高校受験直前期の勉強法は?学習時間や受験前日・当日の過ごし方、親がやるべきことなどを解説


編集部
塾選ジャーナル編集部
高校受験直前になると、多くの中学生に焦りや不安な気持ちが生まれ始めます。「いまの勉強法のままで大丈夫かな?」「毎日どのくらい勉強すればよいのかな?」といった疑問を抱えたり、スランプにおちいったりしている子どももいるのではないでしょうか?
今回は高校受験の直前期にぜひ取り入れたい勉強法について、学習時間の目安や受験前日・当日の過ごし方、親がやるべきことと一緒に解説します。
ギリギリまで点数を伸ばせる!高校受験直前期の効果的な勉強法
高校受験本番までの残り期間が短くなると、特にこれまで点数がなかなかアップしなかった中学生は「いまさら勉強しても、どうせ点数は上がらない」と、絶望するかもしれません。しかし、実際には正しい勉強法を用いることで、数十点の得点アップが可能です。
まずはギリギリまで点数を伸ばせる、高校受験直前期の効果的な勉強法を見ていきましょう。
全教科の基礎固めを徹底する
受験直前になると、多くの中学生が応用問題や難しい問題にチャレンジしがち。しかし、受験直前だからこそ大切にしてほしいのが、全教科の基礎固めです。
志望校のレベルにもよりますが、高校受験で合格できる中学生とできない中学生とを分けているのが「基本問題にどれだけ答えられるか」といわれています。もちろん、応用問題や難しい問題をすんなり解ける実力がある子どもは、合格できる可能性が高まるでしょう。しかし、難しい問題を解ける子どもは決して多くはありません。
自分では「基礎はもうできている」と思っていても、入試本番独特の緊張感から、簡単な問題でもミスする可能性は十分にあること。ケアレスミスを防ぎ、正答率を高めるためには、受験直前期でも基礎固めの徹底が重要です。
優先順位をつけて勉強する
公立高校では5教科、私立高校では3教科が試験科目に課されることが多いことでしょう。受験直前期はすべての受験教科を均等に勉強せず、ケースごとに優先順位をつけることが大切です。
たとえば、英語の点数はすでに合格圏内にあるけれど、理科の点数が著しく低い場合は、英語よりも理科に力を注ぐ必要があると判断できます。これまでの模擬試験の結果などをふり返り、受験教科や単元の中で勉強の優先順位をつけてください。
また、正答率が高い問題へ優先的に取り組むことも効果的です。志望校の過去問の中には、正答率を掲載しているものが少なくありません。「正答率が高い問題=絶対に間違えられない問題」といえるため、優先して勉強してください。
過去問をくり返し解く
受験直前は過去問にくり返し取り組むことも大切です。高校にもよりますが、多くの学校の入試では問題数や問題形式、難易度、出題範囲といった入試傾向が大きく変わることはほとんどありません。過去問を解くことで実際の入試スタイルに慣れられ、また、残りの期間でどの教科・単元へ重点的に取り組めばよいかがわかります。
まずは過去問を実際に解いてみて、間違えた問題やわからなかった問題を抽出しましょう。解説を読んでもわからない場合は、さらに教科書や参考書などに戻って復習します。時間を置いて再び同じ問題にチャレンジして、すんなりと解けるようになっていれば大丈夫です。また、間違えたすべての問題にチェックをつけておくと、後からまとめて見直しやすくなるでしょう。
過去問は入試本番と同じように、制限時間を設定して解いてください。解けない問題にいつまでも時間を費やすと、本来解けるはずの他の問題に手が回らなくなるかもしれません。あらかじめ大問ごとの時間配分を考えておき、時間配分に沿って過去問を解いていきましょう。
新しい参考書や問題集を買わない
特に入試直前は不安な気持ちから、「他の参考書に変えた方がよいかもしれない」「もっと難しい問題集に取り組んだ方がよいのかな?」などと迷うかもしれません。いま使っている参考書や問題集を完璧に理解できていればよいですが、基本的には受験直前期に新しい参考書・問題集を買うのはやめた方が無難です。
たとえば、新しく購入した参考書に、これまで勉強したものとは違った問題の解き方が載っていると、混乱してしまう可能性があるでしょう。また、解けない問題がたくさんあると、自信を失うきっかけにもなりかねません。
安易に新しい参考書や問題集には手を出さず、いま持っている参考書・問題集にくり返し取り組み、完璧に理解できることを目指してください。
入試間近は暗記科目を勉強する
入試間近に得点アップがより期待できるのは、理科や社会といった暗記科目です。特に理科と社会の点数が他と比べて低い場合、暗記を中心とした勉強で大幅な点数アップが見込めるでしょう。用語や歴史の年表などを覚えれば覚えるほど、入試本番の点数につながります。
ただし、インプットだけでは足りないため、必ず問題演習といったアウトプットもセットでおこなってください。
高校受験直前期の勉強時間の目安
高校受験直前期に目標としたい勉強時間は、ケースによって異なります。たとえば、すでに志望校が合格圏内にある子どもと、合格圏内にない子どもとでは、必要となる勉強量に違いが生じることは明らかです。
ひとつの目安となるのが平日は1日5時間、休日は1日8時間ほど。高校受験では最後の最後まで学力が伸びるため、できるだけ多くの学習時間を確保することが合格へのカギです。
ただし、無理をして体調をくずしてしまっては意味がありません。睡眠時間はできるだけ削らず、体調管理に配慮をしながら勉強をしましょう。
高校受験直前や前日・当日の過ごし方
心身ともに万全の状態で入試本番に臨むためには、高校受験直前・入試の前日・当日をどう過ごすかが大切です。それぞれをどう過ごせばよいのかをチェックしていきましょう。
高校受験直前の過ごし方
まずは高校受験直前の過ごし方についてです。
体調管理に気を使う
高校受験がおこなわれる頃は風邪やインフルエンザなどが流行し、体調をくずしやすい時期です。体調をくずしてしまうと、数日間勉強できなくなり、他のライバルに大きく差をつけられてしまうかもしれません。受験直前は体調をくずさないように、体調管理に気を使いましょう。
風邪やインフルエンザ対策には、部屋の加湿がおすすめです。加湿器を置いたり、加湿器がない場合は洗濯物を干したりすると乾燥を防げます。また、必要以上に人混みへ行くことを避けて、外出するときは必ずマスクを着用してください。アレルギーがある場合などを除いて、インフルエンザのワクチンを打っておくことも大切です。さらに睡眠時間を削らない、栄養のバランスが整った食事をとることも意識しましょう。
クリスマスや年末年始のイベントはないものと考える
12月と1月はクリスマスのほか、年末年始などのイベントが盛りだくさんです。家族や友達と楽しくイベントを過ごしたくなりそうですが、今年だけはないものと考えてください。
多くの受験生はイベントを我慢して、毎日必死に勉強しています。「1日や2日ぐらい、勉強しなくても平気だろう」と考える子どもがいるかもしれませんが、受験直前期の1日や2日は貴重です。また、少しでも気が緩んでしまうと、その後に立て直すのが難しい子どももいるでしょう。今年だけはイベントはないものと捉え、我慢して勉強に集中してください。
高校受験前日の過ごし方
続いては、高校受験前日の過ごし方についてです。
当日のシミュレーションをする
前日に受験当日のシミュレーションをしておくと安心です。朝に起床したら何を準備して、何時に家を出て、どのような経路で受験会場へ向かうのかなどをイメージしておきましょう。
公共交通機関で受験会場へ行く場合は、バスや電車の時間、乗り場などもチェックしてください。また、バスや電車が遅延することを想定して、少し早めに会場へ到着するスケジュールを組むことも大切です。
持ち物をチェックする
当日に焦って準備をして、「受験票を忘れた」といった状況におちいらないように、前日に持ち物をチェックしておきましょう。以下は受験に必要な持ち物の一例です。
・受験票
・募集要項
・文房具(鉛筆、消しゴム、鉛筆削り、コンパス、定規、分度器)
・腕時計
・上履き
・ハンカチとティッシュ
・マスク
・最終チェック用のまとめノートやプリントなど
・お弁当
・飲み物
・薬(頭痛薬、下痢止め、胃薬など)
・防寒対策グッズ(カイロ、ひざ掛け、カーディガンなど)
・現金
・交通系のICカード(チャージしてあるかどうかを確認)
必要な持ち物は高校によって異なるため、必ず募集要項などを確認してください。たとえば、学校によっては「シャープペンは禁止」「英語のロゴが入った消しゴムは禁止」などとしているところもあるでしょう。
早寝早起きを心がける
受験前日は勉強を早めに終わらせて、早寝早起きを心がけましょう。重要な箇所の暗記を中心に軽く勉強を済ませて、睡眠時間をしっかり確保できるように、早めにベッドに入ってください。軽く体を動かしたり、就寝前に温かいお風呂に入ったりすると、スムーズな眠りを促せます。
翌日の出発時間にもよりますが、遅くても22時には就寝して、朝は6時頃に起きるとよいでしょう。
高校受験当日の過ごし方
最後は高校受験当日の過ごし方です。
早めに起床して、食事と身支度を済ませる
試験当日は朝の6時頃を目途として、早めに起床しましょう。脳にエネルギーが届くように、必ず朝食をとってください。腹痛や下痢を避けるためには、温かいものや消化の良いもの、脂質の少ないものがおすすめです。お粥やうどん、そば、卵料理などがよいでしょう。
入試で面接が課される場合は、受験生の身だしなみもチェックされます。洗顔と歯磨きを終えたら、髪型もきれいに整えてください。
試験会場では焦らず、まとめノートやプリントなどを軽く見返す
いざ試験会場に入ると、他の生徒が自分よりも賢く見えて、一気に不安な気持ちになるかもしれません。しかし、焦って分厚い参考書や問題集にいまさら取り組んでも逆効果です。
試験会場では焦らず、あらかじめ準備しておいたまとめノートやプリントなどを軽く見返す程度に留めましょう。すでに理解している知識を再確認することで、自信につながります。
試験会場を出るまでは、絶対に気を抜かない
過去に実際にあったケースですが、高校入試当日の休憩中に友達と大きな声で話をしたり、廊下を走ったりしたことで、学力的には十分合格圏内にあった生徒が不合格になったことがあります。
休憩時間中や試験終了直後はつい気が抜けがちですが、ちょっとした行動がこれまでの努力をゼロにしてしまうかもしれません。試験会場を出るまでは絶対に気を抜かず、会場内ではとにかくおとなしく過ごすようにしましょう。友達とは必要なことだけを小さな声で話し、残りの時間は一人で過ごすのがおすすめです。
高校受験直前や前日・当日に親がやるべきこと
受験勉強をして入試に臨むのは中学生本人ですが、親がサポートできることはたくさんあります。最後に高校受験直前や前日・当時に親がやるべきことを見ていきましょう。
学習環境を整える
受験直前から当日までは子どもが勉強に集中できるように、学習環境を整えてあげましょう。家族がリビングで見るテレビの音を小さくする、できるだけ小さな声で話をするなど、受験生を第一に考えた環境を作ってください。
過干渉にならない
入試が近づくと、子どもと同じくらい親の不安も大きくなっていくものです。心配になって過干渉になる親がいるかもしれませんが、神経質になっている子どもにとっては大きな負担となります。
不安な気持ちをグッとこらえて、できるだけ子どもの自主性に任せるようにしましょう。
体調管理を徹底させる
3つ目は体調管理の徹底です。部屋の加湿や栄養バランスに配慮された食事、十分な睡眠が大切であることは先で説明しましたが、中学生だけでは難しいことも多いでしょう。
親が子どもの体調や様子を見ながら、それぞれに合った体調管理を心がけてほしいところです。
安心できるような言葉をかける
子どもが最も緊張して、不安になるのが受験当日です。親も子どもと同じくらい緊張しているかもしれませんが、子どもが安心できるような言葉がけをしてあげましょう。
子どもが動揺しないように平気な顔を装って、「あれだけ頑張ったから、絶対に大丈夫だよ」「緊張しないで、思う存分頑張ってきなさい」などと、背中を押してあげてください。
まとめ
高校受験直前でも正しい勉強法を用いることで、ギリギリまで点数アップが期待できます。志望校のレベルにもよりますが、全教科の基礎固めは徹底させてください。また、勉強する教科や単元に優先順位をつけたり、暗記で点数アップが見込める理科・社会に取り組んだりするのも効果的です。
十分な勉強時間を確保しつつ、体調管理にも注意を払ってください。特に風邪やインフルエンザが流行するシーズンのため、体調をくずさないように加湿やマスクの着用、栄養バランスに配慮した食事、十分な睡眠などを意識することが大切です。
今回紹介した内容を参考にしながら、志望校合格に向けたラストスパートをかけていきましょう。
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