2024/03/30
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【大学受験】夏休みの計画の立て方|高校生がスケジュール表を作るメリットなど紹介

大学受験で志望校に合格するために夏休みの過ごし方は非常に重要な要素の一つです。無駄な時間にしないためにも、スケジュールをしっかり立てるようにしましょう。今回は夏休みのスケジュールの立て方ついて、勉強計画を作るコツやメリット、理想とする1日あたりの勉強時間などと一緒に紹介します。

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【大学受験】夏休みの計画の立て方|高校生の勉強スケジュール

長い夏休みを有効に過ごし、受験勉強を効率的に進めていくためには、夏休みのスケジュール作成が欠かせません。具体的なスケジュールの立て方は子どもによって異なりますが、一般的には次で紹介する4点に沿って作っていくとよいでしょう。

現状の学力を把握する

まずは現状の学力を把握してください。いま自分の学力がどのような位置にあるのかを理解できないと、具体的な学習計画を立てることはできません。地図にたとえると、目的地に対する現在地のようなものです。

現在の学力を正しく理解することで、どの科目に取り組み、どの分野を伸ばせばよいのかがわかってきます。

学力を把握する方法はさまざまです。最も効果的な方法の一つが、過去に受験した模擬試験や過去問の結果を活用してみること。特に模擬試験によっては分野別に細かく結果が記載されているので、どこが苦手で課題となっているのかがわかります。

夏休み明けの理想像を書き出す

夏休み明けに自分の学力がどのようになっていたいのか、理想像を書き出してみることも大切です。大学受験合格といった最終目的に向かって、夏休み明けの中間目標を考えてみましょう。

「受験科目となる数学を、一通り入試レベルまで引き上げる」「苦手な英語に取り組み、大学入学共通テストの予想問題で20点アップを目指す」などです。

理想像は漠然としたもので構いません。理想像をもとにして、後述する1日や1週間単位の細かい学習スケジュールを決めていきます。

夏休み中に取りかかる参考書を決める

数多くある参考書の中から、夏休み中に取り組むものを決めましょう。

参考書選びは夏休みの勉強の成果に大きな影響を与える、重要な要素の一つ。自分のレベルに合っていないものを選んだり、解説がわかりにくいものを選んだりすると、貴重な夏休みが無駄になってしまう可能性があります。

受験情報や評判なども参考にしながら、書店などで実際に確認をしてから購入しましょう。また、取り組む参考書や問題集はむやみに数を増やさないのが鉄則です。同じ参考書や問題集を何度もくり返し取り組むことで、理解力がどんどん深まっていきます。

1日~1週間ごと計画表を作る

取りかかる参考書や問題集が決まったら、最後は1日~1週間ごとの勉強スケジュールを作っていきましょう。

夏休み全体の目標のみでは、具体的に毎日何をどれだけ勉強すればよいのかがわかりにくいためです。夏休み明けの理想像達成に向けて、必要となる勉強量や内容を書き出して、1日~1週間単位で考えていきます。

「8月の第1週は、高校1年生の英文法を復習する」「1日目は文法問題集の1ページ~5ページ、2日目は6ページ~10ページ」など、逆算的に考えていくとスムーズです。毎日の予定が決まっていると何を勉強しようか、いつから始めるかなど余計なことを考えなくて済むため効率的に学習を進められるでしょう。

【大学受験】夏休みのスケジュールを立てる時のコツ

夏休みの学習スケジュールは、最後まで実行できなければ意味がありません。「最初にスケジュールを立てたけれども、途中で計画通りに進まなくなってしまった」といった状況におちいらないために、以下で紹介するコツを意識して作ってみましょう。

1日単位での学習時間を決める

1日単位でどのくらい勉強をするのか何時から何時まで勉強するのかを細かく設定しましょう。

あらかじめ勉強時間を決めておくことで、「15時までには終わらせよう」「あと1時間で今日の勉強が終わるから、最後まで頑張ろう」などと勉強へのモチベーションアップに役立ちます。

勉強は1回で長時間おこなわず、午前・午後・夜などに分けておこなうのがおすすめ。集中力を切らさずに、毎日長時間の勉強を続けられるようになります。

夏休み中の理想となる勉強時間は高校1年生で3時間~4時間高校2年生で7時間高校3年生で10時間以上です。ただし子どもの学力や志望校のレベル、入試科目数などによって異なります。

ある程度の勉強量は勉強の質にも影響を与えるため、できるだけ多くの学習時間を確保するように意識しましょう。

優先順位を決める

夏休みにやるべきことの中で、さらに優先順位を付けることも大切です。

たとえば国語と英語が入試科目になっていても、国語の配点が100点、英語の配点が200点だった場合、国語よりも英語の方が重要であることがわかります。また苦手科目の程度も子どもによって異なるため、それぞれでどの科目、どの学習を優先するのかをよく考えてみましょう。

優先順位を決めておくことでさまざまな科目へ手を出したり、「数学を勉強しているけれども、国語もやった方がよいのかな?」と迷ったりすることもなくなり、勉強効率のアップにもつながります。

息抜きする時間をあらかじめ決めておく

あらかじめ息抜きをする時間を決めておくことも、夏休み中の勉強を最後まで継続するためのポイントです。

毎日朝から晩まで勉強漬けでは、ほとんどの高校生は不完全燃焼になってしまうでしょう。適度に休憩をして、リフレッシュすることで無理なく勉強を続けられるようになります。

1日の中で息抜きする時間を決めておき、テレビを見たり、ゲームをしたりと、好きなことに没頭してみましょう。また時には休日も作って、友達と遊んだり、家族と出かけたりすることも大切です。

毎日の終わりにふり返る時間を設ける

毎日の終わりに、勉強内容についてふり返る時間を設けましょう。

最初に夏休み中の計画を立てても、完璧なものとは限りません。実際にスケジュールに沿って勉強を進めていく中で、「今日は上手く進まなかった」「思ったよりも時間に余裕がなかった」など、いろいろと改善する部分が見つかっていくものです。

上手くいった部分と上手くいかなかった部分を分析して、さらに良いスケジュールにアップデートしていきましょう。

計画通りに進まなかったケースも考える

最後は計画通りに進まなかったケースも考えておくことです。

思ったよりも勉強に時間がかかったり、急な予定が入ったり、体調をくずしたりすることで、計画通りに勉強が進まないことは十分にありえること。子どもによっては焦ったり、パニックになったりするかもしれません。

計画通りに進まなかったことを考えて、スケジュールの中であらかじめ予備日や予備の時間を設けておくとよいでしょう。

【大学受験】夏休みのスケジュールを立てるメリット

高校生によっては「夏休みのスケジュールを作るのは、面倒くさい」と感じるかもしれません。しかしスケジュールを立てることには、主に次で紹介するようなメリットがあります。

やるべきことが明確化され、やる気アップにつながる

スケジュールを立てないと、やるべきことが頭の中で整理できません。何をすればよいのかがわからず、勉強へのモチベーションも上がらないでしょう。

スケジュールを立てると、毎日やるべきことが明確になります。夏休み明けの理想像に向けて、1日単位や1週間単位でやるべきこと、進むべき方向が示され、勉強効率とモチベーションが大きくアップするはずです。

自己管理能力がアップする

スケジュールを立てて計画通りに行動すると、自己管理能力上がります。自己管理能力とは目標達成に向けて、やるべきことを自分の頭で考えて、自分の行動をコントロールする力のこと。

先に述べたように、学習計画は毎日ふり返って適時、内容を分析しながら修正していくことが欠かせません。この過程は社会人になっても活用できるPDCAサイクル(計画・実行・評価・改善)と同じで、自己管理能力とも関わっています。

自己管理能力が高くなると、自主的に勉強する習慣が身についたり、自分で課題を見つけて改善に向けて修正したりする力も生まれてくるでしょう。

毎日の勉強内容を考える時間を省くことができる

最後のメリットは、毎日の勉強内容を考える時間を省けることです。

スケジュールを立てずに夏休みの勉強を始めようとすると、毎日勉強内容を考える時間が発生します。また行き当たりばったりで勉強内容を決めてしまうため、目標達成に向けた効率的な学習ができなくなる可能性が高まるでしょう。

最初に毎日勉強するべき内容を決めておくことで、勉強内容を考える無駄な時間を省けます。成績アップや志望校合格につながる学習効率もアップするでしょう。

【大学受験】夏休みはどのくらい勉強すればいい?高校生の平均学習時間

前述したように夏休み中は高校1年生で3時間~4時間高校2年生で7時間高校3年生で10時間の勉強を目標にしてください。受験学年となる高校3年生では長時間の勉強は当然ですが、高校1年生と2年生も、できるだけ長く勉強時間を確保しておくのがおすすめです。

夏休み中に長時間の勉強をしておくことで、勉強への耐性が身につきます。受験勉強が本格化する高校3年生になっても、毎日長時間勉強できるようになるでしょう。ただし上記の理想とする勉強時間は、一つの目安に過ぎません。必要となる勉強時間は、子ども一人ひとりの状況によって異なります。

たとえば国公立大学志望と私立大学志望とでも、必要となる勉強時間は変わってくることでしょう。国公立大学は大学入学共通テストと大学ごとの二次試験が課され、入試科目も多くのケースで5教科7科目(2024年度入試からは6教科8科目)となります。入試科目が多くなることから自然と勉強時間数も多くなり、3,000時間以上の勉強が必要ともいわれているほどです。

できるだけ長く勉強時間を確保することを念頭におき、具体的な勉強時間はそれぞれの状況に合わせて設定するとよいでしょう。

夏休み中の勉強時間については、下記の記事でも解説しています。ぜひご覧ください。

【大学受験】夏休みの平均勉強時間は?|学年別や国公立・私立別に紹介

【大学受験】夏休みの有意義な過ごし方|高校生のやるべきこと

夏休みを有意義に過ごすためには、生活リズムを整えることを意識しましょう。学校の授業がないからといって夜遅くまで起きていたり、朝はいつまでも寝ていたりすると、生活リズムが乱れて勉強する時間を確保できません。

学校があるときのように、毎日同じ時間の起床・就寝を心がけてください。午前と午後、夜と勉強時間をバランス良くふり分けておくと、適度な集中力を保って勉強を続けられるはずです。

また環境が勉強効率に大きく影響を与えるため、勉強に集中できるような環境を整えておくことも重要です。

自宅で勉強する場合は、誘惑になるようなものをあらかじめ排除しておきましょう。テレビやマンガ、スマホ、ゲームなどを自分の部屋から外に出しておくと、気を取られることなく勉強に集中できるようになります。

さらに自分の部屋やリビングなど、1日の中で勉強する場所を変えてみるのもおすすめ。気分転換になって勉強へのモチベーションを維持できるはずです。

大学受験に向けた夏休みの有意義な過ごし方については、下記の記事で解説しています。ぜひ目を通してみてください。

【大学受験】夏休みの有意義な過ごし方|やるべきことや学年別の勉強法など紹介

まとめ

夏休みに入る際に学習スケジュールを立てることで、効率的な受験勉強を進められるようになります。まずは現在の学力を把握し、夏休み明けの理想像を書き出すところからスタートしてみましょう。

計画は1日~1週間単位で立て、スケジュール通りに進まなかったときの調整用として、予備日や予備の時間を設けておくことがポイントです。

長時間の勉強は大変ですが、頑張れば頑張るほど志望校合格に近づくのは確かなこと。今回紹介したスケジュールの立て方も参考にして、有意義な夏休みを送ってください。

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塾選(ジュクセン)編集部

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