逆の語順で読む必要があるため、返り点を付けて読む漢字のことです。置き字のように読まれない文字ではなく、書き下し文では必ず意味を持つ語として読まれます。

返読文字にはいくつかの代表的なパターンがあり、高校漢文では次のような語がよく登場します。

分類 返読文字 主な意味・特徴
有無を表す語 有・無・多・少 存在や量を表し、日本語とは逆の語順で読む
認定・可能を表す語 難・易・欲・得・不得・能・不能 「〜できる」「〜しようとする」などの意味を持つ
前置詞的・接続詞的な語 為・以・自・従・於・乎・于・雖 動作の対象・理由・条件などを示す
特殊な返読文字 文脈によって返り点を付けて読む
名詞句を作る語 所・所以 「〜ところ」「〜ゆえん」などの形を作る

これらの語は、日本語の語順とは逆になるため、返り点を使って読み下す必要があります。

ここで注意したいのが、「於」「乎」「于」の扱いです。これらの字は、接続詞として用いられる場合、返読文字として読まれることがあります。一方で、文脈によっては置き字として扱われ、訓読では読まれないこともあります。

つまり、返り点が付いて意味を持って読まれる場合は返読文字、読まずに文の流れを整えるだけなら置き字という点が、両者を見分ける重要なポイントです。

助字との違い

助字とは、漢文において、日本語でいう「てにをは」に近い働きをする漢字のことです。文の意味そのものよりも、語と語の関係や文章の調子を整える役割を持っています。

置き字は、この助字の一種にあたります。つまり、助字という大きな枠組みの中に、置き字が含まれていると考えると分かりやすいでしょう。

ただし、すべての助字が置き字になるわけではありません。助字の中には、訓読の際に実際に読まれるものもあり、その点が置き字との大きな違いです。

まとめると、

  • 助字:文法的な働きをする字の総称
  • 置き字:助字の中でも、訓読では読まれないもの

という関係になります。

各置き字の役割と「置き字にならないケース」の見分け方

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ここではそれぞれ7つの置き字について解説します。7文字の意味と役割を、簡単に見ていきましょう。

接続詞のような意味を持つ「而」

「而」は、置き字として用いられる場合、接続詞のような意味合いを表す働きをします。この接続関係には、順接と逆接の2種類があります。

順接とは、ある条件に対して、予想される結果がそのまま続く関係を示すものです。「而」が順接の意味合いを持つ場合は、『而』の直前の語に「テ」「シテ」などの送り仮名が付きます。このとき、「而」そのものは読まず、前の語の送り仮名によって接続関係を表します。

一方、逆接は、ある条件に対して、予想とは異なる結果が続く関係を示すものです。「而」が逆接の意味合いを持つ場合は、「而」の直前の語に「ドモ」などの送り仮名が付きます。この場合も、「而」は置き字として扱われ、訓読では読まれません。

ただし、「而」は常に置き字として使われるわけではありません。文脈によっては、接続詞として意味をもって読まれる場合や、「なんぢ」という意味の代名詞として用いられる場合もあります。これらの違いは、送り仮名の付き方や文中での位置によって見分けることができます。

「而」の見分け方

チェックポイント 状況 用法 扱い
「而」そのものに送り仮名が付く 而テ・而ドモ など 接続詞 意味をもって読む
「而」の直前の語に送り仮名が付く ○○シテ 而
○○ドモ 而
置き字 「而」は読まない
助詞(ニ・ヲ・ノなど)が付く 而ニ・而ヲ など 代名詞 「なんぢ」と読む

前置詞のような意味を持つ「於」「于」「乎」

「於」「于」「乎」は、置き字として用いられる場合、前置詞のような意味合いを表す働きを持ちます。文中では、場所・対象・比較・受身(動作主)などを示す役割です。

「於」「于」「乎」が、場所・対象・受身の意味を表す前置詞として使われるときは、それらの字の後に続く語(場所・対象・動作主を表す語)の後に、送り仮名の「ニ」が付きます。この場合、「於」「于」「乎」そのものは読まず、置き字として扱われます。

また、比較の意味を表す場合には、「於」「于」「乎」の後に続く比較対象を表す語の後に、送り仮名の「ヨリ(モ)」が付きます。このときも、これらの字は置き字として処理されるのが基本です。

ただし、「於」「于」「乎」は、常に置き字として使われるわけではありません。特に「乎」は、助詞として読まされる用法が多く、ここで混乱しやすくなります。

「於」「于」「乎」の見分け方

チェックポイント 状況 用法 読み・扱い
字そのものに送り仮名が付く 於イテ・於ケル・于ニ 前置詞(意味を持つ) 意味を持って読む
後ろの語に「ニ」が付く 於 ○○ニ
于 ○○ニ
乎 ○○ニ
置き字 読まない
後ろの語に「ヨリ(モ)」が付く 於 ○○ヨリ(モ)
于 ○○ヨリ
乎 ○○ヨリ
置き字 読まない
文末・句点直前にある 文末の乎 助詞 か・や/かな
人名の直後にある ○○乎 間投助詞
形容詞・副詞の下にあり断定語が続く ○○乎トシテ 状態語

文末で語調を整える「矣」「焉」

「矣」「焉」は、置き字として用いられる場合、文末に置かれて語調を整える働きをします。断定や感嘆といったニュアンスを添え、文章の調子を強める役割です。

ただし、どちらの字も文脈によっては意味をもって読まれることがあり、置き字かどうかは文の形から判断します。

チェックポイント 状況 用法 読み・扱い
直前の語が終止形 〜なり矣 置き字 読まない
直前の語が体言・連体形 〜なる矣 終助詞 かな(ひらがな)
文末にあり、送り仮名・返り点がない 文末の焉 置き字 読まない
述語の上にあり、文末が「や」・連体形 〜焉や 疑問・反語 いづくんぞ/いづくに(か)
述語の上にあり、文末が「ンヤ」 〜焉んや 反語 いづくんぞ/いづくに(か)
「ニ」「ヨリ」が付く 焉ニ・焉ヨリ 代名詞 これ

詩や歌のリズムを整える「兮」

「兮」は、韻文(韻を踏んだ詩文)の句中や句末に置かれ、詩のリズムを整えるために用いられる字です。意味を表したり、文の構造に関わったりする文法的な機能は持っていません。

中国語として漢文を音読する際には、リズムを整える音として読まれますが、訓読(日本語で読むこと)では特に意味を持たないため、基本的に読まれません。そのため、「兮」は置き字として扱われます。

文法的な判断や細かい使い分けを覚える必要はありませんが、漢詩や韻文が出てきたときに「これは兮だ」と気づければ十分です。詩の中に現れた場合は、「リズムを整えるための字」と考えて処理するとよいでしょう。

「これは置き字?」と迷ったときの判断3ステップ

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置き字かどうかで迷ったときは、意味を考える前に形を見るのが鉄則です。次の手順で確認すれば、ほとんどの場合は正しく判断できます。

ステップ①:その字に送り仮名が付いているか

まず最初に確認したいのは、その字そのものに送り仮名が付いているかどうかです。ここが、置き字かどうかを判断する最も重要なポイントになります。

その字に送り仮名が付いている場合、その字は意味をもって読まれるため、置き字ではありません。一方、送り仮名が付いていない場合は、置き字の可能性がありますので、次のステップへ進みます。

ステップ②:送り仮名はどこに付いているか

次に確認したいのは、送り仮名が付いている「位置」です。漢文では、送り仮名が「どの字に付いているか」によって、その字が置き字かどうかを判断できます。

送り仮名が、問題になっている字そのものではなく、直前や直後の語に付いている場合、その字は置き字として扱われることが多くなります。例えば、「而」「於」「于」「乎」などは、前後の語に送り仮名が付くことで、接続や関係を表しますが、それ自体は読まれません。

一方で、その字自身に送り仮名が付いている場合は、意味をもって読まれる語になります。この場合は置き字ではなく、接続詞や前置詞、助詞などとして処理します。

つまり、

  • 送り仮名が周りの語に付いている → 置き字の可能性が高い
  • 送り仮名がその字に直接付いている → 置き字ではない

という判断が基本になります。

ステップ③:文中の位置を確認する

最後に確認したいのは、その字が文中のどこに置かれているかです。送り仮名の有無や位置だけでは判断しきれない場合でも、文中での位置を見ることで、置き字かどうかがはっきりすることがあります。

例えば、文末や句点の直前に置かれ、送り仮名や返り点が付いていない字は、置き字として扱われることが多くなります。「矣」や「焉」などが、その代表例です。

また、人名のすぐ後ろに置かれている場合は注意が必要です。この場合は置き字ではなく、「乎」が呼びかけを表す助詞「や」として読まれることがあります。

さらに、漢詩や韻文の中に現れる場合は、「兮」のように、詩のリズムを整えるための置き字である可能性が高いと考えられます。

このように、文末・人名の直後・詩文といった位置関係を確認することで、置き字かどうかを最終的に判断できます。

例題で置き字を確認しよう【問題編】

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次の漢文を読み、下線部の字が置き字かどうかを判断しなさい。

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【例題①】「子曰、学而不思則罔、思而不学則殆」
【例題②】何事乎

例題で置き字を確認しよう【解説編】

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ここでは、先ほどの判断3ステップを使って、例題①②を順に確認します。

例題①の解説

先ほどの3ステップを使って調べていきましょう。

  1. まず注目したいのは、「而」そのものに送り仮名が付いているかどうかです。この文では、「而」に直接送り仮名は付いていません。
  2. 次に、「而」の前後を見てみると、「学」や「思」といった直前の語に「テ」「シテ」にあたる送り仮名が付きます。つまり、接続の意味は前の語の送り仮名によって表されており、「而」自体は読まれていません。
  3. 文中での位置を見ても、「而」は語と語をつなぐ役割をしているだけで、文末に置かれているわけでもありません。

以上の点から、この「而」は意味をもって読まれる語ではなく、置き字として使われていると判断できます。

例題②の解説

まず、「乎」そのものに送り仮名が付いているかを確認しますが、ここでも送り仮名は見当たりません。

続いて文全体を見ると、「乎」は文のいちばん最後、つまり文末に置かれています。この位置にある「乎」は、文の調子を整えるだけの置き字ではなく、疑問を表す助詞として使われるのが基本です。

この場合、「乎」は「か」や「や」と訳され、書き下し文ではひらがなで書かれます。そのため、置き字として処理することはできません。

以上の点から、この「乎」は置き字ではなく、疑問の助詞であることがわかります。

まとめ 置き字をマスターすればリズムよく漢文が読める!

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置き字は、「読まない文字」と聞くと少しややこしく感じるかもしれません。しかし、実際には漢文を読みやすくするための目印のような存在です。置き字の役割や見分け方が分かれば、漢文の流れが自然につかめるようになります。

今回の記事では、

  • 覚えるべき置き字は 7つだけ であること
  • 置き字かどうかは 意味ではなく形で判断する こと
  • 迷ったときは 送り仮名の位置と文中の場所を見る こと

を中心に解説しました。

特に、「これは置き字?」と迷ったときの判断方法を身につけておけば、細かい暗記に頼らなくても、落ち着いて処理できるようになります。漢文が苦手に感じていた人も、「どう考えればいいか」が見えてきたのではないでしょうか。

置き字は、漢文を難しくする存在ではありません。むしろ、文のリズムや流れを整えてくれる存在です。今回学んだポイントを意識しながら読み進めていけば、漢文は少しずつ「意味のかたまり」として読めるようになります。

まずは、例題や教科書の文章で、置き字を見つけて判断する練習をしてみてください。置き字をマスターすれば、漢文はもっとリズムよく、読みやすくなります。

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