2024/03/26
公開

成績アップの鍵は「分かった」の感覚。講師と生徒、1対1の丁寧なやり取りで磨かれる【個別指導塾テスティー】

小学生・中学生・高校生を対象に東京に5教室、神奈川に1教室を展開している『個別指導塾テスティー』。同塾が強みとしているのは「完全1対1の個別指導」と「優秀な学生講師」です。創業者であり代表でもある繁田さんは「自身のこれまでの経験から、この2つを重視した塾を立ち上げたかった」と語ります。それはどのような考えなのでしょうか。繁田さんに詳しくお話を聞きました。

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繁田 和貴(はんだ かずたか)『個別指導塾テスティー』代表
東京都江東区生まれ。開成中・高を経て、東京大学経済学部を卒業。自身の成功・失敗を活かすべく、2006年に『個別指導塾テスティー』 を開校。これまで実践したきた勉強法を分析し、独自の学習メソッドを開発。「受験勉強だけで終わらない一生モノの人間力を」という想いを大切にしている。執筆、講演、テレビや雑誌など多くのメディアにも出演。著書には『中学受験を9割成功に導く「母親力」』『開成番長の勉強術』などがある。

 

完全1対1の個別指導で「分かった」の感覚を磨く

——最初に『個別指導塾テスティー』の特徴について教えてください。

『個別指導塾テスティー』は、中学受験・高校受験・大学受験に対応した完全1対1の個別指導塾で、現在6教室を展開しています。授業は生徒1人に対して講師は1人。その中で、何よりも生徒の「分かった」の感覚を磨くことを重視しています。

具体的な授業の話をすると、講師は教室にあるホワイトボードを使って板書をしながら授業を行い、目の前に座る生徒に多くの問いかけをしていきます。それは、単に「分かった?」と確認する話ではありません。たとえ生徒が「分かりました」と返事をしたとしても、それは本当に理解したとは言えないからです。『個別指導塾テスティー』では、生徒に分かったことを自分の言葉で説明してもらいます。これによって、分かった!の感覚をつかんでいくのです。

——講師と生徒の丁寧なやり取りができるのは、完全1対1だからなのでしょうか。

そう思います。私は、この塾を立ち上げるときに「成績アップにこだわるなら個別指導にすべきだ」と強く感じていました。

大学在学中の4年間、中学受験対策の大手集団指導塾で講師として働いた経験があり、ここで多くの生徒を見てきましたが、授業中にしっかり理解できている生徒はごくわずかなのだと分かりました。学力ごとでのクラス分けはあるけれど、完全に同じ学力ではなくて、科目や単元によってどうしても差は生まれる。実際に授業をしていても、後ろのほうで頷いているけれど、本当は分かっていないんだろうな…と感じる生徒も多く見てきたんです。

授業後、そんな生徒に声をかけて質問教室をします。分かったことを先生に説明してみて?というと、うまく答えられない。そこから個別に何度もやり取りをして、生徒が自分の言葉で説明できるようになって、これが「分かった」の感覚だよと伝える。生徒の「なんとなく」を徹底的に排除できれば定着率が飛躍的に高まり、自然に成績がアップしていくことを学びました。

——授業内容の正しい理解が、成績アップの近道なんですね。

なかなか成績がのびない、理解が進まない…と悩まれる生徒が抱える多くの問題は、授業の理解度の低さにあると思います。授業でしっかり理解して復習をする。このサイクルをまわすことができれば、成績はぐんぐん伸びていきます。

 

年の近い学生講師の存在がやる気につながる

——個別指導の場合、講師のレベルが問われると思いますが、その点についてはいかがでしょうか。

『個別指導塾テスティー』には、東大生を中心に難関大学に通う学生講師が多く在籍しています。しかし、難関大学に通っているからといって誰もが講師になれるわけではありません。合格率は3割程度と厳しい採用試験を通過した者のみが講師を務めているんです。

さらに講師になった後も、生徒に授業を行う前に徹底した研修を実施しています。『個別指導塾テスティー』では研修部門を設置していますので、先ほどお話ししたような「問いかけ重視の指導」について学び、確かなスキルを身につけた講師が授業を担当することをお約束しています。

——社会人講師ではなく、学生講師にこだわる理由は?

自身の学生時代を振り返ったときに、“年の近い先輩の存在がやる気につながるんだ”と感じた経験があり、このスタイルを取っています。

それは、開成中・高での体育祭です。私は中学受験を経て開成中へと進学したのですが、開成の体育祭では入学したばかりの中学1年生の面倒を、高校3年生が「管理責任者」としてしっかりサポートしてくれるのです。開成とはどのような学校なのか?どのような考え方を大事にしているのか?を教えてくれました。1年生も先輩と話をしていく中でだんだんと真剣に取り組むようになっていき、体育祭が終わるときには嬉し涙や悔し涙を流してしまうほど夢中になってしまう、そんな体験をしました。その後、自分が高校3年生になって後輩の面倒を見る立場になったとき、何も分からずにいた中学1年生がたくましく育っていく姿に大きな喜びを感じたのです。

——いわゆるメンターのような存在でしょうか?

まさにその通りで、ここでの体験から年の近いお兄さん・お姉さんのような存在が良い影響を与えるのだと学びました。社会人の講師にももちろん多くのメリットがありますが、『個別指導塾テスティー』では、学生講師だからこそのメリットを最大限活かしていこうと考えています。実際に講師と生徒のやり取りを見ていても、趣味の話や学校の話、親との話など、年齢が近い彼らだから語れる言葉がたくさんあると感じています。

 

社会に出てからも役立つ力を育てたい

——『個別指導塾テスティー』が大事にしてきた考えについて教えてください。

私は、受験勉強を単なる学力向上、知識の習得の場とは捉えていません。志望校に合格することや成績が伸びることはもちろん重要な話ではありますが、受験勉強という試練をクリアする過程において、「自らが目的意識を持ち、目標に向かって頑張る力」を育てていきたいと考えています。この力は、社会に出てからも役立つ一生モノのスキルと言ってよいと思います。

——そのように思われる理由は?

実をいうと、自身の学生時代に反省が多くあるんです。

私はゲームが大好きな小学生でしたが親に勧められるままに中学受験をして、開成中に合格してしまったんです。もともと真面目なタイプじゃありませんでしたから、中学に入ってからは全く勉強をせず…。成績もどんどん下がっていったんですね。これじゃまずいぞ、とテスト前にだけ集中して勉強をして順位を上げたりもするのですが、やっぱり根本は不真面目で遊んだりサボったりしたくなってしまう。

さらに大学受験ではほとんどの同級生が東大を受けるという理由で、自分も東大を受けるんですが不合格。浪人することになります。予備校に通うけれど、これもまた不真面目でろくに勉強せず、試験直前の瞬発力だけでなんとか東大合格を手にしたんです。

——そうだったんですね。意外です。

経歴として「開成中・高を経て東大に進学」とお伝えすると、みなさん勘違いをされますね(笑)。

その後、大学に入ってからも学業に集中できず、卒業するのにも長い時間がかかりました。ここまでの話は、もちろん自身の意志の弱さや甘えが影響していると認識しています。反省しなければならないことも多くあります。けれど、その一方で「何のために大学にいくのか?」「自分は将来、どのようなことをしたいのか?」…そんなことを学ぶ機会が全くなかったようにも感じているのです。私と同じような迷子になる学生は多くいるのではないでしょうか。

だからこそ、『個別指導塾テスティー』では、これまでの自身の経験や反省を活かして、知識を詰め込むだけではない教育を目指していきたいと思うんです。一人ひとりの生徒が自ら将来の姿を描き、その姿に近づくための目標を設定し努力する。「自らが目的意識を持ち、目標に向かって頑張る力」を育てていきたいと強く願っています。

 

取材後記

今回、取材に対応してくださったのは、『個別指導塾テスティー』の創業者である繁田さん。「開成中・高を経て、東京大学経済学部を卒業」という経歴をうかがって少し身構えていたのですが、取材では「不真面目な学生時代」「目標を持たずに大学に入学をしてしまった」など意外なエピソードがたくさん。ギャップに驚きながらも、親しみやすさのような安心感を覚えました。もしかすると、これも『個別指導塾テスティー』の強みの一つなのかもしれません。創業者自身、これまでの経験の中に失敗や反省をたくさんお持ちだからこそ、生徒の悩みや課題にも寄り添っていけるのではないかと感じました。

【『塾選(ジュクセン)』編集部 有藤千夏】

※掲載内容は2022年11月時点の情報です。

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塾選(ジュクセン)編集部

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