国立中学とは?私立・公立との違いや入学メリット・デメリット、受験対策、おすすめ塾など解説


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塾選ジャーナル編集部
中学受験における志望校候補の一つとなるのが、国立中学です。しかし、「国立中学とは、どのような特徴を持っているのかな?」「私立中学や公立中学と、何が違うのだろう」などと、疑問に感じている人がいるかもしれません。
今回は国立中学の特徴について、私立・公立との違い、入学するメリットとデメリット、受験対策法、そしてジュクセンがおすすめする学習塾情報と一緒に解説します。
国立中学校とは?学費や倍率、私立・公立の違いなど紹介
2022年6月時点で、日本全国には70校以上の国立中学校があります。まずは国立中学の特徴や学費、倍率、私立・公立との主な違いについて見ていきましょう。
国立中学校の特徴
国立中学校は国立大学法人が運営しており、国立の教育大学や教育学部の付属校として存在しているケースが多いでしょう。
また小中一貫としているところが多く、義務教育の9年間がセットとなっています。学校によっては高校も備えていますが、必ずしも内部進学ができるとは限りません。内部進学できる条件は学校によって異なるため、入学前に詳細を確認しておくことが大切です。
もともとは教育大学や教育学部の実験校として設置された経緯があり、学校ごとでユニークな取り組みをしています。公立中学校では見られないような、最新の取り組みをしている学校もあり、他とは違った学習指導を受けられるでしょう。
国立中学校の一覧
首都圏・愛知県・大阪府・福岡県には、それぞれ次のような国立中学校があります。
首都圏
学校名 | 偏差値 | 所在地 |
---|---|---|
筑波大学付属駒場中学校 | 79 | 東京都世田谷区 |
筑波大学付属中学校 | 71 | 東京都文京区 |
お茶の水女子大学付属中学校 | 69 | 東京都文京区 |
東京学芸大学付属竹早中学校 | 62 | 東京都文京区 |
東京学芸大学付属世田谷中学校 | 61 | 東京都世田谷区 |
千葉大学教育学部付属中学校 | 60 | 千葉県千葉市 |
東京学芸大学付属小金井中学校 | 59 | 東京都小金井市 |
宇都宮大学教育学部付属中学校 | 59 | 栃木県宇都宮市 |
横浜国立大学教育学部付属横浜中学校 | 58 | 神奈川県横浜市 |
埼玉大学教育学部付属中学校 | 57 | 埼玉県さいたま市 |
群馬大学教育学部付属中学校 | 57 | 群馬県前橋市 |
東京大学教育学部付属中等教育学校 | 55 | 東京都中野区 |
茨城大学教育学部付属中学校 | 55 | 茨城県水戸市 |
東京学芸大学付属国際中等教育学校 | 54 | 東京都練馬区 |
横浜国立大学教育学部付属鎌倉中学校 | 51 | 神奈川県鎌倉市 |
愛知県
学校名 | 偏差値 | 所在地 |
---|---|---|
学校名 | ||
名古屋大学教育大学付属中学校 | 59 | 愛知県名古屋市 |
愛知教育大学付属名古屋中学校 | 55 | 愛知県名古屋市 |
愛知教育大学付属岡崎中学校 | 55 | 愛知県岡崎市 |
大阪府
学校名 | 偏差値 | 所在地 |
---|---|---|
大阪教育大学付属天王寺中学校 | 65 | 大阪府大阪市 |
大阪教育大学付属池田中学校 | 65 | 大阪府池田市 |
大阪教育大学付属平野中学校 | 61 | 大阪府大阪市 |
福岡県
学校名 | 偏差値 | 所在地 |
---|---|---|
福岡教育大学付属福岡中学校 | 64 | 福岡県福岡市 |
福岡教育大学付属久留米中学校 | 61 | 福岡県久留米市 |
福岡教育大学付属小倉中学校 | 60 | 福岡県北九州市 |
偏差値は塾や模擬試験によって数値が異なるため、一つの目安としてとどめてください。
国立中学校の学費
国立中学校への入学で気になるものの一つが、学費ではないでしょうか。以下の表は文部科学省がおこなった、「平成30年度子供の学費調査」による国立中学校の1年間の学費内訳です。
項目 | 年間費用 |
---|---|
授業料 | 0円 |
修学旅行・遠足・見学費 | 2万6,217円 |
学校納付金 | 1万6,702円 |
教科書費・図書費・学用品等 | 2万5,413円 |
教科外活動費 | 2万9,308円 |
通学関係費 | 3万7,666円 |
その他 | 3,655円 |
合計 | 13万8,961円 |
国立中学校は公立中学校と同じように、授業料はかかりません。そのため、私立中学校よりも大きく学費をセーブできるはずです。ただし、上記で挙げた項目の他に寄附や教育に関する諸費用が必要となることから、公立中学校よりは高くなります。
具体的な金額は学校によって異なるものの、年間で30万円~40万円ほどと考えておくとよいでしょう。
国立中学校の倍率
国立中学校の受験倍率は、例年3倍~5倍ほどです。地域によって、また年度によって大きく変化することはありません。
大都市以外では各都道府県に1校しか設置されていないところが多いこと、また、国立大学それぞれの校風が影響を与えていることなどが、主な理由です。
私立・公立中学との違い
私立・公立中学との最も大きな違いが、学力が高い子どもが多く集まってくることです。国立中学校は教育大学や教育学部の実験校として設置されており、先進的な教育をおこなっているところがたくさんあります。また、学費も公立並みに安く済むことからも、高い学力を持った子どもがたくさん入学してきます。
私立中学の場合は偏差値が高い難関校から中堅校まで、さまざまなレベルの学校に分けられるでしょう。また、入学試験がない一般的に公立中学には、学力や家庭環境が異なるさまざまな生徒が集まってきます。
国立中学校のメリット
国立中学校へ入学すると、私立中学校や公立中学校にはない、うれしいメリットがたくさんあります。主なメリットを全部で3つ見ていきましょう。
メリット①:学費が安い|授業料無料
前述したように、国立中学校は授業料が無料です。
寄附や教育に関する諸費用がかかることから、公立中学よりはトータル支出が高いものの、年間100万円ほどかかるといわれている私立中学と比べると、出費をグンと抑えられます。
メリット②:学習環境が良い|先進的な授業を受けられる
国立中学へ入学するためには、入学試験にパスしなければいけません。そのため、基本的には学力が高い子どもだけが入学してきます。勉強熱心で問題行動を起こす子どもがいる可能性が低いことから、良好な学習環境の中で勉強を進められるはずです。
また、先進的な授業を受けられるのも大きなメリットの一つ。教育大学や教育学部による、先進的なノウハウを活用した学習指導を通して、公立中学にはない高度な学びを体験できます。フィールドワークや討論、グループワーク、科目を横断した授業など、学校によって内容は異なります。
メリット③:内部進学制度で、附属高校へ進学できる場合がある
最後のメリットは内部進学制度で、附属高校へ進学できる場合があることです。学校によっては附属高校も持ち、内部進学できる制度を有するところもあります。一般的に国立大学の附属高校は学習環境が整っており、難関大学への合格実績も豊富です。
内部進学できる条件は学校によって異なるものの、通常の高校入試に比べると有利に進学できる可能性が高まるでしょう。
国立中学校のデメリット
国立中学校にメリットがあるということは、当然のことながらデメリットもあるということです。以下で主なデメリットを5つ紹介するので、メリット・デメリットの双方を含めて、受験するかどうかを考えるとよいでしょう。
デメリット①:授業料以外の学費はかかる
デメリットの1つ目は、授業料以外の学費がかかることです。国立中学校で必要となる学費については、先で述べました。学校によっては寄附や教育に関する諸経費などがかかり、公立中学校よりも年間で20万円~30万円ほど高くつくケースもあります。
私立中学よりは出費を大きく抑えられるものの、家庭にとっては大きな負担となるかもしれません。
また、国立中学に限らず、中学受験では塾に通って受験勉強するのが一般的です。具体的な金額は塾やコースなどによって異なりますが、小学3年生の2月から小学6年生まで通った場合、費用相場は200万円~300万円ほどといわれています。無条件で進学できる公立中学よりも、大きな費用が必要です。
デメリット②:入試倍率が高い
比較的リーズナブルな学費で最先端の教育を受けられることから、国立中学校は進学先として高い人気を誇っています。また、小学部から内部進学してくる子どももいることから入試倍率が高く、合格するのは狭き門です。
基本的には学習塾へ通って、私立中学と同じような専門的な受験勉強が欠かせません。小学3年生の2月から本格的に勉強を始める子どもが多く、長い期間を受験勉強に費やすこととなります。
デメリット③:合否が抽選で決まる場合がある
学校の中には、抽選で合否を決定しているところがあります。1次選抜で通常のペーパーテストがおこなわれ、通過者に対して、2次選抜として抽選がおこなわれるのです。
抽選方法は学校によって異なるものの、学力とはまったく関係のない部分で合否が決まってしまう点は、頑張って勉強を続けてきた子どもにとってデメリットとなるかもしれません。
デメリット④:教員の入れ替わりがある
4つ目のデメリットは、教員の入れ替わりがあることです。
私立中学では教員の入れ替わりはほとんどありませんが、国立中学では公立中学と同じように、教員の異動が定期的におこなわれます。さまざまな考え方や指導方法を持った教員が入れ替わるため、年度によって教育の質が変化する可能性が出てくるでしょう。
また、教育大学や教育学部の附属校といった特性から、大学の教育実習生を積極的に受け入れています。実習生が授業を持つ機会も当然あるので、教員による通常授業と比べて、質の低下が懸念されます。
デメリット⑤:教育実験校なので、確実に結果が出るとは限らない
国立中学校は教育実験校のため、最新の教育メソッドや、公立中学ではまだ取り入れられていないような授業を受けられるメリットがあります。しかし、あくまでも実験のために取り入れられているもののため、確実に結果が出るとは限りません。
また、上記のような取り組みは数年単位でおこなわれるのが通常です。入学したタイミングによっては、途中で取り組みが終了したり、内容が変更になったりする可能性もあるでしょう。
国立中学受験に向けた対策
倍率が高く、狭き門といわれている国立中学に合格するためには、どのような対策をすればよいのでしょうか?特に重要な3つの内容について紹介します。
対策①:過去問を解き、傾向を把握する
1つ目は過去問を解いて、試験内容の傾向を把握することです。国立中学校と一口にいっても、学校によって大まかな入試傾向は異なります。そのため、偏差値が同じようなランクの学校でも、それぞれの傾向に合った形で勉強を進めていくことが欠かせません。
入試傾向をつかむ最も効果的な方法が、過去問を解いてみることです。大学受験と同じように国立中学でも過去問があるため、何度も解いて傾向を把握しましょう。傾向を知った上で、具体的な学習計画を立てると効果的です。
対策②:親子ともに面接対策をする
国立中学校の入試では、親子の面接が課されるのが一般的です。志望動機や学校の印象、将来の夢、小学校時代に取り組んだこと、家庭の教育方針、どのような子どもに育ってほしいかなど、質問される内容は多岐に渡ります。
具体的な練習は、入試が近くなってからで構いません。ただし、たとえば、家庭の教育方針やどのような子どもに育ってほしいかなどは、普段から意識していないとスムーズに答えられないでしょう。また、子どもの考えと親の考えに食い違いがあると、マイナスポイントと見なされるかもしれません。
面接で聞かれる内容を意識して、普段から親子で受験に対する認識を共有しておくと安心です。
対策③:通塾をして、計画的に勉強を進めていく
現在の中学受験では、塾で専門的な受験対策をすることが必須といえます。小学校の授業では習わない内容が出題されたり、単なる暗記では対応できない高度な問題に対応したりする必要が���るためです。また、できるだけ早いうちから、計画的に勉強を進めていく必要もあります。
たくさんある塾の中から子どもに合った場所を見つけ、上手に活用しながら受験対策をしていきましょう。
国立中学受験におすすめの学習塾
国立中学受験に塾通いが欠かせないことは、これまでに何度も述べてきました。以下に挙げる学習塾は、国立大学受験対策におすすめできるところです。
- ・SAPIX
- ・進学個別指導のTOMAS
- ・日能研
SAPIXは最難関中学への合格実績を豊富に持つ、集団指導型の学習塾です。小学1年生から通えるため、早い段階から国立中学受験対策をしたい子どもにも適しています。
個別指導スタイルで勉強をしたい子どもにおすすめなのが、進学個別指導のTOMASです。一人ひとりの学力や希望に合わせてカリキュラムを組んでもらえるため、自分のペースで勉強を進められるでしょう。
日能研は集団指導スタイル型の学習塾。「授業を中心とした塾での学び」→「家庭での学び」→「テストを中心とした自分の学び」のサイクルをくり返し、志望校合格に必要な実力を養えます。
中学受験の準備や対策、塾の選び方などについては、下記の記事で解説しています。ぜひご覧ください。
・中学受験の準備・対策はいつから?通塾のタイミングや塾の選び方、おすすめ塾など紹介
まとめ
国立中学校は国立大学が運営しており、最先端の教育を受けられること、学費がリーズナブルなことなどから人気を集めています。優秀な生徒が集まってくるため、安心できる環境の中で質の高い勉強ができるでしょう。
合格には通塾が必須といっても過言ではありません。塾によって指導スタイルやカリキュラムが異なるので、気になったところをいくつか比較してみるのがおすすめです。
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