関西学院大学系属校・啓明学院中学校に合格! 子どもに無理をさせずリターンを得る受験戦略|親たちの中学受験体験記Vol.28
今回お話を伺ったのは、啓明学院中学校(関西学院大学系属校)に合格した次男を持つお母様です。
- 難関進学校に限定せず、性格に合った学校を選ぶ
- 勉強は塾とプロ家庭教師に任せ、親は環境整備に徹する
3人いるお子さんが全員“コツコツ型”ではない中、長男に続いて2度目の受験に臨んだ柴田さんが語るのは、「合格がゴールではない。入学してからが大事」という信念でした。
受験校を大学まで内部進学できる付属校に絞った理由、馬渕教室に落ちてから創学アカデミーに出会うまで、月15万円のプロ家庭教師を「先行投資」と割り切った判断、そして受験が終わるまで「怒らない」という覚悟。
「コツコツやれない子」の親だからこそたどり着いた、実践的なヒントの数々を聞きました。
編集部
塾選ジャーナル編集部
塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。
目次
【保護者プロフィール】
| お名前 | 柴田 有菜(仮名) |
|---|---|
| お住まい | 兵庫県(神戸市) |
| 年齢 | 47歳 |
| 職業 | フリーランス |
| 性格 | 合理的で明るい |
| 家族構成 | 5人家族(父・母・長男17歳・次男13歳・三男9歳) |
【中学受験を行った子どものプロフィール】
| 子どもの名前 | 柴田 大知(仮名) |
|---|---|
| 性別 | 男子 |
| 現在通っている学校名 | 啓明学院中学校 |
| 現在の学年 | 中学2年生 |
| 受験期に通っていた塾 | 創学アカデミー(+プロ家庭教師) |
| 受験時にしていた習い事 | なし |
| 得意科目 | 算数 |
| 苦手科目 | 国語 |
| 性格 | 積極的・明るい |
| 偏差値 | 入塾時:40くらい 受験直前期:52くらい |
| 受験結果 | 啓明学院中学校:合格(第一志望) 甲南中学校:合格 追手門学院中学校:合格(特待生枠) |
「大学進学時の選択肢を確保しつつ、楽しく過ごしてほしい」──大学付属校に絞った理由

―まずは、中学受験をしようと決めた経緯から教えてください。
自然な流れでした。私自身が中学受験の経験者ですし、地域的にも私立中学に進ませるご家庭が多いエリアです。
今回の主人公である次男は、大学まである私立小学校(追手門学院小学校)に通っていたのですが、そこから中学進学のタイミングでもっと上を目指して外部受験する子がほとんどで。
そんな空気の中で、うちも当然やるものだと思っていました。
―進学先の候補を大学付属校に絞った理由を教えてください。
息子はコツコツ勉強を頑張るタイプではなくて。それもあり、付属校に入ることで大学進学のルートを確保しつつ、学校生活も目一杯楽しめるほうが、最終的にはお得かもしれないと考えました。大事な学生時代を勉強ばかりに費やすのはもったいないですし、親がある程度の道筋をつけたほうがいいだろうと。
たとえば、関関同立クラスの大学では推薦枠が増えてきており、一般入試で入るのがより大変になっていると聞いています。それもあり、早めに大学進学のツテを押さえておこうと考えたんです。啓明学院の場合、条件を満たせば関西学院大学にそのまま進学できるルートがあり、そこが大きな魅力でした。
―進学校ではなく大学の付属校を選んだ背景には、ほかにも理由がありますか?
「進学校の勉強量がうちの子には合わない」と感じたのが大きいです。
関西では最近、新しい進学校も増えていて、「塾いらずでいい大学に行けます」とうたっている学校も少なくありません。そうした学校に話を聞きに行ったら、「1日7時間勉強して、その後補習もあって…」と。そのスタイルだと、息子の性格も踏まえると合わないだろうと直感しました。何より、中高の6年間は本人の人生にとっても大事な時期。勉強漬けにするよりも、のびのびと大らかに過ごしてほしいと考えたんです。
あとは、大阪の高校無償化の影響もあります。大阪の私立に通わせている方に聞くと、無償化以降、高校から生徒や保護者の層が変わってきていると。それもあって、兵庫県内の付属校に絞りました。
\大学付属校を選ぶときの考え方/

入塾テスト不合格から出会った創学アカデミー。「褒めてくれる塾」が合っていた

―お子さんは3兄弟で、今回は次男の受験のお話ですが、長男も中学受験を経験されているそうですね。長男のときと次男のときで、学校選びの基準は違いましたか?
全然違いました。それぞれ性格が違うので、合う学校も異なるだろうと。実際、長男のときにも啓明学院を見学したのですが、そのときはしっくりこなかったんです。キリスト教の文化や行事なども含め、校風が合うイメージが持てませんでした。
一方で、次男と見学した時には、実際に通っている姿がすっと想像できました。校風が合っていると感じましたし、気が強くてけんかっ早い次男の性格が、少し穏やかになればいいなという期待もありました。
―情報収集はどのようにされていましたか?
気になる学校の個別説明会に行ったほか、兵庫県の私立学校フェアにも子どもと一緒に足を運びました。あとはネットで実際の生徒さんが書き込んでいるような掲示板も参考にして、リアルな声を確認していました。
5年生の秋頃から本人を学校見学に連れて行くようにしたのですが、実際の雰囲気に触れると、「ここは行きたい」「ここは嫌だ」といろいろな気持ちが芽生えたようで。文化祭に連れて行ったのが特に効果的で、行きたい学校が明確になったようでした。
「ここに行きたいなら頑張ろう」と、具体的な目標を立てやすくなりましたね。
―塾は創学アカデミーに通っていたとのことですが、どのように選ばれましたか?
長男のときは馬渕教室にお世話になっていたので、次男も馬渕でいいかなと思っていました。長男のときに日能研や浜学園も一通り見ていて、浜は最難関を目指す場合でないと合わない感じがしましたし、日能研は送り迎えしにくい場所にあって。次男の時も、自ずと馬渕が第一候補になっていました。
ところが、入塾テストに受からなかったんです。次男がテストを受けたのは5年生のタイミング。周りの子は4年生がほとんどで、そうした取り組みの遅れも影響したのかもしれません。
―そこから創学アカデミーに通うことを決めた経緯を教えてください。
馬渕のすぐ近く、道を挟んだ斜め前に創学アカデミーがあって。前からパンフレットは取り寄せていたのですが、中堅塾なこともあり「どうなのかな」と迷いもありました。
ただこの際だからと思って試しに行ってみたら、講師たちがすごくアットホームな雰囲気で、生徒数も少ない分、一人ひとりにしっかりと指導の目が行き届く感じがしたのがすごく好印象で。
何より、積極的な次男に対して「落ち着きなさい」ではなく「いいね、積極的だね」と褒めて、認めてくれる講師がいたことが入塾の決め手になりました。
―実際に通ってみての感想はいかがですか?
本当に満足しています。勉強はもちろん、それ以外の面でも親身になって、いろいろな相談に乗ってくれました。友だちとちょっとサボりに行ったり、寄り道して帰ってこなかったりといった悩みを相談した時も、息子に対して人間的なマナーのことまでちゃんと教えてくれて。
カリキュラム面では、たとえば国語の成績が良ければ、国語だけ上のクラスで受けられるなど、柔軟な対応をしてくれたのもありがたかったです。
あとは受験当日、塾全体でも啓明学院を受ける子はそんなに多くなかったのに、一番お世話になった講師がわざわざ会場まで応援に来てくださったんです。それで子どもの表情がパッと明るくなって、リラックスして「頑張ってきます」と試験に向かえたのがすごく印象的でした。
\大手塾以外を選ぶときの判断軸/

月15万円の家庭教師。「教える」をプロに任せた理由

―塾に加えて、小5から週1でプロの家庭教師もお願いされていたそうですね。
はい、主に算数と理科を家庭教師に見てもらっていました。長男のときから同じ先生にお願いしています。長男の算数の成績が塾だけではなかなか伸びず、解決策を探していた時に、たまたまInstagramで見つけた方でした。
最難関を目指す子だけではなく、中堅校志望の子やじっと座っていられない子など、幅広く対応している先生です。ご自身も大学受験で挫折を経験していて、うまく成績が伸びない子の気持ちもわかる点が、丁寧な指導につながっているのだと思います。
実際、長男の算数の偏差値はすぐに10くらい上がった。成果を感じられていたので、次男の指導もお願いしようと決めました。
―具体的にはどんなことをお願いしていましたか?
塾での学習のフォローが中心です。毎週日曜日に来てもらい、塾でやったことのうちわからない部分の復習や宿題の仕上げ、次のテストの予習などをお願いしていました。
心強かったのは、家庭教師の先生から塾の講師への連携もあったことです。「本来は取るべき講座があったのですが、『その部分はこちらで教えるので、取らなくて大丈夫です』」と塾の講師に伝えてもらうこともあって。塾の講師も家庭教師の存在を認めてくださっていたので、親としてもいろいろとやりやすかったですね。
―家庭教師の費用はどれくらいだったのでしょうか?
月15万円ほどです。正直、安くはありませんでした。それでも、「大学進学までのルートも手に入れつつ、学校生活も目一杯楽しむ」ことを叶えるための“先行投資”だと考えて、最後は割り切りました。
加えて、私がガミガミと「勉強しなさい」と言って喧嘩になるくらいなら、プロにしっかりと教えてもらったほうがいい。親の役割を勉強に取り組むための環境づくりと、そのための投資にしようと決めました。
―塾と家庭教師以外では、どのような工夫をされていましたか?
私が勉強そのものを教えるのは無理だと早々に割り切って、暗記科目を中心にYouTubeでわかりやすく説明してくれる動画を空き時間に見せるなどしました。ほかには、ネットで見つけた暗記用の単語カードを小学校への電車通学中に読むよう伝えて、時折テストもしていました。
あとは漫画ですね。ことわざを漫画で覚えられる本とか、ドラえもんの理科のシリーズとかを活用しました。漫画は割と好きだったので、せめてそこから一つでも多く覚えてもらおうと。
\プロ家庭教師の活用と費用の考え方/

「お金で解決できることはそうする」の真意。無理はさせず、“入学した後”を見据える

―受験本番に向けて、不安はありましたか?
志望校が決まってからは、そこまで大きな不安はなかったです。子どもの実力に見合った学校を選んでいたので、なんとかなるだろうと。がむしゃらに数を受けるのではなく、受験校も3校に絞っていたので、準備もしやすかったと思います。
心配があったとしたら、まずは体調を崩さないかどうかでした。それと面接がある啓明だけは、当日の緊張が気にはなっていましたね。対策としては、塾の講師と家庭教師の先生から、それぞれ過去に聞かれた質問の内容を共有してもらっていました。
―受験当日、お母様が心がけたことはありましたか?
とにかく「怒らない」を心がけました。
割と怒られるようなことをするタイプの子なのですが、当日はとにかく喧嘩にならないようにと。たとえば、出発の時間がギリギリになってしまったら「じゃあタクシー使おう」と決めていました。お互いに平常心を保つことが一番大事だと思ったので。
実際、本番1日目は午前に啓明の試験と面接、午後に甲南とスケジュールが詰まっていて、午前の面接が押してしまって時間的にはかなり焦りました。結局タクシーで1万円ほど使い移動することになったのですが、子どもは午後の受験を平常心のまま受けられたので、意味のある出費だったかなと思います。
―啓明学院の合格がわかったときの気持ちはいかがでしたか?
安堵感でいっぱいでした。テストが終わった直後に「俺、絶対受かってる」と言っていたので、逆に心配していたのですが(笑)。本当に受かってくれて、いろいろと無駄じゃなかったんだと、私自身もすごくほっとしましたね。
一方の息子は、わかった瞬間飛び跳ねながら喜んでいました。長男にバカにされなくて済むと思えたのも、気持ちとしては大きかったみたいです。兄弟がいることで、受験を通じてわかりやすいモチベーションはあったように感じます。

―入学後の様子はどうですか?
息子は積極的に何でもやるタイプなので、それが裏目に出てクラスで浮いてしまわないか、親としては心配していました。ただ、担任の先生がそういう積極性を買ってくれる方で、うまく接してくれているので安心しています。今は演劇部に入って週3回活動していて、学校行事にも楽しそうに参加しています。
正直、勉強はまだ得意ではなくて、中1の段階で赤点があって呼び出されもしているのですが、学校の雰囲気には合っているようです。無人島でのキャンプやイングリッシュキャンプなどアクティブなイベントも多くて、学生らしい生活をのびのびと謳歌しています。親としても羨ましいくらいです。
―最後に、これから受験を控える親子に向けて、メッセージをお願いします。
私は合格がゴールではなく、入学してからの生活が大事だと思っています。無理をして難関校にチャレンジさせて、入学後に落ちこぼれてしまうよりも、ほどほどのところで楽しく心穏やかに過ごせるほうがいい。そんな考え方も、あってもいいのかなと。
進学校に入り、途中でついていけなくなる子は一定数います。子どもの力を信じるのはもちろん大切ですが、親が過信せず、楽しく健やかに過ごせる学校を選ぶことが大事だなと思います。
あと、息子のように勉強がなかなか好きになれないタイプの子には、「入ったらこんな楽しいことが待っているよ」と具体的にイメージさせることが効果的だと感じました。文化祭や体育祭に連れて行って、先輩と話してみたり、学校の雰囲気を肌で感じさせたり。パンフレットだけではわからないことがたくさんあるので、実際に足を運ぶのはおすすめです。
私自身は、中学受験における親の役割は勉強を教えることよりも、環境を整えてあげることだと思っています。一人で頑張れる子ならいいのですが、そうでない子は、頑張れるようになるための環境づくりと、そのための投資が不可欠になる。
家庭教師のようにプロの力を借りるのには、もちろん相応のお金はかかります。ですが、費用対効果を考えれば決してもったいなくはないと、今回の受験で改めて感じることができました。
\中学受験を振り返って/

取材後記
柴田さんの言葉には、2度の中学受験を経た実感がこもっていました。「無理しない」学校選び、プロ家庭教師の導入、受験当日の心構え。実践のすべてが、「この子は自分からコツコツやるタイプではない」という冷静な観察から出発しています。
印象的だったのは、長男のときにしっくりこなかった啓明学院が、次男では「通っている姿がすっと想像できた」というエピソードです。判断の軸にあったのは、偏差値でも知名度でもなく、「この子がこの学校で楽しく過ごせるか」という問いでした。
「合格がゴールではなく、入ってからの生活が大事」。わが子の性格を見極め、「この子に合う受験」を設計すること。その大切さを、柴田さんの経験が教えてくれます。
執筆者プロフィール
塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。
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