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高校受験に出席日数は関係ない?不登校から全日制を目指す現実ルート【現役塾講師監修】

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高校受験
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「中学校に行けていない期間があるけれど、高校には進学できるのだろうか」「欠席日数が“審議の対象”になると聞いた。もう全日制高校は無理なのかもしれない」

子どもが学校を休みがちになったとき、多くの保護者が真っ先に不安を抱くのが高校進学の行方。インターネットでは「出席日数は関係ない」という言葉も見かけますが、それが事実なのか、希望的観測なのか、判断がつかず戸惑っている方も多いのではないでしょうか。

結論からいうと、「高校受験に出席日数は関係ない」は誤りです。ただし、出席日数が高校受験に与える影響度合いは一律ではありません。合否への影響は、受験する高校の種類(公立・私立)、全日制かどうか、そして入試方式によって大きく異なります。

この記事では、現役塾講師の大山先生監修のもと、2026年現在の高校入試制度を踏まえて整理。欠席日数という不安要素を抱えていても全日制高校への進学を目指すための現実的なルートを解説します。

塾選ジャーナル編集部

編集部

塾選ジャーナル編集部

塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。

大山雅司

監修者

大山雅司

塾講師として中学・高校・大学受験指導を行っている。2020年にYou Tubeチャンネル「ひのき三軒茶屋」を開設し、主に高校受験に関する内容を配信中。2024年8月には都立高校の口コミ・データサイト「都立合格.com(ドットコム)」の運用を開始。“受験を少しでも面白く乗り越える”手助けを行うことを目標に動画制作を行っている。

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目次

結論:高校受験と出席日数は「完全に関係ない」とは言えない

結論から整理します。高校受験において、出席日数は「完全に関係ない」とは言えません。

近年、不登校生徒への配慮が進み、欠席日数だけで一律に不利になる運用は見直されつつあります。しかし現行制度では、高校の種類や入試方式によって、出席日数の扱いは大きく異なります。

高校受験と出席日数は関係ないとは言えない

ここからは、出席日数が高校受験において、具体的にどのような「壁」として立ちはだかるのか、具体的に解説します。

高校受験で出席日数が影響する3つの具体的なケース

高校受験での出席日数の影響は「出願条件」「審議対象」「内申点」の3つに分類されます。

高校受験で出席日数が影響する3つの具体的なケース

ケース① 出席日数が理由で「出願条件を満たせない

これは、合否判定の前に、願書を提出する段階でのルールです。

 対象となる入試 
主に私立高校の「推薦入試」(単願・併願)、一部の公立推薦。

 合否への影響 
私立高校の推薦基準には、「中3の欠席日数が10日以内」といったように記載されていることが一般的。推薦入試は、中学校長が「入学後も問題なく通学できる」と推薦する制度。極端な話、内申点がオール5であっても、欠席日数の基準を満たさなければ、その枠での出願は難しくなる。

 
対策 
このケースに該当する場合、推薦入試ではなく、出席日数を問わない「一般入試(オープン入試)」での受験を検討する必要がある。なお、入院や怪我など明確な理由がある場合は、特例として出願が認められるケースもある。

ケース② 出席日数が「審議対象」として合否判断に影響する

出願も受験もできますが、高校入試当日の点数が合格ラインに達していても、自動的には合格とならず、個別の検討が必要になるケースです。

 対象となる入試 
多くの公立高校の「一般入試」(神奈川県、埼玉県、千葉県など、審議基準を公表している自治体)。

 合否への影響 
各自治体や高校は、「3年間の欠席合計30日以上」などの審議基準を定めている。これを超えている生徒は、点数が合格圏内にあっても、審議にて慎重に検討される。審議では、「欠席の背景に何があったか」「高校入学後に通えるか」を確認。ここで懸念が払拭されなければ、定員内であっても不合格となる可能性もある。

 対策 
最大の武器は「自己申告書」。欠席の正当な理由、現在の回復状況、高校生活への意欲を文書化し、合格の可能性を高めることができる。

ケース③ 出席日数は見られなくても「内申点」で不利になる

多くの保護者が懸念するのが、内申点で不利になるケース。出席日数そのものは見られなくても、授業に出席していないことで学習内容の定着度合が低く、結果として内申点が低くなることが多いです。

 対象となる入試 
内申点が関わるすべての入試形態
(東京都や大阪府など、調査書から「出欠の記録」欄が削除された公立高校の一般入試も含む)

 合否への影響 
調査書に出欠記録の欄がないため、欠席日数そのもので「審議」にかけられることはない。 しかし、学校を欠席していれば、その分、内申点には影響が出ることが考えられる。公立入試は「当日点+内申点」で決まるため、不登校の生徒は低い持ち点でスタートすることになる。

 対策 
「出欠の記録」欄が削除されている場合、制度上「出席日数そのものは見られない」のは事実だが、「内申点の低さ」をカバーする必要がある。ハンデを跳ね返すために、当日の学力検査でライバルより高い点数を取る「学力勝負」に持ち込むか、私立オープン入試など、内申点が見られない入試形態を選ぶ必要がある。

「高校受験に出席日数は関係ない」と言われるようになったのはなぜ?

以前と比べ、出席日数への配慮が広がったこと自体は事実ですが、それが「すべての高校・すべての入試で関係なくなった」と誤解されているケースも少なくありません。

まずは、「高校受験では出席日数は関係ない」と受け取られるようになった背景を、正確に整理しましょう。

文部科学省が「欠席日数のみで不利にしない」方針を示したから

国は2025年6月の「高等学校入学者選抜等における配慮事項等について(通知)」のなかで、「欠席日数のみで選抜で不利に取り扱わないこと」を求めています。

この方針を受け、現在では、欠席日数が多い場合でも、その理由や背景、現在の状況を踏まえて個別に判断する運用が広がっています。

ただし、これは「欠席日数が多くても無条件で合格できる」「出席日数は見られない」という意味ではありません。あくまで、正当な理由があるか、高校入学後に通学できる見込みがあるかを考慮するという配慮です。

調査書から出欠記録を削除する自治体が増えているから

東京都、大阪府、神奈川県(一部)など、公立高校入試の調査書から「欠席日数」欄を削除、または合否判定に使わない自治体が増えています。報道では、2027年度までに19の都府県が同様の措置をとる予定とされています。参照元:朝日新聞 2025年10月24日

これを指して「関係ない時代になった」と言われますが、前述の「ケース③」で解説した通り、「内申点への影響」までは消えていません。

大山先生

厳しい現実がある一方で、新しい兆しも見え始めています。その象徴が、2026年4月にリニューアルする東京都立深沢高校の事例です。
この学校では、不登校経験者などに対応するため、従来の「学力検査:内申点=7:3」という枠組みをはずし、「学力検査:内申点=10:0」という、内申点を一切見ない入試枠の新設を予定しています。これは、「欠席や内申点に関係なく、当日の頑張りだけで全日制高校に入れる」という仕組みが、公立高校の中で正式に動き出したことを意味します。こうした動きは今後、他校にも波及していく可能性があります。

出席日数が少なくても高校進学を実現する4つの合格ルート

「3つの壁」の仕組みが分かれば、回避・突破するためのルートも見えてきます。欠席が多くても、実質的に「出席日数は関係ない」状態で受験できる4つのルートを紹介します。

出席日数が少なくても高校進学を実現する4つの合格ルート

ルート A :出席日数も内申点も関係ない「実力突破ルート」

最初から出席日数も内申点も見ない試験方式を選ぶ方法です。過去の欠席日数や内申点に悩まされず、現在の実力だけで勝負できます。

狙う学校
私立高校の「一般入試」

・戦略
私立高校の一般入試は、当日のテストの点数が全てという場合が多いです。調査書は参考程度か、全く見ない学校も多いため、学力さえあればトップ校でも合格できます。

ルート B :自己申告書で高校生活への意欲を伝えるルート

「ケース②(審議の壁)」がある公立高校を受ける場合です。欠席が多い事実を認めた上で、それが将来に影響しないことをアピールします。

・狙う学校
審議制度や自己申告書制度がある公立高校
(神奈川、埼玉、千葉など)。

・戦略(自己申告書の書き方)
「言い訳」ではなく「未来への根拠」を書きます。

 自己申告書の書き方 

事実と理由(過去): 「中2秋から起立性調節障害で午前中の通学が困難でした」など、怠けていたわけではなく明確な理由があったことを記します。

改善のプロセス(現在): 「現在は医師の指導で生活リズムが改善し、午後からの登校を継続しています」「フリースクールで学習の遅れを取り戻しています」と、回復の事実を書きます。

高校生活への意欲(未来): 「貴校で部活動にも参加し、毎日通学したい」という強い意思を表明します。

ルート C :今から「出席扱い」にして調査書を改善するルート

まだ中1・中2、あるいは中3の途中なら、壁そのものを低くすることができます。

・戦略
文部科学省の指針に基づき、学校外での学習を指導要録上の「出席」に変えます。

- フリースクールや教育支援センターへの通学
- 自宅でのICT教材(スタディサプリ、すらら等)を用いた学習

これらを行い、一定の要件(校長の認可、連携など)を満たすことで、学校に行っていなくても「出席」としてカウントされます。

・効果
出席日数が増えれば、私立推薦の「出願条件(ケース①)」をクリアできる可能性が出ます。また、フリースクールなどに通い、中学校での課題提出状況やテストでの得点がよくなった場合は、内申点が上向く可能性も。成功すれば入試の選択肢が広がります。

ルート D :「不登校生向け」の高校に通うルート

・狙う高校
公立の「不登校特例校」(チャレンジスクールなど)

・戦略
例えば、東京都のチャレンジスクールでは、一般的な筆記の学力検査や中学校の調査書(内申書)を評価対象とせず、志願申告書、面接、作文(小論文)などを組み合わせた選抜方式を採用する学校があります。この方式は、過去の出席日数や成績よりも、「これからどのように学びたいか」という意欲や考え方を重視する仕組みといえます。

出席日数が心配な保護者がやるべきこと

入試制度の仕組みを正しく理解し、早めに準備を進めることで、評価のされ方や選択肢を大きく変えられる場面も少なくありません。出席日数が気になる状況のとき、保護者が現実的に取り組めることを整理します。

1. 担任との「情報共有」を丁寧に行う

調査書の「総合所見」や「備考欄」は、成績や出欠の数字だけでは伝わらない事情を補足するための欄です。審議対象となった場合、高校側はこの記述を重要な判断材料として読みます。

そのため、面談の場では学校外での取り組みや回復状況を、事実として共有することが大切です。

たとえば、
・英検・漢検などの検定取得
・フリースクールや教育支援センターでの学習状況
・別室登校や段階的な登校の継続
・家庭での学習や生活リズムの改善

など、欠席の背景や現在の様子が客観的に分かる情報は、調査書を通じて高校側に伝えられる可能性があります。「事実として知っておいてほしい情報を整理して共有する」という姿勢が、結果的に適切な評価につながります。

2. 私立高校の併願は「出席日数の条件」を必ず確認する

公立高校の出欠欄が消えたことで油断しがちですが、私立高校の入試制度は公立とは別である点に注意が必要。滑り止めとなる私立高校はまだしっかりと出席日数を見ているケースが多いです。

特に推薦入試では、

・欠席日数の上限が出願条件になっている
・条件を超えると理由に関係なく出願不可

という学校が、少なくありません。

そのため、 「公立は受験できるが、私立の併願校が取れない」という状況が起こると、受験生の精神的負担が高くなる可能性があります。

事前に担任の先生にも相談し、

・出席日数を問わない私立高校の一般入試(オープン入試)
・通信制高校の通学コースなど、確実に進学できる選択肢

1校は確保しておくことが重要です。

「行き先がゼロになる不安」を取り除くだけで、本命校に向けた挑戦の質は大きく変わります。

高校受験 出席日数に関するよくあるFAQ

調査書から出欠欄がなくなれば、出席日数は関係ありませんか?

出席日数そのものが直接評価されない自治体は増えていますが、「不登校の影響が完全に関係なくなる」わけではありません。欠席が続くと、授業参加や提出物の評価が難しくなったり、学習内容が定着していないことで学校の定期テストで得点があがらず、結果として内申点に影響することも。特に「当日点+内申点」で決まる公立入試の場合、不登校の生徒は低い持ち点でスタートすることになる可能性があります。

不登校でも全日制高校へ合格できますか?

できます。私立高校の一般入試や、不登校経験者向けの公立高校(チャレンジスクールなど)では、出席日数や内申点を重視しないこともあります。志望校と入試方式を正しく選ぶことが重要です。

フリースクールや自宅学習は「出席扱い」になりますか?

条件を満たせば、出席扱いになる可能性があります。文部科学省の方針に基づき、フリースクールやICT教材を活用した学習を、学校長が認めた場合、指導要録上「出席」として記録されるケースがあるのです。ただし、判断基準は学校ごとに異なるため、早めに担任へ相談することをおすすめします。

出席日数が不安な場合、まず何から確認すべきですか?

最初に確認すべきなのは、

・志望校の種類(公立・私立)
・入試方式(推薦・一般)
出席日数が出願条件・審議対象・評価対象外のどれに当たるか

この整理ができれば、取るべき対策や選択肢が明確になります。学校の先生にも積極的に相談しましょう。

まとめ:高校受験における出席日数は「入試方式によって扱いが異なる」

高校受験における出席日数の扱いは、現時点では一括りにできるものではありません。入試方式や学校の種類によって、影響の仕方が大きく異なります。

・私立高校の推薦入試では、出席日数が出願条件(推薦基準)になるケースがある
・公立高校の一般入試では、欠席日数が多い場合に「審議対象」として個別判断の対象になることがある
・出欠記録を記載しない公立高校でも、内申点に影響が及ぶ場合がある

まずは、子どもの志望校・志望する入試方式が、どのケースに当てはまるのかを正しく把握することが大切です。

過去の欠席日数を消すことはできません。しかし、冷静に選択肢と対策を整理すれば、不登校や欠席があっても全日制高校を目指す道は確かに残されています。

不安なときほど、「もう無理だ」と結論を急がず、一つずつ現実的な選択肢を確認していきましょう。

執筆者プロフィール

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塾選ジャーナル編集部

塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。

監修者プロフィール

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ひのき進学教室 三軒茶屋校講師
大山雅司

塾講師として中学・高校・大学受験指導を行っている。2020年にYou Tubeチャンネル「ひのき三軒茶屋」を開設し、主に高校受験に関する内容を配信中。2024年8月には都立高校の口コミ・データサイト「都立合格.com(ドットコム)」の運用を開始。“受験を少しでも面白く乗り越える”手助けを行うことを目標に動画制作を行っている。

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