最近は小学校1年生を含む、低学年から通える塾が増えてきました。 低学年から塾に通っている子どもの家庭では「中学受験に向けて、早い段階から対策をスタートしておきたい」「学習習慣を身に付けさせたい」など、さまざまな理由があります。しかし一方で「低学年からの塾通いは無駄」といった声をありますが、実際のところはどうなのでしょうか? 今回は低学年からの塾通いについて、メリットとデメリットを交えながら解説します。
目次
小さい子どもがい親御さんの中には、低学年から塾に通わせるのは無駄・無意味と考えている人がいます。
そう思っている理由はさまざまですが、「小学校低学年のうちは塾に通って勉強するよりも、友達とたくさん遊んだり、博物館や科学館などへ連れて行って実体験を積ませたりする方が有意義」「低学年で習う学習項目は、家庭で親が十分教えられる範囲」「早い段階から塾に通いはじめると次第に勉強のモチベーションが下がり、中学受験勉強がスタートする小学校高学年で息切れしてしまう」などと考えている人が多いですね。
結論を述べてしまうと、低学年から塾に通うことに意味があるかどうかは、個人によって感じ方が異なります。
保護者が子どもの教育に対して何を大切にしているのか、そして子ども自身がどのような性格を持っているのかなどによって、塾にメリットを感じるかどうかは違ってくるためです。ただし実際に低学年の頃から塾に通わせていた親御さんの中には、後述する具体的なメリットを感じている人も少なくありません。
多くの塾、特に中学受験対策を目的とした学習塾では小学校の新4年生からスタートします。正確には3年生の2月から通塾をはじめる人が多く、3年生の秋ごろからすでに塾選びがはじまっているのです。
本格的な中学受験対策カリキュラムがはじまるのは、小学校5年生になってから。しかし5年生以降の学習項目は範囲とレベル、どちらも一気に上昇します。
そのため5年生になってから中学受験対策をスタートさせた子どもに中には、いきなり難しくなった学習内容に付いていけず、大きな苦労をすることも少なくありません。
しかし新4年生から通塾すると1年間の準備期間が生まれ、余裕を持って5年生からの受験勉強に臨めるのですね。
以下では、小学生が通うおすすめの学習塾をご紹介。特徴や費用を徹底解説していますので、ぜひチェックしてみてください。
そもそも低学年の子どもが通う塾では、どのような学習指導が行われているのでしょうか。コースの内容や通塾頻度、そして気になる費用について見ていきましょう。
低学年向けの学習塾では、週に1~2回ほどの通塾としているところがほとんどです。4年生以上の場合はカリキュラムの多くが学校授業の先取りや、中学受験対策としていることから通塾頻度はもっと多くなるものの、低学年での通塾頻度は多くありません。
週に1~2回程度なら学校の授業にも支障をきたさず、また習いごとをしたり友達と遊んだりする時間も十分確保できるでしょう。また塾によっては宿題を課すところもありますが、量は少なめに設定されています。
プリント問題を自分で解いて講師にチェックをしてもらうタイプの塾では、週1回の通塾で月謝は5,000円~10,000円ほどです。一方、進学塾や個別指導塾の場合、週1回の通塾で月謝は10,000円~20,000円が相場となっています。進学塾や個別指導塾は少し割高ですね。
また塾によっては入会金やテスト費用、各種の特別講習費などが必要となることもあります。
具体的なカリキュラムは塾によって大きく異なります。最近良く見かけるのが、思考力や発想力をトレーニングするコース。迷路問題やパズル問題、ゲーム、そして作文などを通して、思考力や発想力を鍛えます。
最近の中学受験では、知識の暗記のみで解けない問題が出題されるようになりました。ベースに思考力や発想力、そして表現力などが求められており、上記のような学習塾で学ぶ意義はあるといえるでしょう。
また全ての学習のベースとなる国語・算数の読み書きや計算といった、基礎力養成に力を入れている学習塾もあります。塾によっては「国語だけ」「算数だけ」と、1科目だけ選択できるところも少なくありません。
以下では、小学生が通うおすすめの学習塾をご紹介。特徴や費用を徹底解説していますので、ぜひチェックしてみてください。
中学受験におすすめの個別指導塾、大手四大塾についてさらに詳しく知りたい方はこちらをご参照ください。
・【2024年】中学受験におすすめの個別指導塾17選|塾の選び方、集団塾との違いも解説
・中学受験の塾を徹底比較!大手四大塾「SAPIX(サピックス)」「日能研」「四谷大塚」「早稲田アカデミー」を含む塾選びのコツとは?
低学年のうちから塾に通わせようか迷っている人にとって気になるのが、具体的にどのようなメリットがあるのかではないでしょうか。主なメリットを全部で4つチェックしていきましょう。
1つ目は学校の授業が余裕を持って受けられることです。
学校の授業の先取りや、読み書き・計算力の習得に力を入れている塾の場合、塾で学習した内容をもう一度学校の授業で習うため、気持ちに余裕が生まれます。また二度学習で理解もさらに深まっていくでしょう。
高い学力を習得するためには、継続的に勉強を行う必要があります。突貫工事のように一気につめ込んだ知識は絶対に定着しません。勉強は一つひとつの積み重ね。毎日コツコツと勉強をすることで、中学受験をはじめとする難関クリアに必要な学力が身に付いていくのです。
定期的に塾に通う、塾で課された宿題を自宅でこなすプロセスを通じて、自然と学習習慣を身に付けられるでしょう。学習習慣はできるだけ早い段階で習得しておくことが大切です。
3つ目は勉強に対するモチベーションを保てることです。
勉強のモチベーションを一定に保つのは、想像以上に大変なこと。しかしモチベーションをキープできないと勉強したりしなかったりと散漫になり、なかなか学力は伸びていきません。
学校には勉強が好きな子や嫌いな子、積極的に勉強をする子やしない子など、さまざまなタイプの子どもがいます。もし自分の子どもの周りに勉強が嫌いな子や勉強をしない子が集まってしまうと、周りに影響を受けて自然と勉強への意欲も低下してしまうはずです。
しかし塾には勉強を頑張っている仲間がたくさんいます。互いに切磋琢磨し合うことで、勉強のモチベーションを一定に保てるでしょう。
また塾の講師も子どものやる気を上手に引き出してくれるため、「よし頑張るぞ!」と積極的な気持ちになれるはずです。
最後のメリットが、早い段階から塾の雰囲気に慣れることです。
中学受験や公立中学校進学に向けて、小学校高学年から塾通いをはじめる場合、子どもによっては全く新しい環境で緊張をしてしまいます。塾の講師や他の生徒、教室の配置、そしてカリキュラムなど、普段通っている学校とは全く違った環境です。
慣れるまでに時間を必要としたり、もしかすると馴染めずに退塾したりする可能性もあるでしょう。適応能力が高い小学校低学年から塾に通っておけば、早い段階で塾の雰囲気に慣れることができます。
続いては低学年から塾に通うデメリットを紹介します。
まずはテストの成績に一喜一憂してしまう可能性があることです。学校や塾で行われるテストの成績が良いと、おそらく多くの子どもや親や喜ぶことでしょう。
しかし小学校低学年で行われるテスト結果は、本物なのかどうか定かではありません。テストの成績が優秀な子どもでも、学年が上がるにつれて成績が下がってしまうことは良くあることです。
「前は成績が良かったのに」と、勉強に対して自信を失う可能性もあるでしょう。低学年のうちから、テスト成績に一喜一憂するのは良くありません。
特に先取り学習をしている学習塾に通う場合、塾で学校の勉強を先に行うことから、子どもによっては学校の授業をないがしろにしてしまう可能性があります。
「もう塾で習っているから」と真剣に授業に取り組まず、先生や他の生徒からの印象が悪くなるかもしれませんね。
最後のデメリットが、勉強嫌いになる可能性があることです。
子どもによっては塾に通うことが大きな負担と感じるかもしれません。自宅と塾との往復、勉強時間の増加、塾の宿題、他の友達と遊べないなど、塾に通っていない子どもと比べて自由な時間は減ってしまいます。
負担が子どものキャパシティを超えてしまうと、勉強自体を嫌いになってしまうリスクもあるのです。
低学年から塾に通うと、一般的に次に挙げる3つの力が身に付くとされています。
まずは基礎学力です。名前の通り、全ての学習の土台となるものですね。
基礎学力は文章を正しく読んで意図を正確に理解する読む力、適切な文字を用いて文章を上手に組み立てていく書く力、そしてたし算やひき算、かけ算、わり算を素早く行う計算力から成り立っています。
勉強時間は無限にあるわけではありません。ある程度限定された時間の中で勉強成果を最大限にアップさせるためには、集中力が必須です。
一定の時間中集中して机に向かって、黙々と勉強に取り組むことで、高い学力を得られるようになるでしょう。
最後は前述した学習習慣です。
親や学校の先生にいわれなくても、毎日コツコツと自分のペースで勉強を進めていける力を指します。
低学年で塾通いをする場合、成功に向けたいくつのポイントがあります。
全部で3つ見ていきましょう。
塾によってはテストを行い、点数や成績などといった目に見える形で子どもを評価することもあるでしょう。しかし先に述べたように、特に低学年の頃の成績などの結果はまだ本当のものかどうか分かりません。そのため、たとえ高い結果を得られたとしても、過度に喜ぶのは止めましょう。反対に良い結果が得られなかったとしても、がっかりしたり落ち込んだりする必要もありません。
低学年の塾通いで大切なのは、楽しく勉強できることです。「勉強が楽しい!」と感じられることが学習意欲や学習習慣につながっていくため、長い目で見た時に効果があるといえるでしょう。
2つ目のポイントは友達や家族と遊ぶ時間を大切にすることです。
低学年の子どもは遊びを通して社会性やコミュニケーション力、道徳性、創造力、そして達成感といった、これから社会で生活するために必要な力を身に付けます。たとえ塾に通うことになったとしても、遊ぶ時間をしっかり確保してあげましょう。
最後は子どもが嫌がったら、無理に塾へ通わせないことです。
子どもを想う気持ちから塾に通わせたいと強く願う親もいますが、実際に塾に通って勉強をするのは子ども本人。子ども自身が嫌がっているのにも関わらず無理に通わせるのは、本人にとって大きなストレスとなりかねません。
子どもの意志を最優先に尊重してあげましょう。
小学校低学年から塾に通うことに否定的な意見もありますが、意味があるかどうか、メリットを感じるかどうかは個人によって異なります。
実際に塾に通わせた親の中には「学習習慣が身に付いた」「余裕を持って中学受験に臨めた」といった、前向きな感想を持っている人も少なくありません。ただし実際に通わせる場合は成績にばかり着目しない、友達や家族と遊ぶ時間を作る、もし子どもが嫌がったら無理に通わせないといった配慮することが大切です。
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この記事を執筆した執筆者
塾選(ジュクセン)編集部です。実際に学習塾の運営経験がある者や大手メディアの編集経験がある者などで構成されています。塾選びにお悩みの保護者や学生の方に向けて有益な情報をお届けします。
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