仮定法を完全攻略!基本ルールから試験頻出パターンまで東大卒ライターが解説


編集部
塾選ジャーナル編集部

株式会社カルペ・ディエム所属 東京大学文学部卒ライター
布施川天馬
高校英語の大きな関門である「仮定法」。主に過去形や過去完了形を使って、「もし〜なら、○○なのに」といった、現実とは異なる状況や実現が難しい事柄を表現するための文法です。
仮定法は、構造が難しいうえに、使い方にも複雑なルールが多く、なかなかなじみにくいものです。どうすればうまくマスターできるのでしょうか?
今回は、多くの人がつまずきやすい「仮定法」について、徹底的に解説していきます!
仮定法とは?意味と基本ルールをわかりやすく解説
ここでは、仮定法の意味と基本的なルールについて、わかりやすく解説します。
仮定法とは|現実とは違うことを表現する文法
仮定法とは、現実とは異なる状況や、実現が難しい事柄を表現するための文法です。
「もし〜なら、○○なのに」といった、いわゆる「たられば」の形で訳され、実際には起こっていないことや、過去に起きなかったこと、あるいは実現不可能な願望などを伝える際に使われます。
言い換えれば、仮定法で表現される内容はすべて、「現実とは異なるもの」であるという点に注意が必要です。
仮定法には、「仮定法過去」や「仮定法過去完了」など、いくつかの種類があり、それぞれ表現できる内容が異なります。
例えば、「仮定法過去」は現在の事実と異なる仮定を表し、「仮定法過去完了」は過去の事実と異なる仮定を示す際に用いられます。
直説法との違いとは?
仮定法と直説法は、どちらも「もし〜なら」といった仮定の内容を表すことができます。
大きく異なるのは、「その条件が現実に起こり得るかどうか」という点です。
直説法は、現実に起こる可能性があることや、事実に基づいた内容を述べるときに使います。
例文
“If it is rainy tomorrow, I will play video games.”(明日もし雨が降ったら、家でゲームをしよう)
これは直説法です。なぜなら、「明日雨が降る」という条件は、現実的に十分起こりうることだからです。
一方、仮定法は、現実には起こりえないことや、実現不可能なことについて述べるときに使います。
例文
“If the Sun didn’t rise, I would enjoy the longest night.”(もし太陽が昇らなかったら、私は最長の夜を楽しむだろう)
「太陽が昇らない」というのは現実には考えにくく、非現実的だからです。
仮定法の基本ルール|時制のズレ+助動詞で仮定・気持ちを伝える
仮定法の基本構造は、「if節」と「主節」の2つの部分から成り立っています。
if節では「あり得ない事実」を仮定し、主節で「○○するだろう」と、その仮定に基づいた結果を述べます。
このとき、if節では過去形または過去完了形を使う必要があり、以下のような違いがあります。
- 現在の仮定→過去形を用いる
- 過去の仮定→過去完了形を用いる
また、主節では 「would」「could」「 might」 などの助動詞の過去形+動詞の原形を使って、「どのようなことをするか」という仮定の結果を表現します。
さらに、be動詞を使う場合は、主語が「 I 」や「 he」「she」 であっても were を使うのが仮定法のルールです。
仮定法の基本パターン【例文付き】
仮定法は、表現する時制によって以下の4つの種類に分けられます。
- 仮定法過去
- 仮定法過去完了
- 仮定法未来
- 仮定法現在
それぞれ「いつの時点のことを仮定しているのか」「どの程度の可能性を想像しているのか」という点に注目して、使い分け方を理解しましょう。
ひと目でわかる! 4つの基本パターン特徴まとめ
ここでは、仮定法の代表的な4つの基本パターンを整理しました。
それぞれのパターンには使う時制や意味のニュアンスに違いがあります。表を見ながら、状況に応じた使い分けを確認しておきましょう。
どんな意味? | if節の中 | 主節の構成 | |
---|---|---|---|
仮定法過去 | 現在の事実とは反対のことを空想 | 過去形 | 助動詞の過去形+動詞の原形 |
仮定法過去完了 | 過去の事実とは反対のことを空想 | had+過去分詞 | 助動詞の過去形+過去完了形 |
仮定法未来 | ほとんどありえない未来の出来事を空想 | were to / should | 助動詞の過去形+動詞の原形 |
仮定法現在 | 「~した方がよい/してほしい(実際にはしてないけど)」 | 主語+動詞+(that)+主語+(should)+動詞の原形~ | It is +形容詞+(that)+主語+(should)+動詞の原形~ |
仮定法過去
仮定法過去は、現在の出来事について事実に反することを空想する時に使います。
文章の内容が実際とは異なることを表現するため、時制を現在形から過去形に変換するのがポイントです。
●仮定法過去の例文
・If I were free,I could go shopping with you.
(もし時間があれば、あなたと買い物に行けるのに)→時間がないので買い物には行けない
・I wish I knew her phone number.
(彼女の電話番号を知っていればなぁ)→彼女の電話番号は知らない
1つ目の例文のIf節では、Iに続くbe動詞がwasではなくwereになっている点にも着目しましょう。仮定法で過去形のbe動詞を使う時には、主語に誰が来てもwereを使います。
仮定法過去完了
仮定法過去完了は、過去に起こった出来事について、実際とは異なる状態や様子を空想する際に使われる表現です。
仮定法過去完了では、動詞を過去完了形(had+過去分詞)を用いることで「実際には起こらなかったことを妄想している」という状態を表すのに使われます。
なお、「大過去」とは、過去完了形に含まれる表現方法の一つです。過去から見たさらに過去の出来事を点として表す方法です。
●仮定法過去完了の例文
・If I had been free, I could have gone shopping with you.
(もし暇があれば、私はあなたと買い物に行けたのに)→暇がなかったので行けなかった
・I wish I had known her phone number.
(彼女の電話番号を知っていたらなぁ)→彼女の電話番号は知らなかった
それぞれの例文は、先ほど仮定法過去の項目で紹介したものを仮定法過去完了に直したものです。
例えば1つ目の例文では、仮定法過去で「were」となっていたところが仮定法過去完了では「had been」に、「could go」となっていたところが「could have gone」に変化していますね。
このように仮定法では、いつの時点の出来事を妄想しているのかによって動詞の時制を使い分けます。
仮定法未来
仮定法未来を使うと、現実にはほとんどありえない未来の出来事を言い表すことができます。
基本パターンとして紹介した2つの構文は、起こり得る可能性の低さの程度によって使い分けましょう。
If節の中に「were to」を使う場合、その文章で述べているのは「まず起こらないだろうと予想されること」や「可能性の程度すら考えないただのたとえ話」です。「仮に○○だとすれば~」と訳すとわかりやすいでしょう。
一方、If節の中に「should」が出てくる場合、わずかではありますがwere toよりも実現の可能性があると考えられます。「万が一ならば~」と訳すと、were toとの違いがよくわかるのではないでしょうか。
●仮定法未来の例文
・If the sun were to rise in the west, I would marry you.
(仮に太陽が西から昇るようなことがあれば、あなたと結婚しましょう)→太陽が西から昇ることはまずないので、結婚もあり得ない
・If anyone should visit me, let me know.
(万が一誰かが私を訪ねてきたら、教えてください)→誰かが訪ねてくる可能性はほとんどない
2つの例文を見比べると「were to」を使った文章がまったくのたとえ話なのに対し、「should」を使った文章は今後起きる可能性がゼロというわけではないことについて話しているのがわかります。
また「should」を使った仮定法未来のIf節の後ろには、例文のように命令文が続くことも多いので、パターンとして覚えておきましょう。
仮定法現在
仮定法現在は、まだ現実にはなっていないけれど「~した方がよい/してほしい(実際にはしてないけど)」といった話者の提案・要求・命令などの気持ちを表わす時によく使われます。
この構文ではthatやshouldは省略されることもあるので注意しましょう。
仮定法現在をとる主な動詞や形容詞には、次のようなものがあります。
動詞 | 形容詞 |
---|---|
・recommend(おすすめする) ・propose(提案する) ・suggest(提案する) ・advice(忠告する) ・ask(お願いする) ・demand(求める) ・desire(要求する) ・insist(主張する) ・require(求める) など |
・necessary(必要な) ・desireble(望ましい) ・essential(不可欠な) ・important(重要な) ・proper(適当な) ・fair(公平な) ・advisable(賢明な) など |
これらの動詞や形容詞の後にくるthat節でshouldや動詞の原形が出てきた場合は、仮定法現在と判断できます。
以下の例文で、実際の使われ方をチェックしましょう。
●仮定法現在の例文
・I suggested (that) we should prepare presents for her.
(私は彼女にプレゼントを用意すべきだと提案した)
・It is necessary that we (should) get enough sleep.
(私たちは十分な睡眠をとることが必要です)
1つ目の例文の「should」は省略も可能です。
2つ目の例文に出てくる「get」は、現在形ではなく原形である点も確認しておきましょう。
仮定法を使いこなすコツ!
ここでは、仮定法を正しく使いこなすためのコツを紹介します。
仮定法は文法ルールが複雑に感じられるかもしれませんが、いくつかのポイントを意識するだけで、格段に理解しやすくなります。
苦手意識のある人も、まずはよくあるミスや考え方のパターンを押さえておきましょう。
よくある「時制」のミスに注意
仮定法で最も多いミスのひとつが「時制」の誤りです。
仮定法では、「現実の時制よりもひとつ前の時制を使う」というルールをしっかり意識しましょう。
- 現在の事実と異なる内容を仮定する場合 → 過去形を使う
- 過去の事実と異なる内容を仮定する場合 → 過去完了形を使う
このように、「仮定している内容がいつのことか」を見極めて、それに応じた時制を選ぶことが大切です。
また、if節と主節を切り分けて考えることも重要なポイントです。
「もし〜なら(if節)」と「〜なのに/〜だろう(主節)」というように、2つのパートに分け、それぞれどの時点の話かを明確にしてから英文にすると、ミスが減ります。
さらに、主節で使う助動詞も過去形にする点に注意が必要です。
例えば、仮定法では「will 」や 「can」ではなく、「would」 「could」「might」などの過去形を使います。「助動詞もひとつ時制を戻す」というルールを忘れないようにしましょう。
入試でよく出る仮定法のパターン・慣用表現をマスター
高校で学ぶ仮定法には「if ~」以外にも、次のような表現方法があることを覚えておきましょう。
●仮定法の応用表現
・If only
・as if(though)
・If it were not for/If it had not been for
・It is time
・but for/without
・with
・otherwise
・主語、副詞句
・倒置
If only+仮定法過去(仮定法過去完了)
「If only~」は「ただ~でさえあれば(あったら)なぁ」という強い願望を表す慣用表現です。
I wishと似ていますが、より強い願望を表現するのに使います。
●If onlyの例文
・If only I had a fever.
(ただ熱さえあればなぁ)
・If only I had contacted her earlier .
(もっと早く彼女に連絡しさえすればよかったのだが)
If onlyの後ろは、通常のIf節と同じく感情を表現する助動詞は伴いません。
.as if(as though)+仮定法過去(仮定法過去完了)
「as if(as though)~」は「まるで~の(だったかの)ように」という意味です。
●as if(as though)の例文
・She treats me as if I were a little child.
(彼女は私をまるで小さな子どものように扱う)
・I feel as though I had been dreaming.
(まるで夢を見ていたかのような気分だ)
as if(as though)の後ろも、通常のIf節と同じく感情を表現する助動詞は伴いません。
If it were not for/If it had not been for~、仮定法過去(仮定法完了)
「If it were not for/If it had not been for~」は「もし~がないなら(なかったら)」という意味です。
●If it were not for/If it had not been forの例文
・If it were not for your help,I could not succeed.
(もしあなたの助けがなければ、私は成功できないだろう)
・If it had not been for the discovery,we could not have come to the conclusion.
(その発見がなければ、私たちは結論に到達できなかっただろう)
It is time+(that)+仮定法過去
「It is time~」は、後ろに仮定法過去を伴い「~する時間ですよ(まだしてないけど)」という意味で使います。
なおtimeの前に「about」や「high」が付くことがありますが、これらの場合「It is about time~(そろそろ~する時間ですよ)」「It is high time~(もうとっくに~する時間ですよ)」と訳します。
●It is timeの例文
・It is about time you went to bed.
(そろそろ寝る時間ですよ)
・It is high time you arrived at the station.
(もうとっくに駅に着いている時間ですよ)
例文には「そろそろ寝る時間→実際にはまだ寝ていない」「とっくに駅に着いている時間→まだ着いていない」というニュアンスが含まれている点にも注意しましょう。
but for/without
「but for/without~」は、「~がなければ」という意味の前置詞。そのため、仮定法の文章を組み立てる際に、「If~」とよく似た表現として使われることがあります。
ちなみに「but for/without」は「If it were not for/If it had not been for~」と置き換えることも可能です。
●but for/withoutの例文
・But for a lot of money,I would not buy a new iPhone.
=Without a lot of money,I would not buy a new iPhone.
=If it were not for a lot of money,I would not buy a new iPhone.
(たくさんのお金がなければ、新しいiPhoneを買わないだろう)
穴埋め問題を解く際には、()の数に応じて表現方法を書き分けられるようにしておくとよいでしょう。
with
前置詞「with」は、「~があれば」という意味。上で説明した「but for/without~」とは反対の使われ方をします。
●withの例文
・With a lot of money,I would buy a new iPhone.
=But for(=Without) a lot of money,I would not buy a new iPhone.
(たくさんのお金があれば、新しいiPhoneを買えるのに)
例文のように、主節部分に「not」をつけたりとったりすることで、but forやwithoutと同義の文章を作ることもできます。
otherwise
「othewise」は「もしそうでなければ」という意味です。
●otherwiseの例文
・I trust you; otherwise I would not tell you such a thing .
(あなたを信頼しているよ。そうでないとこんなことは話さないでしょう。)
・We had to go then; otherwise we could not have caught the train.
(私たちはその時行かなければならなかった。そうでないと電車に間に合わなかったでしょう。)
otherwiseを使って2文をつなぐ際、1文目の終わりにはカンマ(,)ではなく、セミコロン(;)をつける点には注意しましょう。
主語・副詞句
主語や副詞を伴った句(副詞句)が、If節と同じ役割をすることがあります。
直説法との区別はかなり難しいですが、助動詞の過去形を目印に見分けられるようにしましょう。
●主語・副詞句を使った仮定法の例文
・A wise man would not ask such a stupid question.(賢い人ならそんな馬鹿げた質問はしないだろうに)・I would have been happy to meet her again.
(彼女に再会できれば嬉しかったのですが)・10 years ago,we could not have done such a thing.(10年前なら、そんなことはできなかっただろうに)
1つ目の例文は、主語に助動詞の過去形をつけることで仮定法的な意味の文章になっています。
残りの例文は副詞句を使った文章です。副詞句とは、動詞を修飾する単語のかたまりで、主語や述語を含まないもの。
副詞句にはこれ以外にもさまざまなパターンがあるので、問題演習などで見かけたら、その都度チェックしておくようにしましょう。
倒置
If節の主語と動詞の順番を入れ替える(倒置する)ことで「If」を省略することもできます。
●倒置の例文
・Were I free,I could go shopping with you.
=If I were free,I could go shopping with you.
(もし時間があれば、あなたと買い物に行けるのに)
・Were I rich,I could travel abroad many times a year.
=If I were rich,I could travel abroad several times a year.
(もし私がお金持ちなら、1年に何度も海外旅行に行けるのに)
倒置の文章を作る場合、例文のように「If+主語+動詞~」の並びを「動詞+主語~」に変えます。
仮定法の倒置は、特に日常会話ではよく出てくる言い方です。
【長文対策】仮定法かどうかを見分けるポイントは?
仮定法かどうかを見分けるポイントは、以下の2つです。
- 前後の文章との時制のズレ
- 文章中に出てくる助動詞の過去形
「仮定法=If」と考えるのは危険です。仮定法にはIfを伴わない使い方も多くあるので、注意しましょう。
前後の文章との時制のズレをチェック
仮定法と直説法を見分ける最大のポイントは「時制のズレ」です。
長文読解やリスニングの問題では、前後の文章と比較して明らかに違和感を感じる場合は仮定法が使われていると判断してよいでしょう。
前後に文章がある場合は、時制のズレで仮定法を見つけることができます。
文章中に出てくる助動詞の過去形をチェック
仮定法で書かれているほとんどの文章には、助動詞の過去形(would、could、should、mightなど)が入っています。
仮定法で書かれた文章の多くは、助動詞の過去形を使って話者の気持ちまで表現します。例文内では「読書や宿題をしないことに対する残念な気持ち」まで反映されています。
このように、助動詞の過去形がついている文章を見つけたら「仮定法ではないかな?」と考えるくせをつけておくとよいでしょう。
仮定法の練習問題【穴埋め・英作文】
ここでは、仮定法の練習問題を紹介します。ぜひ力試しに解いてみてください。
仮定法過去の穴埋め問題
- If I ( ) a bird, I ( ) fly to you.
- ( ) I you, I ( ) apologize.
- I wish I ( ) how to play the piano.
- He talks as if he ( ) everything.
仮定法過去完了の穴埋め問題
- If I ( )( ) harder, I ( ) the exam.
- She wishes she ( ) his advice.
- ( ) you ( ) me, I would have been in trouble.
- If it ( ) not ( ) for the rain, we ( ) a picnic.
- He looked as if he ( ) a ghost.
仮定法未来の表現に関する穴埋め問題
- If the sun ( ) in the west, the world ( ) shocked.
- ( ) you ( ) any questions, contact me.
- If he ( ) to resign, who ( ) replace him?
- ( ) I ( ) a million dollars, I ( ) travel the world.
- If a meteor ( ) hit the Earth, life ( ) disappear.
仮定法を使った英作文問題
- もし私があなたなら、その仕事を引き受けるのに。
- あの時もっと勉強していれば、合格できたのに。
- 仮に宇宙人が現れたら、世界はパニックになるだろう。
- お金があれば、この家を買えるのに。
- もし昨日会議に出席していたら、彼の意見を聞けたのに。
仮定法の練習問題【穴埋め・英作文】解答と解説
先ほどの問題を解説します。解けなかった問題はしっかりと復習し、再チャレンジしてみましょう。
仮定法過去の穴埋め問題 解答と解説
1. If I (were) a bird, I (would) fly to you.
解説
仮定法過去は「今、現実にはそうでないこと」を仮定して述べる表現。
If I were a bird, ...(もし私が鳥だったら、…)は現実にありえない仮定なので、be動詞は主語に関係なくwereを使います。
主節は「would+動詞の原形」で表します。
2. (Were) I you, I (would) apologize.
解説
「もし私があなたなら、謝るのに」という意味です。
この形は倒置(ifを省略してwereが文頭に来る)で、仮定法過去の定型表現です。主節は「would+動詞の原形」。
3. I wish I (could) play the piano.
解説
wishの後ろは「現実と違うこと」を表すので、仮定法過去になります。
「ピアノが弾けたらいいのに」という意味なので、「could+動詞の原形」を使います。
4. He talks as if he (knew) everything.
解説
as if(まるで…のように)の後ろは、現実とは違うことを表す場合、仮定法過去(過去形)を使います。
「彼はまるですべてを知っているかのように話す」という意味なので、knowの過去形knewを使います。
仮定法過去完了の穴埋め問題 解答と解説
答え
1. If I (had))(studied) harder, I (would have passed) the exam.
解説
仮定法過去完了は「過去の事実と違うこと」を仮定します。
If節は「had+過去分詞」、主節は「would have+過去分詞」です。
(もしもっと一生懸命勉強していたら、試験に合格していただろう。)
答え
2. She wishes she (had taken) his advice.
解説
wishの後ろで「過去の事実と違うこと」を表す場合、仮定法過去完了(had+過去分詞)を使います。
(彼女は彼の助言を聞いていればよかったのにと思っている。)
答え
3. (Had) you (not helped) me, I would have been in trouble.
解説
ifを省略して倒置の形になっています。
Had+主語+過去分詞(もし~していなかったら)の形です。
(もしあなたが助けてくれなかったら、私は困っていただろう。)
答え
4. If it (had) not (been) for the rain, we (would have had) a picnic.
解説
「If it had not been for ~」は「もし~がなかったら」という意味の定型表現です。
主節は「would have+過去分詞」。
(もし雨じゃなかったら、私たちはピクニックをしていただろう。)
答え
5. He looked as if he (had seen) a ghost.
解説
as ifの後ろで「過去の事実と違うこと」や「実際にはそうでなかったこと」を表す場合、仮定法過去完了(had+過去分詞)を使います。
(彼はまるで幽霊を見たかのような顔をしていた。)
仮定法未来の表現に関する穴埋め問題 解答と解説
答え
1. If the sun (were) to rise in the west, the world (would be) shocked.
解説
仮定法未来は「未来に起こりそうもないこと」を仮定して述べます。
If節では「were to+動詞の原形」を使い、主節は「would+動詞の原形」となります。
(もし太陽が西から昇るようなことがあれば、世界は驚くだろう。)
答え
2. (Should) you (have) any questions, contact me.
解説
ifを省略して「Should+主語+動詞の原形」で「万が一~なら」という意味の仮定法未来の倒置です。
(万が一ご質問があれば、ご連絡ください。)
答え
3. If he (were) to resign, who (would) replace him?
解説
「もし彼が辞任するようなことがあれば、誰が彼の後任になるのだろうか?」という意味。
If節は「were to+動詞の原形」、主節は「would+動詞の原形」です。
答え
4. (Were) I (to have) a million dollars, I (would) travel the world.
解説
ifを省略して倒置の形。「Were+主語+to+動詞の原形」で「もし~なら」という仮定法未来の表現です。
主節は「would+動詞の原形」。
(もし100万ドル持っていたら、世界中を旅するだろう。)
答え
5. If a meteor (were to) hit the Earth, life (would) disappear.
解説
「もし隕石が地球に衝突するようなことがあれば、生命は消滅するだろう。」
If節は「were to+動詞の原形」、主節は「would+動詞の原形」です。
仮定法を使った英作文問題 解答と解説
1. もし私があなたなら、その仕事を引き受けるのに。
解答例
If I were you, I would take the job.
解説
「もし私があなたなら」は仮定法過去の定番表現です。if節は「I were you」、主節は「would+動詞の原形」。
現実には自分はあなたではない、という非現実的な仮定を表しています。
2. あの時もっと勉強していれば、合格できたのに。
解答例
If I had studied harder then, I would have passed (the exam).
解説
「あの時」は過去のことなので仮定法過去完了を使います。
if節は「had+過去分詞」、主節は「would have+過去分詞」。
「もっと勉強していれば、合格できたのに(実際はできなかった)」という過去の事実に反する仮定です。
3. 仮に宇宙人が現れたら、世界はパニックになるだろう。
解答例
If aliens were to appear, the world would panic.
解説
「仮に~したら」は仮定法未来の「were to+動詞の原形」を使います。
実現の可能性が極めて低い未来の仮定を表します。
主節は「would+動詞の原形」。
4. お金があれば、この家を買えるのに。
解答例
If I had enough money, I could buy this house.
解説
現実にはお金がない、という仮定なので仮定法過去を使います。
if節は「had+名詞」、主節は「could+動詞の原形」(canの過去形で仮定を表す)。
5. もし昨日会議に出席していたら、彼の意見を聞けたのに。
解答例
If I had attended the meeting yesterday, I could have heard his opinion.
解説
過去の事実に反する仮定なので仮定法過去完了を使います。
if節は「had+過去分詞」、主節は「could have+過去分詞」。
「もし昨日会議に出席していたら(実際はしていない)、彼の意見を聞けたのに(実際は聞けなかった)」という意味です。
まとめ|仮定法をマスターして英語の得点UP
仮定法は、確かに一見するとややこしさが勝るような、高校英語の大きな関門です。
ただ、それだけ難しいならば、あなた以外にも大半の人が苦手ということでもあります。そして、これをマスターすれば、あなたは大半のライバルに大きな差をつけられることを示してもいます。
ややこしいルールばかりで嫌になってしまうかもしれませんが、めげずに仮定法に立ち向かいましょう!
執筆者プロフィール

塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。
監修者プロフィール

1997年生まれ 東京大学文学部卒 世帯年収300万円台の家庭に生まれ、予備校に通うだけの金銭的余裕がなかったため、オリジナルの「お金も時間も節約する勉強法」を編み出し、一浪の末、東大合格を果たす。 「勉強法」や「時間の使い方」をテーマに、プライベートの時間を確保しつつどうやって計画をして勉強していくか、考える時間を少なくするとはどういうことかなど、経験に基づいた講演会が大好評。 著書に『東大式節約勉強法~世帯年収300万円台で東大に合格できた理由~』(扶桑社)、『東大式時間術』(扶桑社)、『東大大全 すべての受験生が東大を目指せる勉強テクニック』(幻冬舎)などがある。