小学生の夏休みの過ごし方は?学習計画を立てた子ほど勉強時間が長くなる?!
編集部
塾選(ジュクセン)編集部
夏休みは自由な時間も多いため、子どもと一緒に普段経験できないことを楽しみたいという保護者の方も多いのではないでしょうか。とはいえ、夏休みの宿題や勉強もおろそかにはしてほしくないですよね。『塾選』編集部では、小学生の子どもがいる保護者を対象に「夏休みの過ごし方」に関するアンケート(※)を実施しました。その結果、勉強時間に関する理想と現実のギャップ、学習計画を立てることの有効性などさまざまな傾向があることが分かったのです。今回はアンケート結果をもとに、夏休みの過ごし方を【学習編】と【生活編】に分けて分析しました。有意義な夏休みを過ごせるよう、ぜひ参考にしてください。
【学習編】夏休みの勉強時間、保護者の理想と実際の勉強時間には差がある
夏休みを有意義に過ごすために無視できないのが、勉強の時間です。思いっきり夏休みを楽しんでほしいと思いつつ、勉強にも最低限取り組んでほしいのが親心。アンケートでも、45%の保護者が夏休み中に期待する1日の勉強時間として「1時間」と答えています。「2時間」「3時間」と回答している保護者も合わせて50%を占めており、夏休みとはいえ1日1時間以上は勉強してほしいという親の気持ちがうかがえます。
では、実際の勉強時間はどうだったのでしょうか。実際の学習時間を見てみると、「1時間」が約66%、次いで「2時間」が20%でした。このことから、夏休み中も最低1時間は勉強している小学生が多いことが分かります。1日に2時間以上勉強している子どもは少ないことから、保護者の理想と実際の勉強時間にはズレがあることが伺えます。
【学習編】約56%の小学生は「学習計画」を立てていない!計画を立てた子ほど勉強時間が長くなる結果に
保護者の期待と実際の結果とでギャップがあった、夏休み中の勉強時間。「学習計画を立てたか否か」の回答も含めて詳しく調べたところ、興味深い結果がわかりました。
そもそも昨年の夏休みに「学習計画」を立てたかどうかを尋ねたところ、約44%の保護者が「学習計画を立てた」と回答。一方で、56%の保護者は「学習計画を立てなかった」と回答しました。
そして、「学習計画を立てた人」と「学習計画を立てなかった人」で平均学習時間を比べたところ、「学習計画を立てた人」のほうが約30%も長く勉強していることが明らかになりました。この結果から、充実した夏休みを過ごすためには、学習計画を立てて勉強に取り組むことが大切であると言えるでしょう。
【学習編】夏休み中の学習計画、子ども任せにせずサポートすることも忘れずに
夏休み中の学習計画を立てる重要性は前述の通りですが、計画を立てて終わりというわけではありません。学習計画を立てた人に計画通りに進めることができたかどうかを尋ねたところ、24%の人が「計画通りに過ごせなかった」と回答しました。
学習計画を立てたものの、計画通りに進めていくことが難しかったという家庭もあるようです。学習計画を立てたあとは子ども任せにせず、適度に保護者がサポートすることを心がけてみてください。
【学習編】85%の小学生は、夏休み終了の1週間前までに宿題完了
調査によると、学校の宿題を夏休み終了の1週間前までに終わらせている子どもは全体の約85%。大半の家庭では計画的に宿題を進められている一方で、約15%の家庭では宿題の進捗管理が課題となっていることが分かります。
宿題を効率よく終わらせるポイントは、毎日の学習時間を確保し、小さな目標を設定すること。自分で学習計画を立てて夏休みの宿題を進めることは、長期的な学習習慣の形成にも寄与します。まずは毎日30分から1時間宿題に取り組む時間を設け、計画的に学習を進める力を身に着けましょう。
せっかくの楽しい夏休み。夏休みが終わるギリギリまで宿題を気にしながら過ごすのは気持ちが落ち着かず、ストレスもたまります。余裕を持って宿題を進め、思いっきり夏休みを楽しみましょう。
【生活編】夏休み中のスマホ・タブレット・ゲームの利用時間、1日1〜2時間の家庭が全体の62%
夏休みは時間がたくさんあるので、ゲームを長時間やったり、スマホやタブレットばかりを触り続けていたりするのが気になりますよね。夏休みの過ごし方で気になるスマホやゲームとの付き合い方についても調査しました。
子どもが1日に使うスマホ、タブレット、ゲームの利用時間で一番多かったのは1時間の利用で全体の32%、次が2時間の利用で全体の30%。3時間以上の利用を許可している保護者は少数で、それぞれ全体の10%以下であることが分かりました。
ゲームや動画コンテンツなど、子どもにとってデジタルデバイスを使用した娯楽はとても魅力的です。のめりこんでしまわないよう、保護者が適度な利用時間を設定し、学習時間とのバランスを取れるよう工夫しましょう。学習に関連するアプリや教育的なコンテンツを活用し、デジタルデバイスを使用した学びの時間を作ることもおすすめです。
【生活編】夏休み中、子どもと旅行に出かけた保護者は全体の約65%
長期休みになると「旅行計画」を立てる方も多いのではないでしょうか。そこで、昨年の夏休みに子どもと旅行に行った保護者がどのくらいいるかを調査。その結果、約65%の保護者が子どもと旅行していたことが分かりました。
旅行は子どもにとって、新しい経験や学びを得る貴重な機会。異なる文化や自然環境に触れることで、視野が広がり、好奇心が刺激されます。また、家族との時間を共有することで、絆を深めることもできるでしょう。
もちろん旅行以外にも、楽しい夏休みを過ごす方法は多くあります。キャンプをする、博物館や美術館を訪れるなど休み中に子どもと時間を共有できる計画を立て、充実した夏休みを過ごせるようにしたいものです。
夏休みを有意義に過ごすためのポイント
アンケートの回答結果から、多くの保護者が夏休みの過ごし方に課題を持っていることが分かりました。この結果をもとに、学習計画やリフレッシュ方法など夏休みを有意義に過ごすためのポイントをまとめました。
1. 無理のない学習計画を立てる
毎日の学習時間は無理のない範囲で設定することが大切です。1日1〜2時間など時間を設定し、具体的な学習内容を決めましょう。勉強する教科や活動内容は日替わりにするなど、飽きずに続けられる工夫をすることも効果的です。
2. 進捗確認とモチベーションの維持
学習計画を最後まで進行できるよう、定期的に親子で進捗確認を行いましょう。確認の際は、目標を達成できた部分は積極的に褒め、進捗が思わしくない部分は計画を立て直すことが大切です。誘惑の多い長期休暇中の勉強は、中だるみしがち。目標を達成できるよう、子どものモチベーションを高め、維持することを意識しましょう。
3. 適度な休息とリフレッシュ
学習の合間に十分な休息時間を確保し、リフレッシュすることも大切です。家族旅行やキャンプ、美術館・博物館への訪問など、さまざまな体験を通じて充実した夏休みを過ごせるよう計画を立てましょう。
4. デジタルデバイスと上手く付き合う
夏休み中の子どもは、ついスマホやタブレットの利用時間が長くなってしまいがち。保護者が適度に使用時間を管理し、バランス良く楽しめるよう工夫しましょう。教育的なコンテンツを活用し、デジタルデバイスを学びの道具として利用することもおすすめです。
まとめ
今回の調査から、多くの家庭で夏休み中の学習計画を立てていることが分かりました。学習計画を立てたら子ども任せにせず、定期的に保護者が進捗確認を行うことが大切です。現実的な学習目標を設定し、子どものモチベーションを維持しながら学習計画を進める工夫を行いましょう。勉強以外に、旅行など親子で楽しみながら様々な体験をすることも夏休みにしたいことの一つ。学習と遊びを両立させ、充実した夏休みを過ごしましょう。
※アンケート調査概要
調査対象:小学生の子どもを持つ保護者(有効回答数113名)
調査時期:2024年5月
調査機関:自社調査
調査方法:インターネットによる任意回答
調査レポート名:小学生の夏休みの過ごし方
※掲載しているグラフや内容を引用する場合は「塾選調べ:小学生の夏休みの過ごし方」と明記し、『塾選』(https://bestjuku.com/)へのリンク設置をお願いします。
▼参照リンク
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執筆者プロフィール
塾選(ジュクセン)編集部です。実際に学習塾の運営経験がある者や大手メディアの編集経験がある者などで構成されています。塾選びにお悩みの保護者や学生の方に向けて有益な情報をお届けします。