塾ってどんなところ?通う目的や塾の特徴を徹底解説!
編集部
塾選(ジュクセン)編集部
子供によっては学校だけでなく、塾に通って勉強をしていることも少なくありません。しかし、そもそも塾はどのようなところなのでしょうか?一口に塾といっても場所によって目的や種類が異なるため、事前に理解しておくことが大切です。 今回は一般的な塾に通う目的、そして個別指導や集団指導などの主な塾の種類について徹底解説します。これから塾通いを考えている人は、ぜひ参考にしてくださいね。
塾とは?
ほとんどの子供は小学校や中学校、高校などで勉強をしていることでしょう。塾も基本的には勉強をする場所ですが、学校とは明確な違いがあります。
学校は国が定めた学習指導要領と呼ばれるカリキュラムに基づいて、すでに授業内容はある程度決まっています。一方の塾は民間企業が運営しているため、特にカリキュラムは決まっていません。塾ごとに経営理念や対象者、目的、そして具体的な授業内容は異なります。たとえば、基礎からスタートして学校の授業理解を目的としているところ、公立中学校への進学準備を目的としているところ、そして難関中学や高校、大学受験対策を目的としているところなどさまざまです。
また授業スタイルもバラエティ豊かです。学校のようにたくさんの生徒が一緒に授業を受ける集団型、1クラスの人数をセーブした少人数型、そして1対1のマンツーマン指導を受けられる個別型などがあります。
通いたい目的、そして希望やニーズなどに合わせて、たくさんある塾の中からピッタリな場所を見つけることが大切です。
塾に通う目的は?
いま実際に塾に通っている子供は、具体的にどのような目的を持って勉強をしているのでしょうか。塾に通う一般的な目的を4つご紹介します。
受験勉強のため
まずは受験勉強のためです。子供によっては小学校受験や中学校受験、高校受験、そして大学受験を目指していることもあるでしょう。現在の学力や志望校のレベルにもよりますが、ケースによっては独学で受験勉強を進めていくのはとても大変です。特に難関校の入学試験では学校の授業では習わないよう問題も出題されるため、受験対策ができる塾に通って専門的に勉強する必要があります。
学校の勉強に追いつくため
一般的に学校の授業は基礎的な内容となっています。しかし子供によっては学習項目を上手く理解できず、授業に付いていけないこともあるのではないでしょうか。勉強は一つひとつの積み重ねです。これまでに勉強した項目をベースとして、学期や学年が進むにつれて難しくなっていきます。そのため一度つまずきが生じたら、つまずいている箇所に立ち戻って、勉強をし直さなければいけません。
塾の中には基礎力養成や学校の授業理解を目的としているところもあります。通っている学校の授業進度に合わせてカリキュラムを組んだり、理解不十分な単元にさかのぼって復習してくれたりする塾があるのも特徴です。
勉強の習慣をつけるため
3つ目は勉強の習慣をつけるためです。学校のテストで良い点数を取ったり、志望校に合格したりするためだけでなく、社会人になってからも通用するような高い学力を身に付けるためには、基本的な勉強習慣が求められます。しかしいくら親や学校の先生が「勉強しなさい!」と言ったところで、子供に積極的な勉強意欲がなければ習慣化はしません。
習慣化させるために大切なのが、成功体験をたくさん積むこと。「分かった!」「自分で問題が解けた」といった成功体験を積み上げていくことで勉強への意欲が高まり、学習が習慣化していきます。塾の中には単に勉強を教えるだけでなく、子供のやる気や学習意欲を引き出すために、さまざまな工夫をしているところも少なくありません。勉強習慣の習得を目的として、塾に通っている子供もいます。
自宅で1人になるのを防ぐため
最後は自宅で子供が1人になるのを防ぐためです。上記で紹介した3つとは少し違った目的ですが、共働き家庭が増えている現代では決して珍しいものではありません。核家族で親が共働きをしており、子供が学校から帰ってから1人で過ごす機会は多くなりました。しかし子供が1人で過ごすことに不安を感じ、塾に通わせる親は少なくありません。塾に通っている間は、大人が学習指導を通して見守ってくれるので安心ですよね。また同時に学力向上にも役立ってくれるので、一石二鳥といえるでしょう。
「指導方法」から塾を選ぶ
次に塾の種類や特徴についてご紹介していきます。まずは「指導方法」について。マンツーマンの個別指導、複数人の生徒が集まって勉強を行なう集団型など、1つずつ紹介していきます。
指導方法1:個別での授業
指導方法の1つ目は個別指導です。名前の通り、生徒一人ひとり個別に学習指導を行います。同じ学年や学校の子供でも、抱える学習ニーズはそれぞれ異なるのが当たりまえです。「算数が苦手」「算数は得意だけど、国語の成績が悪い」「学校の授業に付いていけない」「すでに基礎はできているので、入試に向けた問題演習をたくさんこなしたい」など、さまざまなことでしょう。
複数の生徒が一緒に受ける塾の場合、個々の生徒に合わせて授業を行うのは難しいこと。また授業中に分からないところがあっても、遠慮や恥ずかしい気持ちから質問がしにくく、理解不十分のまま授業がどんどん先へ進んで行ってしまうケースも。その点、個別指導は一人ひとりの学習ニーズや希望に合わせてカリキュラムが組まれ、講師が密に指導をしてくれます。
また常に講師がそばにいるため、質問しやすいのも大きなメリット。分からない点を残さずに、次のステップに進めるでしょう。
ただし個別といっても、必ずしも1対1のマンツーマンとは限りません。講師1人に対して、生徒は2人や3人としているところもあります。また人件費がかさむ分、集団型塾と比べて授業料は高めです。
指導方法2:集団での授業
塾と聞いて多くの人がイメージするのが、集団型の塾ではないでしょうか。複数の生徒が1つの教室に集まって、1人の講師から授業を受ける指導スタイルです。ちょうど学校の授業と同じような雰囲気です。1クラスあたりの生徒数は塾やコースによってさまざま。1クラス10~20名ほどの少人数制を採用しているところもあれば、50名といった大人数となっているところもあります。
コースや講座などによって授業内容や難易度は異なり、予定されたカリキュラムにそって授業が進んでいきます。個別指導と異なって授業内容や進度を個別に合わせることは困難なものの、授業内容に付いていける生徒であればしっかりと成果を出せるでしょう。また学習する目的や学力が同じような仲間と一緒に過ごすことで、切磋琢磨し合えるメリットも期待できます。
指導方法3:オンラインでの授業
3つ目はオンラインです。インターネット環境の発達にともなって、最近ではオンラインで塾の授業を受けられるようになりました。通っている塾の中でオンライン授業を受けるだけでなく、インターネット環境とスマホやパソコンなどの通信機器があれば、自宅でも授業を受けられる塾もあります。自宅で受けられるオンライン授業の場合は、塾に通う必要が生じません。部活動で忙しい学生や、自宅近くに学習塾がない子供にもピッタリです。
ライブ形式で講義を受ける形式の他、あらかじめ録画された映像授業を受ける形式までバラエティ豊かです。塾によっては日本一流講師の講義を受けられるところもあり、大きなメリットといえるでしょう。基礎から応用、難関校受験対策までさまざまな講座がそろっている塾もたくさんあります。
また映像授業の場合はビデオをストップしたり、巻き戻したりすることも自由自在。分からなかった箇所は、何度もくり返して視聴できるので学力をしっかり定着させることができます。
指導方法4:自習型
最後の指導方法が自習型学習塾です。塾によって自立型や巡回型とも呼ばれています。基本的に講師による授業は行われず、子供それぞれが自分の課題に取り組む学習スタイルです。
パソコンやタブレット、プリントなどの学習教材を使用して各自で勉強を進めていき、分からない箇所があったら講師に質問します。自分のペースで勉強できるのがメリットでしょう。
「目的」から塾を選ぶ
次に、塾が掲げる「目的」について。たとえば、基礎からスタートして学校の授業理解を目的としているところ、公立中学校への進学準備を目的としているところ、そして難関中学や高校、大学受験対策を目的としているところなどさまざま。1つひとつご紹介していきます。
タイプ1:進学塾
塾には大きく4つのタイプがあります。1つ目のタイプが進学塾です。進学塾は中学受験や高校受験に特化した対策を目的としています。入試から逆算してカリキュラムが組まれており、他の学習塾と比べて学力が高い生徒が集まりやすいのが特徴です。塾によっては入塾テストを課しており、一定の学力に達していないと入塾さえできないところもあります。
余裕を持って入試問題演習に取り組むために授業進度は速く、学校の授業では習っていない学習項目を勉強する塾も少なくありません。
タイプ2:補習塾
2つ目のタイプは補習塾です。補習型は主に学校の授業理解や成績アップを目的とした塾を指します。塾の学習指導は学校の授業理解のために予習復習を軸としており、学校の授業進度に合わせて進んでいくのが特徴です。理解不十分な箇所が見つかると、必要に応じて理解していない箇所へさかのぼって丁寧に指導もしてくれます。
また中学生や高校生の場合、学校の定期テスト直前には対策授業や講座が開催され、テスト範囲に合わせて弱点克服や問題演習などを行ってくれるでしょう。めんどう見の良さをアピールしている塾も多く、手厚い体制で子供の学習をサポートしてくれます。
タイプ3:総合学習塾
総合学習塾は上記で説明した進学塾と補習塾、両方の機能を持った塾のことを指します。あらゆる子供の学習ニーズに対応しているのが特徴です。
また「基礎学力が身に付いたので、受験対策に切り替えたい」「受験対策をしていたけど推薦入試に合格したため、学校の授業理解に重点をおきたい」など、途中でニーズに変化が表れても同じ塾内で対応できるのは大きなメリットといえるでしょう。
タイプ4:専門塾
最後のタイプが専門塾です。国語や英語、数学などの特定の科目のみを教えるタイプとなっています。対象となる生徒は塾によって異なりますが、基礎から難関校対策まで幅広いレベルに対応しているのが一般的です。
上記で紹介した進学塾や補習塾、そして総合学習塾と比べると規模は小さく、塾によっては塾長が直接指導を行うところもあります。授業料は高めに設定されているところも少なくありませんが、専門的に特定の科目を伸ばしたい子供に適しているでしょう。
「規模」から塾を選ぶ
次に塾の「規模」について。全国に教室を展開している大手の学習塾から、地域に密着した小規模な塾まで。その特徴をご紹介します。
規模1:大手の学習塾
一般的に大手塾とは全国展開をしている、または一部の地域で数多くの教室を持っている塾のことを指します。たくさんの実績やデータから学習指導・受験指導のノウハウを多く有しており、カリキュラムもしっかり定まっていることがほとんどです。
「総合学習塾」と呼ばれている塾が多く、さまざまなコースや講座設定であらゆる子供のニーズに対応しています。難関校受験対策ができる塾もあり、合格実績も豊富です。ただし、フランチャイズとなっているところもあり、大元の学習指導・受験指導のノウハウがどのくらい伝わっているかは教室次第といえるでしょう。
大手=絶対に安心とは考えず、あくまでも教室ごとに指導内容や雰囲気をチェックすることが大切になってきます。
規模2:個人・小規模
2つ目は個人、または小規模の塾です。塾長個人、または小さな法人や団体で経営している塾を指します。教室数は1つだけ、もしくは特定の地域にいくつかだけ持っているケースがほとんどです。
地域の中学校に合わせたテスト対策や高校受験対策を行っている地元密着型の塾、または前述したような特定の科目指導に特化した専門塾などがあります。塾によって対象となる生徒像は異なるため、学校の授業理解なのか受験対策なのかなど、自分の目的にマッチしているかどうかをしっかり見極めるようにしてください。
まとめ
塾は学校と同じように、基本的には子供が勉強をする場所です。ただし塾によって通うことの目的や対象者、指導スタイル、規模などは異なるため、事前に理解をしておくようにしましょう。
子供にあった指導なのか、学習目的を満たしている塾なのかを見極めることが大切です。塾の中には体験授業を受けられるところもあるので、実際に授業を受けてみてから入塾するかどうかの判断をするのも良いですね。
執筆者プロフィール
塾選(ジュクセン)編集部です。実際に学習塾の運営経験がある者や大手メディアの編集経験がある者などで構成されています。塾選びにお悩みの保護者や学生の方に向けて有益な情報をお届けします。