学校見学は行くべき!中学・高校・大学の志望校選びで後悔しないためのチェックポイントとは?
編集部
塾選(ジュクセン)編集部
受験する学校を選ぶときに欠かせない重要なステップが「学校見学」です。学校見学に参加することで、志望校の雰囲気や教育方針、施設の充実度などを直接確認でき、疑問や不安も解消できます。今回、小学生、中学生、高校生の子どもを持つ保護者に学校見学についての調査をしたところ、約74%の保護者が学校見学に参加していることが分かりました。そこで本記事では、学校見学の重要性や見学する学校の平均校数、参加した方が良い見学会の種類をご紹介します。中学、高校、大学それぞれの学校見学時のチェックポイントについても詳しく解説します。
中学受験における参加率は約78%! 教育段階によってチェックポイントに変化が
志望校を選ぶ際、校内の雰囲気や在校生の様子など生の情報に触れることができる学校見学はとても貴重な機会です。アンケートによると、中学校受験、高校受験、大学受験を経験した人の約74%が「学校見学に行った」と回答。半数以上の保護者や生徒が学校見学に参加しているという結果からも、学校見学の重要性が分かります。
学校見学の参加率をより細かく見ていくと、学校見学に「行った」という人の割合は中学受験、高校受験、大学受験によって差があります。中学受験における学校見学は78%、高校受験における学校見学は76%、大学受験における学校見学は68%というように、受験生の年齢が上がるにつれて見学率は低下しています。これは年齢によって受験する際に重視する点や情報に差があることが影響していると考えられます。
中学受験における学校見学の参加率がもっとも高いのは、小学校からの進学が子どもにとって初めての大きなステップであり、環境が大きく変わる時期だからだと考えられます。 この時期は子どもの成長や人格形成にとって非常に重要な期間でもあるため、学校の教育方針や校風、教師の対応を直接確認することが重要です。学校選びは子どもに最適な環境や校風かはもちろん、各家庭の考え方に合った教育方針かを確認することも大切なポイント。 そのため、複数の選択肢から最適な学校を選ぼうと学校見学に参加する保護者が多いといえます。
高校受験における学校見学率が高い理由には、その先の進路と将来の選択肢が関係しています。高校選びは進学のための受験、就職に直結するため、保護者と子どもにとって非常に重要です。学校見学の際も進学実績やカリキュラム、部活動の内容をしっかり確認することをおすすめします。 また、多くの高校が独自の受験制度を持っているため、その準備として学校見学が不可欠となります。高校には公立高校、私立高校、専門高校など多様な選択肢が存在します。各学校の特色を把握するためにも、学校見学に参加することが大切です。
大学受験における学校見学の見学率がやや下がるのは、地理的な問題が考えられます。 大学受験になると、県外など自宅から遠い場所にある学校を視野に入れている生徒も多く、物理的な問題や金銭面での事情により見学に行きにくいということもあるでしょう。 また、インターネットやパンフレットなど、オンラインで入手できる情報が多いことも一因です。大学選びの際は、将来自分が築きたいキャリアを具体的に想像し、それを叶えるためにはどんな大学に進むべきかを考えることが大切になります。学校見学でも将来のキャリアプランを実現できるかどうかを確認できると安心です。
どの受験期においても、進学先選びにおいて学校見学が重要であることには変わりありません。保護者やその子どもが実際に足を運んで学校の雰囲気や教育環境を体感する機会は学校見学を逃すとほとんどないといって良いでしょう。入学後にがっかりしてしまうことのないよう、進学先を選ぶ際は学校見学の機会を積極的に活用することをおすすめします。
学校見学、参加校数は平均2.5校。複数校見学した人ほど子どもに合う学校を見つけられている
学校見学に行った学校の平均校数(中学・高校・大学別)
- 中学: 約2.5校
- 高校: 約1.4校
- 大学: 約2.7校
アンケート結果によると、各受験の際に保護者が学校見学に参加した平均校数は約2.5校でした。受験生の保護者の多くが複数の学校見学に参加していることがわかります。この結果からも、子どもに最適な学校を見つけるためには複数の選択肢を比較検討することが重要だといえるでしょう。
1校の学校見学にしか参加しなかった場合その学校の雰囲気しかわかりませんが、2校参加するとそれぞれの学校の特色を比較できます。3校参加すると自分、または自分の子どもにあっているのがどんな学校なのかという視点も出てきます。複数の学校を比べることで、それまで気づかなかった視点も出てきますので、ぜひ学校見学に参加して判断材料を増やしてみてください。
学校を見学した人のデータを細かく見ると、見学した校数が多いほど「子どもに合う学校を見つけられた」と感じている保護者の割合が高くなることが分かりました。
複数の学校見学に参加すると、各学校の特徴を比べることができます。その結果、子どもの学力や性質に合った学校を見つけやすくなるからと考えられます。学校見学を通じて得られる直接的な情報や体験は、適切な学校選びに役立ちます。見学する際は、各学校の施設やカリキュラムだけでなく、授業風景やクラブ活動、寮生活なども確認してみましょう。
参加率トップは「学校説明会」。学校概要や学校カリキュラム・入試情報をチェック
学校見学には種類がいくつかあります。一般的なのは入試情報やカリキュラムについて説明を受ける「学校説明会」で、ほとんどの学校で開催されます。ほかにも実際に校内施設を見て回ることができる「キャンパスツアー」、部活動の様子を見学できる「クラブ活動見学」や、生活環境を確認するための「寮ツアー」、授業風景を直接見ることができる「オープンクラス」など、得られる情報は見学内容の種類によってさまざま。そのほか、学校イベントである文化祭に参加して学校の雰囲気を知ることもできます。
1番多かったのは「学校説明会」で71%、次いで「キャンパスツアー(11%)」、「クラブ活動見学(8%)」、「寮ツアー(4%)」です。参加率が低かったのは「オープンクラス(2%)」、「その他(1%)」、「文化祭(0.8%)」という結果となりました。
志望校選びで後悔しないためのチェックポイント
学校見学の種類によって、見学の際にチェックしておきたいポイントも異なります。 それぞれどんな部分に注目して見学すると良いか、参加率が高かった順にご紹介します。
1.「学校説明会」では学校概要や学校カリキュラム・入試情報をチェック
学校見学に参加した人の71%が「学校説明会」に参加しています。学校説明会は学校側が主催するイベントで、保護者や生徒に対して学校の特色、教育方針、カリキュラム、進学実績、施設の概要などを紹介する場です。中学校や高校、大学などの進学先を選ぶ際、重要な情報源となります。保護者や学生は、できるだけ多くの学校説明会に参加し、各学校の特徴を理解することをお勧めします。
2.「キャンパスツアー」では校内の雰囲気や在校生の様子をチェック
学校見学に参加した人の11%が「キャンパスツアー」に参加しています。これは、実際の校内の雰囲気や施設を見学したいというニーズがあることを示しています。校内の雰囲気や施設を直接確認することで、子どもがその学校で快適に過ごせるかどうかを判断する手助けとなります。見学前に学校のウェブサイトやパンフレットで情報を収集し、見学の際に確認したいポイントをリストアップしておくとよいでしょう。
3.「クラブ活動見学」ではクラブの種類や活動内容をチェック
8%が「クラブ活動見学」に参加しています。クラブ活動は学校生活の大きな一部を占めるため、見学を通じて自分に合ったクラブがあるかどうかを確認することは、進学先を選定する際の重要な参考になります。スポーツ系、文化系、学術系など、さまざまなクラブがどのような活動を行っているのかを見学し、運動部ならば練習風景、文化部ならば作品制作や発表の様子を観察します。これにより、日常的な活動内容や練習の厳しさを理解できます。
4.「寮ツアー」「オープンクラス」ではリアルな生活環境や授業風景をチェック
「寮ツアー」(5%)や「オープンクラス」(2%)の参加率は比較的低いですが、これらも重要な情報収集の機会です。特に寮生活を検討している場合、実際の生活環境を確認するための見学は非常に重要です。また実際の授業風景を見学することで、教育の質や教師の教え方を直接確認できます。
5.「文化祭」では生徒の活気やコミュニティをチェック
「文化祭」(1%)や「その他」(1%)の参加率は低い結果になっていますが、これは開催している学校とそうでない学校に分かれるためだと考えられます。文化祭は学校のコミュニティや生徒の雰囲気・活気を直接感じることができるため、気になっている学校が文化祭を開催している場合は、積極的に参加してみるといかがでしょうか。
これらの見学の種類を活用し、できるだけ多くの情報を収集することをお勧めします。学校見学は、子どもに最適な学校を見つけるための重要なステップです。塾や学校関係者のサポートを活用し、満足のいく学校選びを行ってください。
学校見学に行く時期は「春」と「夏」
中学、高校、そして大学という教育段階において、学校見学に関する行動にそれぞれ違いが見られました。以下に、それぞれの教育段階での活動傾向を分析し、特徴をまとめました。
学校見学に参加したタイミングですが、中学校受験では「小6 春」(27%)と「小6 夏」(24%)に活動が集中しており、これは小学校6年生の終わりと夏休み期間に学校見学や受験準備がピークを迎えることを示しています。この時期は、保護者や生徒が中学校選びに対して最も積極的になる期間です。これに続いて、「小5 夏」(15%)や「小5 春」(9%)、「小4 夏」(9%)、「小4 春」(6%)と続き、早期に受験準備を始める家庭や情報収集を行う家庭が増えていることがわかります。
高校受験では、「中3 夏」(50%)がもっとも多く、次いで「中3 春」(24%)でした。「中3 夏」は、模試や学校説明会、体験入学などが活発に行われる時期でもあり多くなりましたが、「中3 秋」(11%)や「中2 夏」(8%)も一定数いるので、受験を意識したタイミングで参加している人もいると考えられます。
大学受験では「高3 春」(32%)と「高2 夏」(32%)が同率1位でした。「高3 春」は、志望校の選定や受験勉強が本格化する時期であり、オープンキャンパスや模試、進路相談などの活動が活発に行われます。「高2 夏」も、夏休みを利用して受験準備を進める時期として意識し始める人が多いためと考えられます。
受験準備や進路決定のための情報収集、模試、オープンキャンパスなどは「春」「夏」の時期に行われるため学校見学に参加する人が多くなります。学年によっては受験生になる前段階から学校見学を始めている人も一定数いるようです。
中学受験・高校受験・大学受験ともに、学校見学で重視するのは「学校の雰囲気」
学校見学の重要性を実感いただけたと思いますが、では学校見学にいったときはどのようなポイントを重視して見るべきか悩まれる方もいると思います。学校のウェブサイトやパンフレットでは得られない現地の雰囲気や、実際にそこで学ぶ生徒の様子などを直接確認できる学校見学は貴重な機会です。今回のアンケートでは実際に学校見学を経験した保護者を対象に、どのようなポイントを重視してチェックしたかについて調査しました。
アンケートの結果、中学・高校・大学全体で最も多くの回答が集まったのは「学校の雰囲気」で、全体の57%を占めました。続いて「学校カリキュラム」(38%)、「入試に関すること」(37%)、「生徒の雰囲気」(36%)、「学費や必要費用」(31%)も多くの回答が集まりました。学年別での傾向を見ていきましょう。
中学受験の学校見学で重視されるポイント
中学受験時の見学では、「学校の雰囲気」が57%、「入試に関すること」が45%、「生徒の雰囲気」が31%、「学校カリキュラム」が31%と特に重視されていました。中学校の段階では、入試に関する情報が重視されることが特徴的です。また、生徒の様子や学校全体の雰囲気を確認することも重要視されています。
高校受験の学校見学で重視されるポイント
高校受験時の見学では、「学校の雰囲気」が54%、「学校カリキュラム」が44%、「生徒の雰囲気」が40%と高い回答数を占めており、高校生活ではカリキュラムの内容や生徒の様子が特に重要視されていることがわかります。また、「制服」が18%、「部活やクラブ、課外活動」が20%も比較的高い関心を集めていることから、課外活動や制服のデザインも学校選びにおいて重要な要素となっていることが予想できます。
大学受験の学校見学で重視されるポイント
大学受験時の見学では、「学校の雰囲気」が60%、「入試に関すること」が36%、「学校カリキュラム」が38%、「学費や必要費用」が32%、「生徒の雰囲気」が36%、「先生の雰囲気」が30%という結果が出ています。「学費や必要費用」が重視されていることが特徴的で、中学・高校に比べて、大学進学が家庭に与える経済的な影響が分かります。
中学受験では入試情報や生徒の雰囲気が、大学受験では学費や学校カリキュラムが重視されています。さらに高校受験では、これらに加えて課外活動の充実度も重要視されています。保護者が子どもの将来を見据えて学校選びをする場合は、これらのポイントを総合的に評価することが求められるといえます。
回答者のなかには、実際に学校見学に参加した結果、受験を取りやめたという人もいました。 理由は「実際に行ってみると交通の便が悪かった」「授業体験に参加したがイマイチだった」「学校のカリキュラムや校風が合わなかった」というもの。学校見学に参加することで入学後のミスマッチを防げたという例も多く存在します。
まとめ
学校選びは学生にとっても保護者にとっても大変重要な決断です。多くの家庭が学校見学を通じて情報収集を行い、その結果をもとに進路を決定します。通学時の交通の便や校内の特徴、先生や生徒の雰囲気など実際に足を運ばないと分からないポイントも多く存在します。パンフレットやホームページでは伝わらないリアルな情報を知り、後悔のない学校選びを行うために学校見学は欠かせません。
見学を通じてそれぞれの学校の雰囲気や教育方針、生徒の様子を直接確認することは、入学後のミスマッチを防ぎ、後悔のない選択を行う第一歩。そのためには気になる学校の学校見学に参加し、自分が求めている情報を収集することが重要です。見学を通じて得た情報を基に、子どもの将来を見据えた選択を行いましょう。
※アンケート調査概要
・調査対象:中学生、高校生、大学生の子どもを持つ保護者(有効回答数142名)
・調査時期:2024年3月
・調査機関:自社調査
・調査方法:インターネットによる任意回答 調査レポート名:学校見学に関する調査
※掲載しているグラフや内容を引用する場合には、「自社調べ:学校見学に関する調査」と明記してください。
▼参照リンク
学校説明会とは?確認すべきポイントやオープンキャンパスとの違いなど徹底解説!
執筆者プロフィール
塾選(ジュクセン)編集部です。実際に学習塾の運営経験がある者や大手メディアの編集経験がある者などで構成されています。塾選びにお悩みの保護者や学生の方に向けて有益な情報をお届けします。