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発達障害グレーゾーンの中学生の特徴|支援や学習面でのポイントを解説【精神科医監修】

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編集部

塾選(ジュクセン)編集部

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精神科医・ゆうメンタルクリニック総院長・マンガ原作者

ゆうきゆう

中学生になって「忘れ物やテスト範囲忘れが無くならない」「勉強が極端に苦手」「何となく周囲と合わない」といった困りごとが目立ち、子どもが発達障害ではないかと気がつく方は少なくありません。 発達障害は環境によって困りごとの出方が変わってくるため、中学校に進学して環境が大きく変わったことによってこれまで隠れていた凸凹部分が強化されることもあるのです。 そこでこの記事では、発達障害の特性をもつ中学生の特徴や特性にあわせた支援のポイントについて解説していきます。 記事後半では発達障害に対応した塾で学べることや塾選びのポイントなども紹介しているので、気になる内容があればぜひ目を通してみてください。

目次

発達障害とは?

発達障害とは、生まれつきの脳機能の凸凹により、学校や社会生活で困難さ・生きづらさを感じる障害を指します。

同じ診断名でも困りごとは本人の特性や環境によって異なるため、困難さや生きづらさを軽減するには一人ひとりの困りごとに適した対応をすることが大切です。

ここでは、例として「注意欠如・多動症(ADHD)」「学習障害 / 限局性学習症(LD / SLD)」「自閉症スペクトラム(ASD)」という3つの発達障害について紹介します。

①注意欠如・多動症(ADHD)

「注意欠如・多動症(ADHD)」は字のごとく「注意欠如」と「多動症や衝動性」による特徴がある発達障害です。注意欠如の特徴としては「片付けが苦手」「忘れ物が多い」などがあり、「多動性や衝動性」による特徴としては「過度なおしゃべりをしてしまう」「目的のない突発的な行動をしてしまう」などがあげられます。

②学習障害 / 限局性学習症(LD / SLD)

「学習障害 / 限局性学習症(LD / SLD)」では、知的発達全般には遅れが見られないものの、聞く、話す、読む、書く、計算する、推論するなどの能力のうち、ある特定の学習に限って大きな困難が生じるという特性があります。

③自閉症スペクトラム(ASD)

自閉症スペクトラム(ASD)は「人と関わることやコミュニケーションが苦手」「空間・人・特定の行動に対する強いこだわりがある」といった特徴が見られます。相手の気持ちなど、曖昧な部分を理解するのが苦手なため、臨機応変に対人関係を築いたり、作業をするということが難しいことが多い発達障害です。

発達障害のグレーゾーンとは?

発達障害のグレーゾーンは、「発達障害の診断基準は満たさないものの、発達障害の特性がある」という状態を指します。

発達障害の特性ゆえに起こる困りごともありますが、環境によってそれが強く出る場合とそうでない場合があるのが特徴です。

また、「グレーゾーン=軽い発達障害」というわけではなく、本人の障害特性と環境が合っていない場合は診断を受けている人よりも強い困難さや生きづらさを感じていることもあります。

そのため、診断名がついていない場合でも、本人に困りごとがあるなら何らかの支援を受けられる体制を整えることが大切です。

🌻精神科医・ゆうきゆう先生からのアドバイス

発達障害の症状は非常に複雑で、区別がとても難しいものです。

最近では発達障害の1つの症状として「自閉症スペクトラム」という言葉を耳にする機会も多いかもしれません。

スペクトラムとは、「連続体」という意味。ざっくり、虹を想像してください。虹は七色あると言われていますが、その七色の境界線はあいまいで、うっすら自然に少しずつ色が変わっていますね。

発達障害の度合いもそれに近く、色々な症状が混ざり合っています。そして「ここから病気」とか「ここからこんな症状が出ている」など、明確に区別がつけづらいものです。そのため症状があいまいながらも存在する状況が「グレーゾーン」と判断されるのです。

だからといって「軽い(心配がない)」などとも違いますので注意が必要です。

発達障害のある中学生の特徴的な行動とは?

発達障害には、障害ごとにいくつか特徴的な行動があります。

そこでここでは、注意欠如・多動症(ADHD)、学習障害 / 限局性学習症(LD / SLD)、自閉スペクトラム症(ASD)ごとに中学生でよく見られる行動や様子をまとめてみました。

注意欠如・多動症(ADHD)

  • 忘れ物、先生の指示の聞き漏れが極端に多い
  • 机やロッカー、カバンの中が散らかっている
  • 授業に集中できず、居眠りや立ち歩き、授業と関係ないことをよくしている
  • 何かに取り組んでいる途中で別のことを始める
  • テストで解答欄ずれ、解答方法の間違い、問題文の読み違いなどが多い

学習障害 / 限局性学習症(LD / SLD)

  • 板書をノートに書き写すのが困難
  • 漢字の書き取りが困難(例:鏡文字になる、部首とつくりが逆になる)
  • 文章を読むのが遅い、読めても内容がわからない
  • 数の概念を理解するのが難しい、計算が苦手
  • 誤字脱字が多い

自閉症スペクトラム(ASD)

  • 友達を作るのが難しい
  • 自分の話したいことを一方的に話し続けることが多い
  • TPOにあわせたマナーや友達同士の冗談など抽象的なものの理解が難しい
  • 感情がコントロールできず極端な行動を取ることがある
  • 得意教科はできるが、不得意教科の苦手意識が強くなりがち

🌻精神科医・ゆうきゆう先生からのアドバイス

発達障害の診断基準やテストはたくさんありますが、自己判断は禁物です。可能なかぎり、専門の医師に診察してもらいましょう。

というのも、自己判断で何かの症状に当てはまっていると思っても、客観的に見ればそうではない、ということも多々あります。特に気持ちが落ち込んでいる場合、必要以上に色々なものをネガティブに判断する傾向があります。

その点、医師であれば経験があるため、客観的な状態を判断してくれるはずです。

中学生の発達障害 強みをチェック

発達障害のある中学生は、周りより苦手なことも多いですが、特性にあった環境に身を置けばその人ならではの強みも出てきます。

強みを見つけて伸ばしてあげることは本人の自信につながるので、繰り返し声をかけるなどして意識づけしてあげましょう。

ここでは、発達障害の中学生によくみられる強みをいくつか取り上げてみました。

これはあくまで一例なので、ぜひ子ども本人の強みを学校や支援機関などと一緒に見つけてみてください。

  • 興味のあることに対する強い探究心や専門的な知識がある
  • 独自の視点があり、周りとは異なるユニークな発想ができる
  • ルールの中で論理的に考えて行動することが得意
  • 絵やプログラミングなど、クリエイティブ面の才能がある
  • 周りの人への思いやりが強く、優しい
  • 負けず嫌いで、納得いくまで何度も挑戦できる

上記の強みを伸ばす一方で、今後の基礎を作ることができる中学生のうちに、克服すべき部分については工夫や努力も必要になってきます。工夫や努力によって「内申点」にもプラスに働くことが期待できます。

🌻精神科医・ゆうきゆう先生からのアドバイス

発達障害の方には、「興味があるものに夢中になり、とことんまで突き詰めていく」という傾向を示す方が多いものです。それはうまくハマれば、仕事などにおいて非常に強い武器になると思います。もし何か好きなこと、どれだけ時間を費やしても苦にならないということがあれば、ぜひその道を突き詰めてみていただければ幸いです。

人生において「オールラウンド」の人よりも、「これは何より大得意」という武器を磨いたほうがうまくいく可能性は高くなります。

欠点を気にするよりも、長所を伸ばしていくことを意識しましょう。

発達障害のある中学生によくある困りごとと支援のポイント

続いて、発達障害のある中学生によくある困りごとを3つ取り上げて、それぞれの支援するときのポイントについて具体的に解説していきます。

内申点や将来のことを考えると「よくある困りごと」を克服するための工夫や努力は必要ですが、周囲の大人の協力やサポートが不可欠となります。

もし当てはまる困りごとがあった場合は、ぜひ各ポイントを参考にしてみてください。

例①1時間集中して授業を受けることが難しい

これは、不注意・多動性・衝動性の症状があるADHDの特性をもつ生徒によくある困りごとです。

教室の掲示物や周りの生徒の動き・声、外の音などが気になって注意散漫になったり、じっと座っていることに耐えられなかったりすることが原因と言えます。

こうした困りごとへの支援のポイントは、4つほど考えられます。

  • 掲示物をできるだけ少なくする
  • 他の生徒が視界に入らないような環境を整える(パーテーション、個別指導など)
  • プリント配布やグループワークなど動きのある作業を取り入れる
  • 1つ5分ほどに区切った学習をテンポ良く行う

ADHDのような特性がある生徒の主な強みは、「興味をもったものへの集中力がすごい」「短期集中が得意」という点です。

本人の好奇心をくすぐるような導入をしたり、集中できる環境を整えてあげたりすることで学習に取り組みやすくなるでしょう。

例②文章を読むことが極端に苦手

これは、学習障害の特性がみられる生徒によくある困りごとです。

学習障害は読み、書き、計算など特定の学習が極端に苦手なのが特徴で、文章を読むことが苦手な場合は「一文ずつ順番に読む」「適切な文節で区切る」「てにをはを間違えずに読む」などが脳機能の障害によって難しいとされています。

支援のポイントは主に3つあります。

  • 読んでいる文以外を隠しながら読む練習をする
  • 文に区切り線を入れて読む
  • 苦手な部分を補う教具を使う

学習障害の特性がある生徒の強みは、「苦手を補う学習の仕方が見つかれば周りとほぼ変わりなく学習できる」ことです。

最近はICTの活用や教具の発展によって学習障害でも学びやすい環境が整えられています。適切な支援につながり、本人にあった学習方法を見つけることが大切です。

例③テストや高校受験などの目標に向けた勉強計画が立てられない

これは、ASDの「先を見通して行動することが難しい」「こだわりが強い」という特徴やADHDの「いろいろなところに気が散って計画が立てられない」という特徴などが影響することが多いです。

計画を立てるのも苦手ですが、それを実行することも同様に苦手なので、適切な支援を受けて本人に合った対策方法を獲得しましょう。

ここでは支援のポイントを3つ挙げてみました。

  • 計画表を作ってよく目に入る場所に貼る
  • 一日・時間ごとにやることを具体的に決める
  • 目標を達成できたときのご褒美を用意する

まず最初は大人が協力して一緒に計画表を作り、視覚的にやることがわかる環境を整えるようにし、だんだんと一人でやる部分を増やしていけると理想的です。

🌻精神科医・ゆうきゆう先生からのアドバイス

発達障害の方は何かを始める時もなかなかエンジンがかかりづらく、取り掛かるまでに時間がかかってしまうケースが多いものです。そのような場合、「一分だけでいいからやろう」など、短い時間でやろうとしてみてください。

「まぁ、一分だけなら…」と思って取り掛かりやすくなります。そして始めてみれば、やる気が少しずつ湧いてきて、気づくともっと長時間集中できていたりもするものです。これを「作業興奮」と言います。

ぜひ試してみていただければ幸いです。

発達障害のある中学生が学習塾に通うメリット

発達障害のある中学生の学習は、専門知識がある人や機関に適切にサポートしてもらうことで本人も保護者もぐっと楽になります。

特に学校の授業だけでは学習内容がよくわからなかったり自分でどう勉強していいかわからず悩んでいたりする場合は、ぜひ発達障害に対応している塾を検討してみましょう。

まずここでは、発達障害のある中学生が学習塾に行くことのメリットについて解説していきます。

授業の遅れを取り戻せる

発達障害のある中学生の多くが、学校の勉強についていけず学習面の困りごとを抱えています。

塾に通うことで学校の授業の内容を自分のペースでしっかり復習でき、授業の遅れが解消されます。

子どもに合った学習方法が見つかる

発達障害への理解がある塾の場合、本人の障害特性に合った学びやすい方法を提案してくれます。

自分に合った学習方法で勉強してできるようになると自信がつき、学習意欲も上がっていきやすいです。

学習習慣が身につく

ADHDやASDをもつ中学生にありがちなのが、勉強時間の管理が難しいことです。特に好きなことに熱中しがちな特性がある場合は、自分で勉強時間を確保するのは至難の業でしょう。

そうした場合は塾に通って「塾にいる間は勉強する時間」と決めてしまうのが効果的です。こうすることで学校以外で学習する習慣が身につきます。

ソーシャルスキルが身につく

発達障害専門の塾だと、学習サポート以外にソーシャルスキルトレーニング(SST)を行っているところもあります。

SSTは、発達障害のある子どもが直面しがちな学校や社会生活での困りごとをテーマにして、みんなで対策方法を考えたりロールプレイやシミュレーションをしたりして困りごとへの対応スキルを身につけるトレーニングです。

高校受験や進学の対策ができる

発達障害のある中学生の指導実績がある塾だと、高校受験や進学時のサポートにも知見があることが多いです。

受験に向けた勉強はもちろん、内申点の不要な高校の情報や受験時の配慮の頼み方など、受験周りのいろいろなサポートが受けられる塾もあります。

🌻精神科医・ゆうきゆう先生からのアドバイス

学習塾に行くと、学校とは違った色々な生徒がいます。新たな人と会うことによって刺激になり、勉強をより頑張る、ということがありえるかもしれません。

また学習塾では「勉強の仕方」を教えてくれるところもあるため、今までやる気をうまく出せなかった生徒が、より集中したりすることもできると思います。色々な意味で、ただ勉強を教えるだけの学校より、いい効果が生まれるかもしれません。

もちろん、試しに行ってみて合わない場合は、別の塾を見つけてみるのもいいでしょう。

発達障害のある中学生をサポートしてくれる塾とは?

発達障害のある子どもを対象とした塾は、未就学児や小学生向けの個別支援を中心としたものから中高生向けの進学対策に特化したものなどさまざまな種類があります。

ここでは、発達障害のある中学生におすすめな学習面のサポートが充実している塾の特徴をまとめました。

■塾の特徴

1対1または少人数で授業

発達障害のある生徒への学習指導は、学校のような集団授業ではなく1対1または2〜3名の少人数で行うのが効果的です。

発達障害のある中学生を対象とした塾では、ほとんどの場合個別指導のスタイルで一人ひとりのペースにあわせて学習できます。

一人ひとりの特性に合ったアプローチ

発達障害と一口に言っても、教科の得意不得意や学習面でどのような困りごとがあるかは実にさまざまです。

そのため、発達障害のある生徒向けの塾では、一人ひとりの特性にあわせた学習方法やスケジュールを提案して勉強を進めていきます。

中学生の指導実績が豊富な塾なら、定期テストや高校受験対策にも対応しているところが多いです。

できることを増やして自信をつける

発達障害のある生徒は、勉強に対する苦手意識が強く、「自分は勉強ができないんだ…」と思い込んでしまっているケースがよく見られます。

そのため、発達障害に知見のある塾講師は「本人のできるところから取り組む」「特性に合った理解しやすい方法で学習する」などのアプローチをして、生徒に自信を持ってもらえるように指導します。

臨床心理士によるサポートがある

塾によっては、在籍する臨床心理士に発達に関する相談・カウンセリングができるところもあります。

塾で発達検査を受けられる場合もあるので、発達障害や子どもの特性について専門家に意見をもらいたい方におすすめです。

■塾を選ぶときのポイント

子どもにあった環境か

発達障害のある生徒が負担なく通い続けるには、教室や講師の雰囲気、授業の体制が本人とマッチしていることが大切です。

特に講師との相性は重要なポイントなので、講師選びは念入りに行いましょう。

また、視覚優位の場合には、掲示物などがないすっきりした教室やパーテーションで周りが見えないよう工夫されている机など、特性にあわせて環境整備されているところを選ぶのがおすすめです。

聴覚優位の場合は他の授業や生徒の声といった雑音が気にならないかなどもチェックしましょう。

無理なく通い続けられるか

金銭面や通塾にかかる時間なども考慮して、長期間通い続けられるところを選びましょう。

保護者の送迎が必要な場所なら、送迎の負担もしっかり考慮しておく必要があります。

高校受験も見据えて選ぶ場合は、発達障害のある生徒の進学実績や指導経験もチェックするといいでしょう。

相談しやすい塾か

何かあったときに講師やスタッフに相談しやすい塾なら、保護者の方も安心して子どもを任せられます。

塾によっては専用の相談窓口があったり、臨床心理士に相談できたりするところもあるので、興味があればぜひ調べてみてください。

体験授業ができるか

発達障害のある中学生が塾選びをするなら、体験授業で塾や講師との相性を確認できるかどうかはとても重要です。

できれば数回体験授業ができたり、何人かの講師の授業を受けられたりするところを選びましょう。

🌻精神科医・ゆうきゆう先生からのアドバイス

やはり「実際に行ってみる」のが一番だと思います。

どんなに「いい」とされているところでも、人によって合う・合わないはあると思います。先生の指導や雰囲気、また教室や、生徒の雰囲気というのもあります。それは実際に見てみないと分かりません。

いくつか候補をつけて見学させてもらい、一番合う場所を選びましょう。

発達障害・ADHDの中学生におすすめの塾

発達障害の生徒におすすめな代表的な塾としては、キズキ共育塾やLITALICOがありますが、それ以外にも沢山の塾があります。塾ごとのおすすめポイントも併せて紹介していますので、ぜひご覧ください。

発達障害・ADHDの中学生におすすめの塾はこちら

保護者の関わり方のポイント

思春期の子どもとの関わりはただでさえ繊細で難しいものですが、発達障害のある子どもに関わるときはさらにいくつか意識したほうがいいポイントがあります。

ここでは特に3つのポイントを取り上げたので、発達障害のある子どもと関わる際のポイントを知りたい場合はぜひご一読ください。

ポイント①できることに目を向ける

子どもと接するときは、なるべく本人のできることや得意なことに注目しましょう。

発達障害のある子どもは得意なことと不得意なことの差が激しく、特に知的発達に問題ない場合は、定型発達の子どもと比較して「何でこの子はできないの?」と思ってしまいがちです。

しかし、発達障害は凹凸が激しいゆえに「その子ならではの強み」が必ずあります。

それを保護者の方が認めて尊重してあげることは、本人にとって何よりの自信につながるはずです。

ポイント②本人が理解しやすい方法で伝える

先述したとおり、発達障害には脳機能の凹凸があるので、特性によってスッと頭に入ってくる情報とそうでない情報があります。

例えば、耳で聞くよりも目で見るほうが理解しやすい「視覚優位」の場合は、口頭の指示は通りにくいですが、絵や図表を見せながら話すとスムーズに理解できます。

どの方法が一番わかりやすいかは人それぞれなので、本人と一緒にわかりやすい方法を探したり、専門家にどんな伝え方が効果的か聞いてみたりするといいでしょう。

理解しやすい方法で伝えることで、コミュニケーションでのズレが減り、お互いが心地よく過ごせるようになるはずです。

ポイント③多様な支援先とつながる

発達障害のある子どもと向き合うことは、通常の子育て以上の時間・体力・労力を要します。

保護者の方自身の時間や余裕を確保するためにも、さまざまな支援機関を頼ることも検討してみてください。

発達障害に対する支援は、学校や公的機関はもちろん、学校外の専門機関や民間施設、NPO団体などさまざまなところで行われています。

こうした支援先とつながりを持っておくことで、いざ何か支援を受けたいときにすぐ行動できます。

🌻精神科医・ゆうきゆう先生からのアドバイス

発達障害の方が一番困るのは「コミュニケーション」です。

特に「空気が読めない」「言葉の機微や表情を読んだりすることが不得意」などの特徴があります。

そのため、例えば「真面目に勉強しなさい」と言われても、何をもって真面目となるのかよく分かりません。こんなときは「一日に5ページは進めなさい」「帰宅後まず30分は勉強してみよう」など、具体的な内容で指示をするのが一番です。

また困ったことがあってもうまく表現できないため、なるべく時間を取って話を聞いてあげましょう。

【保護者アンケート】発達障害のある中学生の通塾経験談

発達障害の子どもがいる保護者へ「学習塾へ通った経験談」を募ったところ、多くのエピソードが寄せられました。ぜひ参考にしてみてください。

学習塾へ入塾した理由

第1位 個人のパーソナリティに合わせた勉強方法で教えてほしかった 71%
第2位 時間をかけて勉強を教えてほしかった 53%
第3位 学習内容や方法の変化が少ない環境で勉強を教えてほしかった 47%
第4位 学校の授業では分からなかった箇所を教えてほしかった 35%
第5位 勉強以外のプログラムによって自立心を育てたかった 29%

n=17 複数回答可 調査期間:2024年2月6日~2024年2月13日 調査方法:弊社インターネット調査「発達障害のある中高生(保護者も含む)の学習塾への通塾について経験談を募集!」

学習塾へ入塾した理由について具体的なエピソード

圧倒的な学習力のなさに焦りを感じたからです。ネットでいろいろ検索し、発達障害に特化した塾で実績が良いところを探しました。

携帯を触ってばかりで、受験勉強など全くしなかった。その為、将来の夢すらない状態でした。その中で、自分からアクションをおこし、自立できる場所を探している時に、望んでることに1番近いと思い入塾させました。

集団が苦手、イレギュラーが苦手…と、特性があったにもかかわらず、地区の中学校が知的クラスのみの支援級だったため普通級に入学しなければならず、環境が合わなくなってしまい不登校となった。学校の勉強が遅れてしまう不安を本人も抱えていたため、個別対応の塾へ入塾した。

調査期間:2024年2月6日~2024年2月13日 調査方法:弊社インターネット調査「発達障害のある中高生(保護者も含む)の学習塾への通塾について経験談を募集!より引用

学習塾へ通って良かったこと

第1位 個人のパーソナリティに合わせた勉強方法で教えてもらえた 71%
第2位 学校の授業では分からなかった箇所を理解できるようになった 41%
第2位 マンツーマン指導で苦手分野も時間をかけて少しづつ克服することができた 41%
第4位 学習内容や方法の変化が少なく混乱が少なかった 35%
第5位 勉強以外のプログラムによって自立心を育てることができた 18%
第5位 保護者の不安もサポートしてもらえた 18%

n=17 複数回答可 調査期間:2024年2月6日~2024年2月13日 調査方法:弊社インターネット調査「発達障害のある中高生(保護者も含む)の学習塾への通塾について経験談を募集!」

学習塾へ通って良かった具体的なエピソード

最初は情緒不安定だったものの、通うに連れて本人の学力が少しずつ上がっていくことが見ていて感じられたこと、そして勉強をしている時の本人の表情が変わったことです。特に笑顔が増えたことはとても良かったことだと思っています。

家庭や学校で困ってる事、不安な事を気兼ねなく相談が出来ることはありがたいです。毎回、学習後に担当した講師から保護者へのフィードバックがあります。振替等の連絡は送迎時に塾長に話すか、メッセージでやり取りできたことが良かったと思います。

できないことにぶつかると奇声を出したり離席したりという状態に悩まされていましたが、通塾したことで苦手意識が改善され座っていることができるようになりました。そして勉強に向き合う姿勢が培われたことが良かったです。

調査期間:2024年2月6日~2024年2月13日 調査方法:弊社インターネット調査「発達障害のある中高生(保護者も含む)の学習塾への通塾について経験談を募集!より引用

アンケート調査からは学習塾に通うことによって「笑顔が増えた」「自信がもてた」など、学習面以外の良い変化があったとのお声が多数寄せられたのが、とても印象的でした。

まとめ

今回は、発達障害のある中学生の特徴や特性ごとの支援のポイント、発達障害に対応した塾の特徴などについて解説してきました。

発達障害による学校・社会生活の困りごとの強弱は、本人の特性と環境のマッチングによって大きく変わります。そのため、本人の気持ちに寄り添いながら必要な支援につながることが大切です。

学習面で特に困難さを感じている場合は、発達障害の知識や理解がある塾で特性にあった学習支援を受けてみてくださいね。

 

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執筆者プロフィール

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塾選(ジュクセン)編集部
編集部

塾選(ジュクセン)編集部です。実際に学習塾の運営経験がある者や大手メディアの編集経験がある者などで構成されています。塾選びにお悩みの保護者や学生の方に向けて有益な情報をお届けします。

監修者プロフィール

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ゆうきゆう
精神科医・ゆうメンタルクリニック総院長・マンガ原作者

東京大学医学部医学科を卒業。医師業のかたわらマンガ原作者としても活躍。主なマンガ原作に 「マンガで分かる心療内科」(少年画報社)などがある。

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