【大学受験】地理の勉強法|いつから勉強するべきか、苦手な人向けの対策のコツなども解説


編集部
塾選ジャーナル編集部
大学入学共通テストや国公立大学の2次試験、私立大学の一般入試などの入試形態を問わず、地理を選択する高校生の多くは、「地理の勉強に、十分な時間をかけられない」といった悩みを持っているようです。だからこそ、適切な勉強法を用いて、短期間でも効率的に地理の成績をアップさせることが欠かせません。
今回は大学受験の地理の勉強法について、いつから勉強するべきか、苦手な人向けの対策のコツなどと一緒に解説します。地理学習の参考としてください。
【大学受験】地理の勉強はいつから始める?
大学受験の地理の勉強は、いつ頃から始めればよいのでしょうか?
適切な時期は一概に述べられませんが、たとえば、大学入学共通テストだけで必要な場合は、高校3年生の4月から少しずつ勉強し始めれば大丈夫です。受験科目数によっては、高校3年生の9月頃から始めても間に合うでしょう。
大学入学共通テストの地理は、日本史や世界史といった地理歴史の教科の中で、最もマスターするまでの勉強量が少なくて済みます。暗記する知識や用語の量は日本史・世界史と比べると少なく、短期集中でもある程度の得点マークが期待できるでしょう。
国公立大学の2次試験で地理が必要な場合や、地理の問題が難しい私立大学を受験する場合は、高校3年生の4月以前にスタートさせるのが理想です。
大学受験に向けた地理の勉強法
地理対策で大切なのは、勉強する順番です。地理は大きくテーマ別に勉強していく「系統地理」と、地域別に勉強していく「地誌」の2分野に分けられ、系統地理を勉強し終わってから地誌の学習へ進みます。
たとえば、系統地理を勉強しないまま地誌の学習へ入ってしまうと、単なる暗記地獄におちいりかねません。しかし、系統地理で気候の特徴や農業とのつながり、人口規模に応じた産業の特徴などを理解しておくと、地誌の学習が暗記ではなく理解に変わります。
勉強するべき順番と、主な勉強法は次の通りです。
①系統地理を勉強する
系統地理は教科書、または自分のレベルに合った参考書を使って勉強していきましょう。特に自然・産業・気候・資源の4つに重点を置いて、一つひとつの特徴を覚えていきます。
系統地理の学習で大切なのが、暗記ではなく理解に努めることです。それぞれの項目が出てくるたびに、「なぜ?」「どうして?」と疑問的な視点で内容をチェックしてください。さらに自分が抱いた疑問に対して、答えを推測する習慣をつけることで、系統地理の勉強がスムーズに進みます。
まずは教科書や参考書を、2回以上くり返して読みましょう。1回目で、すべての項目を理解することは不可能です。2回目以降は断片的な知識が、それぞれパズルのピースのようにつながっていきます。
ある程度の知識が定着したと感じたら、問題演習でアウトプットしてください。間違えたところやわからなかったところは解説を読み、必要に応じて教科書や参考書に戻ります。
②系統地理を活用して、地誌の勉強をする
系統地理の知識をある程度マスターしたら、地誌の勉強へ移ります。地誌を学習するときのポイントが、すべての知識を理解するのは難しいと知っておくこと。該当する地域は広範囲におよび、すべての知識を取りこぼさずに理解するのは不可能です。教科書や参考書に掲載されている内容を中心に覚え、ある程度で見切りをつけることが欠かせません。
基本的には系統地理で学んだ内容につなげて覚えていくため、系統地理の知識がしっかり定着していれば勉強は大変ではないでしょう。教科書や参考書を2回以上くり返し、系統地理と同じように問題演習を通して理解を深めていきます。
③過去問・論述問題を解き、アウトプットをする
系統地理と地誌の知識が頭に入ったら、志望校の過去問や論述問題を解きましょう。地理の試験本番で高得点をマークするためには、できるだけたくさんの実践的な問題を解く必要があります。最初はうまく問題が解けなくても、実際の傾向に沿った問題に慣れていくことでコツをつかみ、少しずつ解けるようになっていくはずです。
大学入学共通テストのみ必要な場合や、マークシート方式の私立大学を受験する場合でも、論述問題に取り組むのがおすすめ。自分の言葉にして説明することで、地理の知識がより身につきます。慣れないうちは、教科書や参考書を見ながら解いても大丈夫です。
【大学受験】地理対策のコツ|苦手な人は必見
地理の勉強をしているつもりでも、なかなか成績が上がらない子どもがいるかもしれません。続いては地理を苦手とする高校生向けの、対策のコツを紹介します。
因果関係を学ぶ
地理は暗記科目と呼ばれることが多いですが、暗記よりも因果関係を正しく覚えることが、得点アップへの近道です。
特に系統地理で学ぶ学習知識は、それぞれが独立しているように思えても、実は互いに関係し合っていることがほとんど。先で述べたように、気候や地形、農業、工業、人口規模などの特徴はそれぞれが密接に関わっています。
そのため、大まかな因果関係を理解できれば、特定のエリアの特徴をある程度イメージできるようになるのです。暗記量が格段に減るため、より効率的に勉強を進められるようになるでしょう。
暗記ではなく、思考力を鍛える
暗記ではなく、思考力を鍛えることも大切です。膨大な知識を暗記するだけでもある程度の得点アップが期待できますが、常にデータが変わり続ける地理においては、必ずしも暗記のみですべての問題に対応できるわけではありません。
思考力を鍛えてそれぞれの事象が持つ理屈を根本理解しないと、解けない問題もあるでしょう。
たくさんの問題に触れる
問題演習量が少ないことが原因で、地理の成績がアップしない子どもも少なくありません。教科書や参考書などで知識をインプットして、理解したつもりでも、実際の試験では問題が解けないことがあるでしょう。知識を活性化させて問題を解けるようになるためには、問題演習を多く重ねることが必要です。
いまの学力や志望校のレベル、問題形式などに合わせて問題集を選び、演習をくり返してください。間違えたところや理解不十分なところは解説をしっかり読み、自分の言葉で説明できるぐらいまでにしましょう。日にちを置いてから同じ問題にチャレンジして、スラスラと解けるようになっていればOKです。
地図帳やデータブックを活用する
高校で地理を選択すると、学校から地図帳やデータブックが配布されることが多いでしょう。教科書や参考書で勉強をしていると、わざわざ地図帳やデータブックを開くのは面倒と感じるかもしれません。多少面倒でも、勉強するときは地図帳やデータブックを近くに置いて、必要に応じて活用してください。
該当箇所を地図帳でチェックしたり、気候・標高・災害といった各種のデータを目で確認したりすることで、より学習の効果が高まります。また地図帳に必要な情報を書き込んでいくと、自分だけの参考書が完成します。
大学受験に向けたおすすめの塾・予備校5選
最後に大学受験の地理対策におすすめの学習塾を、全部で5カ所紹介します。
おすすめ塾①:河合塾
たくさんの受験生を志望校合格に導き、全国的に有名なのが河合塾です。
塾の特徴
授業スタイルは集団型です。複数の生徒が一緒に授業を受けるため、切磋琢磨し合いながら受験勉強を進めていけます。「高校グリーンコース」は現役高校生を、第一志望校合格へ導くコースです。プロ講師によるやる気と学力を引き上げる授業を通して、最短距離での合格を目指します。
入塾後は生徒一人ひとりにつくチューターが、自分だけの合格戦略を立案。いまの学習状況を確認して、学習計画や受講講座を決定します。さらに、進捗状況をチェックしたり、勉強の相談をしたりと、頼りになる存在です。
「東大地理」や「地理(共通テスト対応)」といった講座が開設されており、レベルやニーズに合わせて勉強を進めていけます。
塾の詳細はこちらの記事でも解説しています。
料金
河合塾のホームページによると、「地理(共通テスト対応)」の授業料は6万4,800 円です。
おすすめ塾②:駿台予備校
一人ひとりの志望校やレベルに合わせて、自由に講座を調整できるのが駿台予備校です。
塾の特徴
授業は複数の生徒が一緒に受ける、集団指導スタイル。対面式のほか、オンラインでの受講も可能です。「高校生クラス」では志望校やレベルに合わせて、受講講座をカスタマイズしていきます。
東京大学や京都大学を目指す「選抜」、大阪大学や一橋大学、早慶上智を目指す「難関」、国公立大学やMARCHを目指す「標準」、そして「基礎」の4つのレベルに分かれており、学力に合わせて選べます。
高校3年生向けには、「選抜・地理」や「難関・地理」「東大地理演習プラス」などの講座が開催されています。
詳細はこちらの記事でも解説しているので、ぜひチェックしてみてください。
料金
駿台予備校のホームページによると、「選抜・地理」を受講する場合、年間の授業料は18万8,000円となっています。
おすすめ塾③:東進ハイスクール
映像型授業で、自分のペースで勉強できるのは東進ハイスクールです。
塾の特徴
授業形式は映像型。基礎から難関大学受験対策まで、あらゆるレベルに応じた授業が用意されています。自分のペースで勉強できるので、1年分の内容を2週間~1カ月で終わらせる高速学習も可能です。都合に合わせて時間割を組み、効率的に勉強を進めていけます。
授業を担当するのは、全国的にも知られている一流講師ばかりです。「なぜ、そうなるのか」に徹底的にこだわり、志望校合格に必要な学力を養います。
「ベーシック地理」や「ハイレベル地理B演習」「東大対策地理」などの講座が設置されており、学力や志望校レベルに合わせて選べます。
詳細はこちらの記事で解説しているので、ぜひご覧ください。
料金
東進ハイスクールのホームページによると、通期講座(単科)受講料は、1講座あたり7万7,000円です。
おすすめ塾④:武田塾
やるべきことだけ指示してもらい、勉強は自分一人で進めたい子どもにおすすめなのが武田塾です。
塾の特徴
武田塾は他の一般的な学習塾と異なり、直接的な授業をおこないません。代わりにおこなうのが日々の学習管理です。
生徒一人ひとりの学力や志望校、希望する科目などに応じて、個別の学習プランを作成。「次の通塾日までに、参考書の20ページ~30ページまで」など、やるべきことが細かく指示されます。次の通塾日に個別テストがおこなわれ、自宅学習ができているかを徹底チェック。テストの結果をもとにして、理解不十分な箇所は講師が細かく指導してくれます。
武田塾についてはこちらの記事でも解説しているので、ぜひ目を通してみてください。
夏期講習の料金
武田塾のホームページによると、月の授業料は最も安いコースで2万円ほどとなっています。
おすすめ塾⑤:代々木ゼミナール
最後のおすすめ塾は代々木ゼミナールです。
塾の特徴
授業スタイルは対面式の集団指導のほか、映像型もあります。
高校1年生~2年生向けには「基礎」「標準」「ハイレベル」とレベル別の講座が、高校3年生向けには「大学別対策講座」や「共通テスト対策講座」「講師オリジナル講座」などが開催。一人ひとりの学力やニーズに合わせて選べます。
「共通テスト地理」や「地理論述」「詳説地理講義」など、地理に関する講座はバラエティ豊かです。
代々木ゼミナールについてはこちらの記事でも解説しているので、ぜひ目を通してみてください。
料金
代々木ゼミナールのホームページによると、「共通テスト地理」の授業料は2・3学期分で4万2,000円です。
まとめ
大学受験の地理は日本史や世界史と比べて暗記量が少なく、比較的短期間での学習で点数アップが見込めます。勉強をする際は系統地理からはじめ、地誌、問題演習へと移っていきましょう。因果関係を学んだり、地図帳やデータブックを活用したりすると、学習がスムーズに進みます。
一人ではうまく勉強が進まない場合、学習塾へ通う方法があります。塾によって指導方法やカリキュラム、費用などが異なるため、いくつか気になるところを検討してみてください。
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