2024/03/26
公開

主体性、思考力、表現力…。“これから求められる力”は、対話式で磨かれる【対話式進学塾 1対1ネッツ】

九州エリアを中心に、中国、四国、関東にて個別指導塾を展開している「対話式進学塾の1対1ネッツ」。2001年の創業以来、大切にしてきたのは「生徒一人ひとりと向き合う対話式の授業」と「フランチャイズではない、全教室直営の体制」です。 今回は、具体的な取り組みや想いについて、教務ユニットリーダーの庄野さんに話をお聞きしました。

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▼プロフィール
庄野知佳(しょうの ちか) 教務ユニットリーダー

東北大学卒。「対話式進学塾1対1」の講師としてキャリアをスタート。その後、教室長としての経験を積み、2012年より教務ユニットへ。カリキュラム作成や合格サポートなどを手がける。2021年より現職。プライベートでは、小3の息子がいる。

生徒の個性を認め、自信を引き出すには「対話」が必要

——「対話式進学塾の1対1ネッツ」という塾名に込められた想いについて教えてください。

これは私たちが2001年の創業以来、こだわり、大事にしてきた考え方です。今でこそ「1対1」の授業形式は珍しくありませんが、当時は「1対1」といえば家庭教師だけで、塾運営においてはほとんど見かけない形式でした。当然ながら、講師と生徒がマンツーマンで授業を行なえば費用があがります。“塾ビジネス”の観点で考えると、積極的に採用できるスタイルではなかったのが現状だったんです。

——そんな中、なぜ「1対1」にこだわってきたのでしょうか?

私たちが実現したい教育が、「1対1の対話」にあると考えているからです。

学校など集団授業の場合、生徒を見てみると「積極的に手を挙げ発言できる子」がいるのに対し、「答えが分かっていても自分の意見が言えない子」「内容がまだ良く理解できていない子」などさまざまです。当たり前の話ですが、子ども一人ひとりには個性や特性があります。これらの「個性」を無視して、子どもたちの自信ややる気を引き出すのは難しいと考えているのです。

——対話を通じて、「自信」や「やる気」を引き出すということでしょうか?

おっしゃる通りです。「対話式進学塾の1対1ネッツ」の指導スタイルは、原則として同じ講師が生徒を担当しますから、学習課題や進度状況の把握、自宅での学習サポート、メンタルフォローなどあらゆる場面で丁寧に寄り添うことができます。これによって、生徒の自己肯定感が高まり、それぞれの生徒が「主役」として輝ける場所になると考えています。

ある生徒さんの話ですが、入塾したばかりの頃は勉強に自信がなく、とても消極的でした。自分の意見を発言するのが難しかったんです。ですが、講師との対話を通じて解ける問題が増えていき、勉強に対しどんどん積極的になり、成績も大幅に伸びていきました。


——まさに「自信」を手にした状態ですね。

不思議なもので、自信を手にすると科目を超えて成績が伸びるケースも少なくありません。英語や数学だけ受講していた生徒が、勉強のコツのようなものを掴み、国語や理科の成績も伸びたというケースはよく聞く話です。「1対1の対話式」を上手く活用できれば、全科目に対して塾に通う必要はありません。部活や習い事と両立しながら、効率よく成績アップが目指せるスタイルなのだと実感しています。

講師向け研修で、生徒に寄り添う“コーチングスキル”を学ぶ。

——「対話式」についてもう少し詳しく教えてください。

いろいろな意味合いを含んではいますが、一番は「講師と生徒がフラットな関係であること」ではないでしょうか。

講師陣が首からかけている名札の裏にはいくつかの行動基準が記載されています。その最初に書かれているのが「生徒の答えを否定しない」です。生徒が発言をしたとき、たとえそれが間違っていた答えだったとしても、すぐにNGを出すようなことは絶対にしません。この考え方まで合っているよね、他にはこういう考え方もあるんじゃないか?…とアドバイスをするだけ。最終的な答えを生徒が出すことを何よりも大事にしているのです。

——「生徒の存在」を尊重しているとも言えますね。

講師が解説をしていく授業スタイルだと、どうしても教える側と教わる側といった上下関係が生まれます。ですが、一人ひとりが自信を持って勉強に積極的になるには、生徒を対等な存在として向き合うことがとても大切なのです。

——お話を聞いていて、講師も「対話のスキル」が求められるように感じました。

そうですね。一言で“対話”といっても、誰もがすぐにできることではありません。ですから、会社としても年5回の研修を実施し、各講師のスキルアップを目指しています。

特徴的な研修の一つに、コーチングについて学ぶ講座があります。これはコーチング事業を展開する企業と連携し、研修プログラムに沿った形でコーチングを基礎から習得していくもの。こういう生徒の場合、どのように向き合うのか?どのように問いかけていくのか…と、実践に近い形で、学んでいくことができるのです。

「直営」にこだわっているのは、公平で平等な教育環境を築くため


——「対話式進学塾の1対1ネッツ」は、全て直営である点も特徴ですね。

フランチャイズ経営を採用している塾も多いですが、「直営」であることも私たちのこだわりの一つです。

フランチャイズの場合、塾のノウハウをオーナーに渡していく形になりますから、塾のカラーがどうしてもオーナーの想いに寄ってしまうところがあるんですね。一方、「対話式進学塾の1対1ネッツ」が大事にしているのは、教育の格差をなくし、公平で平等な教育環境を築くこと。全107教室(※)どの教室においても、同じクオリティの教育を届ける。そのためには「直営」がベストだと判断しています。

※2022年7月時点で、全107教室を直営で展開


——他にもこだわりがあれば教えてください。

PCやタブレットなどの「ICTツール」を積極的に導入することで、これまで以上に学習環境をトータルにサポートすることができています。これまでは、物理的な問題から教室にいる時間だけの関わりが中心でしたが、「ICTツール」を活用することで自宅での学習習慣も把握することが可能です。さらに、間違いやすい問題、得意な単元などをデータで把握できるので、より「個別化された学習環境」の提供が実現できています。

——「勉強」だけではなく、「勉強生活」で考えていくんですね。

そうです。たとえば、中学受験に関しては、四谷大塚が展開するIT授業「予習ゼミ」を受講することができます。自宅では動画で予習をしてきて、教室では問題を解いて、講師から解説してもらったり、答え合わせをしたり…。こんな風に今の自分の生活にどうやって学習を取り入れていくのかをサポートしていけると考えています。

思考力、表現力…“これから求められる力”が磨かれる場所

——庄野さんはどのような想いで、教育ビジネスに携わってこられたのですか。

私は「対話式進学塾の1対1ネッツ」のアルバイト講師として働き始めたことが、教育ビジネスに足を踏み入れた第一歩になります。そこで創業者である紀洲をはじめ、周囲の人たちの情熱にふれ、大きく心動かされたんです。子どもの自信を引き出すこと、そのためには対話が欠かせないこと、集団ではなく1対1だから築ける関係性があること…熱い想いに共感し、私も仲間になりたいと思うようになりました。そこから講師、教室長、校舎運営の管理などの経験を経て、今に至ります。

——「対話式進学塾の1対1ネッツ」の授業スタイルを信じていらっしゃるんですね。

私には小3になる息子がいるのですが、一人の母親としても学校教育の変化を肌で感じています。自分が子どもだった頃とは、求められているスキルが違っているのです。「学力の定義」が広くなっていて、暗記やテクニックで対応できる学力だけでなく、主体性、思考力、コミュニケーション力、課題解決力…といったものが含まれるようになっている。中学受験の入試においても多様化が進み、過去にはレゴを使って思考を問うような問題が試験に出たこともありました。

——学習だけではない、さまざまな力が求められていますね。

そして先ほど述べたような「物事に対して前向きに考える力」「主体性を持って取り組む力」は、私たちが実践している「対話式」で磨かれていく力だと捉えています。

ですから、私たちが目指すのは「対話式進学塾の1対1ネッツ」の考えを全国に広めていくこと。実は、塾名の“ネッツ”は、ドイツ語でネットワークを意味しているんです。エリアを拡大させていき、全国をつなぎ、「子どもの未来が育つ場所」を築きたいと思っています。

【『塾選(ジュクセン)』編集部 有藤千夏】

※上記は2022年7月取材時の内容になります。 

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塾選(ジュクセン)編集部

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