独自開発した学習管理システムで、個別最適化された“一斉個別指導”を実現【個別指導のグランアシスト】
編集部
塾選(ジュクセン)編集部
広島県福山市内に8教室を運営している『個別指導のグランアシスト』。代表の福原さんは、大手学習塾での経験を積んだ後、地元である福山にて塾を開設しました。その中で、デジタルの役割と人が担う役割を見極め、動画授業と学習管理機能を組み合わせた学習システム『スマスタ』を開発。個別最適化された“一斉個別指導”という新しい指導スタイルで、成績アップを実現しています。今回は、『スマスタ』の強みや大事にしている想いについて、福原さんに詳しくお聞きしました。
▼プロフィール
福原 健太郎(ふくはら けんたろう)個別指導のグランアシスト 代表
広島県福山市出身。京都教育大学教育学部卒業後、大手進学塾に就職。算数・数学講師として圧倒的成果を残し、2013年、地元・福山で『個別指導のグランアシスト』を開始。独自の学習システム『スマスタ』を開発し、学習塾の新しい指導形態を築く。2020年度、一般社団法人教育アライアンスネットワーク主催のオンライン授業コンテストで全国300件中1位を獲得。現在は、キャリア教育にも注力している。
学習管理システムの導入で、一斉個別指導を実現
——『個別指導のグランアシスト』について教えてください。
『個別指導のグランアシスト』は、私が2013年に大手塾から独立し、地元である福山で塾を開いたことが始まりです。現在は、小学生・中学生・高校生を対象にした個別指導塾として、広島県福山市内で8教室を展開しています。
『個別指導のグランアシスト』の特徴は自社で独自開発した学習管理プラットフォーム『スマスタ』を活用している点です。個別最適化された“一斉個別指導”によって、成績向上を実現しています。
——『スマスタ』とは、どのようなものになるのでしょうか?
『スマスタ』が持つ強みは3つあります。1つは授業動画。集中力が続くよう1本5~10分程度の短い動画授業を収録しているので、1コマの授業では「見て、問題を解いて、見て、問題を解いて」を複数回繰り返すことが可能です。理解しないままだらだらと授業を聞き続けるのではなく、きちんと理解を深めることを追求しています。
2つ目が学習管理機能です。これは、次にどのような勉強をすればいいのかが分かる指示だし機能で、講師が生徒の理解度や進捗を見ながら事前に学習プランを設定。生徒は『スマスタ』に表示された指示に合わせて学ぶことで、確実に成績を上げていくことができるのです。
最後3つ目が、トレーニング機能です。英単語や理科、社会といった反復練習が必要な暗記科目に関しては、全問正解するまで終わりません。しかも、暗記できているかをチェックするだけではなく、AIがそれぞれの定着度合を判定し、苦手な問題については頻度をあげて出題をしていく仕組みになっています。何度も何度も繰り返し取り組むことで、正答率100%を目指していくのです。
——これらの機能を自ら創り上げられたんですね。
『スマスタ』を構築することで、一人ひとりの生徒に個別最適化された「一斉個別指導」が可能になりました。周囲からも高い評価をいただいていて、2020年10月に一般社団法人教育アライアンスネットワークが主催した「第1回オンライン・オンデマンド授業コンテスト」では、『スマスタ』のタブレットを用いた学習方法が全国1位に選ばれるまでになりました。
褒めて、励ます。講師にしかできない役割
——勉強はすべて『スマスタ』で行なうのでしょうか?
各単元の解説から定着、確認テストまでの流れを『スマスタ』で完結できるようにはなってはいますが、全てをデジタル化したわけではありません。学習管理機能においても、講師が生徒の状況を把握した上でカリキュラムを組んでいますし、日々の宿題チェック、確認テストの丸付けは、あえて講師が担当する仕組みにしています。
——なぜでしょう?
生徒の様子を把握するためのコミュニケーションだと捉えているからです。たとえば、丸付けをする中で、“今日は調子が悪そうだな”“苦手だった問題を克服できてるな”など、生徒の様子をリアルに感じることができます。そして、生徒が頑張って問題を解いたときには、“よくやった”“頑張ったね”と寄り添い、温かみのある言葉をかけてあげたいんですね。それはタブレットにはできない部分だと思いますし、私たちが講師の役割として大事にしている点です。
——「人と人とが関わる部分」は残されたと。
「人が育つには人の関わりが欠かせない」というのが私たちの信念でもあります。質の高い教育を安定的に提供するために、テクノロジーに任せる部分と、人にしか担えない部分を見極め、これまでにない個別指導の形を築き上げてきました。
しかもこの見極めによって、講師の業務負担は大きく軽減されました。これまで2時間ほどかかっていた学習管理時間は30分に短縮。社員の生産性は268%もアップしたというデータもあります。結果として、生徒の学習状況の把握など生徒に向き合う時間を増やすことができているんです。
——『スマスタ』の導入によって、学習費用も抑えられそうです。
おっしゃる通りで、個別指導塾の平均費用から見ると、3分の2もしくは半分程度だと思います。他の個別指導塾だと週1回分の費用で、当塾は週2~3回通っていただけるのではないでしょうか。
前提として、週1回の塾通いで成績を上げられるのは一部の生徒に限られます。勉強もスポーツと似たところがあって、勉強に向き合う時間が多ければ多いほど、成績アップにつながりやすいんです。もちろん、全てがこのケースに当てはまるわけではないですが、勉強時間と成績はある程度比例すると考えています。ですから、塾通いの目的を考えれば週3~4回は通っていただきたい。けれど、これまではご家庭からは月謝の高さから難しい現状があったんですね。『個別指導のグランアシスト』の価格は、その課題解決に向けた設定ができているのではないかと思っていますね。
「福山市の子どもの教育」に深く関わっていく
——印象に残っている生徒さんはいらっしゃいますか?
中2から『個別指導のグランアシスト』に通い始めて、在学中は講師としてバイトをしてくれて、最終的には社員になってくれた生徒がいます。
その子の入塾当時の成績は、お世辞にも良いとは言えないものでした。今でこそ本人も笑い話にしていますが、当時の数学の点数は12点だったこともあったんです。その後、『スマスタ』を活用した一斉個別指導を通じて、数学は88点にまでアップ。5教科でみると、150点以上点数を伸ばすことができました。さらに高校・短大と進学する中で、『個別指導のグランアシスト』の講師として働いてくれるなど、長きに渡って関わりを持ってくれた生徒でもあるんです。
学生の頃に語っていた夢は「保育士になること」だったのですが、『個別指導のグランアシスト』で生徒たちと向き合う中で、「自分も講師を目指したい」と話してくれて。その時は、素直に嬉しかったですね。今では、小学生を中心に人気講師として活躍してくれています。
——素晴らしい成長ですね。最後に、今後のビジョンについて教えてください。
『スマスタ』に関していうと、先ほどお伝えしたコンテストで1位を獲得したことをきっかけに、他塾への展開を決めました。新たな教材の追加や機能改善、それから活用方法を仕組み化することで、どのエリアのどの塾でも「一斉個別指導」が成功できる仕組みを整えました。『個別指導のグランアシスト』だけでなく、多くの塾でも愛用される学習管理システムとして全国に広げていきたいと思っています。
——なるほど。教室展開についてはいかがでしょうか?
現在は福山市内に8教室を運営していますが、エリアを拡大し、教室数をどんどん増やしていくとは考えていません。それよりも、むしろ「福山市の教育」に対する関与度を深めていきたいと考えているんです。その取り組みの一つが、発達障害・学習障害をもった子どもの支援を行なう放課後デイサービス「まなびのひろば」の開設です。『個別指導のグランアシスト』で培ったノウハウを活かしながら、個人の特性に応じた多種多様な支援をしていきたいと思っています。今後も「福山市の子どもたちにとってよい教育は何なのか?」を考え、形にしていきたいと思っています。
取材後記
取材では、代表の福原さんが地元・福山で塾を立ち上げた時の悩みについてもお聞きすることができました。前職の大手学習塾は、大阪や京都などの都市部で展開していたこともあり、優秀な大学生講師との出会いはそう難しくなかったそうです。しかしながら、福山においては「思うように講師が集まらない」という課題に直面。質の高い授業を維持するためには…と考え、講師として実績をだしてきた自分の授業を動画にすることで解決したといいます。そこで作られたのが、同社の強みでもある授業動画と学習管理機能を組み合わせた『スマスタ』です。その後、2021年のオンライン授業コンテストでは全国300件中1位を獲得、90%以上の中学生が第一志望校に合格など、輝かしい実績を残しています。
無料体験授業では『スマスタ』を使った勉強を実際に体験することが可能です。興味をお持ちの方はぜひ問い合わせをして、その効果を実感してみると良いと思います。
【『塾選(ジュクセン)』編集部 有藤千夏】
※掲載内容は2022年10月時点の情報です。
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執筆者プロフィール
塾選(ジュクセン)編集部です。実際に学習塾の運営経験がある者や大手メディアの編集経験がある者などで構成されています。塾選びにお悩みの保護者や学生の方に向けて有益な情報をお届けします。