【お悩み相談室♯011】高校受験編|いつも苦手科目を後回しにしてしまう我が子。苦手科目の勉強法は?


編集部
塾選ジャーナル編集部

ひのき進学教室 三軒茶屋校講師
大山雅司
「子どもが勉強をしない」「うちの子、本当に高校に行ける?」「反抗期でまったく親の言うことを聞かない」……子どものモチベーションの低さや学力の伸び悩みに加え、親子間でのコミュニケーションの難しさ。思春期でもある高校受験生を持つ親の悩みは尽きません。
実際、塾選ジャーナル編集部が行った高校受験に関するアンケートによれば、98%の保護者が「悩みがある」と回答。そこで、高校受験を控えた中学生の子を持つ保護者の悩みを解決するため、受験指導のプロ・大山雅司先生にアドバイスをもらいました。ぜひ、お子さんへのサポートに役立ててください!
【今回のお悩み】いつも苦手科目を後回しにしてしまう我が子。苦手科目の勉強法は?
【CASE 011】中学1年生・女子
性格:
おとなしく、どちらかというとマイペースな性格。
【今回のお悩み】
ペンネーム:abyさん(中学1年生 保護者)
得意科目と苦手科目がはっきりしている娘。苦手科目の数学の宿題やテスト勉強をいつも後回しにして、得意科目の国語を代わりに勉強して埋め合わせをしているつもりになっています。苦手科目をどうやって勉強させればいいのでしょうか?
【大山雅司先生のアドバイス】苦手なりに最低限やっているなら大丈夫。苦手科目だけはゆっくり学べる環境を作ってあげて。
中学1年生であれば、苦手科目はあっていい時期です。勉強する順番を後回しにしていても、最後に何とか終わらせているのであれば問題はありません。
問題は、苦手を理由に勉強から完全に逃げてしまっているケースです。その場合、苦手科目だけは、個別学習塾や家庭教師、あるいは質問がしやすい雰囲気がある集団塾など、本人のペースに合わせてゆっくり学べる学習環境を用意してあげるといいでしょう。学校の勉強で理解できなくなったところまで、思いっきり戻って学びなおすのもおすすめ。また、具体的にどの単元や問題タイプが苦手なのかを明確にすることも重要です。漠然と「数学が苦手」というより、「方程式の文章題が苦手」など具体的に把握できれば、対策も立てやすくなります。中学3年生になってから、1年生・2年生の勉強に戻るのは時間的に厳しくなるので、今のうちに対策をしておきましょう。
子どもが自分から苦手を克服しようと思えるようになるのは、「この高校に受かりたい」といった具体的な目標が見えてきてから。それまでは、自分の意志だけで苦手を克服しようとは思いづらいものです。最低限やるべきラインを一緒に決めて、こちらから声をかけるようにしましょう。例えば、「学校や塾の宿題だけはやる」「勉強開始時に先に苦手科目に取り組む」「5分間だけでも毎日取り組む」といったラインを決めるのも効果的です。「このくらいなら取り組めるかも」と本人が少しでも前向きになれるラインがいいでしょう。
受験を考えると、もちろん苦手科目がないに越したことはありません。でも、上位校に合格する子であっても、受験後半期まで苦手科目はあるものです。中学3年生の冬休みまで苦しみながら頑張って、ようやく点がとれるようになって合格するというケースもよくあります。大事なのは、「苦手科目があるか・ないか」ではなく、「苦手なりにどれだけ勉強したか」なんです。
対策を取る前に見極めたいのは、「得意科目と比較して苦手」なのか「周囲の子と比較して苦手」なのかという点です。成績や定期テストの点数で苦手が目に見えているのであれば、塾に行くなど何かしら手を打った方がいいですが、学校の勉強についていけているのであれば、そこまで気にする必要はないでしょう。「最低限がクリアできていればOK」というスタンスで、長い目で見守ってあげましょう。
一方で、得意科目があるのは、とても素晴らしいことです。苦手科目に気を取られすぎずに、得意科目は「本人の大事な強み」として言葉にして認め、自信を持たせてそのまま伸ばしてあげたいですね。
成功へ導く賢者からの金言!
短期間で苦手を克服するのは難しい。
本人のペースに合わせて学び直せる環境の用意を
※塾選調べ:
対象:高校受験をする予定の子どもをもつ保護者49名にアンケートを実施
期間:2025年1月7日~14日実施
執筆者プロフィール

塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。
監修者プロフィール

塾講師として中学・高校・大学受験指導を行っている。2020年にYou Tubeチャンネル「ひのき三軒茶屋」を開設し、主に高校受験に関する内容を配信中。2024年8月には都立高校の口コミ・データサイト「都立合格.com(ドットコム)」の運用を開始。“受験を少しでも面白く乗り越える”手助けを行うことを目標に動画制作を行っている。