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都立高校入試2026の倍率を徹底分析!全体・ランク帯別・地域別・学校別動向を現役塾講師が解説

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高校受験
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2026年度の都立高校入試は、表面的な倍率以上に志願動向の変化がはっきりと表れた入試となりました。

全日制の実質倍率は1.26倍と前年からわずかに低下。受検倍率2倍以上の高校は姿を消し、定員割れ校は過去最多となるなど、都立入試の構図はここ数年で大きく変化しています。

背景にあるのは、私立高校授業料実質無償化の影響や、地域ごとの人口動向、学校ごとの人気の差です。その結果、都立高校全体としては競争が緩和する一方で、志願者が集中する学校と倍率を落とす学校の差がより鮮明になりました。

本記事では、
・全体
・ランク帯別
・地域別
・学校別

に分けて、2026年度の都立高校入試を総括。都立高校入試指導に長年携わってきた現役塾講師・大山先生に解説していただきます。

塾選ジャーナル編集部

編集部

塾選ジャーナル編集部

塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。

大山雅司

監修者

大山雅司

塾講師として中学・高校・大学受験指導を行っている。2020年にYou Tubeチャンネル「ひのき三軒茶屋」を開設し、主に高校受験に関する内容を配信中。2024年8月には都立高校の口コミ・データサイト「都立合格.com(ドットコム)」の運用を開始。“受験を少しでも面白く乗り越える”手助けを行うことを目標に動画制作を行っている。

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目次

都立高校入試2026の総括-全体倍率は横ばいだが志願動向には明確な変化

都立高校入試2026の総括_全体倍率は横ばいだが志願動向には明確な変化

2026年度の都立入試は前年度と比較した場合、全体の倍率自体に大きな変化はありませんでした。ただし、地域や学校ごとの志願動向には明確な違いが見られる入試となりました。

全日制の実質倍率は1.26倍、前年度横ばい

全日制の受験者数35,310人に対し、合格者数は27,934人。実質倍率は1.26倍となり、前年度の1.27から0.01ポイントの減少となりました。全日制のうち普通科全体では1.30倍から1.29倍へ減少。専門学科は1.12倍から1.14倍へと減少しています。

参照元:東京都教育委員会 令和8年度東京都立高等学校入学者選抜合格発表

2026年度より、国が支援する就学支援金の所得制限が撤廃になりましたが、東京都においては2024年度から所得制限がすでに撤廃されていたため、2025年の時点から都内受験生の私立志向が高まり、大きな倍率低下がありました。

今年は、前年度と同様に私立授業料実質無償化が影響し、さらに中学3年生全体の人数の微減も合わさったことで、全体的に倍率が低下したと考えられます。

5年間で進んだ都立入試の競争緩和

受検時点での倍率を2022年と2026年で比較すると、2022年では受検倍率2倍以上の普通科高校が4校あったのが2026年は0校となり、受検倍率1.8以上の高校は2022年13校から2026年は5校と大幅に減少しています。

一方、受検倍率が1を切った高校(定員割れ校)は、2022年は21校であったのが、2026年は28校と増加しており、私立高校授業料実質無償化が都立入試全体に大きな影響を及ぼしていることが伺えます。

5年間で進んだ都立入試の競争緩和

 

参照元:新教育研究協会 Wもぎ 2026年度 都立高校合格状況

私立高校への学費的なハードルが下がった分、都立高校では、どのランク帯においても競争が緩和されたことが伺えます。

都立入試倍率は再上昇の可能性-2030年度まで中3人数が一時的に増加

2026年度入試では倍率が微減していますが、今後もこのまま都立高校の倍率が下がり続けるかというと、そうとも限りません。

教育人口等推計(速報値)によると、公立中学校の3年生の生徒数は2027年度を境に一時的に上昇に転じ、2030年度までは上がり続ける見込み。ここ2~3年が中学3年生の人数の一時的な底にあたるため、2027年度以降はまた倍率は上昇していく可能性があります。

都立入試倍率は再上昇の可能性_2030年度まで中3人数が一時的に増加

 

参照元:令和7年度教育人口等推計(速報値)の概要について (東京都公立小学校児童数・公立中学校生徒数の推計)を元に作成

日比谷高校での24名追加合格が大きな話題に

また、倍率などとは内容が異なる話ですが、日比谷高校では合格発表のあとに数学の学力検査問題に誤りがあることが判明しました(正答表以外の正答が存在していた)。これにより、受検者全員に一律8点の加点がなされ、その結果、24名の追加合格を出すことになりました。

この規模での追加合格は異例であり、大きな話題となりました。

参考記事:【2026 高校受験】東京都が都立日比谷高等学校入学者選抜における数学学力検査問題の誤りによる追加合格について公表

【ランク帯別の動向】トップ校にも広がる倍率差

ここからランク帯別にどのような入試状況であったかを見ていきます。

進学指導重点校における実質倍率の前年比

都立高校全体での倍率低下を受け、トップ校で高倍率を維持している高校と、倍率減少に転じている高校とで分かれました。

東京都から進学指導重点校に指定されている7校の実質倍率を前年度と比較してみましょう。

高校名 前年比 2026年度 2025年度
日比谷高校 +0.10 1.56 1.46
西高校 -0.02 1.25 1.27
国立高校 -0.25 1.13 1.38
戸山高校 -0.14 1.55 1.69
青山高校 +0.09 1.77 1.68
八王子東高校 -0.28 1.11 1.39
立川高校(普通科)※ -0.04 1.34 1.38
立川高校(創造理数科) -0.25 3.72 3.97

※ 実質倍率は創造理数科との併願生を含むため、これよりも高くなります。

同じ進学指導重点校のなかでも、進学実績の高さが注目され続けている日比谷高校、創造理数科という金看板を持つ立川高校、城西エリアの戸山・青山高校が堅調に高い倍率を維持しています。

一方、西・国立・八王子東は倍率維持という面で苦戦を強いられている状況が伺えます。

中上位校~中堅校は大きく倍率を下げた高校が目立つ

2026年度の受検では中上位~中堅校にかけて倍率が大きく下落した高校が目立ちます。

三田高校は1.57→1.26と大きく倍率を下げました。

他にも

豊多摩高校:1.87→1.48
北園高校:1.68→1.53

と、中上位校のなかで比較的堅実な人気を持つ高校でも倍率が低下しています。

定員割れの高校数は過去最多

都立普通科の高校の中で、今年の合格発表時点で実質倍率が1.00であった高校は、

八潮、大森、蒲田、桜町、光丘、田柄、大山、足立新田、淵江、青井、足立東、篠崎、葛西南、山崎、野津田、武蔵村山、拝島、多摩、五日市、秋留台、久留米西、東村山西、東村山、永山、片倉(造形コース)、美原、深沢、板橋有徳、大泉桜、翔陽

となり、定員割れの高校数が過去最多となっています。

【地域別の動向】志願者は城南・城西に集中

地域別に見ていくとまた別の見え方ができます。大きく分けると、同じ23区でも城南・城西エリアとそれ以外の地域で様相は大きく異なります。

城南・城西エリアでは高倍率校が集中

比較的志願者に恵まれているといえる地域が城西・城南エリアです。戸山高校(1.55倍)・青山高校(1.77倍)・新宿高校(1.94倍)といったトップ校をはじめ、駒場高校(1.88倍)・目黒高校(1.64倍)も高い実質倍率となりました。

他の地域と比較してもこのエリアは競争が激しくなりやすい傾向。アクセスが良く、他の地域からも志願者が集まりやすいことも要因と考えられます。

中央線沿線・多摩地区では上位校でも苦戦

一方で中央線沿線の西・国立高校などが、上位校でありながら落ち着いた倍率になりました。

東京都全体で中学3年生の人数が減少し始めるのは2031年以降ですが、多摩エリアのみを切り出した場合はすでに人口の減少が始まっており、その通学導線である中央線沿線の高校の倍率低下の要因となっているかもしれません。

また、中央線沿線は早稲田実業、ICU高校、中央大学付属、中央大学杉並、明治大学付属中野、法政大学など大学付属や大学系列の私立上位校が多数。私立授業料実質無償化の影響を受けて、これら付属校への人気が高まっていることの影響も考えられます。

【高校別の動向】倍率ランキングTOP10

ここからは2026年度の都立高校のなかで実質倍率が高かった高校をピックアップして解説していきます。

都立入試2026 実質倍率ランキング(普通科)

順位 高校名 受検者数 合格者数 実質倍率
1 豊島 501 254 1.97
2 新宿 558 288 1.94
3 駒場 422 224 1.88
4 昭和 456 255 1.79
5 青山 401 226 1.77
6 日野 442 256 1.73
7 上野 442 257 1.72
8 鷺宮 378 222 1.7
9 目黒 323 197 1.64
10 江北 404 255 1.58

普通科では豊島→新宿→駒場の順で高倍率

豊島高校

普通科のなかで最も倍率が高かったのが豊島高校でした。校舎がリニューアルされて以降、高倍率が続いており、ここ3年も2.07倍→1.97倍→1.97倍と高水準を維持しています。入試時点で高倍率だと、その代の合格実績も上昇しやすくなり、その実績を見てさらに倍率が上昇するという好循環が現在まで続いている印象です。

新宿高校

昨年度は敬遠され、やや落ち着いた倍率であった新宿高校もその反動から1.64→1.94と上昇しました。例年倍率の高い戸山・青山高校を敬遠した受験生が今年は新宿高校に流れたという構図でしょう。

駒場高校

駒場高校は1.69→1.76→1.88と年々上昇を続けています。近年の学校改革からの大学合格実績の上昇を背景に着実に倍率を上げてきてた印象です。

4位以下のトピックス
2023年に新校舎となった日野高校は昨年は落ち着いた倍率であったものの、今年はその反動で1.35倍→1.73倍と大きく倍率を伸ばしました。

目黒高校は昨年度1.12倍と稀に見る低倍率でしたが、今年はその反動で1.64倍と高倍率。
周辺の三田高校や豊多摩高校が倍率が低めであったことからも、今年狙い目の中堅校として多くの志願者が集まったのだろうと推測できます。

普通科以外は定員の少ない特色学科が高倍率

最後に専門学科・総合学科・定時制で実質倍率が高かった高校を見ていきます。

都立入試2026 実質倍率ランキング(専門学科・総合学科・定時制)

順位 高校名 学科名 受検者数 合格者数 実質倍率
1 立川 創造理数 134 36 3.72
2 園芸 動物 52 26 2
3 立川緑 総合 343 178 1.93
4 晴海総合 総合 373 195 1.91
5 総合芸術 美術 110 58 1.9
6 工芸 デザイン 46 26 1.77
7 工芸 インテリア 45 26 1.73
8 農業 都市園芸 38 22 1.73
9 六本木 総合 351 207 1.7
10 工芸 グラフィック 42 26 1.62

立川高校 創造理数科

立川高校(創造理数科)は3.72倍と非常に高い倍率でした。2024年度は2.31倍、2025年度は3.97倍とここ3年間高倍率を維持。ただし、創造理数科は他の専門学科と異なり、併設する学科(立川高校の場合は普通科)との併願が可能である点も倍率を押し上げる要因となっています。

園芸高校

園芸高校は、園芸・動物・食品などを専門的に学べる都内でも数少ない農業系の高校。3つある学科のなかでも動物学科が高倍率です。定員数が少ないため倍率が上がりやすく、動物科があるのは園芸高校に限られていることも志願者が集まる要因と考えられます。

立川緑高校

新設のチャレンジスクールである立川緑高校は、おもに、小・中学校での不登校経験や高校で中途退学を経験している生徒に向けた学校。調査書・学力検査を用いず、面接・作文により合否が決定されます。昨年度の開校時点で実質倍率2.38倍と非常に高い倍率となりました。昨年度ほどではないにせよ、今年も1.93倍と非常に高い倍率です。

4位以下のトピックス
晴海総合高校は2.02倍(2024年)→1.52倍(2025年)→1.91倍(2026年)と昨年度の敬遠からの反動が見られます。近隣では深川高校の倍率が1.51倍(2024年)→1.61倍(2025年)→1.19倍(2026年)と今年大きく下げていることから、今年は深川高校が敬遠され、晴海総合高校に流れてきた可能性があります。

その他、農業高校の都市園芸が1.73倍、総合芸術高校の美術科が1.90倍、工芸高校のデザイン科が1.77倍、インテリア科が1.73倍と高倍率になりました。

都立高校には特色のある学科が多くありますが、一つの学科に対する定員が少ないため、一部の人気学科は今後も高倍率が続くことが考えられます。

まとめ:今後の都立高校入試は「競争緩和」と「志願集中」の二極化へ

大きな流れとして、私立高校授業料の実質無償化の影響により、都立高校全体で競争が緩和されている傾向が確認できました。しかし、その一方で志願者が集中する学校も依然として存在します。

一部の人気校では依然として実質倍率1.7倍以上の高倍率が続いており、都立高校の人気が一様に低下しているわけではありません。また地域によって入試状況の差が広がっていることも入試状況から伺えます。

2026年度の都立入試を整理すると、次の3つのポイントにまとめることができます。

・私立授業料実質無償化の影響により、都立高校全体の倍率は低下
・城南・城西エリアなど一部の人気校では依然として高倍率を維持
・中央線沿線や多摩地区では上位校でも倍率低下が目立ち、地域差が拡大

こうしたことを踏まえると、今後の都立入試では単に倍率の高低だけでなく、地域ごとの志願動向や私立高校との併願関係まで含めて志望校を考える視点がより重要になります。

たとえば、

・同じランク帯でも地域によって競争の激しさが異なるため、通学区域を見直しつつ、学校見学や情報収集に関しては地域をある程度広げて考えてみる。

・「倍率が低い=人気がない」と短絡的に捉えるのではなく、「近隣の人気校があり志願者が分散している」など、その要因まで考えた上で、あくまで自分自身にとって最適な志望校を選ぶ。

といった姿勢が、これまで以上に求められるでしょう。

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監修者プロフィール

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ひのき進学教室 三軒茶屋校講師
大山雅司

塾講師として中学・高校・大学受験指導を行っている。2020年にYou Tubeチャンネル「ひのき三軒茶屋」を開設し、主に高校受験に関する内容を配信中。2024年8月には都立高校の口コミ・データサイト「都立合格.com(ドットコム)」の運用を開始。“受験を少しでも面白く乗り越える”手助けを行うことを目標に動画制作を行っている。

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