目指すのは「通わなくてもいい塾」。講師×最先端テクノロジーで生徒のやる気を引き出す【個別学習支援塾For ONE】


編集部
塾選(ジュクセン)編集部
長年教育の現場に立ち続けてきた秋山智哉さんは、指導する講師の経験によって生徒の学習成果に差が出てしまう現状に課題を感じていました。その課題に向き合うため、講師の指導力と、「atama+(アタマプラス)」「Monoxer(モノグサ)」など最先端テクノロジーを組み合わせ、生徒一人ひとりに合った「学び」を届けています。今回は、『個別学習支援塾For ONE』の室長である秋山さんに、その取り組みや教育への思いについて話をお聞きしました。
▼プロフィール
秋山智哉 個別学習支援塾For ONE 室長
大学卒業後、学習塾業界へ。講師・教室長を経て、教務部長として複数教室の統括を経験。教育歴20年以上のベテラン塾長でありながら、新しい学習の仕組みにも積極的に取り組み、現在は家庭学習支援アプリなどの最先端テクノロジーを活用しながら「自立型学習」の支援に力を入れている。
講師の経験値に頼らず、すべての生徒に「本当に必要な学び」を届けたい
——『個別学習支援塾For ONE』について教えてください。
『個別学習支援塾For ONE』は、生徒一人ひとりに最適な学習プログラムを提供することと、家庭学習の習慣化を支援することに特化した学習塾です。つまずきの原因や理解度を最新の学習支援ツールによって定量的に可視化し、そのデータをもとに学習サポートを行います。生徒の得意・不得意や、効果的な学習方法に基づいて指導計画を立てることができます。人の力とテクノロジーを融合させた仕組みにより、効率的かつ的確な学習支援を実現しています。
——『個別学習支援塾For ONE』を立ち上げられたきっかけを教えてください。
私は教育業界で長い間、さまざまな立場で多くの生徒を指導してきました。その中で一貫して感じていたのが、講師の経験値によって学習効果に大きな差が出てしまうという課題です。学習効果を高めるには、生徒の苦手な箇所やつまずく原因を見抜いたうえで、一人ひとりに最適な学習内容を計画し、伴走することが必要です。しかし、そうした学習計画を立てるには、どうしても経験が必要となります。
研修や教材などさまざまな工夫を行ってきましたが、新人や経験の浅い講師ではどんなに優秀であっても、なかなかそれが難しいものでした。そういったスキルの差が、最終的には生徒の学習意欲や、さらには学力に影響してしまう。これは構造的な課題だと感じていました。
そこで私は、誰が教えても一定以上の質を担保できるような学習計画を、生徒一人ひとりに対して立てるための手段を模索するようになりました。そんな中で出合ったのが、最先端テクノロジーを活用した学習システム「atama+(アタマプラス)」です。
このシステムは、生徒一人ひとりのつまずきの根本原因を特定し、必要な学習内容を数値的に提案してくれます。講師はそのデータをもとに、生徒の状態ややる気に応じたコーチングに専念する。この役割分担こそが、私が理想としていた、「一人ひとりに最も合った学びを届ける仕組み」でした。
つまずくポイントの特定など生徒それぞれの特性分析と、それを補うための質の高い学習教材はテクノロジーを活用。一方で、効果的に学習を進めていくためのサポートは講師が行う。「atama+」はそのための強力な武器になると確信し、テクノロジーと人の力を組み合わせた塾『個別学習支援塾For ONE』を立ち上げました。
——効果的な学習を進めていくための仕組みがあるということですが、独自の特徴はどのような点でしょうか?
『個別学習支援塾For ONE』では、講師が直接的に教えることはせず、学習は「atama+」を使って進めます。塾にいるのは、質問や疑問があったときにそれに回答し、学習を進めるうえでのサポートを行うティーチングアシスタントである、という点が一番の特徴です。
授業1回あたりいくら、という価格設定ではなく、通い放題の月額定額制を採用しています。これを実現できるのは、「atama+」をフル活用して学習を進めるスタイルを取っているからです。
また、ユニークなのが「ポイント制度」です。生徒が塾に来て学習に取り組むと、ポイントがたまる仕組みになっており、通塾のモチベーション維持にもつながっています。通えば通うほど1コマあたりの費用が割安になる形で、「頑張った分だけお得になる」実感を持てる点が魅力です。
さらに、塾では指導時間だけでなく、日々の学習管理や家庭学習のアドバイスまで一貫してサポートしており、これらのサービスもすべて月謝内に含まれています。「成果に対して追加課金されるのでは?」という心配がないのも、保護者の方に安心していただける仕組みとなっています。
アプリを使った学習であれば、塾は必要ないと思われるかもしれません。しかし、いい教材があっても、それをどう使うか、その教材だけでは理解できない部分をどう解決するか、そして学習意欲を絶やさず継続できるか、という点がとても重要です。だからこそ、塾やティーチングアシスタントによるサポートが不可欠だと考えています。『個別学習支援塾For ONE』では、そうした課題解決の仕組みを効果的に盛り込んだスタイルを実現しています。
「つまずきの原因」を明確にできる学習支援ツール
――学習支援ツール「atama+」について詳しく教えてください。
「atama+」は、生徒の解答傾向や学習履歴を分析し、つまずいている単元までさかのぼって自動で提示する教材です。解いた問題や解答時間などのデータをもとに、どこでつまずいているかを分析し、必要な単元までさかのぼって復習できる仕組みになっています。これにより、生徒一人ひとりに合った学習カリキュラムを作ることが可能になります。
――「atama+」を導入することで、どのような変化がありましたか?
一番大きいのは、生徒の「なぜできないのか」が明確になったことです。従来は、講師が生徒の間違いを見て原因を推測し、仮説を立てながら指導していくというスタイルが一般的でした。しかし、そこにはどうしても講師の経験や勘が必要で、属人的な面が強かったのです。
「atama+」を使うと、たとえば、いま中学2年生の数学の内容でつまずいている生徒が、実は小学5年生の割り算の理解が不十分だったことに要因がある、ということもわかります。単に「その問題に答えることができたかできなかったか」といった表面的な評価ではなく、根本原因を見つけられる点が特徴です。
このおかげで、講師は本当に必要な学習内容をプランニングできるようになります。指導のスピードも上がり、生徒の本質的な理解も深まります。結果として講師による指導のばらつきが解消され、質が標準化されました。これまで塾選びというと、進学実績ぐらいしか比較基準がありませんでした。それだけを判断基準として「どの塾に通うか」という重要な選択をするのは、まるでギャンブルのようなもの。それを解消するという意味でも意義があることだと考えています。
――「Monoxer(モノグサ)」というアプリも活用しているとお聞きしました。どのような効果がありましたか?
学習支援アプリ「Monoxer」は、記憶の定着をサポートするアプリです。記憶度と忘却速度というスコアを生徒ごとに算出することで、効果的な覚え方を支援します。また、ゲーム感覚で学べる点と、学習した内容がログとして見える化できる点が特徴です。
これまで、家庭でどれくらい勉強しているかは、机に向かっている時間で測られていました。しかし、誰しも思い当たると思いますが「机に向かっているけれど集中していない」ということは多々あります。
ところが、「Monoxer」を活用すると、「何を」「どのくらい」「どんな精度で」取り組んでいるかが数字として残るようになり、家庭学習の質と量が正確に把握できるようになります。
たとえば、「1日10分の勉強を6回やった子」と「1時間の勉強をダラダラ1回やった子」では、同じ60分でも学習の定着度はまったく違います。「Monoxer」はその違いまで可視化できるため、講師側も的確なアドバイスがしやすくなり、保護者の方にも見守る安心感が生まれています。
実際、ある保護者の方から「うちの子が、こんなにちゃんとやっているとは思いませんでした。努力が見える形でわかってうれしいです」と感動されたこともありました。学習の記録が証拠として残ることで、生徒自身のモチベーションアップにもつながっています。
保護者にとっても、努力が見えることは安心感につながりますし、塾の講師たちとの信頼関係も深まります。学習というのは、学校と家庭と塾の三者で支えるものです。その連携がよりスムーズになるのも、こうした仕組みの強みだと考えています。
目指すのは『通わなくてもいい塾』
――塾に通うこと自体を目的にさせないという考え方が印象的でした。
本来、塾というのは「自分で学ぶ力を育てる場所」だと私は考えています。極端な話、塾に通わなくても、最終的には自分で勉強できるようになることが理想です。私たちはそのための「練習場」として存在するべきだと思っています。
実際、「塾に頼り切らず、家でも主体的に学べる子」を育てることを目標にしております。通塾が目的になってしまうと、たとえ成績が上がっても塾に依存してしまう可能性があります。それでは、本当の意味での「学ぶ力」は育ちません。家庭学習支援アプリや最先端テクノロジーの力を借りながら、子どもたちが自ら考え、学び、振り返る力を養っていく。その結果として「もう塾に通わなくても大丈夫」と言える状態になれば、それが私たちの成功だと思っています。
ーー今後の展望をどのようにお考えですか?
これまでは「塾で何をしているのか」「家でどれだけ勉強しているのか」が保護者にはわかりづらい、いわゆるブラックボックスになりがちでした。しかし、『個別学習支援塾For ONE』では、生徒の努力や学習の中身を理解しやすくしました。今後はこの仕組みをさらに発展させ、「やっているのに成績が上がらない」という保護者の不安や、「どうサポートすればいいかわからない」という悩みに寄り添っていきたいと考えています。
また、「学力の定着には家庭学習が重要」と言われる中、塾と家庭がうまく連携できていないケースも少なくありません。そこで、保護者とも学習データを共有しながら、塾・家庭・本人の三者が同じ方向を向いて取り組める環境をさらに整備していきたいと考えています。
――生徒の自主性を育てるという意味でも素晴らしい取り組みですね。最後に、保護者や生徒へのメッセージをお願いします。
私たちは「努力が報われない」という状態をなくしたいと思っています。頑張っているのに結果が出ない。勉強しているのに伸び悩む。そうした悩みの多くは、「正しい努力」ができていないことが原因です。『個別学習支援塾For ONE』では、その生徒に合った正しい努力の方向性を見極め、必要なサポートを届けることを大切にしています。
一人ひとりに合った最適な学習法は違います。テンポが早い生徒もいれば、丁寧に進める生徒もいる。一律のカリキュラムではなく、個別最適化された学びを提供することで、どんな生徒も「できた!」という実感が得られるようにしたいと考えています。そしてその喜びが、自信となり、次の学びへの原動力になる。勉強に悩むすべてのご家庭に、『個別学習支援塾For ONE』の取り組みを知っていただけたら嬉しいです。
取材後記
リーズナブルな価格でありながら、一人ひとりに最適化された質の高い学習支援を行っている『個別学習支援塾For ONE』。テクノロジーと人の力を上手に活用することで指導の属人性を取り払い、どの講師でも安定した学習成果を出せる仕組みを整えています。また、保護者との連携を大切にされていることなど、インタビュー中に「なるほど」と感銘を受ける場面が何度もありました。秋山室長が一貫して語っていたのは、「自立して学ぶ力を育てたい」という想い。その言葉の通り、子どもたちが塾に頼らず自ら学べるようになるための工夫が随所に見られ、教育への深い愛情と信念が伝わってきました。保護者の方から「子どもがどんなふうに頑張っているのか、初めて知ることができた」と感謝を伝えられたというエピソードも印象的で、まさに「家庭とつながる塾」としての使命を果たしているのだと感じました。
【『塾選(ジュクセン)』編集部 谷口勇人】
※掲載内容は2025年3月時点の情報です。
執筆者プロフィール

塾選(ジュクセン)編集部です。実際に学習塾の運営経験がある者や大手メディアの編集経験がある者などで構成されています。塾選びにお悩みの保護者や学生の方に向けて有益な情報をお届けします。