中学生の子どもを持つ多くの親にとって大きな関心となるのが高校受験です。第一志望の学校はもちろん、できれば現在の学力よりもレベルが高い学校へ合格してもらいたいと思っている人も多いのではないでしょうか。高校受験を目指している中学生の中には、塾に通って勉強している子どもが少なくありません。塾に通うことで効率的に受験勉強を進められますが、気になるのが塾費用です。 今回は高校受験までの塾費用について公立中学校・私立中学校別の塾費用相場、そして塾検索サイト『ジュクセン』がおすすめする塾の料金情報も一緒に紹介します。
公立と私立を問わず、中学生の中には学習塾に通っている子どもが少なくありません。一般的に私立中学校の多くは公立中学校よりも学習レベルが高いことで知られていますが、それぞれで塾にかける費用に違いはあるのでしょうか。
下記の表は文部科学省が発表した「平成30年度子供の学習費調査」による、公立・私立別の学習塾にかける費用相場です。
学年 | 公立中学校 | 私立中学校 |
---|---|---|
中学1年生 | 110,774円 | 117,141円 |
中学2年生 | 178,408円 | 156,644円 |
中学3年生 | 313,780円 | 186,569円 |
3学年平均 | 202,965円 | 153,365円 |
3学年の平均を見ると、公立中学校は私立中学校よりも50,000円ほど高くなっていることが分かります。中学1年生では私立中学校の方が若干高くなっていますが、学年が上がるにつれて公立中学校の金額がどんどん私立中学校を上回っていきます。中学3年生になると両方の差額は100,000円以上と高額です。
差額の理由は高校受験。公立中学校の場合は高校受験の準備として、学年が上がるごとに学習塾に通い始める子どもが増えていくのです。公立高校受験では内申点(中学校における成績)が評価の一つとなっているため、できるだけ高い内申点を取ることを目的として塾利用を考える子どもや親が多くなる傾向があります。
また中学3年生では直接的な受験対策として、塾に通っている子どもが少なくありません。対して私立中学校の場合は中高一貫校で高校受験をする必要がなかったり、受験をするにしても学校内で補習といった受験対策体制が整っていたりすることから、公立中学校ほど学習塾に費用がかからない特徴があります。
下記の表は「平成30年度子供の学習費調査」に基づいた、公立・私立別の学習塾にかける費用分布です。
金額 | 公立中学校 | 私立中学校 |
---|---|---|
0円 | 30.7% | 39.7% |
~10,000円未満 | 1.4% | 2.7% |
~50,000円未満 | 6.5% | 5.8% |
~100,000円未満 | 6.5% | 6.5% |
~200,000円未満 | 13% | 14.2% |
~300,000円未満 | 13.4% | 12.2% |
~400,000円未満 | 10.1% | 7.1% |
400,000円以上 | 18.4% | 11.8% |
年間1円以上支出者のみの平均額 | 293,000円 | 254,000円 |
公立中学校では約7割の子どもが、私立中学校では約6割の子どもが学習塾に通っていることが分かります。
年間1円以上の支出者、つまり学習塾に通っている家庭だけの平均額を見ると、公立中学校と私立中学校の間における金額差は約40,000円です。
塾費用は学習塾によってピンキリです。具体的な費用は塾ごとに異なるものの、指導スタイルによっておおまかな費用相場はあります。まずは中学生を対象とした個別指導と集団指導、それぞれの費用相場を見てみましょう。
学年 | 個別指導塾の月謝 | 集団指導塾の月謝 |
---|---|---|
中学1年生~2年生 | 30,000円~50,000円 | 25,000円~40,000円 |
中学3年生 | 40,000円~70,000円 | 30,000円~50,000円 |
個別指導塾は生徒一人ひとりに講師が付いて、それぞれの学習ペースや課題に合わせて勉強できるのが特徴です。生徒1人に対して講師が1人付く完全マンツーマンスタイルもあれば、生徒2人~3人に対して講師が1人付き、1人ずつ順番に解説をしていくスタイルもあります。
多くの個別指導塾では生徒個々のニーズに合わせて学習カリキュラムを作成してくれるため、効率的に高校受験に向けた勉強を進めていけるでしょう。常に講師がそばにいることから、分からない箇所はすぐに質問をして解消できるのも大きなメリットです。確実に理解をしてから次のステップに進めるので、しっかりと成績アップができます。
1対1の完全マンツーマンスタイルは人件費が必要となる分、生徒複数に対して講師が1人付くスタイル、また後述する集団指導塾と比べて授業料は最も割高です。さらに塾によっては授業料以外に入会金やテスト代、教材代なども求められるかもしれません。また授業料は1コマあたりで設定されるため、受講コマ数が多くなればなるほど1カ月間の支出も大きくなります。
集団指導塾は複数の生徒が同じ教室に集まり、同じ講師から授業を受けるスタイルを指します。学校で行われる授業と同じようなものと考えて良いでしょう。目的や学力別にクラス編成されることが多く、同じような状況にある仲間たちと切磋琢磨し合いながら勉強できるのが特徴です。ライバル意識がプラスに働く子どもに合っている指導スタイルといえます。
費用相場は前述した個別指導塾と比べるとリーズナブル。人件費を抑えられるのが大きな理由です。ただし個別指導塾と同じように塾によっては入会金やテスト代、教材代などが必要となります。また進学塾の中には多彩な講座を選べるようになっており、講座ごとに受講料が必要です。
塾費用の安さは大きなメリットの一つですが、個別指導塾と違って子どもが授業カリキュラムに合わせて勉強を進めていかなければいけません。そのため分からない箇所を放置してしまったり、自分の学力よりも高いレベルのコースを受講してしまったりすると、授業に付いていけなくなる可能性も。授業レベルやカリキュラムが自分にピッタリ合っているかどうかを良く検討し、受講中に分からないところが出てきたら積極的に質問をして解消していくことが大切です。
続いては当サイトがおすすめする学習塾の料金を紹介します。栄光ゼミナールと臨海セミナー、ITTO個別指導学院、明光義塾の4つです。
塾名 | コース | 指導スタイル | 月額費用 |
---|---|---|---|
栄光ゼミナール | 高校入試対策コース | 集団指導 | 要問い合わせ |
難関高校入試対策コース | |||
高校入試準備コース | |||
早慶附属推薦入試対策/国立・早慶附属高校対策 | |||
臨海セミナー | 総合進学コース中学1年生(東京教室の場合) | 集団指導 | ・17,710円(英数国) ・21,890円(英数国理社) |
総合進学コース中学2年生(東京教室の場合) | ・20,119円(英数国) ・24,728円(英数国理社) |
||
総合進学コース中学3年生(東京教室の場合) | ・22,319円(英数国) ・27,038円(英数国理社) |
||
個別指導+TSP(徹底指導プログラム) | 個別指導 | 15,950円 | |
ITTO個別指導学院 | スタンダードプラン中学校1年生(早稲田校の場合) | 個別指導(生徒3名×講師1名) | ・8,800円(50分授業) ・12,900円(90分授業) |
スタンダードプラン中学校2年生(早稲田校の場合) | ・9,300円(50分授業) ・13,400円(90分授業) |
||
スタンダードプラン中学校3年生(早稲田校の場合) | ・9,600円(50分授業) ・14,000円(90分授業) |
||
フリープラン中学校1年生(早稲田校の場合) | 個別指導(生徒1名×講師1名) | ・12,900円(50分授業) ・18,600円(90分授業) |
|
フリープラン中学校2年生(早稲田校の場合) | ・13,500円(50分授業) ・19,700円(90分授業) |
||
フリープラン中学校3年生(早稲田校の場合) | ・14,100円(50分授業) ・20,500円(90分授業) |
||
明光義塾 | 中学1・2年生の週1回90分(東京都新宿区の場合) | 個別指導 | 14,300円 |
中学3年生の週1回90分(東京都新宿区の場合) | 15,400円 |
栄光ゼミナールは首都圏を中心に教室を持つ進学塾。これまでに蓄積された膨大な受験データをベースとして、生徒一人ひとりに適した受験指導を行います。少人数制クラスを採用しており、集団指導塾でありながらも画一的な指導はしません。個々に合った課題選択や解説を通して、高校受験突破を目指します。開成や早慶を目指す子どもを対象としたコースも開設されており、難関校を目指す子どもも効率的に受験対策を進めていけるでしょう。
ホームページ上に授業料は公表されていません。資料請求をすることで、授業料が確認できるページを取得できるようになります。各自で問い合わせてください。
東京と神奈川、千葉、埼玉、大阪で教室を展開しているのが臨海セミナーです。集団指導の他に個別指導も提供しているため、子どものニーズに合わせて指導スタイルを選べます。
子どもが授業内容を確実に理解しているかをチェックするために、授業中の口頭確認や確認テストを適時実施。苦手科目があった場合は講師が一緒に対策を考え、必要な指導を行います。
個別指導は生徒2人に対して講師が1人付くスタイル。1回の授業時間は100分で、前半50分は講師による解説授業が中心です。後半50分はTSP(徹底指導プログラム)で、解説で学んだ内容について問題演習を通して定着させていきます。
ITTO個別指導学院は全国に1,156の校舎を持つ個別指導塾。創業以来個別指導を提供し続け、一人ひとりの目標や課題に合わせたきめ細かい指導を行います。オーダーメイドカリキュラムで指導が進められるため、「前の学年に戻って復習したい」「志望校の入試問題演習に取り組みたい」といった個別のニーズにも応えられるのが特徴です。
内申点に直結する定期テスト対策も充実。授業は教科書に沿った形で行われ、さらにテスト直前には集中特訓授業のテストターボが開催されます。生徒3人に対して講師が1人付くスタンダードプランの他、完全マンツーマンのフリープランもあるため、希望や状況に合わせて選ぶと良いでしょう。
最後は全国展開している明光義塾です。テスト本番でも一人で問題を解けるように、付きっきりではない個別指導を行っています。学校ごとの進度や範囲を把握した上での定期テスト対策、そして志望校の出題傾向をしっかり分析した上での高校受験対策など、定期テスト・高校受験対策でしっかり結果が出せるようなカリキュラムです。
また授業で理解した内容を自分の言葉で講師に説明するプロセスを通して、テスト本番に強い実力を身に付けられます。
通塾で必要なのは授業料だけではありません。塾によって詳細は異なりますが、授業料以外でも費用が必要となる場合があるので注意しましょう。授業料以外にかかる主な費用を紹介します。
1つ目は入会金です。最初に塾へ入る際に必要となる費用を指します。費用相場は1万円~2万円ほど。一般的に進学塾で高くなる傾向にあります。
塾によっては授業料とは別に、授業で使用する教材費を徴収しているところがあります。費用は塾によって異なりますが、年間1万円ほどを見ておくと良いでしょう。個別指導塾の中には、自分で好きな参考書や問題集を持ち込めるところがあります。新しく参考書や問題集を購入する場合、実費が必要です。その他に模擬試験代として、1回5,000円ほどかかります。
多くの塾で春休みや夏休み、冬休みといった長期休暇中に講習会を開催します。通常授業とは別に開催されるため、参加する際は費用が必要です。自由参加としているところが多いですが、中には通常授業カリキュラムの一貫として、塾生は強制参加としているところもあります。
4つ目は諸経費です。水道代や電気代、設備管理代、通信費などがセットになったものを指します。月2,000円~3,000円程度が相場です。
最後は交通費です。自宅から離れた塾へバスや電車などを使って通う場合、交通費が必要となります。また家族が車で送迎するケースでも、ガソリン代がかかってくるでしょう。
▼中学生が通う塾費用とは?公立・私立別、指導方法別での料金を解説!
・中学生の塾費用の平均は?
・塾費用の内訳
・中学生が通う塾の費用を抑える方法
・塾選びでチェックしておきたいポイント
・当サイトおすすめの中学生向け塾4選
高校受験を目的とした塾費用は決して安いものではありません。そのため「できるだけ塾の費用を抑えたい」と思っている人が多いのではないでしょうか。続いては塾の費用を抑えるための方法を紹介します。
まずはオンライン授業のある塾を選ぶことです。オンライン授業は一般的に、対面式の授業よりも費用が安く抑えられています。下記の記事に詳細を記載していますので、ぜひ参考にしてみてください。
▼学習塾のオンライン授業とは?メリット・デメリットを徹底解説!
・学習塾におけるオンライン授業について
・オンライン塾のメリット・デメリット
・失敗しない!オンライン塾の選び方
・おすすめのオンライン塾を徹底比較
授業のコマ数を多く取れば取るほど、当たり前のことながら授業料はどんどん高くなっていきます。できるだけ費用を抑えたいのであれば、授業のコマ数を調整しましょう。例えば得意科目は自主学習にして、一人では勉強しにくい苦手科目だけ受講する方法もあります。
また指導型式にも配慮してください。個別指導型はスタッフ一人にかかる人件費が高くなる関係から、集団型と比べて授業料が高くなる傾向があります。
最後は助成制度の利用です。自治体によっては子どもの塾費用をサポートする制度があるので、上手に活用しましょう。例えば東京都では「受験生チャレンジ支援貸付事業」を設け、受験学年となる中学3年生の塾に必要な費用を無料で貸し付けてくれます。
塾選びでぜひチェックしておきたいポイントを、全部で3つ紹介します。
絶対に欠かせないのが通塾の目的です。高校受験を目的とした塾といっても、塾やコースによってカリキュラムや対象とする子どもは異なります。例えば平均的なレベルの公立高校を志望している子どもが、難関高校受験を目的とする塾へ通う必要はありません。
また「数学だけが苦手で他の科目の足を引っ張っている」といったケースでは、数学以外の科目を受講する必要性も少ないでしょう。まずは通塾の目的を明確にすることで、自ずと必要な塾やコースが絞られてきます。
2つ目は合格実績や講師・授業のレベルです。特に難関高校を目指している子どもの場合、志望する高校へ塾がどのくらい合格実績があるかは重要な判断材料となります。
また子どもが勉強に集中して効率的に成果を上げるためには、講師や授業の雰囲気も大切です。見学や体験授業の際に、直接確認をしておきましょう。
最後が自習室の有無です。集団塾の中には子どもが空き時間に勉強できるように、自習室や自習スペースを設けているところがあります。ある塾が実施した高校受験合格者を対象としたアンケートでは、志望校へ合格できた理由に「自習室を利用できたこと」を挙げている子どもが少なくありませんでした。
特に自宅では勉強に集中できない子どもにとって、自習室があるかどうかは大きな判断材料となるはずです。
高校受験を目的として塾に通う場合、おおまかに個別指導塾と集団指導塾の間では費用の差があります。個別指導塾は人件費が必要となる分、集団指導塾よりも授業料は高めです。具体的な金額は塾によって異なるため、家計と相談しながら比較検討してみると良いでしょう。
今回紹介した当サイトおすすめ塾の費用も参考にして、子どもに合った塾を見つけてください。
・関連記事 ~この記事を読んだ方は、こちらの記事も読んでいます。
【2024年】中学生におすすめの学習塾22選!塾選びの方法や特徴を徹底解説
【中学生】夏期講習の日程・スケジュールを解説!大手塾情報も紹介
中学生の夏期講習はどのぐらいかかる?費用・平均相場・塾の選び方についても解説!
注目記事
この記事を執筆した執筆者
塾選(ジュクセン)編集部です。実際に学習塾の運営経験がある者や大手メディアの編集経験がある者などで構成されています。塾選びにお悩みの保護者や学生の方に向けて有益な情報をお届けします。
塾選(ジュクセン)編集部の記事一覧を見る