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大阪明星中学校に逆転合格!勉強しない息子の底力を生んだシングルマザーの決意|親たちの中学受験体験記 Vol.20

更新日:
中学受験
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最後まで合格判定がDだった第一志望校・大阪明星学園 明星中学校に、直前の追い込みで逆転合格。本人がかたくなに望んだ中学受験だったのに、塾の宿題をまったく終わらせられない息子。そのとき、独りで子育てに奮闘する母が取った行動とは?

受験エンジンがいつまでもかからない! と嘆く保護者のみなさん、土壇場で子どもの頑張りを引き出すのは「親が子を信じる力」のようです。ぜひ参考にしてみてください。

塾選ジャーナル編集部

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塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。

目的や性格について回答するだけ!簡単10秒!ぴったりの塾を診断
目次

【保護者プロフィール】

お名前 高橋 真衣(仮名)
お住まい 大阪府港区
年齢 50代
職業 会社員
性格 いわゆる大阪のオカン
家族構成 2人家族(母・長男)

【中学受験を行った子どものプロフィール】

子どもの名前 高橋 陽翔(仮名)
性別 男子
現在通っている学校名 大阪明星学園 明星中学校
現在の学年 中学2年生
受験時にしていた習い事 浜学園
得意科目 特になし
苦手科目 算数
性格 友人への気配り上手なおっとりタイプ。自立心は強い。
偏差値 学習開始時期の偏差値:50
受験時期の偏差値:45
受験結果 大阪明星学園 明星中学校:合格(第一志望)
桃山学院中学校:合格
利晶学園 大阪立命館中学校:合格

亡き夫の遺志を継ぎ、中学受験のサポートを決意

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―最初に、お子さんの中学受験を考え始めた理由・きっかけを聞かせてください。

地元の公立中学校が荒れているといううわさが立ち、本人が私立に行きたいと言い始めました。

一人っ子のせいか競争心も強くないほうですし、宿題もギリギリでやっつけるタイプでしたから、私は中学受験には積極的ではありませんでした。

ただ同じ小学校の高学年はトラブルが多く、中学校に上がっても悪いうわさが続いていたのは事実です。小さなときから担任の先生などに、友人に優しく協調性があると褒められてきた息子なので、問題児の多い環境は嫌なのだろうなと。本人の意志も固かったので、小学3年生の4月から中学受験に向けて塾に通い始めました。

―お母様とご長男の二人で暮らしていると伺いました。保護者の関わりが多い中学受験に臨まれるにあたり、特別な覚悟やお考えはおありでしたか。

息子が小学2年生のとき、夫が急逝しました。夫は私より息子の教育に熱心で、環境が人をつくるから、なるべく良い環境を与えてあげたいと中学受験もさせたがっていました。

息子は夫が躾や勉強に厳しかったことだけ覚えているようですが、やはり中学受験をしたいと言い出したことにも影響していると思います。私もシングルマザーになり多忙を極めていましたが、夫の遺志を継ぐような気持ちもあり、中学受験をサポートする覚悟を決めました。

―通っていた小学校では中学受験を選ぶ家庭は多かったのでしょうか?

各学年60人くらいの公立小学校ですが、中学受験の勉強はしても、最終的に受験したのは6、7人しかいませんでした。大阪府でもそれほど受験熱が高くない地域であることと、コロナ禍も影響した学年だったからだと思います。

ただ大阪府の高校無償化が年々拡大されてきたので、今はかなり増えています。息子の通う大阪明星学園 明星中学校(以下、大阪明星中学校)でも、受験者数が増えてレベルも上がりましたし、クラスを増やした学年もあります。

―公立に進む友人が大半の中で流されず、中学受験を乗り切ったわけですね。もともと勉強は得意でしたか?

いえいえ。小学校の成績は悪くはなかったですが、コツコツ勉強することが苦手なんです。楽天家というか、成績が下がっても焦らないし、勉強量が圧倒的に少ない受験生だったと思います。

親としては小学3年生から塾通いしたのに伸ばせなかったという後悔はありますが、最後の模試でも合格判定がCやDだった志望校に受かったので、よくがんばったなと。

ですから、「諦めないで頑張れば、直前で意外なほど伸びる!」という点は、読者の方々の参考になるのではと思って、今回の取材を受けました(笑)。

第一志望の合格判定Dでも、併願校選びも本人に任せて

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―志望校選びは、親子でどのように進めましたか?

私が田舎の出身で中学や高校に2、3時間かけて通ったので、通学時間が長いのはもったいない、という点のみアドバイスしました。マンモス校は嫌だとか、志望校に対して自分の基準がすでにある子だったので。

本人に任せれば、最後までやり遂げてくれるだろうと思いました。私の価値観を押しつけて、進学してから文句を言われても困ってしまいますし。

―学校見学には行かれましたか?

4、5年生のときはコロナ禍の影響があり、学校見学はオンラインが大半でした。土日にホームページなどで一緒に情報を集めて志望校を絞っていきましたが、やはり実際に行ってみないとわからない。

6年生になってから学校見学に出向いて、在校生や校舎の雰囲気を確かめてから決めました。大阪明星、清風学園、清風南海学園、開明、桃山学院、利晶学園 大阪立命館、奈良学園登美ヶ丘の7校に伺いました。

―どのような点を重視して、大阪明星中学校を第一志望に決めたのですか?

息子本人が自分にいちばん合っていると感じて選んだのが、大阪明星中学校でした。こだわりが強いので、学校見学に伺った中でも絶対に嫌だと感じた学校もありました。

個別相談のとき、先生たちが親身になってアドバイスをくださったので、私もここならお任せしたいと思いました。

男子校なので散らかっているのではと勝手に想像していましたが、室内や備品もきちんと整理されて清潔で、在校生たちが大切に扱っているのが感じられたところも良かったです。

―併願校は、どのような基準で選びましたか?

併願校も同じです。見学をした学校の中から息子が選び、「ココとココに決めた。受験スケジュール組んでおいて」と言われました(笑)。

―第一志望はD判定、併願校もチャレンジが多いですが、結果次第では公立も考えていましたか?

浜学園の公開学力テストでは、最後まで合格判定はCやDばかり。それでも息子は絶対に受かるとしか言わなくて、公立に行くつもりは1ミリもない様子でした。

親としては、D判定の第一志望、大阪明星中学校については記念受験の覚悟もしていました。結果として合格をいただけたのは、息子の判断を信じてあげたことが火事場の馬鹿力、最後の頑張りにつながったのかなとは思っています。

\志望校・受験校選びのポイント/

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長時間の勉強が苦手、2科目入試に受験スタイルを変更

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―塾はどのように決められましたか?

関西で難関校を目指す中学受験塾として代表的な3つ、浜学園、希学園、馬渕教室で体験授業などを受けました

授業もわかりやすく、生徒たちも集中して取り組んでいたことから、息子が気に入ったのが浜学園でした。私としても自宅から近く、同じマンションのお友達が通っていて評価が高かったので異論はなく、あまり迷うことなく決めました。

―塾に通い始めてから、息子さんの勉強の様子や成績に変化はありましたか?

浜学園に限らず、難関校を目指す塾であれば同じだとは思いますが、授業スピードが早く宿題量も多いので、コツコツと取り組むのが苦手な息子はすぐに宿題を終わらせることができなくなりました。

朝が苦手なので勉強は夜だけなのですが、平日の勉強時間は1時間が限界。当然、宿題は終わらないから復習も不十分で、学力が伸びなくて。

最初は私が宿題の進捗を確認してガミガミ言ってたんですが、息子にはまったく響かない。「あ、この人、またうるさく何か言っとる」くらいの反応なんですよ(笑)。いくら怒ってもわからないなら、もう見守ろう、任せよう、信じるしかないって切り替えました

―自立心が強い子は、やる気を引き出すのが本当に大変ですよね。塾の宿題はどうしたのでしょう?

塾の先生も息子の性格や状況を理解してくださったので、宿題の中から重要な問題だけを選んでくれるようになりました。「ココとココだけは絶対にやってきて」と宿題を出すときに指示をくれたので、最低限の復習はこなせていたと思います。

―通塾は週に何回? 何科目を受講しましたか?

小学3〜4年生は週1回、小学5年生で週2回、小学6年生で週4~5回、通いました。

入塾当初は息子がもっと偏差値の高い学校も視野に入れていたので、4科目受験を考えていました。ですが、長時間の勉強ができないことが本人も私もわかってきて…。4年生までは理科も取っていましたがそれもやめて、5年生で3教科に絞った受験スタイルに変えました

合否を分けた入試直前の追い込み、過去問アレンジの予想問題

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―志望校を下げたり、成績やクラスが落ちたりして、塾や受験が嫌になることは?

3段階のクラス分けのうち、入塾時は真ん中でしたが次第に一番下のクラスになり、偏差値も50あったのが最後は45に下がりました。それでも塾に行くことを渋ったり、受験を辞めたいと言ったりすることはありませんでした。

私はもう成績が下がり出した頃から「本人に任せる、見守る」と決めていたので、テスト結果が悪くても、反省を強く促したり、怒ったりはしなかったんです。親からのプレッシャーがなかったので、勉強が嫌になることもなかったのかもしれないですね。

志望校別のクラスになってから、家庭学習の時間も自然に増えていきました。目標も定まって、何をあとどのくらいやればいいかも理解できるようになって、学習意欲も湧いたのだと思います。

―入試直前の追い込みが素晴らしく、D判定だった第一志望に合格されたんですね?

入試直前の追い込み期、たぶん11月くらいからだったと思います。塾で志望校別の予想問題を出してくれました。先生が大阪明星中学校の過去問を5年以上遡って、さまざまにアレンジしてくださって。

その過去問から出題傾向を分析した予想問題が素晴らしく、息子によると当日のテストで同じような問題が何問も出た、手応えがあったと言っていました。

小学5年生の2月くらいからは1日2時間くらいは勉強するようになっていましたが、さらにその予想問題で苦手を潰したことが合否を分けたのではと思います。

―苦手な科目とその対策はどのようにされましたか?

算数が苦手なんですが、私はまったく教えられないので、塾で質問して教えてもらっていました。先ほどの予想問題などは、息子は解くだけで精一杯なので、私が丸付けをして、答えを見てもわからない問題は先生に聞いてくるように伝えていましたね。

自分から積極的に先生に聞けるタイプではないのですが、質問タイムが設けられていたのと、「お母さんでは無理、頼れない」って本人もわかっていたので頑張れたのだと思います。

後は単元によってはWeb講座も付いていたので、Webで解説を聞いたりしていました。

\塾選びと活用のポイント/

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暗記物は寝る前に一緒に。親子のコミュニケーションも増加

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―受験時期の家庭でのサポートについて教えてください。親としていちばんに心掛けていたことは?

おいしいご飯を作ることと、体調管理ですね。わが家は仕事も家事も“1馬力”なので、きめ細やかなサポートをするには私の時間が圧倒的に足りなくて。もっといろいろと手を掛けてあげたかったというのはあります。

ただ食事は生活の基本なので、時間がないなりに頑張りました。塾のお弁当は朝作って冷蔵庫に入れておき、息子が電子レンジでチンして持って行きました。ただ浜学園にはお弁当を手配してくれるサービスもあって、忙しいときはそちらも利用していました。

―取り組んで良かった、家庭での勉強法は?

暗記物は寝る前に一緒に取り組んでいました。SNSにオススメの勉強法として紹介されていたのを息子が取り入れたいというので。

四字熟語やことわざなどの暗記ブックが塾から配られていたので、根気よく繰り返し覚えました。私がクイズ形式で問題を出して復習するなど、短い時間でしたが親子のコミュニケーションも深められたと思います。

―受験当時にしていた習い事はありますか?

小学4年生の半ばまでは野球を続けていました。練習試合が頻繁にあるような真剣なチームではなく、習い事の一つとしてゆるく参加できるチームでしたね。
友達との関わりも楽しそうでしたし、適度な運動をすることで受験のストレス解消になっていたと思います。

努力すれば報われる、合格判定Dを覆したことは自信に

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―どのような受験日程だったのでしょうか?

1日目は午前に大阪明星中学校、午後に併願校。
2日目も午前に大阪明星中学校、午後は別の併願校を受験しました。

まず併願校を受けて合格をもらって安心してから本命を受ける、というパターンもあると思うのですが、息子が行きたい学校を並べたら、最初に大阪明星中学校の入試が来てしまって。塾でプレ入試などは受けていたので、本番の練習はできていたかなとは思います。

―入試本番の日は、どのように送り出されましたか?

前の晩には息子の好きなごはんを作って元気づけ、当日は仕事を休んで付き添いました。

大阪明星中学校の入試は2回とも合格をいただいたのですが、1日目は合格ラインすれすれだったので、やはり緊張して実力を発揮しきれなかったのだろうなと感じています。

―合格に結びついたポイントは、どんなところにあると思いますか?

やはり、成績が下がったり、宿題を終わらせられなかったりしたときも、言いたいことをグッと飲み込んで見守ったことにあるかと思います。

息子のように楽天家でおっとり、でも自立心が強いタイプには、諭して導こうとか、威圧的に怒って言うことを聞かせようとか、無理なんです。黙って見守るのは大変ですが、息子を信じているということを態度で示せたからこそ、直前で頑張れて合格に届いたんだと思います。

─中学受験を終えて、息子さんの成長を感じることはありますか?

直前の追い込みでD判定を覆せたので、努力をすればちゃんと結果が出せることがわかったようです。それに中学受験を経験したことで、物事を順序立てて考えられるようにもなったと思います。

まだまだ子どもっぽいところもありますが、受験が終わったくらいから、将来の夢なども話すようになっています。

─現在の様子、中学校生活について教えてください。

部活でもクラスでも良い仲間に恵まれて、楽しく充実した学校生活を送っているようです。

創立125年のカトリック系伝統校・男子校なので、生徒たちは落ち着いていて、少し幼いところもあってほほえましい感じです。部活はワンダーフォーゲル部で、春夏は山での合宿にも参加するなど、たくましくなりました。

成績については学内の順位が高いとはいえず、勉強量も十分ではないのは相変わらずです。ただ補講などは手厚く、自習室も8時まで使えるなど、サポート体制は整っています。

だから、亡き夫のなるべく良い環境で育てたいという願いはかなったように思います。あとはせっかくの環境を無駄にしないように、「息子よ、もう少しだけ頑張れ!」 と願っています。

\受験サポートのポイント/

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取材後期

本人が希望した中学受験であっても、まだ小学生、実際に塾に通い始めてみたら十分な勉強をしてくれないというケースはままあります。

当然、塾の進度についていけなくなると、親はつい過剰なマイクロマネジメントに走り、子どものストレスを増やしたり、モチベーションを下げたり。親子の関係まで悪くしてしまうこともあります。

成績が落ちてもマイペースなままの息子を最後までただ見守り続けた、高橋さん。深く信頼していなければできない、ピンチでも見守るだけという決意が、崖っぷちからでも挑戦しようとする息子の底力につながりました。

経験豊富な大人として、子どもを導かなければと思いがちな私たち。でもその前にいちばん大切なのは、子どもを一人の人間として信じることだと教えていただいた取材でした。

執筆者プロフィール

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