英語教育ってどうなってる?親ができる備えと英語学習の選び方【2025年最新版】

英語教育が大切だといわれて久しい昨今。
小学校での英語の必修化や、英検取得・英語塾通いの低年齢化が進む中で、「うちの子には何をどこまでやらせるべき?」「周りに遅れていない?」と、迷いを抱える保護者も多いのではないでしょうか。
一方で「AI翻訳があるのに、英語って本当に必要?」「英語よりもっと大切なことがあるのでは?」といった声も聞こえてきます。
この記事では、そうした揺れる気持ちに寄り添いながら、今の英語教育がどこに向かっているのか、そして保護者としてどのように備え、選択していけばいいのかをやさしく解説していきます。
「うちの子に合った英語教育」との向き合い方のヒントになれば幸いです。

編集部
塾選ジャーナル編集部
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英語教育、なぜ今注目されているのか?
日本の英語教育は近年、大きく変化しています。学習指導要領の改訂や国際化への対応を背景に、「なぜ今、英語教育が重要なのか?」という問いが注目されるようになりました。
この章では、英語教育が重視されるようになった社会的背景を解説します。
小学校でも英語が教科に……教育改革が進む
英語教育が注目を集めている背景には、小学校における英語の必修化があります。2020年度からの学習指導要領の改訂により、英語は小学3年生から「外国語活動」として導入されました。
さらに5・6年生では、英語が正式な教科として評価対象になりました。この変化は、英語を「読む・書く」だけでなく、「聞く・話す」を含む4技能で扱うことを目的としているのです。
今後は知識や技能に加え、課題解決のための思考力・判断力・表現力の育成が重視されています。
つまり、英語を知識として「学ぶ」だけでなく、社会の中で「使う」ことが前提とされるようになったのです。こうした教育改革が、英語教育の重要性を後押ししています。
社会全体で進む「英語力」重視の流れ
英語教育が注目される背景には、社会全体で加速する「英語力」重視の流れがあります。もはや英語は一部の専門家や国際職だけでなく、誰もが使いこなすべきスキルと捉えられる時代に入りました。
文部科学省の提言でも、英語教育の強化は学校教育にとどまらず、日本全体の課題と明言されています。
参考:「今後の英語教育の改善・充実方策について 報告~グローバル化に対応した英語教育改革の五つの提言~」(文部科学省)(2025年6月11日閲覧)
グローバル化が進む現代では、異文化理解や多様な価値観の受容がますます重要です。英語を使って他者と関わる力は、国際社会における日本人の存在感を高めるためにも不可欠といえるでしょう。
ただし英語力だけがあればいいわけではありません。日本の歴史や文化への理解、自国への誇り、論理的な思考力といった教養も同時に求められます。そうした土台があってこそ、真に意味のある国際コミュニケーションが成立します。
英語教育は「道具としての英語」を育むだけでなく、自らの言葉で考え、伝える力を育てる役割を担う時代に入っているのです。
未来を見据えた“使える英語”の必要性
英語教育が重視される背景には、「使える英語」へのニーズが高まっている現実があります。これからの社会では、単語や文法の暗記だけでは不十分で、実際のコミュニケーションに対応できる英語力が求められます。
英語を通じて情報を正確に理解し、自分の意見や考えを相手に伝える力が必要です。「読む・書く」だけでなく、「聞く・話す」も含めた4技能のバランスが重要視されています。
こうした背景を受け、英語教育も変化しています。文部科学省が推進する教育改革では、「思考力・判断力・表現力」を英語で発揮できることを到達目標としています。
将来どのような職業に就くとしても、国際的なコミュニケーションの場面は確実に増えます。だからこそ「話せる英語」ではなく、「伝わる英語」が求められる時代になっているのです。
そのような実践力を評価する指標として注目されているのが、CEFR(セファール)です。これはヨーロッパを中心に広く使われている語学力の国際基準で、「聞く・話す・読む・書く」の4技能を6段階で評価します。
CEFRを活用すれば、学校のテストや受験だけでなく、世界で通用する英語力の育成にも役立ちます。近年では、英検やTOEFL、IELTSなどの英語資格にもこの基準が反映されています。
これからの英語教育では、「知識を覚える」ことに加えて、英語を使って「理解し合う力」をどう育てるかが大きなテーマとなるでしょう。
英語教育って今どうなってる?昔との違いと最新事情
ここでは、学年ごとにどのように英語教育が変化してきたのかを紹介します。特に学習指導要領の改訂以降、各ステージで求められる英語力は大きく変化しました。
現在の教育では、単なる知識の習得にとどまらず、英語を実際に使える力の育成が重視されています。
小学校:「聞く・話す」中心から「読む・書く」も加わる
以前の小学校英語は、主に5・6年生を対象にした「外国語活動」が中心でした。内容も、英語の音やリズムに親しむ「聞く」「話す」に重点が置かれていました。
しかし2020年度の学習指導要領の改訂によって、大きな転換が図られました。外国語活動は3・4年生にも広がり、5・6年生では英語が正式な「教科」として扱われるようになりました。
この変更により、授業の内容も大きく変化しました。単に聞いたり話したりするだけでなく、「読む」「書く」力も育てる必要が出てきたのです。アルファベットの読み書きや簡単な英文の理解など、基礎的なリテラシーの育成が重視されています。
こうした変化は、中学校での英語学習との円滑な接続を意識したものです。小学校段階から多面的な言語能力を育てることで、以降の学びにスムーズに入れるよう土台を築いているのです。
中学校・高校:「授業は英語で」「4技能5領域」が基本方針に
中学校および高校の英語授業では、「英語で授業を行うこと」が基本方針として定められました。これは、文法や語彙の知識習得にとどまらず、実際の運用力を育成するための施策です。
授業はできるだけ英語で進行し、教員も指示や説明を英語で行うことが推奨されています。これにより、英語に触れる量が飛躍的に増え、生徒の「慣れ」を促進します。
高校では、「論理・表現」という新科目が設けられました。この授業では、英語で自分の意見を論理的にまとめ、説得力を持って伝える力の育成を目指します。
英語教育全体の評価軸も見直され、「聞く・話す・読む・書く」の4技能に、「話す」をさらに「やり取り」と「発表」に分けた5領域での評価が導入されました。
これに伴い、スピーチやプレゼンテーション、ディベートやディスカッションなど、アウトプット型の学習が重視されています。受け身の学習だけでなく、自ら発信する力が問われるようになったのです。
これらの変化は、単に授業の方法を変えるだけでなく、大学入試や将来の国際社会での活躍を見据えた教育方針の転換ともいえます。従来の「読む・書く」中心の授業から、総合的な言語活動へと進化しているのです。
小・中・高:ICTを活用した英語教育の広がり
英語教育の現場では、ICT(情報通信技術)の導入が急速に進んでいます。文部科学省が推進する「GIGAスクール構想」により、児童生徒一人につき一台の端末が整備されました。
この整備により、小・中・高いずれの段階でもタブレットやPCを使った授業が本格化しています。英語の授業でもICT活用の幅が広がっているのです。
小・中・高では、以下のようなICTを活用した授業内容を展開しているところもあります。
- 動画や音声で発音やリスニングに触れる
- 語彙や文法を繰り返し学べるオンライン教材を使用
- 英語でのディスカッションやスピーチ活動を重視
ICTを活用することで、英語を「使う」体験がより身近になっています。
今後はICT環境を生かして、教育の質をさらに高めることが求められます。また地域や学校ごとの格差をどう埋めるかも大きな課題です。
大学入試:リスニングの配点増加や外部試験の活用
大学入試における英語力の評価方法は、ここ数年で大きく変化しました。以前のセンター試験では、英語の配点はリーディングが200点、リスニングは50点でした。
しかし現在の大学入学共通テストでは、リーディングとリスニングがともに100点満点です。この変更により、「聞く力」の重要性が明確に位置づけられるようになりました。
単に読解力を問うだけでなく、実際に使える英語力を総合的に評価する流れが強まっています。リスニング力が合否に与える影響も無視できません。
さらに英検®、TOEFL、IELTSなどの民間英語試験を評価に取り入れる大学も増加しています。外部試験のスコアが出願資格や加点要素に活用されるケースも少なくありません。
こうした制度変更は、従来のペーパーテスト偏重の評価から脱却し、実践的な英語力を重視する方針を反映しています。英語教育の現場でも、入試を見据えた4技能の強化が求められるようになりました。
今後の大学入試では、学校の成績や模試の点数だけでなく、自分の英語運用能力を客観的に証明する手段が重要になります。早めに対策を始めることが合格への近道です。
大学受験と英検®の関係について詳しく知りたいという方は、以下の記事をご覧ください。
学校教育だけではカバーしきれない部分とは?
日本の英語教育は制度的にも改善が進んでいますが、学校教育だけでは補いきれない課題も残されています。
実際には、以下のような弱点が長年にわたり指摘されています。
- 音声学習や会話練習の時間が圧倒的に少ない
- 大学入試に偏ったカリキュラムで実用性に乏しい
- 英語を「訳すもの」として学ぶ傾向が根強い
- 学習時間そのものが諸外国と比べて短い
- 英語を実際に使用する機会が日常にほとんどない
- 海外経験のある教員や英語話者が限られている
- ALT(外国語指導助手)の配置や活用が不十分
これらの課題が重なると、英語を学んでいても「使えない」という事態が起こりやすくなります。
例えば長文を読む力はあっても、会話になると話せない、聞き取れないというケースは少なくありません。
学校だけに頼らず、自主学習や家庭でのサポートが必要と感じる人も増えています。学外での学習が学力の差を広げる一因となっているともいえるでしょう。
次のセクションでは、こうした学校外での取り組みとして「家庭でできる英語教育」について詳しく解説します。
うちの子に合うのはどんな学び?家庭でできる関わり方
英語教育は一律の方法では効果が出にくく、子どもの性格や成長段階に応じたアプローチが重要です。
この章では、学年別・性格別に応じた学びのスタイルや、家庭でできる関わり方のヒントを紹介します。
親ができるサポートは限られていても、ちょっとした声かけや環境づくりで学習効果が大きく変わることもあります。
学年別・性格別の英語教育のアプローチとは
子どもの学年や性格によって、適した英語の学び方は異なります。以下に代表的なケースごとのアプローチ例を紹介します。
【小学校低学年 × 好奇心旺盛タイプ】
英語の「意味」よりも「音」を楽しませることがポイントです。絵本の読み聞かせや英語の歌、アニメなどで自然に耳を慣らす習慣づけが効果的です。
無理に意味を理解させようとせず、リズムや響きを楽しむ時間にしましょう。
【小学校高学年 × コツコツ型】
文法や単語の理解にも興味が出てくる時期です。英語アプリやオンライン教材を活用し、「日々の積み重ね」が結果に結びつく体験をさせるのがおすすめです。
目標を明確にし、達成感を味わわせると自信につながります。
【中学生 × 繊細タイプ】
間違いを気にして発言を控えることもあるかもしれません。まずは「話して間違ってもいい」という安心感を与えることが大切です。
親子のちょっとした英語のやりとりや、チャット型アプリを使った一人学習など、プレッシャーの少ない方法を選びましょう。
【高校生 × 好戦的・挑戦タイプ】
英語検定やスピーチコンテスト、留学など、外部のチャレンジ機会に積極的に関わるとモチベーションが高まります。
自主性が育っている場合は、保護者はサポート役に徹し、目標設定や教材選びに付き添う程度にとどめるのも有効です。
子どもの性格や成長段階を見極め、「その子らしい英語との関わり方」を家庭で支えることが、長期的な学びの継続につながります。
家庭での声かけはどうする?
英語教育では、家庭での声かけが大きな影響を与えます。ただし、やみくもに励ましたり厳しく促したりするだけでは逆効果になることも。子どもの特性に合ったタイミングや内容の声かけが重要です。
例えば「発音うまくなったね」「昨日より早く読めてるね」といった小さな成長に気づいて言葉にすることで、子どもの自信は自然と高まります。
一方で「毎日やらないとダメ」「間違えすぎ」といった否定的な言葉は、英語そのものへの苦手意識を植えつけてしまうリスクがあります。
重要なのは、「やらせる」のではなく、「伴走する」イメージ。子どもが楽しく英語を学べる環境を構築することが重要になります。
とはいえ、家庭だけで英語力を伸ばし続けるのには限界もあります。特にスピーキングやリスニングのような「アウトプット」の機会は、日常生活だけでは確保が難しい場合も少なくありません。
そうしたとき、民間の英語塾や英会話スクールといった補完的な学習環境が、有効な選択肢となります。
学校の授業だけでは身につきにくい「実践力」や「継続的なアウトプットの機会」を補う場として、英語塾は注目されています。
次のセクションでは、英語塾とはどのような場所か、そして家庭との役割分担について詳しく解説します。
英語塾って必要?家庭との違いや活用の仕方を考える
近年、英語塾の必要性が注目される一方で「家庭学習だけでも十分では?」と迷う保護者の方も少なくありません。
確かに英語塾が必ずしも「絶対に必要」というわけではなく、家庭学習だけで成果を上げるケースもあります。しかし、すべてを家庭で完結するのが難しいのも事実であり、英語塾は英語力を着実に伸ばすために「必要性の高い選択肢」と言えます。
ここでは、英語塾と家庭学習の役割の違いや、それぞれが補い合えるポイントを整理します。「塾が必要か不要か」の二択ではなく、上手に使い分けることで、学習効果を最大化できることが重要です。
英語塾の役割は?
英語塾とは、英語に特化した指導を行う学習塾のことです。国語や数学など他教科も扱う総合塾とは異なり、英語力を段階的かつ体系的に高めることに特化しています。
多くの場合、学年やレベルに応じたクラス編成がされており、学校での学習内容を補いつつ、より実践的・発展的な内容を扱います。
特に「読む」「書く」の力を伸ばすカリキュラムが中心となることが多く、文法力や語彙力の土台づくりに重点を置いている点が特徴です。
一方で、4技能(聞く・話す・読む・書く)をバランスよく指導する塾も増えており、英検やTOEIC対策を導入しているところもあります。
授業のスタイルは、反復練習・発話トレーニング・ライティング演習など、目標に合わせて設計されていることが一般的です。
また英語塾の多くは受験指導にも対応しており、中学生・高校生向けに志望校別の対策講座を用意しているところもあります。
特に難関校を目指す場合は、学校では扱わない実戦的な英語力が求められるため、英語塾での補強が効果的とされています。
英語塾は単に勉強を教えるだけでなく、英語を「習慣づける場」としても有効です。家庭学習では難しい継続やアウトプットの機会が、塾では日常的に得られます。
英語塾に向いている子の特徴は?
英語塾に向いている子の特徴としては、以下のような点が挙げられます。
英語塾に向いている子の特徴
向いている子 | 向いている理由 |
---|---|
「聞く」「話す」英語力を身につけたい子 | 学校ではカバーしきれないスピーキングやリスニングに力を入れたい子は、塾での実践的な学びが効果的です。 |
好奇心が旺盛な子 | 新しい表現や外国文化に興味を持てる子は、英語学習を楽しみながら継続しやすい傾向があります。 |
細かくサポートしてほしい子 | つまずきを一つひとつ解消したい子には、個別対応や段階的な指導を受けられる英語塾が向いています。 |
これらに当てはまる場合、英語塾は自信や学習習慣の形成にとって有力な選択肢となるでしょう。
反対に自発的にアウトプットするのが苦手な子は、少人数クラスや1対1指導の塾を選ぶと安心です。
英語教育は英語塾に任せっきりでいい?
「英語教育を英語塾にすべて任せたい」という方もいらっしゃるかもしれませんが、注意が必要です。塾はあくまでサポート役であり、すべてを任せるべき場ではありません。
学校教育と家庭での関わりがあってこそ、英語力は総合的に伸びていきます。特に家庭での声かけや復習習慣の定着は、英語の定着率に大きな影響を与えます。
英語塾で学んだ内容を日常生活の中でも活用することで、より深い理解につながります。
例えば家庭で英語のアニメを一緒に見たり、英語で簡単なやり取りをしてみたりするのもよいでしょう。
英語塾に通わせる場合でも、「学んだことを家庭でどう生かすか」を意識して関わることが大切です。塾と家庭が連携してこそ、子どもの学びは広がっていきます。
子どものタイプ別 英語塾の選び方と参考レポート
英語塾を選ぶ際は、年齢や学習目的に合った指導スタイルかどうかを見極めることが重要です。
子どもの成長段階によって適した塾のタイプや学習法は異なります。
【学年別】おすすめ英語塾の選び方
ここでは、小学生・中学生・高校生の学年別におすすめ英語塾の選び方について紹介します。
小学生の英語塾を選ぶ際のポイント
小学生にとって大切なのは、英語を「楽しい」と感じられることです。英語に触れたばかりの段階で「つまらない」「難しい」と感じてしまうと、学習意欲が低下しやすくなります。
英語は将来、受験やキャリアにも関わる重要な教科です。だからこそ、小学生のうちに英語への興味やポジティブな感情を育てておくことが大切になります。
塾を選ぶ際は、子どもの成功体験を積極的に褒める指導方針かどうか、フレンドリーなコミュニケーションを重視する塾かどうかを確認しましょう。
こうした環境なら、英語学習を「楽しい」と感じる土台が整いやすくなります。
中学生の英語塾を選ぶ際のポイント
中学生に必要なのは、英語の基礎力を4技能(読む・書く・聞く・話す)全体でバランスよく身につけることです。
特に中学生の英語力には、以下の4つの要素が求められます。
- 単語力:これまでの学習指導要領よりも大幅にアップした単語数
- 文法力:文章構造の理解を支える力。正しい語順や時制を把握する必要も
- 読解力:定期テストや入試では、意味を素早く正確に読み取る力がカギ
- リスニング力:共通テストなどで配点比率が上昇中。日常会話レベルの聞き取りが重要
これらを効果的に学べる塾を選ぶことで、定期試験対策から受験準備まで幅広く対応できます。
高校生の英語塾を選ぶ際のポイント
高校生には、応用力・論理力・表現力を鍛える指導ができる英語塾が求められます。
単なる文法の解説ではなく、長文読解・英作文・要約・プレゼンなど、実践的な英語力を育てる必要があるからです。
また高校英語は内容が抽象的かつ複雑になっていくため、専門性の高い講師が在籍しているかどうかが大きな判断材料になります。
できれば体験授業を通じて、講師のレベルや指導の深さを事前にチェックしておきましょう。
講師との相性やフィードバックの質も、継続学習のモチベーションを左右する大切な要素です。
オンラインと対面、どちらが向いている?
英語塾を選ぶ際に悩みやすいのが、オンライン型か対面型か、どちらが子どもに合っているかという点です。
それぞれにメリット・デメリットがありますが、子どもの性格や生活スタイルによって向き不向きがあります。
オンライン塾に向いている子どもの特徴は、以下のとおりです。
- 部活動や習い事で時間が限られている
- 一人で集中して勉強する習慣がある
- 実績あるプロ講師の授業を受けたい
これらに当てはまる場合は、オンライン英語塾の選択肢も積極的に検討する価値があるでしょう。
逆に、対面塾に向いている子どもの特徴は以下のとおりです。
- 自宅では集中しづらい
- 講師やほかの生徒と対面でやり取りしたい
- 習慣化が苦手で、自主的に学ぶのが難しい
- 発音やスピーキングを細かく見てほしい
自分の子どもがどちらのタイプか、子どもとも相談して英語塾を選んでいきましょう。
長く続けられる英語塾とは?体験・面談で見るべきポイント
英語塾を選ぶ際には、「どこに通うか」以上に「長く続けられるか」が重要です。
継続的な学習の積み重ねが、確かな英語力を育てていきます。
以下に、体験授業や面談時にチェックすべきポイントをまとめました。ぜひ英語塾を選ぶときの参考にしてください。
- 通塾する目的を明確に
- 通い続けられる料金かどうか
- 体験授業の有無
- 指導内容(4技能まんべんなくか、ほかにも強みがあるか)
- 講師の専門性はどうか、ネイティブスピーカーはいるか
実際の英語塾はどんな感じ?
ここまで英語塾のメリットや向いている子どもの特徴、選び方などを紹介してきました。
では、実際の英語塾ではどのような学びが行われているのでしょうか。
塾によっては、英検対策やスピーキング重視の授業、グループディスカッションやライティング演習など、多様なスタイルがあります。
授業形式や教材の質、講師の対応なども塾ごとに大きく異なるため、実際に通う前にしっかりと情報収集することが大切です。
「英語教育のいま − 注目の英語塾レポート」では、英語教育に不安や疑問を抱える保護者向けに、今注目されている英語塾の指導内容や学習環境を取材・紹介しています。実際のレッスン風景や講師の声も紹介しており、塾選びの参考になる内容です。
詳しくは、以下の連載をご覧ください。
「もはや英語はAIでいいのでは?」という問いへの答え
「翻訳アプリが進化している今、英語を学ぶ必要はあるのだろうか?」と疑問に感じる人もいるかもしれません。確かに、AIの発展により、日常的な翻訳や通訳の精度は飛躍的に高まっています。
しかし英語を学ぶ意義は、単なる言語変換だけにとどまりません。英語を自分の力で使いこなすことには、思考力や表現力を養う効果もあります。また受験や進学、就職などの場面でも、英語力が必要となるケースは少なくありません。
この章では、「AIがあるから英語はいらない」と考える前に知っておきたい、英語を学ぶ意義について解説します。
受験には「英語」がついて回る
学校教育の改革により、英語の重要性は年々高まっています。さらに英語は中学受験・高校受験・大学受験のいずれの段階においても、主要科目として出題されるのが一般的です。
入試では、AIの助けを借りることはできません。その場で英文を読み、聞き取り、適切な解答を導き出す力が求められます。
また多くの試験では、リスニングやライティングといった実践的な力も評価対象になります。
受験という観点だけでも、英語を避けて通ることは難しいといえるでしょう。だからこそ、早い段階から英語に親しみ、基礎力を身につけておくことが非常に重要です。
思考・表現言語としての役割をもつ「英語」
英語は単なる教科ではなく、自分の思考を整理し、他者に伝えるための「言語ツール」としての役割を持っています。
文章や会話の中で論理を構築する際にも、英語という言語が土台になる場面は多く存在します。
例えば英語で意見を書く・話す練習を重ねることで、論理的に考える力が自然と鍛えられます。これは、日本語だけを使っていると得られにくい「言語を通じた思考力の育成」にもつながります。
また国際的な議論や異文化コミュニケーションの場面では、英語を通して自分の立場を表現する力が求められます。
こうした能力は、AIに頼らず、自分の頭と言葉で考え、伝える経験からこそ養われるものです。
英語を「自分の思考と言葉で扱うスキル」として捉えることが、これからの英語学習において極めて重要となるでしょう。
将来に向けた取り組みが重要
英語教育は、目先のテスト対策だけでなく、将来を見据えた力を育てることが目的です。
今後ますます進むグローバル化に対応するためにも、早い段階から実践的な英語力を意識しておくことが求められます。
繰り返しになりますが、英語での情報収集や発信スキルは、あらゆる分野で必要とされるようになってきました。
将来的に、職業や生活の中で外国語を使う機会は確実に増えると予想されています。
そのような社会に備えるには、単なる暗記ではなく、自ら英語を「使って考える」姿勢が重要です。
学校や塾、家庭のサポートを通じて、少しずつでも実践を重ねていくことが将来につながります。
英語は一朝一夕では身につきません。だからこそ、今できる一歩を積み重ねていくことが、将来の可能性を広げるカギになります。
英語教育についてよくある質問(FAQ)
ここでは、英語教育に関して保護者や学習者からよく寄せられる質問に対して、わかりやすく解説します。
学習のスタート時や塾選びで迷ったときの参考にしてみてください。
英語を勉強するにはまず何から始めればよいですか?
英語学習を始める際に最も基本となるのが、「単語力」を身につけることです。
語彙が増えれば、リーディング・リスニング・ライティングといったほかの技能の理解もスムーズになります。
例えば文章を読んでも単語の意味がわからなければ、内容を正確に把握するのは難しくなります。
英語の4技能すべてにおいて、単語力は土台となるスキルです。
とはいえ、学び始めに最も大切なのは「楽しみながら続けられるかどうか」という点です。
無理に詰め込みすぎると英語への抵抗感が生まれやすくなるため、ポジティブな気持ちで取り組める方法を選ぶことが成功のカギになります。
英語教育は何歳から始めるべきですか?早い方がいい?
英語教育を始める最適な年齢に明確な決まりはありません。ただし先述のとおり、小学校では3年生から外国語活動が始まり、5・6年生では英語が正式な教科として導入されています。
このような背景を踏まえると、できるだけ早いうちから英語に触れておくことが望ましいといえるでしょう。特に幼児期は言語習得に対する感受性が高いため、英語の音やリズムに慣れる絶好のタイミングです。
とはいえ、早く始めることが必ずしも正解ではなく、本人の興味関心に合わせたタイミングで導入することが重要といえるでしょう。
日本の英語教育のレベルはどれくらいですか?
国際語学教育機関「EFエデュケーション・ファースト」が発表した2024年の調査によると、日本の英語力は世界116の国と地域の中で92位という結果でした。
この順位は、英語学習の歴史が長いにもかかわらず、日本が依然として英語運用能力に課題を抱えていることを示しています。
特にスピーキングやリスニングなどの実践的なスキルにおいて、日本は他国と比較して弱い傾向が見られます。このような現状を改善するためにも、早期教育やアウトプット重視の学習環境の整備がますます重要になるでしょう。
英検®はやはり受けるべきですか?
英語教育の重要性が高まる中、英検®を受験する意義は十分にあります。検定に挑戦することで、語彙力や文法の定着度を測る機会になるだけでなく、学習へのモチベーション維持にもつながります。
また英検®は大学入試や高校推薦でも活用される場面が増えており、客観的な英語力の証明として有効です。ただし合格を目指すことに気を取られすぎて、英語そのものを嫌いになってしまっては本末転倒です。
大切なのは、子どもが「楽しく続けられるかどうか」。英語の楽しさを感じながら学び、その延長線上に検定がある、という流れが理想的です。
英検®の概要や活用方法については、以下の記事でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。



まとめ|子どもに合った英語との付き合い方を見つけよう
英語教育は、今や受験対策だけでなく、子どもの将来の可能性を広げる大切な学びとなっています。
小学校での英語必修化や大学入試改革などを背景に、家庭でも早期の英語学習に目を向ける時代が訪れています。
英語塾をはじめとした多様な学習手段を活用すれば、子ども一人ひとりに合ったアプローチが可能になります。特に年齢や性格、学習の目的に応じて最適な環境を選ぶことが、継続と成果につながる第一歩です。
保護者として大切なのは、「どの塾が有名か」ではなく、子どもが前向きに学べるかどうかを軸に選ぶことです。まずは体験授業や見学を通じて、実際の雰囲気や講師との相性をしっかり確認しましょう。
英語学習のスタートが、将来のグローバルな活躍につながるかもしれません。親子で楽しみながら、英語教育の第一歩を踏み出してみてください。
執筆者プロフィール

塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。