中学生の春休みの学習計画の立て方|勉強時間や勉強方法も解説
編集部
塾選(ジュクセン)編集部
中学生の春休みは学年の終わりとなることから、中だるみしてしまう子どもも珍しくありません。中だるみを防いで春休みを有意義に過ごすためには、学習計画を立てることが大切です。今回は春休みを有効に過ごすための学習計画の立て方について、理想的な勉強時間やおすすめの勉強方法と一緒に紹介します。
中学生の春休みにまずはどのくらい勉強できるかを考えてみよう
具体的な春休みの学習計画を立てる前に、まずはどのくらいの勉強時間を確保できそうなのかを考えてみましょう。期間が短い春休みには、子どもによってはたくさんの予定が入っているかもしれません。
事前に勉強できる時間をある程度確認しておくことで、学習計画づくりがスムーズに進みます。
部活動や予定との両立がポイント!
中学生のなかには、学校の部活動へ参加していることもあるでしょう。特に新中学2年生と新中学3年生で部活動に参加している子どもの場合、勉強と部活動を上手に両立させることが大切です。
冒頭でも述べたように、春休みは学年の終わりとなることから中だるみしがちな時期。勉強に対してなかなか意識が向かず、反対に部活動にばかり一生懸命に取り組んでしまうことも少なくありません。
保護者が「勉強しなさい」といくら言っても、子どもは反発して、ますます勉強しなくなってしまいます。また友達と遊んだり、家族と一緒に出かけたりするなど、余暇の予定を持つことも中学生の春休みには必要なことです。
部活動や余暇の予定と勉強を、上手に両立させることを考えてください。春休みに入る前に部活動のスケジュールや余暇の予定を整理して、空いた時間でどのくらい勉強できるか考えておきましょう。
中学生、春休みの理想の勉強時間は?
中学生が春休みに勉強するべき理想の時間は、1日あたり3時間です。ただし、それぞれの状況によって異なります。
たとえば学習習慣が身についており、さらに難関高校の受験を目指す子どもの場合は、1日3時間以上の勉強が必要となるでしょう。反対に勉強の方法もわからず、勉強が嫌いになっている子どもでは、1日3時間は大変かもしれません。
勉強時間についての詳細は以下の記事で解説しているので、ぜひご覧ください。
中学生が春休みを有意義に過ごすための学習計画の立て方
中学生が有意義に春休みを過ごすためには、学習計画が欠かせません。無計画のまま春休みを迎えてしまうと、「まったく勉強しないまま、いつの間にか新学年になってしまった」という状況になる可能性も考えられます。
学習計画の立て方には以下で紹介する5つのポイントがあるので、しっかりと頭に入れておきましょう。
学校の宿題はできるだけ早く終わらせる
学校によっては春休み中に宿題が課されるかもしれません。宿題の量や内容は学校によって異なりますが、できるだけ早く終わらせてしまいましょう。春休みの前半で終わらせるのが理想です。
早めに宿題が終わると、残りの時間を子どもの学習ニーズに合った勉強にあてられます。また春休み前から宿題の内容がすでにわかっている場合、休みの前から少しずつ取り組んでおくことも有効です。
復習をメインに計画を立てよう!
基本的に春休み期間中は、学校の復習をメインに学習計画を立てるようにしてください。
春休みは1つの学年の終わり。これまでの1年間で勉強した学習単元をふり返る、絶好のチャンスです。特に中学校の勉強内容は小学校よりも難しく、一度つまずくと、どんどん遅れを取ってしまうことになりかねません。
春休みのうちに1年間の復習をして、わからない学習単元を理解することで、4月以降の勉強もスムーズに進められるようになります。
しかし短い春休みの間のみで、1年間の学習内容をすべて復習するのは不可能です。「あれもやろう、これもやろう」と広範囲に手を出すと、勉強が中途半端になって思ったような学習成果は上がらないでしょう。
ポイントは復習するべき単元や分野を絞って、ピックアップすること。春休み中でも消化できる量や範囲に絞って、効率的に復習を進めていくことが大切です。
苦手な単元や分野がわからない場合、これまでの定期テストや模擬試験の結果をふり返ったり、学年のまとめができる薄い問題集を解いてみたりすると良いでしょう。復習するべき箇所がわかったら、教科書や参考書、問題集などをフル活用して克服していきます。
苦手な単元や分野が特に見当たらない場合は、主要5教科を薄い問題集で一通り復習するのがおすすめ。また応用問題に積極的にチャレンジするのも効果的です。
数学と英語に力を入れる
主要5教科の中で優先的に取り組んでほしいのが、数学と英語の2つです。数学と英語は他の科目と異なり、積み重ねの科目といわれています。
一つの学習単元がベースとなり、連鎖的に次の学習単元へ続いていくため、苦手とする子どもの場合は短期間で克服するのが困難です。たとえば定期テストや模擬試験の前、受験直前に少し勉強したからといって、すぐに得点には結びつかないでしょう。
そのため比較的時間に余裕のある春休み中は、数学と英語に特に力を入れることが大切です。
余裕がある場合は予習も効果的
春休み中は復習に力を入れるのが基本ですが、もし余裕がある場合は予習をするのも効果的です。4月以降に使用する教科書を使って、先取り学習を進めていくと良いでしょう。余裕を持って学校の授業に臨めるようになります。
特に気が緩みがちとなるゴールデンウィークあたりまでの学習範囲を勉強しておくと、後々の学習もラクになるはずです。まだ習っていない範囲を自分で勉強するので、基礎理解だけで問題ありません。
数学は例題や解説を良く読みながら、掲載されている基本問題に取り組んでみましょう。英語は新出単語や熟語の意味を暗記したり、スペルの書き取りをしたりするのもおすすめです。
受験学年となる新中学3年生の場合のポイント
受験学年となる新中学3年生の場合、特に以下の3つのポイントに沿って学習計画を立てるようにしてください。
①1・2年のまとめの問題集をやってみる
新中学3年生の多くは、入試本番まであわただしい日々を送ることになります。参加している部活動によっては主要メンバーとなり、引退する夏休みごろまで活動が続くでしょう。
さらに学校の定期テストや模擬試験、塾の季節講習、志望校選びなど、やるべきことが山ほどあります。
そのため、比較的落ち着いて勉強に取り組めるのが春休みです。春休みのうちに中学1年生と2年生分の、まとめの問題集に取り組んでください。一度勉強した箇所でも、時間が経つことで忘れているところもあるはずです。まとめの問題集を通して、効果的に復習できます。
②苦手な部分を把握し、重点的に学習する
まとめの問題集を解きながら、できなかった箇所やわからなかったところにチェックを入れてください。一通り解き終わったらチェックをした箇所を中心に、より重点的に勉強を進めていきます。
1年生と2年生のまとめの問題集を解いて、さらにできなかったところを復習するのは時間もかかって大変です。しかし比較的余裕のある春休み中にこなしておくことで、4月以降の受験勉強がずいぶんとラクになります。
③受験までの勉強スケジュールを考える
最後のポイントは、受験までの勉強スケジュールを考えることです。先に述べたように受験学年となる中学3年生は、非常に忙しい日々を送ることになります。
無計画のまま何も考えずに過ごしてしまうと受験対策が中途半端となり、第一志望校への合格の可能性が下がってしまうでしょう。そのため春休み明けから受験本番までの、勉強スケジュールを立てておくことが大切です。
学校の定期テストや模擬試験、塾の季節講習、学校説明会など、あらかじめわかっている予定をベースに、どの期間でどのような勉強をするのかを考えてみてください。
中学生向けの成績アップに向けた春休みおすすめ勉強法
限られた時間の中で効率的に成績アップを達成するためには、ただ闇雲に勉強すれば良いわけではありません。特に主要5教科別と学年別、それぞれに適した勉強法というものがあります。
【科目別】勉強法
ここでは、科目別の勉強法を紹介します。
国語
国語はさらに現代文・古文・漢文と、3つの分野にわけられます。
現代文は漢字や文法といった知識を問われる問題と、小説や論説文などの読解力が問われる問題があります。漢字や文法などは勉強すればするほど得点に結びつくため、苦手な人は春休み中に既習範囲を復習してしまいましょう。
読解力は一日や二日では身につきません。しかし春休み中に読解問題をたくさん解いておくことで、問題文の読み方や問題の解き方のコツはつかめるようになるはずです。
古文や漢文は普段なじみが少ない分、国語の中でも苦手と感じる中学生が多いです。しかし高校進学後も古文と漢文は出題され、中学校で習う項目が土台となることから、いまのうちの基礎力は身につけておくのがおすすめです。
古文は頻出単語の意味を完璧に暗記しましょう。中学校で習う古文の文法はさほど難しくはないため、教科書や参考書に目を通してください。問題集の問題が解けるようになっていればOKです。
漢文も読み方の基本ルールさえ理解すれば、十分に得点源となる分野。基礎知識を頭に入れて、その後は問題演習で知識を使えるようにしておきましょう。
数学
数学は実際に問題を解きながら、勉強を進めていくのが効果的です。
自分が苦手とする単元や分野がわからない場合、学年のまとめ問題集を1冊一通り解いてみたり、これまでに受けた定期テストや模擬試験で間違えた箇所をピックアップしてみたりしましょう。
集中的に勉強するべきところがわかったら、教科者の例題や問題集に載っている基本問題などに取り組んでみます。
問題を解くプロセスや答えは教科書や問題集には直接書き込まず、必ずノートやメモ帳などに書いてください。後から何度も同じ問題にチャレンジできるようになります。
ポイントは2日~3日ほど時間をおいてから、もう一度同じ問題を解いてみること。時間が経っても問題が解けるようになっていれば、知識として定着したことがわかります。
理科
理科は大きく化学・物理・生物・地学と、4つの分野にわかれています。一般的に高校入試では4つの分野からまんべんなく問題が出題されるため、すべての分野をバランス良く勉強することが欠かせません。
同じ理科でも分野によって得意・不得意がある子どもがいます。特に知識の理解が求められる化学と物理は、苦手とする子どもが少なくありません。
学校の教科書の補完本となる教科書ガイドでは、教科書の説明をわかりやすく解説されているので、学校の授業や教科書の内容がわからない子どもにおすすめです。練習問題もついているため、基本的な解説を理解してから腕試しにチャレンジできます。
また公式や法則をノートにまとめてみるのも良いでしょう。これまでに習った公式や法則をそのままノートに書き写すだけでも、十分な復習になります。重要なところは赤ペンで書き写すことで、赤シートを使って知識のチェックにも活用できるはずです。
社会
社会で中心となるのは暗記です。ある程度時間を作って集中的に取り組めば、十分な成績アップが期待できます。
教科書や参考書に載っている歴史上の人物や出来事、年代、地名、都道府県の場所、各地の特徴などを一つひとつ丁寧に覚えていきましょう。
暗記は単純作業なので、子どもによっては集中力が続かないかもしれません。声に出してり、部屋の中を歩きながら覚えたり、ノートに書いたりするなど、飽きずに勉強を続けられるような工夫が大切です。
英語
英語は読解やリスニングの基本となる、単語と文法の復習に時間をかけてください。単語は英語の基本中の基本です。文法のルールを理解していても、英文の中に出てくる単語の意味がわからなければ、文章を正しく読むことはできません。
これまでに習った単語や熟語を意味と品詞、スペリングと合わせて確認しましょう。声に出しながら勉強すると、より頭の中に残りやすくなります。
文法も大切です。単語の意味がわかっていても、文法を知らなければリーディングやリスニング、ライティングはできません。これまでに受けた定期テストや小テスト、模擬試験などをふり返り、理解できていない文法事項に集中して取り組んでください。
英語の文章は意味を考えながら声に出して読むと、英語を英語のまま理解できる力も身につきます。長い英文も一つひとつ日本語に直さず、英語のまま理解できるようになるでしょう。
【学年別】勉強法
最後は学年別のおすすめ勉強法です。
新中学1年生
新中学1年生、つまり小学校を卒業してこれから新しく中学生になる子どもの場合、学校からの課題は基本的にありません。小学校を卒業したことで気が緩みがちですが、学習内容が難しくなる中学生活をスムーズに始めるためには、春休み中も勉強を続けることが大切です。
小学校で習った学習項目の復習に重点をおきます。特に算数を苦手とする子どもの場合、算数にはしっかり時間を割いて取り組んでください。
市販の問題集を1冊購入し、できれば2回以上問題を解きます。中学1年生の1学期で習う数学は、計算問題が中心です。これまでに勉強した四則計算や小数・分数計算などがベースとなるため、しっかり復習しておきましょう。
新中学2年生
新中学2年生は主要5教科のうち、数学と英語を優先して復習します。
数学は中学1年生で習った計算をメインに復習してください。式の計算や文字の式など、苦手とする箇所や取りこぼしがある箇所をピックアップして勉強しましょう。中学2年生の1学期の数学で習う項目に直接つながっているため、定期テスト対策にもなります。
英語は十分な学習時間を確保できるのであれば、中学1年生の全範囲の復習が理想です。難しい場合は単語の暗記、文法は一般動詞とbe動詞、現在進行形に絞って復習すると効果的です。
新中学3年生
受験学年となる新中学3年生になると、苦手科目や苦手な単元が明確になってきます。子どもによっては部活動も本格的に忙しくなり、まとまった勉強時間も確保できなくなるため、春休み中に苦手科目や苦手な単元の克服を目指しましょう。
学校の教科書や参考書、問題集などを活用して、基本的な問題から一つずつ確実に復習してください。春休み中に基礎を身につけておくことで、本格的な受験勉強がラクになります。
学校指定の教科書や参考書でも難しい場合は、さらに優しい参考書を書店で購入しましょう。ただし短い春休みでも、最後まで終わらせられる量のものを選ぶことが大切です。
春休み中に自宅学習が難しい場合は春期講習という手も!
4月以降の新しい学習項目をスムーズに理解したり、志望校に合格したりするためには、春休み中の勉強は欠かせません。
しかし中学生のなかには「自宅では集中して勉強できない」「どこから勉強すれば良いのか、まったくわからない」「学習計画を上手く作れない」など、自宅学習が難しいケースもあるでしょう。
自宅学習が難しい子どもにおすすめなのが、塾の春期講習への参加です。さまざまな学習塾で中学生向けの春期講習を開催しており、自宅学習が難しい子どもでも、無理なく勉強を進めていけます。
塾やコースによってカリキュラムや指導スタイル、主な対象者などが異なるため、子どもの学習ニーズや性格に合った箇所を選ぶことが大切です。春期講習については以下の記事で解説しているので、ぜひ参考にしてください。
まとめ
中学生が有意義な春休みを過ごすためには、春休み前に学習計画を立てることが欠かせません。具体的にどのくらいの勉強時間を確保できるのかを確認した上で、学習計画を作っていきましょう。
計画を作る上でのポイントが、特に復習へ重点をおくこと。これまでに勉強した学習単元を復習し、苦手な科目や分野を克服しておくことで、新学期以降の勉強がスムーズになります。
今回紹介した記事も参考にして、一人ひとりに合った学習計画を作ってください。
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執筆者プロフィール
塾選(ジュクセン)編集部です。実際に学習塾の運営経験がある者や大手メディアの編集経験がある者などで構成されています。塾選びにお悩みの保護者や学生の方に向けて有益な情報をお届けします。