中学生は塾に週何回通うのがベスト?学年別最適な頻度の目安も紹介


編集部
塾選(ジュクセン)編集部
「塾って週にどのくらい通わせればいいの?」
「中学生ってみんな週何回くらい通っているものなの?」
塾を検討し始めると、このような悩みがふと湧いてくる人も多いのではないでしょうか。最初は意気込みがあっても実際通いだすと「塾に通うのってこんなに大変なんだ」と感じることもあります。逆に週の回数を最小限に抑えすぎて、全く成果が出なかったというケースも珍しくありません。
成果を出すために大切なのは、子どもの学力状況に合わせた適切な回数で通塾することです。本記事では、中学生の一般的な通塾回数や、子どもに合った回数の決め方を紹介します。

中学生の通塾回数でもっとも多いのは週2回
中学生の子どもを持つ200人の保護者にアンケートを実施したところ、もっとも多い通塾回数は週2回で、全体の約45%を占めました。次いで週3回が約24%で、週1回が19%でした。
週4回以上通うケースも一定の割合でありますが、中学生は部活や習い事など学校生活が忙しくなるケースが多いでしょう。毎日のように塾の予定を入れてしまうと、子どもの負担が大きくなります。そのため、平均してみると比較的無理なく続けやすい週2回の頻度で利用していることが多いと言えるでしょう。
ただし、この通塾頻度は集団塾や個別指導塾などの塾の指導形態によっても異なります。例えば、個別指導では週1回が9割以上を占めている一方で、集団塾では週3回が6割以上という結果となりました。塾の種類や通う目的、受講科目の数によって回数が異なることがわかります。
より詳しいアンケート結果を知りたい人は、こちらの記事で紹介しているのでご覧ください。
中学生は塾に週何回通うのがベスト?学年別に紹介
学年によって中学生が塾に通う回数の目安は異なります。例えば、集団塾では学年によって用意されているコースや通塾日数が変わるのが一般的です。個別指導塾の場合にも学年に応じてベストとされる一般的な通塾回数は異なります。
ここからは、通塾する上でベストな週の通塾回数を学年別に紹介します。ただし、学年に関わらず学力の状況や通塾目的によって差はあります。基礎学力がついていない、難関校の受験を目指しているといった場合には通常より多くの週回数で受講する必要があるでしょう。
一般的な例を紹介しますので、受講回数を決める一つの目安として参考にしてください。
中学1年生は週に何回塾に通うべき?
中学1年生が塾に通う場合は週1〜2回がおすすめです。
中学1年生は小学校から上がり、新しい生活が始まったばかりの学年で、部活動が本格化すれば、先輩たちの練習量についていくために毎日体力をめいっぱい使うことになります。慣れない生活の中でさらに塾のボリュームを多くすると、集中力やモチベーションの低下につながります。
1年生の学習内容は基礎基本が中心になるため、週1~2回でも継続して通い続ければ学力の維持・向上を図ることは可能です。新生活に支障が出ない程度の無理のない範囲で通塾することで、結果的に基礎学力の習得を目指せます。
勉強面で大きく不安がある場合には、学校生活や塾に慣れて体力が身についてきたタイミングで週の回数を増やしたり、定期テストが近づいてきた時だけ通塾回数を調整したりするのが効果的です。勉強内容の習得状況を見ながら、塾と定期的に相談して対応しましょう。
以下の記事では、中学1年生におすすめの塾や、塾を選ぶ際のポイント、費用の相場について紹介しています。中学1年生での最適な塾を選ぶための参考にしてください。
中学2年生は週に何回塾に通うべき?
中学2年生の通塾回数は週2~3回くらいがおすすめです。
高校受験までまだ時間があるものの、少しずつ受験を見据えた対策を始めていく必要があります。学校で勉強している範囲の内容ばかりではなく、これまでの復習や受験対策として応用問題へのチャレンジも始めていきたい時期です。また苦手科目がある場合は、克服のために学習時間をしっかり確保すべきタイミングでもあります。
中学2年生にもなれば学校生活には慣れているころなので、徐々に学校の授業以外での学習にも力を入れ始めましょう。
以下の記事では、中学2年生で塾に通うメリットや注意点、2年生からの塾の選び方を紹介しています。こちらもぜひ塾を検討するための参考にしてください。
中学3年生は週に何回塾に通うべき?
中学3年生はいよいよ受験生と言われる学年で、勉強に本腰を入れる時期のため、通塾回数は週3回以上が目安となります。週1~2回の通塾だけでは演習や指導時間が不足し、志望校対策が不十分になる可能性があります。
また、学習習慣がついていなかったり苦手科目があったりする場合には、週4回以上通塾している子どもも少なくありません。受験直前になって慌てて対策をしようとすると、時間が限られているため子ども本人にかかる負荷が大きくなりがちです。学力に不安がある場合には早い段階から高い頻度で通塾し、徐々に周りに追いつけるように学習を進めていきましょう。
以下の記事では、中学3年生での塾の選び方や各塾の特徴、費用の目安を紹介しています。塾選びに不安がある人はこちらも参考にしてください。
集団指導と個別指導では週に通う回数の選び方は異なる
集団指導と個別指導ではコースの決め方や受講方法などが違うため、通塾回数の決め方が異なります。
ここでは、集団指導塾と個別指導塾それぞれの特徴や通塾回数の決め方を紹介します。
集団指導塾は科目数によって決まる
まず、集団指導塾では学年ごとにいくつかのコースが決められているのが一般的です。例えば、英語と数学を強化する週2回コース、5科目を学習する週3回コースなどが用意されています。指導を受ける科目数によって通塾回数が決まります。
5教科対策ができるのに越したことはありませんが、その分週回数が増えるため通塾への負担が大きくなるでしょう。例えば、理科や社会は暗記が中心なので、自学自習でも学校の授業や試験の対策には取り組みやすいといえます。日常生活が忙しい場合には最低限必要となる英語・数学に絞って受講するのも一つの方法です。
集団指導塾の場合には、用意されているコースの中から、各家庭で受講希望の科目が含まれているものを選択して受講回数を決めます。日常の学校生活や部活動など日々のスケジュールと、受講が必要な科目のバランスを考えながら決めていくことが大切です。
個別指導塾は学習状況や目的によって決まる
個別指導塾は子ども一人ひとりの学習状況や目的に合わせて通塾回数を選べます。受講科目はもちろん、1科目あたりの受講回数まで柔軟に選択できるため、子どもにとって本当に必要な教科に絞って効率的に通えるのが特徴です。
例えば、苦手な科目は重点的に週2回通い、より伸ばしたい科目は週1回通うというようなスケジュールの組み方もできます。塾によっては受講科目以外も宿題や自習でサポートしているところもあるため、通塾の負担を最小限に留めながら勉強を進めることが可能です。
個別指導塾の場合は融通が利くため、どのように受講科目や通塾頻度を決めたらいいかわからないという人もいるでしょう。子どもの学習状況や、目的を相談したうえで塾側から提案してもらうという流れで通塾回数を決定するのが一般的です。
相談する際には事前に週に何回くらいなら通えそうなのかを子どもと相談し、イメージを持ったうえで話ができるとスムーズに話を進められます。成果を出すために必要な回数で通えるようにじっくり相談しながら決めましょう。
中学生で塾に週1回通うのは意味ない?
「週1回だけ塾に通うのは意味ないのかな?」と疑問に思っている人もいるかもしれません。塾に通う場合、週に2~3回くらいをイメージされる人は多いのではないでしょうか。
しかし実際には週1回の授業でも、プロ講師から指導を受けることは子どもにとっては大きな刺激や自信につながります。少ない頻度の受講でも十分に効果を得ることは可能です。
塾で授業を受けて「わかるようになった!」「できるようになった!」という成功体験が勉強へのモチベーションになり、ほかの科目へも前向きに取り組めるようになったというケースは少なくありません。部活や習い事で忙しくて両立させることへ不安がある場合にも、週1回であれば負担にもなりにくく続けやすいでしょう。
一方でデメリットとして考えられるのは、受験対策や複数科目のフォローを目的とした時に週1回の受講では十分にカバーしきれなくなることです。勉強への苦手意識が強い子どもの場合には指導すべき内容が多いため、成果を出すまでに時間がかかり、塾に通う意義を見い出せずにやる気が下がる可能性があります。勉強が嫌い・苦手な子どもほど、通塾回数はある程度確保するのがおすすめです。
週1でも塾に通う意味はありますが、しっかりと成果につなげるためには目的や子どもの状況に合わせて慎重に最適な回数を見定めることが大切といえます。
中学生で週何回塾に通うべきか悩んでいる方のよくある質問
中学生で塾を検討する際、週何回通わせるかは多くの保護者が悩むポイントです。
ここでは通塾回数を決める時に感じる疑問や質問への回答をまとめて紹介します。
学年によって適切な通塾回数は異なる?
塾に通う適切な回数は子どもの学年によって異なります。学年が上がるほど学習内容は難しくなり、それに比例して必要となる学習時間も増えていくためです。中学1年生の時は週1回で十分だった子どもでも、中学3年生になり受験対策が必要となれば週3回以上が適切になることもあります。
もちろん最適な通塾回数は学年だけではなく子どもの学習状況や通塾目的によって異なります。あくまで学年での適切な通塾回数は目安として捉えておきましょう。成績や学力を向上させるためには、継続的に無理なく通塾できる回数を子どもと一緒に考えながら決めていくことが大切です。
中学生の塾の料金相場は?週の回数によっていくら異なる?
中学1年生では年間約27万円、中学2年生で約29万円、中学3年生は約46万円が相場で、塾代は学年が上がれば増加するのが一般的です。
特に中学3年生では年間の塾代が一気に跳ね上がる傾向があります。これは中学3年生になると受験対策が目的で塾を利用するため、通う回数が週3回以上になることが多いためです。さらに季節講習や特別講座、模試代、教材費なども加算されるため、年間の総額は非受験学年と比べると大きく差が出ます。
週1回の授業であれば月1.5~2.5万円ほどの月謝で収まりますが、週3~5回ともなると月3~5万円以上かかることが多いです。個別指導塾の場合にはさらに高額になることも珍しくありません。塾の指導形態や受講する科目数によっても費用は大きく異なるため、事前の下調べと無理のない予算設計をしておくことが重要です。
中学生は1日何時間勉強すればよい?
アンケート結果によると、中学生全体における平均勉強時間は約1時間27分となっています。中学1年生での平均勉強時間は約1時間、中学2年生で約1時間38分、中学3年生で約1時間51分です。学年が上がり学習内容が難しくなるにつれて平均勉強時間は増加し、受験を控える学生が多い中学3年生では2時間近く勉強していることがわかります。
また、塾に通っている子どもは、通塾していない子どもに比べて休日に2時間以上多く勉強する割合が12%も高いことがわかりました。塾という環境に身を置き、やることが明確になっていると勉強時間にも差が出てくることが見えてきます。
ただし、あくまで学習時間は一つの目安であり、大切なのは時間の長さよりも学習内容の質です。1時間ダラダラと勉強に向かうよりも、15分集中して課題に取り組む方が学習効果が高いこともあります。
勉強時間を確保するときは「いつまでに、どこまでできるようになる」という目標に重点を置きましょう。その結果、勉強時間として〇時間費やしていた、という状態を目指すのが理想です。
中学生から塾に通う場合はどのタイミングで入るのがよい?
塾に通うタイミングとしてもっともよいのは中学1年生の4月です。中学の学習内容は小学校までの基礎学力を基盤にしながらも新しい単元を扱います。最初から塾に通っておくことで、理解が不十分な単元をつくらずに着実に学力を高めることが可能です。
塾選で行ったアンケートでも、中学生で塾に通い始めるタイミングとしてもっとも多いのは中学1年生の4月という結果が出ています。中学の初めから塾に通っておくことで早い段階で高校受験を見据えた対策も取れるためおすすめです。
次に多かったのが、夏期講習が始まる7~8月の夏休み前後での入塾。長期休みを利用した夏期講習期間は塾通いをスタートさせる絶好のタイミングといえます。
通塾頻度はどうやって決めればいい?
通塾頻度を決めるときは、利用する塾の指導形式や通塾目的に合わせて考えましょう。
集団指導塾では受講するコースによって科目や通塾回数が決められています。選択できるコースの中から、受講したい科目が含まれているものを選びましょう。学習習慣を身につけたい、基礎学力を上げたい、という目的であれば週2回程度を目安に決めていくのがおすすめです。
個別指導塾の場合は科目や週回数を自由に決められます。必要な科目に絞って週1~2回を目安とした通塾であれば無理なく通えるでしょう。テスト前のタイミングで授業を追加したり、他の科目のサポートもしてもらったりなど柔軟に調整できるため、継続的に通いやすい回数から始めるのがおすすめです。
とはいえ、受験対策を本格的に始めたい、来月の試験に間に合うように対策したい、など通塾目的によっては回数を増やさないと成果が出づらい場合もあります。入塾を決める前に、現状の学力と目標を踏まえてどのくらいの頻度で通塾する必要があるのかを候補の塾に相談してみましょう。
中学生の通塾回数は目的や現在の学力などによって決めましょう
中学生にとって最適な通塾回数は、学年や現在の学力、塾の指導形式や一日のスケジュールなど、子どもの状況によって大きく異なります。学年ごとの通塾回数の目安はありますが、全員に当てはまる明確な答えはありません。
まずは本記事で紹介した内容を参考に、子どもと「何のために塾に通うのか」「どのくらいの頻度なら頑張れそうなのか」を一緒に話し合ってみましょう。子どもの気持ちに寄り添いながら負担が大きすぎない頻度での通塾から始めるのが大切です。
それでも迷う場合には、教育のプロである塾に相談してみましょう。子どもにとって最適な頻度を一緒に考えて必要な通塾回数を提案してもらえます。
通塾回数は塾に通い始めてから変更できます。子ども自身が「頑張って通ってみよう」と思える頻度であることと「学習成果が出やすい頻度」のバランスを意識して決めていきましょう。
執筆者プロフィール

塾選(ジュクセン)編集部です。実際に学習塾の運営経験がある者や大手メディアの編集経験がある者などで構成されています。塾選びにお悩みの保護者や学生の方に向けて有益な情報をお届けします。