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志望理由書の例文集|学部×文字数別“自分らしさ”が伝わる書き方【専門家監修】

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大学受験
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志望理由書を書くうえで、「自分らしさ」をどうやって志望理由書で表現すればよいか、悩んでいませんか?自分の思いや経験をどのように言葉で伝えるか迷ってしまう……。そんな不安を感じている方は少なくありません。

本記事では、志望理由書に関する著書も持つ専門家・福井先生の監修のもと、大学受験における志望理由書の例文を学部別・文字数別に紹介します。「自分らしさ」を出す方法や、志望理由書のNGな書き方も解説します。

受験生や保護者の方にとって、安心して参考にできる情報です。ぜひ、志望理由書作りに活用してください。

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塾選ジャーナル編集部

編集部

塾選ジャーナル編集部

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福井悠紀

監修者

福井悠紀

1995年、大阪府生まれ。京都大学経済学部経済経営学科卒業。大学3年生次にAOIの創業に参画し創業当時から志望理由、面接、小論文の指導を行う。塾内の教材開発にも長年にわたり携わってきた。

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目次

例文を見る前に!大学受験における志望理由書の基本

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実際の例文を確認する前に、大学受験における志望理由書の基本を押さえましょう。

大学受験における志望理由書の役割は?

総合型選抜において志望理由書は、合格を左右する重要な要素です。

高校からの調査書や成績証明書も参考にはされますが、これまでの実績をまとめたものにすぎません。一方、志望理由書は、受験生が描く未来や目標、考え方を直接伝える重要な役割を担っています。

どれほど成績や活動実績が優れていても、志望理由書の内容が不十分では、合格の可能性は低くなるでしょう。大学側は、過去の実績だけで評価するのではなく、本人が自らの言葉でまとめた志望理由書もあわせて総合的に評価をします。

大学で何を学び、将来どのように生かしたいかを志望理由書で示すことが、総合型選抜における合格の鍵です。

大学側に評価される志望理由書の共通点は?

評価される志望理由書には、いくつかの共通点があります。

  • 大学のアドミッション・ポリシーに一致している
  • 活動実績と大学で学びたいことが結びついている
  • 自分の言葉で説明できていて、一貫性がある
  • 面接で深掘りされた際に、具体的に返答ができることが書かれている

これらの条件を満たすことが、評価につながるポイントです。志望理由書は「誰でも書ける文章」ではなく、「自分の言葉で書いた文章」である必要があります。

そのためには、自身の経験を丁寧に振り返ることが欠かせません。

志望理由書を書くためのステップは?

志望理由書の作成には、次の5つのステップを意識しましょう。

  • ステップ①:自己分析
  • ステップ②:大学・学部のリサーチ
  • ステップ③:書く材料を揃える
  • ステップ④:文章構成を整える
  • ステップ⑤:書いた後の見直し

はじめは難しく感じるかもしれませんが、順を追って進めれば大丈夫です。詳しくは「総合型選抜 志望理由書」の記事をご覧ください。

考えるべき要素が多くて混乱するかもしれませんが、要素を一つずつ考えて行けば完成に近づきます。頑張りましょう。

(福井先生)

総合型選抜(旧AO入試)の志望理由書の書き方をプロが解説【例文つき】総合型選抜(旧AO入試)の志望理由書の書き方をプロが解説【例文つき】

大学受験で使える!志望理由書の例文

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ここでは、大学受験で使える志望理由書の例文を、文理別・学部別・文字数別で紹介しています。ぜひ参考にしてください。

ただし、こちらにある例文はあくまで設問に指示がない場合の一般的な書き方の例です。実際には大学ごとのアドミッション・ポリシー、自分が今までやってきたことや考えたことが大事であるということを忘れないようにしてください。

【800字】志望理由書の例文①:文系(経済学部)

私がやりたいことは「地域経済の活性化に貢献すること」だ。そのために、大学では地域資源を活かした持続可能なビジネスモデルや政策立案に結びつく経済学的知見を学びたい。

そう考えたきっかけは、高校の企業見学で、シャッターが閉じたままの商店街や空き家が増える街の様子を目の当たりにしたことだ。地域経済の衰退が人々の暮らしや雇用、コミュニティのつながりにまで深刻な影響を与えていることに気づいた。

この気づきをもとに、地域のイベントにボランティアとして参加した。その中で、ただ「物が売れない」という話にとどまらず、「人が集まらなくなった」といった、構造的な課題が存在していることがわかった。経済活動とは単なる数字のやりとりではなく、人の営みや地域社会の成り立ちと深く結びついていることを実感した。

私は、「地方でも若者が希望を持って暮らせる社会」の実現を目指したい。そのためには、地域に眠る観光資源や産業などの強みを再発見し、それらを循環させる仕組みを築く必要がある。たとえば、地域通貨やクラウドファンディングを活用した資金循環などが有効なアプローチだと考えている。将来的には、地域の現場で中小企業の支援や地域起業を推進する公務員として、経済を動かす当事者としての役割を担いたい。

大学入学後は、1年次に「ミクロ経済学基礎」などを通して経済理論とデータリテラシーを身につけ、2年次には、地域フィールドワーク型の実践的な学びに参加して分析力と課題発見力を養いたい。3年次からは〇〇教授のゼミに所属し、「地域政策」に関する研究を深め、4年次の卒業論文では「商店街再生における地域通貨の有効性と住民参加の効果」をテーマに実証的にまとめたい。

貴学での学びは、理論と現場の双方から地域経済に向き合う力を育てるのに最適であり、自分の志を実現するための確かな土台になると確信している。そのため、貴学経済学部を強く志望する。(800字)

 

総合型選抜の志望理由書の専門家が語る「例文①の良いポイント」

短い字数制限の中ではありますが、自分なりに取り組みたいテーマについてリサーチして深め、学修のテーマの方向性を示せているのが良いですね。

(福井先生)

【800字】志望理由書の例文②:理系(農学部)

私が目指すのは、「乾燥地帯でも安定して作物を育てられる農業技術」の確立である。そのために、大学では乾燥地に強い作物の生育メカニズムや栽培技術について学びたいと考えている。

そのきっかけは、中学生のときにテレビで見た、気候変動により収穫量が激減した農家の特集だった。気温上昇と降水量の減少によって作物が実らず、生活が立ち行かなくなる様子に衝撃を受けた。そこから、自然環境と食料の安定供給は密接に関わっていること、そしてそれがいかに脆いバランスに支えられているかに気づいた。

この関心から、高校では農業系の課題研究を選び、地域の有機農家を訪問してインタビューを行った。そこで得られたのは、「乾燥気候下では、土壌の水分保持力と栽培作物の選定が、農業の持続可能性に直結する」という学びだった。特に、乾燥ストレスへの耐性を持つ作物の活用や、雨水を保持するための土壌改良がカギになると実感した。

私は「世界中の人が安心して食にアクセスできる社会」を実現したい。私なりに考える解決策は、「水分保持型の土壌構造、耐乾性の高い品種、そしてそれらを活かせる栽培管理技術を組み合わせた包括的な農業モデル」を構築・実証し、地域の事情に応じて展開していくことである。

大学入学後は、1年次に「農業基礎科学」や「植物生理学」を通じて作物の基礎知識を習得したい。2年次には「農業気象学実習」などで観察力と応用力を磨き、3年次からは〇〇教授のゼミで「乾燥地における作物生育」の研究に取り組みたい。4年次には「乾燥地農業における土壌水分と作物収量の関係」をテーマに卒業論文をまとめ、将来的にはアフリカや中央アジアなどの乾燥地域で実践的な農業支援にも関わりたい。

貴学農学部は、理論とフィールドワークの両面から課題に向き合える環境が整っており、私の目標実現に最もふさわしい場である。そのため、貴学農学部を志望する。(785字)

 

総合型選抜の志望理由書の専門家が語る「例文②の良いポイント」

高校の課題研究の内容と大学の学びが接続されているのが良いですね。実際は繋げることが難しいこともあるかと思いますが、繋げられた場合は強い説得力を持ちます。

(福井先生)

【1000字】志望理由書の例文③:文系(法学部)

私がやりたいことは「誰もが安心して暮らせる法制度の実現」である。そのために、大学で法律学を体系的に学び、将来は法の専門家として社会の公正と秩序の実現に貢献したいと考えている。

そのきっかけは、中学生時代に経験したクラス内のいじめである。被害を受けた友人が担任に相談したが、学校側は「本人同士の問題」として対応を避け、やがて友人は登校できなくなった。この出来事に対し、当時の私は強い無力感を覚えると同時に、「制度はあっても、それを行使できる仕組みがなければ意味がない」という気づきを得た。

法律は存在するだけでは十分とは言えず、それを適切に運用し、人々に理解されて初めて有効に機能する。私はこの点に関心を持ち、高校では少年法改正をテーマにチームでの模擬裁判や判例分析を行った。模擬裁判や判例分析を通じて、法が単に秩序を維持するための規範ではなく、社会的公正を実現するための「調整機能」を担っていることを学んだ。また、法律の背景には個人の心理や社会構造といった複雑な要因が絡んでおり、法的思考力だけでなく、人間理解の視点も欠かせないと痛感した。

特に強く感じたのは、制度の使いにくさや届きにくさによって、本来支援を受けるべき人々が法の恩恵から取り残されているという現実である。社会的に弱い立場にある人々にとって、法制度はしばしば難解で近づきがたい存在となっている。

このような「制度と人との間の距離感」こそが、現代社会における深刻な課題の一つだと考えている。そして私は、その距離を縮める役割を担いたい。そのためのキャリアとして、将来的には、行政機関での福祉政策の立案・改善など、法的支援の現場に関わる道を視野に入れている。

大学では1年次に「法学入門」などを履修し、法的思考力と制度の土台を理解したい。2年次には「民法」「刑法」など実務に直結する法律を学び、3年次からは「福祉と法の交差領域」に関するゼミに所属して研究を深めたい。4年次には「司法と社会的マイノリティ」をテーマに卒業論文を執筆し、制度と現場のギャップについて考察したい。

貴学法学部は、理論と実践を両立できるカリキュラムに魅力を感じる。フィールドワークや政策提言など、実社会と結びついた学びが可能である点に大きな意義を見出している。公共政策や国際関係への視野を広げながら、実効性ある法制度の構築に向けて努力したい。そのため、貴学法学部を強く志望する。(1000字)

 

総合型選抜の志望理由書の専門家が語る「例文③の良いポイント」

自分なりに法学に関する思考をブラッシュアップしていった過程と中高大学と学びを結びつけて文章化できているのが素晴らしいと思います。

(福井先生)

【1200字】志望理由書の例文④:理系(情報学部)

私がやりたいことは「情報技術を活用して、社会課題を解決する仕組みをつくること」である。そのために、大学では情報学を基礎から体系的に学び、実社会に役立つテクノロジーを開発できる力を身につけたい。

そのきっかけは、中学2年のときに自治体の防災アプリを使用した経験にある。災害時の避難所情報を表示する仕組みであったが、操作が直感的でなく、高齢の家族はうまく使いこなせなかった。技術があるのに使い手に届かない状況に違和感を覚えた。

この経験を通して、「情報技術は人のためにあるものであり、利用者に届いてこそ真価を発揮する」と気づいた。それ以来、テクノロジーと人との関係に関心を持つようになった。

この気づきから、私は高校でプログラミングに取り組み、PythonやHTML/CSSを用いてWebサイトや簡単なアプリを制作した。文化祭では「災害時の安否確認アプリ」のプロトタイプを作成し、クラスメートと運用実験を行った。ユーザーインターフェース設計や情報の視認性の重要性を改めて認識し、「使いやすさ」と「正確な処理」の両立こそが情報技術の鍵であると学んだ。

また、「情報学は単なる技術習得にとどまらず、人間や社会の課題をどう捉えるかでアプローチが変わる学問である」と理解した。情報をどう処理し、誰にどのように届けるかが技術の有効性を左右する。

私は「誰もがテクノロジーの恩恵を受けられる社会」の実現を目指している。現状では、デジタルデバイドやITリテラシー格差により、便利な技術が一部の人にしか届かない。この格差が生活の質の差につながっている点に課題意識を抱いている。これを解決するには、「ユーザー中心の設計」と「社会実装を意識した開発」が必要だと考える。そのために私は将来、UXエンジニアや情報サービス開発の職に就き、現場に根ざした技術開発に取り組みたい。

大学入学後は、1年次に「情報リテラシー」や「プログラミング基礎」を履修し、情報学の基盤を固めたい。2年次には「人間情報インタフェース」や「アルゴリズムとデータ構造」などを通じて、情報処理と設計の接点を学びたい。3年次からは〇〇教授のゼミに所属し、高齢者支援とIoT」について研究する。4年次には「福祉領域における情報技術の実装可能性」をテーマに卒業研究を行い、技術と福祉が交差する地点での実践的提案をまとめたい。

授業以外でも地域連携活動に参加し、ユーザーの声を聞きながら開発する姿勢を養いたい。地域の高齢者向けスマホ教室の支援や、子ども向けのプログラミング教室の運営などを通して、技術を社会に浸透させる力を培っていきたい。

貴学情報学部は、ユーザー視点を重視する実践的な教育体制と、社会課題との接点を意識した研究ができる点に魅力を感じている。だからこそ、貴学で学び、社会に貢献できる人材として成長したいと強く志望している。(1179字)

 

総合型選抜の志望理由書の専門家が語る「例文④の良いポイント」

自分なりにプログラミングに取り組み、その中で得た学びをもとに学修テーマを設定された点が素敵ですね。

(福井先生)

【2000字】志望理由書の例文⑤:文系(文学部)

私がやりたいことは「人間の営みや文化を言語や文学を通して深く理解し、それを教育や社会に還元すること」である。そのために、大学では文学や思想、言語表現に関する知識を体系的に学び、人間理解を深める力を養いたい。

そのきっかけは、中学生のときに夏目漱石の『こころ』を読んだ体験である。自分とは時代も立場も異なる登場人物たちの苦悩や葛藤が、まるで自分自身のことのように迫ってきた。その感覚に衝撃を受け、「文学は時代を越えて人と人をつなぐ力を持つ」という気づきを得た。文字情報でありながら、生きた人間の姿を通して感情や価値観に触れることができる文学の力に心を打たれた。

この気づきから、私は高校に入ってからも意識的に多くの文学作品を読み、読書記録をつけながら登場人物の心理や作者の意図を自分なりに分析するようになった。また、現代文に加えて古典文学にも関心を持つようになり、『徒然草』や『源氏物語』を通して、日本文化に根ざした価値観や美意識の移り変わりに気づくようになった。特に、人間関係や感情の表現において、現代とは異なる感受性が描かれている点に興味を持った。さらに、海外文学に触れる中で、孤独や自由、自己認識といった人間の根源的なテーマが、文化や言語の違いを越えて描かれていることを実感した。文学を通じて、自分とは異なる人生や価値観を生きる「他者」の視点に立つことの大切さに気づき、自身の考え方にも柔軟性が生まれた。

そこからさらに、「文学は読むもの」から「解釈し、議論するもの」へと私の認識が変わっていった。学校の国語の授業では自分の考えを言語化し、他者と共有する面白さを感じるようになった。作品を通して、自分とは異なる価値観や背景を持つ人々との対話の糸口が得られることがわかり、「文学は他者理解の手段」であるという新たな学びを得た。こうした経験が重なり、私は文学という分野が、人間関係や社会理解の基盤となる知的営みであると確信するに至った。

私は「多様な価値観を理解し共生できる社会」の実現を目指したい。現状では、情報過多やSNSによる言葉の表層的なやり取りが主流となり、人間関係の希薄化や誤解も生じやすい。これらの問題の背景には「他者の言葉の真意を読み解く力」の不足があると考えている。だからこそ、私は文学や哲学、言語を通して「読む力」「解釈する力」「伝える力」を養い、教育や文化活動を通じてそれを広めていく活動をしたいと考える。

さらに、文学は単なる言葉の芸術にとどまらず、時代の社会背景、ジェンダー、民族、階層などと密接に結びついている。文学を学ぶことは、過去を知り、現在を問い、未来を構想する作業でもある。たとえば近代文学の中に見られる「個人」と「国家」、「理性」と「感情」の葛藤を読み解くことで、現代社会の課題とも重なる視点が得られると感じている。私は、こうした視点を他者と共有し、未来の教育や表現に活かす力を身につけたい。

そのために私は、将来「文化行政・編集・出版などの職」に就き、人々の内面や思考の深さを引き出せるような表現・教育活動に取り組みたい。言葉や物語の持つ力で、他者と共感しあえる社会づくりに寄与したいと願っている。

大学入学後は、1年次に「文学概論」「言語表現基礎」などの科目を履修し、文学研究の視点や基礎的な批評技法を学びたい。2年次では「近代日本文学」や「比較文学」、「現代思想」などのカリキュラムを通して、国内外の文学や思想の違いと共通点を探求したい。3年次からは○○教授のゼミに所属し、「文学と社会的マイノリティの表現」について研究を進める。4年次の卒業論文では、「近代文学における家族制度の表象とその変容」をテーマに、日本人の家族観や人間関係の変化について考察したい。

また、授業以外では図書館主催の読書会や、地域の文芸活動にも積極的に参加し、言葉を介した他者理解の実践の場を広げたい。大学内で発行されている文芸誌への寄稿や、学外のエッセイコンテストなどにも挑戦し、言語表現の幅と深さを鍛えたい。読書だけでなく、自らも表現者として書くことで、他者との対話の可能性を探りたいと考えている。さらに、文芸翻訳や異文化コミュニケーションといった分野にも関心があり、語学力の向上にも努めていくつもりである。

貴学の文学部は、文学・言語・思想を横断的に学べる学際的なカリキュラムが整っている点に強く惹かれている。また、ゼミを通して主体的に研究を進める環境があり、議論を通して思考を深める風土がある点も、自分の学び方に合っていると感じている。研究と実践を往復できる学びの場として、貴学での4年間は自分の理想を実現する土台になると確信している。だからこそ、貴学文学部を強く志望する。(1941字)

 

総合型選抜の志望理由書の専門家が語る「例文⑤の良いポイント」

自分なりに文学に関する考え方を言語化できているのが良いですね。

(福井先生)

志望理由書に書くべき内容とその文字数、割合は?

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大学に自分の熱意や適性を伝えるためには、志望理由書の内容が非常に重要です。ここでは、志望理由書に書くべき内容と、適切な文字数について解説します。

書くべき内容①:興味を持ったきっかけを明確にする

まずは、「なぜその学問や分野に興味を持ったのか」という原点となる体験や背景を具体的に記しましょう。これは読み手の関心を引きつける導入部分であり、志望理由全体の流れを自然に導くための土台です。

例えば、「子どもの頃に○○に出会った」「高校での調べ学習を通して○○に関心を持った」など、具体的なエピソードを交えると説得力が増します。

書くべき内容②:テーマについて自分なりに調べたこと・気づいた課題

興味を持ったテーマについて、自主的に調べたり探究した経験があれば、その内容を記しましょう。特に、課題に対する自分の視点や気づきが含まれていると、「表面的な関心」ではなく「主体的な学びの姿勢」が伝わります。

これは、自分の学びへの興味が「単なる興味」で終わらず、次の行動につながっていることを示すためのステップです。

書くべき内容③:描いている将来像とその背景

次に、興味のある分野の延長線上にある将来の進路や職業像について触れましょう。「何を目指したいのか」に加えて、「なぜそう思ったのか」という背景や動機も記すことで、一貫性が生まれます。

進学後の学びが、自身のキャリア形成や社会貢献にどう結びつくのかまで言及できると、志望理由により深みが出ます。

書くべき内容④:その実現に向けて大学でどう学びたいか

最後に、大学での学びに対する具体的なイメージを明確にしましょう。興味のある授業、研究テーマ、所属したいゼミや研究室などに触れることで、「この大学だからこそ」という志望理由が明確になります。

また、ここでは大学ごとの特色を反映させることもポイントです。

指定文字数の9割は執筆する

志望理由書には、大学ごとに400文字、600文字、800文字などの指定文字数があることが一般的です。ここで重要なのは「文字数ギリギリまで書く」という意識です。大学側は、限られた文字数の中で、どれだけ論理的に自分の思いを表現できるかを見ています。

そのため、文字数の8割未満しか書かれていないと「やる気がない」「準備不足」と受け取られるリスクがあります。最低でも指定文字数の9割以上は執筆し、可能であれば、字数上限いっぱいまで書き切りましょう。実際に書いてみると基本は多めに書いて削ることになります。

ただし、無理に水増しするのではなく、事前に構成を練って伝えたい内容を整理しておくことがポイントです。内容に具体性を加えることで、自然と文字数は増えていきます。

総合型選抜の志望理由書のプロが語る「書くときに意識しておきたいこと」

「なぜその大学を選んだのか」 を自分の言葉で説明できているか、同時に、大学のアドミッション・ポリシーと自分がマッチしていることまで書けているか確認しましょう。

(福井先生)

志望理由書で「自分らしさ」を出すには?

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総合型選抜では、一般的に書類選考→面接という流れで選考が進んでいきます。

大学側に「この学生に会ってみたい」つまり「面接で話を聞いてみたい」と思わせるためには、大学が提示するアドミッション・ポリシーに当てはまっていることが重要です。

アドミッション・ポリシーを確認する 

志望理由書で「自分らしさ」を伝えるには、まず志望校のアドミッション・ポリシーをしっかり確認することが欠かせません。アドミッション・ポリシーとは、その大学が「どのような学生を求めているのか」を明確に示した方針です。大学の教育理念や、求める人物像が具体的に記されています。

アドミッション・ポリシーは、「①知識・技能」「②思考力・判断力・表現力」「③主体性・多様性・協働性」という3つの項目に書かれていることが多いです。志望理由書では、主に③の「主体性・多様性・協働性」をアピールすることになります。そのため、大学がどのような形で主体性、多様性、協働性を求めているかを読み取ることが重要です。

アドミッション・ポリシーに書かれている文章について感じたことを自分なりに整理しましょう。そのうえで、文章全体の方向性を考えていけば、説得力があり「自分らしさ」がにじみ出る志望理由書になります。

活動実績に大学で学びたいことを重ねる

部活動や委員会、ボランティア、資格取得などの活動実績は、あなたの努力や人柄を示す大切な材料です。これらを単なる実績として書くのではなく「その経験から何を学び、大学でどう活かしたいか」を示すことで、志望理由に説得力が生まれます。

例えば「ボランティア活動を通じて福祉に関心を持ち、社会福祉学を学びたい」といったことが挙げられます。実体験から生まれた関心を、大学での学びにつなげることがポイントです。

大学は、これまでの経験を、どう将来の学びや成長に結びつけているかを重視します。過去の実績紹介にとどめず、未来への意欲として語る姿勢が、印象に残る志望理由書を形づくります。

自分だけの「志望動機」を自己分析で見つける

「志望動機がありきたりで、差がつかない」と悩む受験生は少なくありません。「学びたいことがある」「雰囲気が合う」などといった一般的な理由だけでは、多くの志望理由書と区別がつかず、審査員の印象に残りにくいです。

差別化の方法としては間接的なものにはなりますが、自己分析は重要な要素です。過去に熱中した活動や印象に残った授業、悩んだ経験やうれしかったことなど、自分の歩みを振り返りましょう。自己分析を通して「自分が何に価値を感じるのか」「どんなときにやりがいを感じるのか」が見えてきます。

アドミッション・ポリシーとつなげる

自己分析や活動実績を通じて見えてきた「自分らしさ」は、大学が掲げるアドミッション・ポリシーとつなげて表現することが重要です。

まずは志望大学のアドミッション・ポリシーをよく読み、その中から特に重視されているキーワードや表現を抽出しましょう。例えば「多様性への理解」「地域との連携に関心がある学生を歓迎」といった文言があれば、それに関連する具体的な経験やエピソードを盛り込みます。

例として、「探究学習で〇〇という課題を見つけ、自ら文献調査やインタビューを行った経験」や「ボランティア活動を通じて多様な価値観に触れた経験」などが挙げられます。

こうした形で、大学が求めている学生像と自分の経験・価値観が一致していることを自然にアピールすることで、「この学生はうちの大学に合っている」と伝わりやすくなります。

総合型選抜の志望理由書のプロが語る「志望理由書の書き方」

関心を持ったテーマに対して、自ら調べたことや深掘りした内容を記述します。その過程で見つけた課題や疑問点などを盛り込むと、主体的な学びへの意欲が伝わります。

(福井先生)

志望理由書のNGな書き方は?

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せっかく書いた志望理由書も、書き方を誤ると熱意が正しく伝わりません。ここでは、志望理由書のNGな書き方を解説します。内容に説得力を持たせ、自分らしさをしっかり伝えるための参考にしてください。

自己PRや将来像、ストーリーがあいまい

志望理由書でありがちなNGは、自己PRや将来像の記述が「あいまいで伝わらない」ことです。例えば「人の役に立つ仕事がしたい」といったフレーズは、一見前向きに見えます。しかし、具体性に欠けており、誰が読んでも同じような印象しか残りません。

「人の役に立つ」とは、どのような仕事を指すのか、なぜそう思うようになったのか。自分の経験や背景とセットで語らなければ、言葉は空回りしてしまいます。また、自分の目指す将来像や大学での学びが、ストーリーとしてつながっていない場合も、説得力を欠いてしまいます。

自分がなぜその道を選び、今何をしていて、将来どうなりたいのか。その流れをはっきり見せることで、読み手に「自分の考え」を伝えられます。

総合型選抜の志望理由書のプロが語る「具体的な内容を心がける」

まだ決まってないから、具体的なことが書きにくいという人も多いと思いますが、論理を組み立てたり、具体的にシミュレーションしたりする力が求められているので、仮でいいので、具体的に書いてしまいましょう。

その場合は入学後に変わっても構いません。今回育んだシミュレーションする力を使ってもう一回学修計画やキャリアを組み立てれば良いのです。

(福井先生)

アドミッション・ポリシーを丸写ししている

二つ目のNGは「大学のアドミッション・ポリシーを丸写ししてしまう」ことです。

総合型選抜の志望理由書のプロが語る「アドミッション・ポリシーの丸写しはNG」

非常に多いのがアドミッションポリシーの文言をそのまま書いてしまうパターンです。

例えば、「多様な価値観を持った人々との協働作業を通じて、グローバル社会の問題の解決策を探ろうとする学生」という文言があったときに、「私は多様な価値観を持った人々との協働作業を通じて、グローバル社会の問題の解決策を探りたい。」と書いてしまう生徒が多いです。

志望理由書で具体的なエピソードを交えアドミッション・ポリシーにどのように合致しているかを説明するべきなのに、アドミッション・ポリシーの文言を丸写しで書いても意味がありません。

(福井先生)

言葉遣いが幼稚になっている

言葉遣いの未熟さも、志望理由書におけるNGな書き方の一つです。「すごい」「いっぱい」などの口語的な表現や「思います」「感じました」といった曖昧な言い回しが多用されると、文章全体が幼く見えてしまいます。

入試の一環として提出する正式な書類であることを意識し「読まれる文章」かどうか、意識する必要があります。また「〜したい」「〜になりたい」といった表現が続くことも要注意です。「〜を目指して、〇〇のような取り組みを行いたい」といったように、行動と意欲をセットで示すと文章に深みが出ます。

文法の誤りや句読点の使い方にも注意しながら、読み手にとってスムーズで心地よい文章になるよう心がけましょう。書いた後は、音読や家族への読み聞かせなどでチェックするのもおすすめです。

志望理由書のNGな書き方チェックリスト

志望理由書を書く際は、内容だけでなく表記や見た目にも注意が必要です。以下のようなポイントは、読み手にマイナスの印象を与える可能性があるため、事前にチェックしておきましょう。

  • 誤字脱字がある
  • 文字が雑で汚ない
  • 表記統一がされてない(例:漢数字と算用数字が混在)
  • 文末表現がワンパターン
  • 接続詞が適切に使われていない
  • 質問に答えられてない

書き終えたら、時間をおいて再度読み直すことも大切です。客観的に確認し、必要であれば第三者に添削してもらうとよいでしょう。細部まで丁寧に仕上げることが、誠実さと熱意を伝える第一歩です。

志望理由書と例文についてよくある質問(FAQ)

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ここでは、志望理由書の書き方や活用方法に関するよくある疑問をQ&A形式で解説します。例文を正しく活用し、自分の志望理由書の完成度を高めるためのヒントが満載です。

志望理由書の書き出しの例文は?

志望理由書の書き出しは、第一印象を決める非常に重要なパートです。読み手の関心を引きつけつつ、自分の意志や目的を明確に伝える構成がポイントになります。

【書き出しの例文】

私が将来取り組みたいのは『地域医療の発展に貢献すること』だ。そのために、貴学の『地域医療に強いカリキュラム』で知識と実践力を深めたいと考えている。

このように、「自分が将来やりたいこと」と「それを実現するために、その大学で何を学びたいか」をセットで明示すると、読みやすく説得力のあるスタートになります。

志望理由書で「思いました」の言い換えは?

志望理由書で多用されがちな「〜と思いました」という表現は、語調がやや幼く、説得力に欠ける印象を与えてしまうことがあります。そのため、より論理的かつ意欲的に見える言い換えを心がけることが重要です。

  • 〜と考えた
  • 〜するに至った
  • 〜と認識した
  • 〜という結論に至った

などの言葉を使うようにしましょう。

面接で「貴校」は使ってはいけない?

面接で「貴校」という言葉を使うこと自体は全く問題ありません。むしろ、大学の面接では丁寧な言葉遣いが求められるため、「御校」よりも文語表現である「貴校」を用いるのが一般的です。

ただし、使い方には注意が必要です。例えば、話し言葉として違和感がないように、文脈に応じた自然な表現で使いましょう。

また、「貴校」という言葉にこだわりすぎるよりも、自分の考えや熱意をしっかり伝えることが最も大切です。丁寧でありながら、堅苦しすぎない自然な口調で話すことを意識しましょう。

志望理由書で「貴学」と書くのは?

志望理由書では、「貴学」という表現を使うのが一般的であり、むしろ推奨されます。特に文章として丁寧に大学への敬意を表現したい場合、「御校」や「そちらの学校」などよりも適切な敬語表現です。

「貴学」とは、書き言葉における大学への敬称であり、面接での「貴校」に対応する表現として用いられます。志望理由書を読む大学関係者に対して敬意を示すためにも、「貴学」の使用は好印象を与える要素の一つです。

まとめ|納得できる志望理由書で、第一志望合格をつかもう!

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志望理由書は、自分の思いや熱意を大学に届けるための、大切な書類です。自分の経験や価値観を、どのように言葉にすればよいのか悩む方も多いでしょう。しかし、自己分析をしっかりと行い、大学の特徴とつなげて表現することで、読む側の心に響く内容になります。

本記事では、大学受験における志望理由書の例文を、学部別・文字数別に紹介しました。また「自分らしさ」をどう表現するか、どのような書き方がNGなのかについても詳しく解説しました。

志望理由書の作成には時間とエネルギーがかかりますが、準備を重ねた分だけ自信につながります。例文を活用しながら、自分自身の体験や想いを振り返り、納得のいく志望理由書を作成してください。

執筆者プロフィール

塾選ジャーナル編集部
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監修者プロフィール

福井悠紀
総合型選抜専門塾AOI 進学情報研究部
福井悠紀

1995年、大阪府生まれ。京都大学経済学部経済経営学科卒業。大学3年生次にAOIの創業に参画し創業当時から志望理由、面接、小論文の指導を行う。塾内の教材開発にも長年にわたり携わってきた。

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