高校生向けの効果的な予習・復習の仕方|学年別の勉強法とやるべきことも解説


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塾選ジャーナル編集部
「予習と復習は大切」と学校の先生や親から何度もいわれても、実際に取り組んでいる高校生は多くないかもしれません。予習・復習は思っているよりも時間がかからず、学力アップに大きな効果をもたらしてくれます。
今回は効果的な予習・復習の仕方について、学年別の勉強法とやるべきことと一緒に解説します。定期テストや大学受験対策の参考としてください。
【高校生】効果的な予習の仕方
高校で学ぶ学習項目は、中学校と比べて難易度がグンと上がります。また、学習量も多いことから、1回の授業で進むスピードも速くなるのが特徴です。そのため、まったく知識がない状態で毎回の授業に臨んでしまうと、子どもによっては授業内容を理解できず、他のクラスメイトにどんどん遅れをとってしまうでしょう。
自宅で予習をしておくことで、余裕を持って授業を受けられます。予習でわからなかった箇所の説明を集中して聞くと、疑問点の解消にもつながります。
効果的な予習の仕方は、次の4つです。
予習方法①:教科書に載っている次回の授業範囲に目を通す
予習で絶対に欠かせないのが、教科書に掲載されている次回の授業範囲に目を通すことです。予習に慣れていない子どもや十分な時間を確保できない子どもは最低限、教科書を読むことだけでもしましょう。
教科書を読むときは、深く理解できなくても構いません。「次の授業では、どのようなことを勉強するのか」が理解できればOKです。教科や授業進度などにもよりますが、1教科あたり5分~10分ほどで該当箇所を読み終えられるでしょう。
わからない部分や難しいと感じた部分には、チェックを付けておきます。チェックが付いたところが、次回の授業で集中して聞くべきポイントです。先生の説明を集中して聞き、疑問点を解消してください。また、英語と古文は新出単語の意味を調べておくのがおすすめです。
予習方法②:苦手な教科・科目は参考書を併用する
苦手な教科・科目の場合は、教科書を読んでも内容をほとんど理解できないかもしれません。あまりにもわからない部分が多いと、教科書を読むだけでは不十分なため、わかりやすい参考書を併用してください。
また、教科書の内容を参考にして、学習のポイントや練習問題を解くヒントがつまっている教科書ガイドもおすすめです。
予習方法③:問題を自分で解いてみる
教科・科目によっては、教科書に問題が掲載されているかもしれません。問題がある場合は教科書を読んだうえで、実際に自分で解いてみましょう。スムーズに解けなかったり、間違えたりしても問題はありません。予習の目的はあくまでも、授業内容をより理解しやすくすることです。
解けなかった問題には教科書と同じようにチェックを入れておき、翌日の授業で疑問点の解消に努めます。授業中に解消できなかったときは、授業終了後や休み時間などに、先生へ直接質問をすれば完璧です。
予習方法④:英語・数学・国語の3教科の予習を優先する
予習する教科・科目が多くて負担を感じていたり、十分な学習時間をかけられなかったりする場合は、英語・数学・国語の予習を優先させてください。
特に英語と数学は積み上げ式の教科といわれており、一度わからない単元を放置してしまうと、その後に学ぶ内容も理解できなくなってしまいます。
【高校生】効果的な復習の仕方
復習の大きな目的は、授業で学んだ内容を定着させること。人間は記憶した知識を、時間の経過とともに忘れる生き物です。忘れずに頭の中へ留めておくためには、定期的な反復学習が欠かせません。また、授業内容を正しく理解できているかどうかを確認する意味でも復習は大切です。
予習と復習の両方に取り組むのがベストですが、どうしても時間を確保できなかったり、学習意欲がなかったりする場合は、予習よりも復習をしましょう。復習をしないとせっかく授業で習った内容が定着せず、また、わからないところを放置してしまうと、その後の学習に大きな支障をきたすためです。
効果的な復習の仕方を、全部で5つ紹介します。
復習方法①:当日中に復習する
授業で習った知識が頭の中で新鮮な、当日中に復習してください。記憶が新しいうちに復習することで、よりスムーズに知識が脳内に定着します。
学校から帰ったら、すぐに机に向かって復習する習慣をつけましょう。部活動などでまとまった時間を作れない場合は、スキマ時間の活用がおすすめです。
復習方法②:他人に説明できるレベルの理解を目指す
教科書や板書したノートをふり返って、授業内容を復習します。予習をしていた場合は、あらかじめチェックしておいた疑問点を解消できたかどうかを確認してください。
復習する際は、他人に説明できるレベルの理解を目指しましょう。誰かに説明できるレベルまでに高めると、より知識に定着したと判断できます。
復習方法③:アウトプットを意識する
教科書や板書したノートを読んだり、見返したりするインプットだけでは不十分です。必ず問題演習を通して、アウトプットにも取り組みましょう。
教科書や問題集などを使って、授業で習った範囲の問題を解いてみてください。基本問題や標準問題なら、授業で習ったばかりなので解きやすいはずです。
間違えた部分やわからなかった部分は、解説をよく読みます。必要に応じて教科書や参考書で、該当箇所をチェックしましょう。その後は必要に応じて、応用問題などにもチャレンジしていきます。
復習方法④:苦手分野の復習は長期休みを活用する
苦手な分野や科目は、日々の復習だけではカバーできないかもしれません。ケースによってはまとまった学習時間が必要となるため、春休みや夏休み、冬休みといった長期休みの活用がおすすめです。
長期休み中は学校がない分、だらけたり、友達と遊んだりしたくなりますが、特に大学受験を目指す場合は復習をする絶好の機会。あらかじめ学習計画を立てておいて、計画的に苦手分野や教科・科目の復習にあてましょう。
復習方法⑤:定着させるために、期間を空けて数回復習する
復習は授業を受けた当日のみでは不十分です。確実に知識として定着させ、さらに学習の効果を最大限に高めるためには、期間を空けて数回復習することが欠かせません。
授業当日に復習した後は、定期テスト前が2回目の復習するチャンスです。特に推薦入試を目指している子どもは、定期テストの成績が出願条件や評価基準となることも多いため、しっかりと復習をしてテストに臨みましょう。
また、定期テストと模擬試験を受けた後も、復習するのに最適なタイミングです。点数や合格判定といった結果だけでなく、必ず間違えた問題の復習をしてください。必要に応じて教科書や参考書の該当箇所を確認し、もう一度同じ問題を解いてみることで、実力がどんどん上がっていきます。
【高校生】学年別の勉強法とやるべきこと
ひと口に高校生といって、学年別に大まかな勉強法とやるべきことが異なります。それぞれの詳細を見ていきましょう。
高校1年生
まだ入試本番まで時間がある高校1年生は、各教科・科目の基礎固めに力を入れましょう。特に英語と数学、国語(現代文)の3つに重点的に取り組み、理科と社会は授業内容の理解程度で構いません。
英語と数学の授業内容がわからない場合、中学校で習った学習項目が身についていない可能性があります。先で述べたように、英語と数学は積み上げ式の教科で、過去の学習範囲につまずきがあると、その後の学習内容の理解ができません。中学校の教科書や参考書に戻って、理解できていない箇所を復習しましょう。
また、高校1年生のうちに基本的な学習習慣を身につけておくことも大切です。高い学力を得るためには毎日コツコツと勉強に取り組み、相当量の学習時間が求められます。さらに受験学年となる高校3年生では、毎日長時間の勉強が必要となるでしょう。長時間の勉強に耐えられるように、高校1年生のうちから学習習慣を身につけておくことがおすすめです。
その他の内容は、下記の記事で解説しています。
・【高校1年生】科目別の勉強方法|中学との違いや平均的な勉強時間、やっておくべきことなど解説
高校2年生
高校2年に進級すると、子どもによっては少しずつ大学受験を意識し始めるかもしれません。すでに私立大学の文系学部を受験することが決まっている高校生を除いて、基本的には毎日英語と数学の勉強をしてください。
習得までに時間がかかり、また、高校3年生以降は理科や社会にも学習時間を割く必要があるためです。高校2年生のうちに数学と英語を入試レベルまで上げておくと、後の勉強が楽になります。
苦手な分野や教科・科目があり、大学受験で必要となることがわかっている場合は、高校2年生の間にできる限り克服に努めましょう。高校3年生に進級後はやるべきことが多く、克服に十分な時間をかけられないかもしれません。特に国公立大学を目指す子どもは受験科目が多いため、早めに克服しておくと余裕が生まれます。
学習意欲を高めるためには、志望校を設定するのがおすすめです。学校のホームページやパンフレットを見る以外にも、オープンキャンパスなどに参加して、実際に大学の様子を目で確かめるのもよいでしょう。
高校2年生の段階では、現在の学力や志望校の偏差値を気にせず、純粋に進学したいと思う学校を志望校に設定してください。心の底から行きたい大学を志望校にすることで、よりモチベーションの向上に役立ちます。
その他の内容は下記の記事で解説しているので、ぜひ参考にしてください。
・高校2年生でやるべきことや科目別の勉強方法|勉強時間や長期休みのスケジュールの立て方など解説
高校3年生
入試本番まで残り時間が少ない高校3年生では、最初に学習計画を立てましょう。いまの学力と志望校とのレベルを埋めるために、自分の課題を客観的に分析した上で学習スケジュールを組みます。
基礎が固まっていない場合は、各教科・科目の基礎固めに十分な時間をかけてください。基礎ができていない状態で入試問題の勉強をしても、ほとんどの問題は解けません。焦る気持ちを抑えつつ、教科書や参考書などを使って基礎力を身につけていきましょう。
具体的な志望校は、夏休みに入る前までに決めておくのが理想です。志望校が決まれば受験科目も定まり、夏休み中は受験科目の学習に的を絞って勉強できます。また、過去問にもチャレンジし、大まかな入試傾向をつかむことも大切です。
勉強時間の目安は「平日は3時間~4時間」「休日は6時間~8時間」「長期休み中は10時間以上」。質も大切ですが、ある程度の成果を担保するためには、一定量の確保が欠かせません。悔いが残らないように、できるだけ多くの学習時間を確保してください。
下記の記事でも詳細を解説しているので、ぜひチェックしてみてください。
・高校3年生からの受験勉強は遅い?科目別の勉強法や始める際のポイント、スケジュールの立て方など解説
まとめ
予習は余裕を持って高校の授業を受けるために、復習は授業で学んだ内容を定着させるために有効です。両方に時間をかけられない場合は、予習よりも復習を優先させましょう。
復習は授業を受けた当日中におこない、必ず問題演習でアウトプットをしてください。アウトプットによって知識が定着し、また、解答力が身につきます。
今回紹介した予習・復習の仕方を参考にしながら、効率的に大学受験勉強を進めていってください。
・関連記事 ~この記事を読んだ方は、こちらの記事も読んでいます。
・【高校生】勉強のやる気を出す方法|やる気が出ない原因や効率的な学習法、親ができることなど解説
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・【高校生】効率の良い勉強法|やっておくべきことや平均的な学習時間、受験に向けたおすすめ塾を紹介
・高校3年生からの受験勉強は遅い?科目別の勉強法や始める際のポイント、スケジュールの立て方など解説
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