2024/03/26
公開

老舗学習塾の原点は、生徒との対話。コーチング資格を持つ講師がやる気を引き出す【心水塾】

昭和41年、群馬県前橋市に創業した『心水塾』の始まりは、自宅の6畳一間から。子どもたちと真剣に向き合う情熱が評判を集め、少しずつ拡大。50年以上の時を経て、地域において圧倒的に信頼される学習塾となりました。今回は『心水塾』がこれまで大事にしてきた想い、他塾にはない強みについて、大胡教室 教室長の大井さんに話をお聞きしました。

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大井 泉(おおい いずみ)教務部次長 /大胡教室 教室長

群馬県出身。自身も中学生のときに『心水塾』に通った経験を持つ。自分が理解するまで時間に関係なく向き合ってくれた講師から多くのことを学ぶ。大学卒業後は、異業界での勤務を経て『心水塾』に。講師や教室長、教務部での学習内容の企画など、運営を担う中核として活躍。

昭和41年創業。地域に根ざした学習塾

——まずは『心水塾』について教えてください。

『心水塾』は群馬県前橋市の自宅にて、先代塾長と前理事長が子どもたちに勉強を教えたことが始まりです。当時は昭和41年ですので、今から55年以上前のスタートとなります。そこから少しずつ実績を重ね、現在では地元の小学生・中学生・高校生から指示される地域密着型の学習塾となりました。

これだけ長い歴史がありますから、強みの一つはやはり“群馬県における入試情報力”です。築き上げてきたネットワークと蓄積されたデータを活用することで、他塾にはない入試情報があると言ってもよいと思います。この情報に関しては、受験面談、進路面談、保護者会にて生徒や保護者の方に共有。一人ひとりの受験に役立てていただける環境を整えています。

——授業における強みもお聞かせください。

小学生に関しては、戦後最大の教育改革を背景に『心水塾』でも、コース設計の見直しを実施しています。「思考力・判断力・表現力」「主体性・多様性・協働性」などの視点が重視され、入試試験においても記述式の問題が増えてきています。社会で生き抜く力として「自分の頭で考えられること」「仲間と共に協働できること」を規定していると捉え、その力が養われるコースを多く準備しています。

たとえば、実際にプログラミングを作り、試行錯誤を繰り返す中で、論理的思考力や問題解決力などの力を養うコースや数理ゲーム、図形パズルなどの「遊び」を通して、楽しく考える習慣を磨くコースなどがあります。

——中学生に対してはいかがでしょうか?

『心水塾』の生徒割合は中学生がメインになりますから、高校受験に向けた総合的な学習指導を行っています。特に力をいれているのが、「定期テスト対策」と「無料の個別補習」です。

「定期テスト対策」では、テスト直前になると土曜日や日曜日を使って、無料テスト対策授業を実施しています。中学校別、テスト範囲別にクラスを分けて、授業を行うので効率的に学ぶことが可能です。もう一つの「無料の個別補習」では、授業終了後に個別フォローや補習授業を実施しています。授業内で理解しきれなかった…まだ理解が深められていない…そんな生徒の不安を解消している時間です。多くの場合は、授業が終わった後に行うことが多いですね。30分〜40分ほどかけて、じっくりと生徒と向き合っています。

コーチングの資格を持つプロ講師との対話

——お話を聞いていて、目の前の生徒に対して熱く働きかける講師の姿が浮かびました。

そうですね。それは『心水塾』の創業当時から変わらぬ強みになっていると思います。私達が大事にしているのは、生徒に対して「なぜ?」「どうして?」を問いかけるのではなく、「どうすればできるようになるのか?」を一緒に考え、サポートしていくことです。

たとえば目の前にやる気がない、成績が下がってしまった…という生徒がいたら、ついできていないところばかりを指摘してしまいがちです。けれど、子どもが心を開いていない状態で、周囲の話を受け入れるのは難しいでしょう。こういう状況に対して、まずは生徒自身がどう思っているのかを聞く。自分で答えを見つけるにはどうすればいいのか一緒に探っていく。一人ひとりの生徒に適した声掛け、プラスに考えられるような投げ掛けが大きなやる気につながると考えています。講師の言葉で生徒を変えるのではなく、自分自身でやる気を見つけて変わっていくことに大きな意味があると思っています。

——講師には、高いコミュニケーションスキルが求められますね。

おっしゃる通りです。ですから『心水塾』では講師に対して複数の研修を実施しています。中でも注力しているのは、コーチング研修です。生徒のモチベーションを上げるには?やる気を引き出すには?そのやる気を維持するには?…そんな観点から、コーチングのスキルを磨いていく時間になっています。

ある一定の勤務年数を超えた講師に関しては、全員が日本青少年育成協会のコーチングの資格を取得することを約束していますから、研修内容もかなり本格的なものです。複数の動画を見て、課題レポートを作成して、対面でのコーチング研修を受けて…と研修時間は10時間以上にのぼります。さらに3年に1度の更新時にも、1日がかりで研修を行っていきます。

——コーチング研修の効果は大きいのでしょうか?

大きいと思います。コーチングを学ぶことで、講師と生徒のコミュニケーションが変わってきます。単純に「生徒に問いかける言葉」のバリエーションも増えますから、それぞれの生徒に合ったコミュニケーションが可能になります。

子どもたちに熱く働きかける。創業当時から変わらぬ想い

——これまでで特に印象に残っている生徒さんについて教えてください。

「学校の先生からはどこの高校にも行けないと言われたんです」とお母さんが心配して、『心水塾』にやってきた中学2年の男の子がいました。学校の成績を見てみると、5教科の合計が120点ほど。各科目の平均が30点ない状態だったので、通知表もほとんどが「2」でした。授業に対しても後ろ向きで、提出物を出さなかったり、宿題をやらなかったり、授業中に寝てしまったり…学校の先生も対応に困っていたところがあったようなんです。

その後、本人とじっくり話をしていく中で、お母さんにこれ以上心配をかけたくないという気持ちがあって、ここで心を入れ替えて頑張ると決意をしたんです。そこから大きく変化していきました。講師とのやり取りを何度も繰り返しながら「分からなかった勉強が分かるようになった体験」をして、周りから「“すごいね”と褒められる体験」をして…。成功体験をたくさん積み重ね、途中から私には純粋に勉強を楽しんでいるようにすら見えたんです。

生活態度もガラリと変化しました。なんでも、学校の職員会議で話題になったほどだったそうです。成績もぐんぐんと伸ばして、5教科合計は最高で395点を取るまでに。その後、私立高校の進学コースに合格しました。

 

——子どもたちと真剣に向き合う『心水塾』らしいエピソードですね。

『心水塾』は学習塾ですから、生徒の学力向上を実現するのは当たり前です。けれど、それ以上に大事にしたいのは、心と心の対話を通して、総合的な人間力を磨き、「志」を持った大人になるサポートなんです。高校や大学に進み、社会に出た時に。『心水塾』で、真剣に頑張ることができた経験がきっと役に立つはずです。他者への配慮や協調性を持った大人になれるよう、創業当初と変わらぬ「志」で取り組んでいきたいと思います。

取材後記

今回、お話をうかがったのは、教務部次長であり、大胡教室の教室長も務める大井さん。経歴をお聞きしてみると、ご自身が中学生の時には『心水塾』に通われた経験があるのだとか。生徒の立場で振り返ってみても、授業時間に関係なく、分からないことがあれば最後まで面倒をみてくれた記憶があるとのことでした。授業前だったり、授業後だったり…本当に親身になってサポートしてくれたそうです。そして、ここでの経験を経て、大井さんは最終的に『心水塾』で働くことを決められました。HPには、「心水塾で過ごした時間は、 確かに自分の内にあり、自分を形作っていると言ってもらえるような教育を」との言葉がありますが、まさにそれを体現されたお話だと感じました。

【『塾選(ジュクセン)』編集部 有藤千夏】

※掲載内容は2022年11月時点の情報です。

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塾選(ジュクセン)編集部

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