2024/03/26
公開

もっと小学生向けの塾を知ろう!

最近では、私立中学や中高一貫校への進学にも注目が集まっています。特にここ数年、受験者数も毎年約5000人ずつ増加している状況です。こういった背景もあり、小学生のお子さんを持つ親御さんとして気になるのが「学習塾」の存在です。ただ、ひと言で「学習塾」といっても、形態はさまざま。費用や通い始めるタイミングも、塾によって異なります。そこで、このページでは小学生向けの塾についての理解を深められるよう、ポイントをまとめました。ぜひ、参考にしてみてください。

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塾に通う目的を明確に

塾を選ぶときは、最初に“塾に通う目的”をクリアにしておきましょう。目的が明確になっていると、どの塾がお子さんにとってベストなのか判断しやすくなりますよ。それでは、小学生のお子さんが塾に通う目的について見ていきましょう。

中学受験に備えるため

冒頭でもお伝えしたとおり、中学受験を選択する家庭が増えています。都心部は、とくに顕著ですよね。お子さんの学力や志望する学校のレベルにもよりますが、学校の授業と家庭学習だけで受験に備えるのは、とても大変です。受験では、小学校の授業では習っていないような問題が出題されるケースもあります。また、中学受験に関するノウハウを持つ塾であれば、保護者にとっても頼れる存在になります。こういった理由から、しっかり対策を練ることができる塾で専門的に勉強をするお子さんが多いと言えます。

なお、塾によって方針やカラーが異なります。中学受験は決してラクなものではないからこそ、自分のお子さんに合っている環境を選んでくださいね。

学校の授業で学んだことを確実に身につけるため

小学校の授業では基本的なことを学びますが、学年が上がるにつれ、難易度が上がっていきます。放っておいたら、テストで散々な点数…といった親御さんの声を聞くことも。

低学年のうちは親御さんのフォローで間に合うことも多いですが、子供の成長に伴い、フォローしきれなくなってきます。中学受験を考えているわけではないけれど、学校の授業でついていけない部分がある。不得意な分野について強化したい。そういったニーズがある場合、塾通いを検討する家庭が多いようです。
塾によっては、学校の授業進度や個人のペースに合わせてくれることも。分かるまでしっかり教えてもらうことで、勉強が楽しくなったり、自分から復習するようになったり。勉強への意欲が高まると、学習の習慣化を図ることができます

長期休暇などを活用して、学力アップを目指すため

長い夏休みなど、比較的時間のある長期休暇に学力面の底上げを図りたい。春休みのような進級前のタイミングで、1年間学習したことを復習したい。こういった目的で活用しやすいのが、塾などで開催される季節講習です。

季節講習のみ申し込むことができるケースも多いため、試しに受けてみて、子供に合っているようなら通塾を検討するといった家庭もあります。

どんな塾を選べばいい?指導法別メリット・デメリット

「○○中学に進学したい」「苦手分野を克服したい」「学習習慣を身につけたい」など、理由は十人十色。通塾の目的は、明確になりましたか?

目的がクリアになったら、どんな塾が我が子に合っているのかを検討しましょう。まずチェックしておきたいのが、指導方法です。次の4つの指導方法について順番に紹介します。

1.個別指導
2.集団指導
3.オンライン
4.自習型学習塾

お子さんの性格や志向により、適した環境、向かない環境があります。それぞれの特徴を踏まえて、じっくり検討してください。

1.個別指導

講師と生徒“1対1”の授業を受けられるのが、個別指導塾です。ただし、塾によっては生徒の人数が3名など少人数で実施するケースもあります。カリキュラムを組むというよりは、子供の学力や理解度、家庭からの要望などに合わせて授業を展開していくスタイルが多いです。

次のメリット・デメリットを見ても分かるように、自分のペースで学習に取り組むことができるため、マイペースなタイプのお子さんに向いています。また、少人数で質問しやすい環境です。引っ込み思案なタイプのお子さんも安心して授業を受けられるでしょう。

<メリット>
・個人の学力に合わせた授業を受けられる。
・自分のペースで学習を進められる。
・分からないところがあったら、すぐに質問できる。
・スケジュールの自由度が高く、習い事との両立がしやすい。

<デメリット>
・集団塾に比べると、月謝が高い。
・学生の講師が多く、指導力にバラつきがある。

2.集団指導

1人の講師が授業を行い多数の生徒が受講する、いわゆる集団塾です。雰囲気としては、学校の授業のような感じ。塾のカリキュラムに沿って、授業を進めていきます。

塾によっては、学力ごとにクラス分けがあることも。この場合、塾内の定期テストを受け、成績が良ければクラスアップ。もちろん、逆にクラスダウンもあります。また、大手進学塾では、私立中学・中高一貫校など希望する進路ごとのコースがあったり、志望校に特化したクラスがあったり。生徒数が多いため、受験に関するノウハウを豊富に持ち合わせています。

ライバルと切磋琢磨しながら成長していける環境がありますから、負けず嫌いなお子さんに向いています。また、1人よりも仲間がいたほうが頑張ることのできるタイプのお子さんは、モチベーションを保ちやすいでしょう。

<メリット>
・個別指導に比べると、月謝は安い。
・塾のカリキュラムが確立しており、学習指導について任せることができる。
・他の生徒との間に競争意識が芽生え、切磋琢磨できる。

<デメリット>
・控えめな性格のお子さんの場合、講師に質問しづらいことがある。
・子供のペースで学習を進められない。
・理解度が低くても授業は進むため、ついていけないと大変。

3.オンライン

最近はインターネットを通じて自宅で学習できるサービスも増えています。中学受験向けのオンライン塾や家庭教師を活用するケースも珍しくありません。通塾の必要がないため、隙間時間を活用できるのが魅力ですね。

通信環境を整えることができれば、オンラインで授業を受けることが可能です。講師や家庭教師と1対1の個別指導、進学塾などが制作した映像授業を視聴して学習を進めるなどのスタイルがあります。保護者が授業の様子を実際に確認できるのも、安心です。

<メリット>
・自宅で授業を受けられる。通塾の必要がない。
・スケジュールを組みやすい。授業1コマから、受講可能。受講時間が自由ということも。
・授業料が安い。

<デメリット>
・通信環境が不安定な場合、利用しづらい。
・映像授業の場合、その場で質問することができない。
・自宅のため、気が緩むことも。集中力が求められる。

4.自習型学習塾

塾によっては、自立型や巡回型とも呼ばれています。オンライン指導で使われるような映像授業をはじめ、IT・AIを活用したデジタル教材を使用します。基本的に講師による授業は行なわれず、子供それぞれが自分の課題に取り組む学習スタイルとなっています。

自習型、自立型という言葉からも分かるように、「自分から勉強する力」を育てることを目的としています。分からないところは講師が個別に指導してくれるなどのサポートも魅力です。

<メリット>
・個人の学力、ペースに合わせた授業を受けられる。
・主体的に学習する習慣をつけられる。
・講師に質問・相談しやすい。

<デメリット>
・比較的新しい指導方法のため地域が限定されている。また、定員の空きがないことも。

費用は、どれくらいかかるの?

公立・私立小学校における学校以外での活動費を見ると、自宅学習や学習塾・家庭教師などの支出が最も多いという結果があります(文部科学省「平成30年度子供の学習費調査」より)。では、具体的にどれくらいの費用がかかるのでしょうか。

ここでは、代表的なスタイル「個別指導塾」「集団塾」について紹介します(金額については地域差もありますので、ひとつの目安として参考にしてください)。

1.個別指導塾

講師1人に対して生徒が1~3人のスタイルということで、人件費がかかるのが特徴。そのため、集団指導の塾よりも月謝が高めになることが多いです。学年別の月謝相場を見てみましょう。

・4年生 3万円~4万円
・5年生 3万円~5万円
・6年生 4万円~5万円

全体の相場としては、3万円~5万円となっています。塾によっては、入塾するタイミングで入会金が必要だったり、別途教材費やテスト(模試)代などが必要だったりします。年間でどれくらいの費用がかかるのかなど、事前に問い合わせてみることをおすすめします。

2.集団指導塾

集団指導は、個別指導塾に比べるとやや安めの月謝となります。

・4年生 2万円~3万円
・5年生 2万円~4万円
・6年生 3万円~4万円

全体の相場としては、2万円~4万円となっています。ただし、こちらも個別指導塾と同様、入会金や、教材費、テスト(模試)代などが別途必要なことが多いです。中学受験向けの進学塾などはオプション講座なども豊富で、通常の月謝以外にかかる費用が発生します。個別指導塾と同様、自身で直接確認することが大切です。

3.教材費

集団指導の塾であれば、ほとんどの場合、教材費が必要となります。毎年必要となる費用ですから、こちらもお忘れなく。1科目につき3000円から5000円ほどになるのが相場です。ただ、塾によっては3万円ほどかかるケースもあるため、事前にしっかり確認しましょう。

個別指導の場合は、自分の持っている教材を使うこともあります。指定教材がある場合は、そちらを使います。

このように、授業料としての月謝以外にもかかってくる費用があります。毎月かかるお金というよりは、年間でどれくらい必要なのかといった視点で判断するとよいですよ。

通い始める時期は、いつ頃がいいの?

塾に通い始める時期については、通塾の目的によって変わってきます。ここでは、中学受験対策・補習対策の2つの視点からまとめました。参考にしてみてください。

1.中学受験のための通塾の場合

中学受験に備えて塾に通う場合、「進学塾」を選ぶことが多いですよね。一般的に、進学塾では小学校3年生の2月から中学受験のカリキュラムをスタートさせます。年間を通して、どの時期にどんな単元を学ぶのかといった計画が立てられており、それに沿って授業が進みます。

ですから、できれば新学年の始まりから通塾できるとよいですね。中学受験を検討している家庭は、お子さんが3年生になった頃から進学塾の情報収集をしていきましょう。ちなみに、年度途中からでも入塾することは可能です。また、3年生の2月でなくても志望校に合格するケースもたくさんあります。焦り過ぎず、検討しましょう。

2.補習のための通塾の場合

学校の授業で学んだことをしっかり身につけたいと考える場合、「補習塾」が選ばれます。こちらについては、学校のテストの点数がひとつのポイントです。目安は、70点。それ以下の科目が目立ってきたら、補習塾などでフォローすることをおすすめします。

また、学校から出された宿題への取り組み方もヒントになります。自分1人では進めることができないなど、お子さんが壁に直面している場合は通塾を検討しましょう。高学年になると、親御さんがフォローしきれない部分も出てきます。苦手意識が根付いてしまう前に、対策を講じることができるとよいですね。

まとめ

いかがでしょうか。塾は小学校とは異なり、通う目的、費用、学習スタイルなどさまざまです。家庭とお子さん自身に合う環境かどうかをしっかり見極めていただければと思います。また、親御さんと塾の相性についても大事な確認ポイント。小学生の通塾は、親子の二人三脚です。保護者への対応などについても確認しておくことをおすすめします。ぜひぴったりの「学習塾」を見つけてくださいね。
 

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塾選(ジュクセン)編集部

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塾選(ジュクセン)編集部です。実際に学習塾の運営経験がある者や大手メディアの編集経験がある者などで構成されています。塾選びにお悩みの保護者や学生の方に向けて有益な情報をお届けします。

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