2024/03/26
公開

中学受験と高校受験、どちらが高い?教育費用の総額を比較して解説!

小学生の子どもを持つ保護者の中には子どもを中学受験させた方が良いのか、それとも公立中学校に進学をさせて高校受験をさせた方が良いのか迷っている人もいるのではないでしょうか。 特に気になるのが費用。中学受験をする場合としない場合、それぞれどのくらいのお金が必要なのかは事前に知っておきたい内容です。 今回は中学受験と高校受験それぞれの費用に焦点を当て、具体的にどのくらい必要となるのかについて徹底解説します。

目次

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中学受験、高校受験にかかる費用相場は?

中学受験と高校受験、それぞれである程度の費用は必要です。具体的にどのような費用が必要となるのかを見ていきましょう。

中学受験にかかる費用

一般的には中学受験にかかる費用は次の通りです。

塾費用 

まずは学習塾の費用です。中学受験をする小学生の多くは、学習塾へ通って受験対策を進めていきます。中学入試では一般的に小学校の授業では習わないような高度な問題が出題されるため、学習塾へ通って専門的な指導を受ける必要があるためです。

中学受験対策をしている大手塾の場合、小学校4年生からカリキュラムを組んでいるところが少なくありません。そのため小学4年生に上がったタイミングで、塾に通う子どもがたくさんいます。難関中学校へ多くの合格者を輩出しているSAPIXの月謝は、小学校4年生で40,000円(1年間で480,000円)ほど、小学5年生で50,000円(1年間で600,000円)ほど、小学6年生で60,000円(1年間で720,000円)ほど。つまり3年間で合計1,700,000円ほどの塾費用となる計算です。

詳細は以下の記事で解説しているので、チェックしてみてください。

▼【中学受験】小学生の塾費用は?トータル料金や私立学費についても解説!
中学受験の塾費用はどのぐらいかかるの?
授業料だけじゃない。その他の費用も忘れずに!
小学生の塾費用を抑える工夫・ポイント
中高一貫校(私立・公立)にかかる学費・費用は?
中学受験のメリットや開始時期など!中学受験に関するあれこれ
まとめ

受験費用

2つ目は受験費用です。受験料は学校によって金額が異なり、平均すると1回20,000円~30,000円ほどとなっています。受験する学校数が多くなればなるほど、当たり前のことながら受験料も高くなりがち。決して安くはない金額のため、家庭の予算に合わせて受験校を絞っていく必要があるでしょう。

入学手続時納入金

私立中学校に合格した場合、多くの学校では入学手続時納入金を求められます。全額を一括で支払う必要があるのか、分割が認められているかは学校によって異なるため注意しましょう。相場は200,000円~400,000円ほどです。
複数の学校を受験する場合、学校によっては延納や一部納入を認めているところがあります。
また支払った後に入学を辞退した際、返還してくれるところもあるので事前にチェックしておくと良いでしょう。

入学金

最後は入学金です。入学が決まった段階で支払うことになります。私立中学校の中には合格発表から間をおかずに、入学金の支払いを求めるところもあるでしょう。入学手続時納入金と同じように、複数の学校を併願している場合は延納や一部納入、返金などが認められているかどうかを確認しておくことが大切です。入学金の相場は250,000円ほどとなっています。

高校受験にかかる費用

続いては高校受験にかかる費用です。公立中学校に進学をしてから、公立・私立の高校を受験するパターンとなります。

塾費用

高校受験では子どもの学力や志望校のレベルによって、通塾するかどうかが変わってきます。難関の公立・私立高校を目指す子どもや、自分の学力よりも高いレベルの高校を目指す子どもの場合、塾に通って高校受験対策をするのが一般的です。

SAPIXに通った場合の月額費用は中学1年生で35,000円(1年間で420,000円)ほど、中学2年生で50,000円(1年間で600,000円)ほど、中学3年生で60,000円(1年間で720,000円)ほど。いずれも5科目で4週月の月額料金となっています。3年間で合計1,740,000円ほどの塾費用となる計算です。詳細は以下の記事で解説しているので、ぜひ一読してみてください。

▼高校受験で通う塾費用を比較!おすすめ塾の料金情報も紹介

受験費用

中学受験と同じように高校受験でも受験費用が必要です。意外に思われるかもしれませんが、公立高校入試も受験料が必要となるので注意しましょう。
公立高校の受験料は全国統一で2,200円(ただし福岡県と佐賀県は2,100円)、私立高校の場合は学校によって金額が異なり、東京都の私立高校の受験費用平均額は22,775円となっています。

入学金

入学金は公立高校では全国統一5,650円(ただし福岡県と佐賀県、鳥取県、宮崎県は5,550円)となっています。私立高校の場合、東京都にある私立高校の入学金平均額が251,637円でした。
私立高校入試は公立高校入試よりも早く行われ、さらに公立高校の合格発表前までに入学手続きを求めている学校がほとんど。そのため公立高校を第一志望として併願する場合、私立高校の入学金が無駄になってしまう可能性があります。
学校によっては延納制度を採用しているところもあるので、事前に確認しておくと良いでしょう。

中学受験と高校受験で比較!教育費用の違い

中学受験をする場合と、公立中学校から高校受験をする場合、トータルの支出額はどのくらい違うのでしょうか。
以下の表でチェックしてみましょう。

  中学受験(私立)
をした場合
中学受験(公立中高一貫校)
をした場合
高校受験(私立)
をした場合
高校受験(公立)
をした場合
中学受験費用 2,050,000円 1,800,000円
中学校学費
(中学3年間)
3,200,000円
 
420,000円 420,000円 420,000円
学校外教育費用
(中学3年間)
1,000,000円 900,000円 900,000円 900,000円
高校受験費用 2,100,000円 1,750,000円
高校学費
(高校3年間)
2,160,000円 840,000円 2,160,000円 840,000円
学校外教育費用
(高校3年間)
750,000円 540,000円 750,000円 540,000円
トータル支出 9,160,000円 4,500,000円 6,330,000円 4,450,000円

 

※上記の数値はあくまでも一つの目安になります。中学受験では小学校4年生から塾に通わせる、高校受験では中学校1年生から塾に通わせることを前提に計算しています。

一番費用が高くなるのは中学受験から私立に通わせるパターン。中学受験の費用と中学校・高校と3年間の学費のどちらも、公立より高いのが理由です。最も低い高校受験(公立)と比べると、トータルで500万円近くも差が生まれます。

中学受験、高校受験の費用を抑える方法

先に述べたように中学受験と高校受験では、どちらも高い費用が必要となります。そのため家計によっては、非常に大きな負担をかけることになるでしょう。続いて中学受験と高校受験の費用を抑える方法を紹介します。

オンライン授業を利用する

まずは塾のオンライン授業を利用することです。塾によっては対面式の授業だけでなく、インターネットを活用したオンライン授業を提供しているところがあります。オンライン授業は一般的に設備代や人件費をカットできる分、授業料が対面式よりもリーズナブルに設定されている塾も少なくありません。オンライン授業を利用することで、塾にかかる費用を上手に抑えられるようになるでしょう。

特待生制度・奨学金制度を利用する

特待生制度や奨学金制度の利用もぜひ活用したいところです。特待生度は優秀な生徒を集めるために各学校で実施されている制度。詳細は学校によって異なりますが、入学金の全額・半額免除、授業料の全額・半額免除などがあります。入学試験時の成績上位者だけでなく、各学年の成績上位者など認定基準もさまざまです。

もう一つの奨学金制度とはお金の貸し付けのこと。学校独自に制度を持っている他、日本学生支援機構でも奨学金制度を持っています。利子あり・無利子・給付型と貸し付け内容はさまざまなので、詳細をチェックしてみると良いでしょう。

志望校を絞って受験する

3つ目は志望校を絞って受験することです。受験校を増やせば増やすほど、当然のことながら受験料も高くなっていきます。あらかじめ家庭の予算を設定しておき、何校くらい受験できるのかを知った上で志望校を絞っていくのがおすすめです。

自治体による授業料支援制度を利用する

自治体によっては授業料支援制度を持っているため、条件に該当する場合は活用すると良いでしょう。年収400万円以下などの条件が細かく設定されているため、まずは条件に該当するのかどうか確認してみてください。

中学受験、高校受験それぞれのメリット

最後に中学受験と高校受験、それぞれが持つメリットを紹介します。

中学受験を選ぶメリット

中学受験をする際の主なメリットは、全部で次の3つです。

高校受験(大学受験)の負担が少ない

まずは高校受験や大学受験の負担が少ないことです。中高一貫校の中学部に進学する場合、高校受験をする必要はありません。エスカレーター式に高等部へ進級できます。そのため高校受験に特化した対策をしなくて済むのは助かりますね。

また基本的に授業進度が速く、先取り学習で大学入試に必要となるカリキュラムが早い段階で終わります。残った時間を大学受験対策に特化できるため、大学受験に対する負担も少なくて済むでしょう。

将来の可能性を伸ばせる

私立中学校や公立の中高一貫校では、学校独自に教育理念やカリキュラムを設けています。「国際社会で活躍できる人材育成を目標に、英語教育に力を入れている」「校則をあえて設けず、子どもの自主性や個性を尊重している」など、既存の学習指導要領だけに捉われない教育を受けられるのが特徴です。

子どもの性格や特性、家庭の教育方針に合った学校に入学できれば、子どもが持つ将来の可能性を広げられます。

伸び伸びと勉強ができる

最後のメリットが伸び伸びと勉強できることです。1つ目のメリットで述べたように、高校受験の負担が少ないことから、部活動や課外活動、習いごと、友人との交流などに時間を費やせるようになります。受験勉強だけに捉われない、幅広い観点で伸び伸びと勉強できるようになるでしょう。

高校受験を選ぶメリット

公立中学校へ進学し、高校受験をするメリットは次のようになっています。

さまざまな価値観を持つ仲間に出会える

さまざまな価値観を持つ同級生に出会えるのが、中学受験ではなく高校受験を選ぶメリットの一つです。公立中学校には多種多様な子どもたちが自然と集まってきます。保護者の考え方や教育方針によっては是非が問われるかもしれませんが、子どもの頃から人間の多様性に触れておくことで、一人の人間として大きく成長できるきっかけとなるでしょう。

中だるみしない

高校受験をする場合、必然的に中学校3年生の学習内容を復習することになります。中学校の学習内容は高校受験だけでなく、大学受験でもベースとなるもの。高校受験をきっかけに基礎を固めておくことで、大学受験にも十分役立つ力となってくれます。
高校受験の必要がない私立中学校や公立中高一貫校へ進学する場合、子どもによっては中だるみして勉強せず、大学受験で苦労するケースも実際にあることです。

まとめ

小学校4年生から塾に通わせて私立中学に入学した場合、高校卒業までに必要となるトータル費用は約9,160,000円。一方公立中学校へ進学して、中学1年生から塾に通って高校受験をする場合、高校卒業までに必要となるトータル費用は約4,450,000円です。ただしこの金額は、一つの目安であることに注意してください。

中学受験をする場合でも公立中高一貫校に通うと、公立高校受験と比べて費用差は大きくありません。中学受験をしたいけど、費用が気になる人は公立中高一貫校の受験を検討するのも良いでしょう。
 

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塾選(ジュクセン)編集部

この記事を執筆した執筆者

塾選(ジュクセン)編集部です。実際に学習塾の運営経験がある者や大手メディアの編集経験がある者などで構成されています。塾選びにお悩みの保護者や学生の方に向けて有益な情報をお届けします。

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