【2026年度入試】年内入試とは?注目の「学力型年内入試」も詳しく解説!

「年内入試ってよく聞くけど、どんな制度なの?」「一般入試と何が違うの?」と疑問を感じている受験生や保護者も多いのではないでしょうか。
年内入試とは、総合型選抜(旧AO入試)や学校推薦型選抜(指定校推薦・公募推薦)など、試験の実施から合格発表までが年内に行われる入試方式の総称です。近年では、従来の推薦・AO型に加えて「学力型年内入試」を導入する大学も増えつつあります。
この記事では、年内入試の意味や種類、メリット・デメリットをわかりやすく解説するとともに、2025年度入試から注目されている「学力型年内入試」の最新動向についても詳しくご紹介します。
「どの入試方式が自分に合っているか」を考えるためのヒントが満載ですので、ぜひ参考にしてください。

編集部
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年内入試とは?
年内入試とは、大学入試のうち「総合型選抜」や「学校推薦型選抜」など、試験実施から合格発表までが年内(主に12月)に完結する入試方式の総称です。
一般入試が学力試験の点数を中心に評価されるのに対し、年内入試は大学ごとのアドミッション・ポリシー(求める学生像)に基づき、次のような要素を総合的に評価するのが特徴です。
- 高校での学習成績(評定平均など)
- 志望理由書
- 小論文・面接
- 高校時代の活動実績
近年、年内入試が広く注目されている背景には、以下のような大学側・受験生側の事情があると考えられます。
大学側の理由
-
少子化により受験生数が減少している→早期に入学者を確保したい
受験生側の理由
-
「現役合格」志向の高まり→できるだけ早く合格して進路を確定したい
2025年度入試では、東洋大学や大東文化大学といった首都圏の私立大学で、「学校推薦型選抜 基礎学力テスト型」として、学力検査を重視する新しいタイプの年内入試が実施され話題となりました。
このような「学力型年内入試」は、従来の推薦・総合型と異なり、学力試験によって評価される年内実施型の入試として注目を集めています。2026年度以降は、同様の入試形式を導入する大学が新たに登場する見込みです。
総合型選抜の評定平均や、志望理由書については、以下の記事もあわせてご覧ください。
年内入試にはどんな種類があるの?
年内入試には、大きく分けて3つの入試方式があります。それぞれの特徴を理解して、自分に合った入試スタイルを見つけていきましょう。
学校推薦型選抜(旧推薦入試)
学校推薦型選抜(旧推薦入試)は、簡単にいえば「高校の校長による推薦書が必要な入試」制度です。「指定校推薦」と「公募推薦」の2つに大別されます。
指定校推薦
指定校推薦とは、大学があらかじめ指定した高校に推薦枠(いわゆる「指定校枠」)を設け、その枠の中で推薦された生徒だけが出願できる選抜方法の一つです。
指定校推薦の大きな特徴は、自分の高校が推薦枠のある「指定校」でなければ応募できないという点です。これは、大学が過去の進学実績や教育内容などをもとに高校を選定しているためで、仮に学力が優秀であっても、指定校に含まれていなければ出願はできません。
さらに、推薦枠は1校あたり1〜3名程度と限られていることが多く、人気大学・人気学部ほど校内競争が激しくなります。
指定校推薦については、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
公募推薦
公募推薦は、大学の出願条件を満たせば、どの高校の生徒でも応募可能です。この制度は多くの大学で導入されており、国公立大学でも実施例があります。対象が全国の受験生となるため、指定校推薦に比べて競争は激しくなりやすいでしょう。
出願には、推薦書に加えて大学ごとに定められた基準をクリアしなければなりません。評定平均や取得資格などが条件となるケースが一般的です。
公募推薦については、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
総合型選抜(旧AO入試)
総合型選抜とは、大学が定めたアドミッション・ポリシー(求める学生像)に基づき、学力だけではなく、学ぶ意欲や適性、活動実績などを多面的に評価する入試方式です。
一般選抜のような筆記試験よりも、志望理由書・面接・小論文などを通じて、学びへの意欲や思考力、人間性などを重視して選抜されます。
かつて実施されていた「AO入試」を、評価基準や選考方法をより明確にする形で見直し、2021年度から「総合型選抜」として正式に制度化されました。
総合型選抜については、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
学力型年内入試
学力型年内入試とは、年内に実施される入試方式の中でも、学力試験による選抜を組み込んだ入試のことを指します。
従来の年内入試(総合型選抜・学校推薦型選抜)では、志望理由書や面接、小論文、評定平均などが評価の中心でしたが、学力型年内入試では「基礎学力」を問う筆記試験が試験科目になっている点が大きな特徴です。
学力型年内入試と、従来の年内入試との主な違いは次のとおりです。
比較項目 | 学力型年内入試 | 従来の年内入試 |
---|---|---|
評価の中心 | 筆記試験 | 評定平均・志望理由書・面接など |
入試実施時期 | 年内 | 年内 |
学力試験の有無 | あり | 原則なし or 一部の大学で実施 |
学力型年内入試については、次のセクションで詳しく解説しています。
学力型年内入試をさらに詳しく解説!
2025年度入試で一気に注目を集めた、「学力型年内入試」とは、具体的にどのような試験なのでしょうか?
ここでは、その特徴や背景、従来の入試方式との違いについて詳しく解説していきます。
従来との違いは学力試験を年内に実施すること
これまでの学校推薦型選抜では、調査書(評定平均)や志望理由書、面接などが主な評価材料でしたが、学力型年内入試では、マーク式や記述式などの学力検査が選抜の中心となる点が大きな違いです。
2025年度入試では首都圏の大学にも動きが広まった
学力型年内入試は、実は近畿地区の私立大学を中心に、30年以上前から定着している入試形式です。例えば、関西の一部大学では、公募制の学校推薦型選抜として、面接や書類審査を行わず、学力試験のみで合否を判定する方式が長年実施されてきました。
しかし、こうした形式はこれまで関西圏特有の文化と見られており、首都圏の大学ではあまり一般的ではありませんでした。
ところが、2025年度入試では、東洋大学や大東文化大学といった首都圏の私立大学が「基礎学力テスト型」の学校推薦型選抜を導入したことで、状況が大きく変化しました。
これにより、「推薦=内申重視・面接中心」という従来のイメージを覆すような、実質的な学力選抜が年内に行われる入試として、大きな注目を集めたのです。
条件付きではあるが「学力型年内入試」が認められている
2025年度入試では、東洋大学や大東文化大学といった首都圏の私立大学が「基礎学力テスト型」の学校推薦型選抜、いわゆる学力型年内入試を導入したことで、教育業界内外で大きな話題を呼びました。
ところが、これらの入試方式は「生徒の安易な進路選択につながり、高校での学びに影響を与えかねない」などの理由で、文部科学省から注意喚起がなされました。全国の大学に実施要項の遵守を求める事態になったのです。
こうした状況を受けて、文部科学省は高校と大学の代表で構成される「大学入学者選抜協議会」において、年内入試での学力試験の是非について議論を開始。その中で、大学側からは「年内入試でも学力を測っておきたい」という意見が多数出ました。
これを踏まえて、文部科学省は、小論文や面接などの選抜方法を組み合わせることを条件に早期の実施を認めることを決めました。
つまり、単独の学力試験のみでは認められないものの、「人物評価」と「学力評価」の組み合わせによる年内実施はルール内で可能となったのです。
学力型年内入試を実施する大学【2026年度入試】
ここでは、2026年度入試において学力型年内入試を実施する大学の一部を紹介します。もし年内入試での受験を考えているという場合は、参考にしてください。
ただし、学力型年内入試の実施内容や出願条件、評価方法は大学ごとに大きく異なります。
同じ学力型年内入試であっても、試験科目の有無や配点、評価方法には違いがあるため、受験を検討している大学の最新の募集要項や入試ガイドを必ず確認することが重要です。
2026年度入試において学力型年内入試を実施する大学(一部)
大学名 | 入試の名前 | 試験日 |
---|---|---|
東洋大学 | 総合型選抜 基礎学力テスト型入試 | 2025年11月30日(日) |
大東文化大学 | 総合型選抜(基礎学力テスト型) | 2025年11月23日(日) |
関東学院大学 | 総合型選抜 基礎学力評価型 | 2025年10月19日(日)、12月7日(日) |
実践女子大学 | 総合型選抜 基礎学力試験方式 | 2025年10月12日(日) |
神奈川大学 | 総合型選抜(適性検査型) | 2025年11月16日(日) |
大妻女子大学 | 総合型選抜(基礎能力型) | 2025年11月16日(日) |
昭和女子大学 | 公募制推薦入試<基礎学力テスト型> | 2025年11月23日(日) |
参考文献:総合型選抜 基礎学力テスト型入試(公募制・併願可)|東洋大学、総合型選抜(基礎学力テスト型)|大東文化大学、総合型選抜(9月募集/11月募集)|関東学院大学、総合型選抜(2026年4月入学者向け)|実践女子大学、総合型選抜(適性検査型)(2026年度)|神奈川大学、総合型選抜|大妻女子大学、推薦入学試験|昭和女子大学
年内入試のメリットは?
年内入試には、受験生にとって多くのメリットがあります。ここでは、「早く合否がわかる」「受験のチャンスが増える」など、年内入試ならではの利点を具体的に解説していきます。
早く合否がわかる
年内入試の最大のメリットのひとつが、「合否の結果が早くわかること」です。
一般的な大学入試は年明け以降に本格化し、試験や合格発表は2月〜3月に集中します。
それに対して、年内入試では秋から初冬にかけて試験が行われ、多くの大学で11月〜12月中に合格発表が行われます。つまり、ほかの受験生よりも早く進路が決まり、精神的な負担を軽減できるという大きな利点があります。
また、早期に合格が決まることで、新生活に向けた準備に時間と気持ちの余裕を持てる点も魅力です。
このように、年内入試で早めに進路が決まることは、時間管理の効率化だけでなく、心理的な安定をもたらすという点で、非常に大きなメリットといえるでしょう。
受験のチャンスが増える
年内入試を活用することで、受験の機会が増え、結果として合格のチャンスを広げることができます。
総合型選抜や学校推薦型選抜など、年内に実施される入試方式に挑戦することで、一般選抜よりも早い段階で合格を狙うことが可能になります。もし年内の入試で不合格となっても、年明け以降の一般選抜で再チャレンジできるため、リスクを分散しながら複数の受験機会を得られるのが大きなメリットです。
また、大学によっては、総合型選抜や推薦型選抜、あるいは一般選抜の中で複数の日程を設けている場合もあります。これにより、同じ学部・学科に対して複数回出願できるケースもあり、チャンスを増やしやすい仕組みになっています。
このように、年内入試をうまく活用すれば、1回限りのチャンスに絞られることなく、戦略的に受験の回数を増やして合格可能性を高めることができるのです。
学力だけでなく、高校時代の取り組みや実績も評価対象
年内入試の大きな特徴のひとつが、「学力以外の要素」も重視される点です。
特に、総合型選抜(旧AO入試)や学校推薦型選抜では、受験生の学力試験の点数だけでなく、高校時代の活動実績や取り組み姿勢、人物像などが評価対象となります。
例えば、生徒会や部活動、ボランティア活動、学校外での挑戦など、学業以外の分野で積み重ねてきた経験や成果を自己PRや志望理由書、面接などを通じてアピールする機会が設けられているのが、年内入試の大きな特色です。
「一般入試の筆記試験には自信がないが、面接や自己PRは得意」という受験生にとっては、年内入試こそが最も実力を発揮できる場になる可能性があります。
一般入試と比べて倍率が低い場合がある
年内入試は、一般入試と比べて相対的に競争率(倍率)が低くなるケースがあるという点も、大きな魅力のひとつです。
例えば、自己推薦入学試験を実施している中央大学国際経営学部では、一般選抜と総合型選抜の倍率の違いは以下のようになっています。
中央大学国際経営学部(2025年度)の倍率の違い
入試形態 | 志願者数 | 合格者数 | 倍率 |
---|---|---|---|
学部別選抜(一般方式) | 1,760 | 130 | 13.5 |
自己推薦入学試験 | 111 | 37 | 3.0 |
出典:一般選抜2025年度入試データ|中央大学、総合型選抜過年度入試データ|中央大学
このように、志望する大学や学部によっては、一般選抜に多くの受験生が集中する一方で、総合型選抜や学校推薦型選抜などの年内入試は、出願条件が限定されているなどの理由から、受験者数が比較的少なくなるケースがあります。
さらに、年内入試では単なる学力試験だけでなく、志望理由書や面接、小論文、課外活動の実績など、多角的な評価によって選抜が行われるため、学力以外の強みを活かせるチャンスも広がります。
年内入試のデメリットは?
年内入試には多くのメリットがある一方で、注意すべきデメリットやリスクも存在します。
制度の特性をしっかり理解したうえで、自分に合っているかどうかを冷静に判断することが大切です。
ここでは、年内入試を検討するうえで気をつけたいポイントを解説していきます。
出願条件や校内選考のハードルが高い
年内入試における代表的なデメリットとして、出願条件の厳しさが挙げられます。
学校推薦型選抜や総合型選抜では、多くの大学で「評定平均4.0以上」など、明確で高い基準が設けられている場合があり、条件を満たしていなければ出願自体ができません。
特に学校推薦型選抜では、学業成績に加えて、出席状況や生活態度、活動実績なども総合的に判断されるため、高校1年生からの取り組みが評価に直結します。
さらに、指定校推薦のような推薦枠では、出願前に「校内選考」が行われるのが一般的です。同じ高校内で複数の希望者がいる場合、限られた推薦枠をめぐって競争が発生し、希望する大学に出願できないおそれもあります。
このように、推薦・総合型の年内入試では、試験前の段階で高いハードルをクリアしなければならないため、誰でも自由に受けられる一般入試と比べて、選考に至るまでの関門が多い点がデメリットといえるでしょう。
なお、指定校推薦における校内選考のポイントや注意点については、別記事でも詳しく解説しています。
合格後の辞退が難しいケースもある
年内入試には、合格後に辞退ができない、あるいは辞退が非常に難しいケースがあることにも注意が必要です。
特に、学校推薦型選抜や総合型選抜においては、「専願制」や「入学確約」などの条件が設けられている場合が多く、一度合格が決まるとほかの大学への出願や受験ができなくなるおそれがあります。
例えば、指定校推薦は基本的に「合格=その大学に進学することを約束する」制度となっており、合格後に辞退することはできません。
年内入試は早期に合格できるメリットがある反面、ほかの進学の選択肢を閉ざしてしまうリスクもあるため、安易に出願を決めるのではなく、「本当にその大学・その学部で学びたいかどうか」を見極めたうえで出願することが重要です。
年内入試=「必ず合格」というわけではない点に注意
年内入試に出願できたからといって、必ずしも合格できるとは限りません。
推薦や総合型と聞くと「受かりやすい」「合格が約束されている」と誤解されがちですが、実際には不合格となるケースも少なくないのです。
年内入試には、学校推薦型選抜(指定校推薦・公募推薦)や総合型選抜(旧AO入試)など、評価基準が大学によって異なる複数の方式があります。これらの選抜方法では、学力だけでなく、志望理由書、面接、小論文、調査書の内容、そして受験生の人柄や意欲など、多面的な視点から総合的に評価されます。
つまり、学力が高いからといって必ず合格できるわけではなく、「その大学が求める人物像とマッチしているか」が大きなカギを握るのです。
また、「ほぼ受かる」と思われがちな指定校推薦でも、学部や学科によっては不合格になるおそれがあります。指定校推薦で落ちてしまうケースについては、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
年内入試についてよくある質問(FAQ)
年内入試は、制度が多様化している一方で、情報がわかりづらいと感じる方も多いかもしれません。
ここでは、年内入試についてよくある質問を解説します。
年内入試を実施している国公立大学はありますか?
結論からいえば、年内入試を導入している国公立大学も一定数存在します。ただし、国公立大学では現在も一般入試(前期・後期日程)を基本とする大学が多く、年内入試の導入は一部に限られているのが現状です。
とはいえ、総合型選抜や学校推薦型選抜を通じて、年内に合否が判明するケースも増えつつあり、以下のような大学ではすでに実施されています。
年内入試を実施している国公立大学(一部)
大学名 | 入試のタイプ・名前 |
---|---|
筑波大学 | 推薦入試(学校推薦型選抜) |
北海道大学 | 総合型選抜(フロンティア入試TypeⅡ) |
横浜国立大学 | 総合型選抜 |
参考:令和7年度 推薦入試(学校推薦型選抜)学生募集要項(2024.9.2公表)|筑波大学、令和8(2026)年度フロンティア入試基本方針|北海道大学、令和7年度(2025年度)入学者選抜要項|横浜国立大学
ただし、国公立大学において「指定校推薦」は原則として実施されておらず、これは私立大学に特有の制度となっています。
国公立大学の年内入試は大学ごとに制度設計が異なるため、出願条件や選考スケジュールなどは必ず大学の最新の募集要項を確認するようにしましょう。
年内入試はどんな人に向いていますか?
年内入試は、すべての受験生にぴったり当てはまるとは限りませんが、選抜方法の特性に合う人にとっては力を発揮しやすい入試方式です。
以下のような特徴を持つ人は、年内入試を考えてもよいでしょう。
- 評定平均が出願基準を大きく上回っている
- 部活動やコンテストなどで顕著な実績がある
- 英検®やTOEFLなどの資格を取得している
- コミュニケーション力が高く、自分の考えを言語化できる
- 大学で学びたいことが明確になっている
- アドミッション・ポリシーをしっかり読み込み、理解している
年内入試に向いている人については、以下の記事でも詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
年内入試と一般入試どちらが難しいですか?
年内入試と一般入試では、選抜方法や求められる能力が異なるため、どちらが難しいかは一概にはいえません。
年内入試には、総合型選抜や学校推薦型選抜などがあり、調査書(評定平均)や志望理由書、面接、小論文、活動実績など、人物面や意欲が重視される傾向があります。一方で、一般入試では学力試験(筆記テスト)での得点が合否に直結するため、純粋な学力勝負になりやすいという特徴があります。
そのため、「筆記試験には自信があるが面接は苦手」という人には一般入試が向いている場合もあれば、逆に「成績や活動実績に自信がある」「自分の考えを言葉で表現するのが得意」という人には年内入試が有利に働くこともあるのです。
また、年内入試は倍率が低めなこともありますが、出願条件(評定平均や校内選考)や準備期間の短さがハードルになることもあり、「受かりやすい」「楽な入試」というわけではありません。
結論としては、自分の強み・性格・準備状況に合わせて最適な入試方式を選ぶことが重要です。どちらが難しいかではなく、「どちらの選抜スタイルが自分に合っているか」を基準に考えるとよいでしょう。
大学受験で一番つらい時期はいつですか?
つらいと感じる時期は人それぞれですが、多くの受験生が精神的・体力的につらいと感じる傾向にあるのは、秋の追い込み時期から共通テスト本番までの期間です。
具体的には、11月〜1月中旬ごろまでが最も負担が大きいとされており、勉強量がピークに達するだけでなく、模試の結果や周囲との比較から焦りや不安を感じやすくなります。
また、志望校の最終決定や出願準備なども重なるため、「時間が足りない」「気持ちが追いつかない」と感じることが多い時期でもあります。
このような時期に心身のバランスを崩さないためには、無理のない学習計画を立てることや、適度な休息、相談できる相手を持つことが大切です。
年内入試を活用することで、早めに合格を得てこの時期の負担を軽減できるケースもあるため、選択肢のひとつとして検討する価値はあるでしょう。
年内入試は一般入試と併願できますか?
基本的には、年内入試と一般入試の併願は可能です。
多くの大学では、総合型選抜や公募推薦などの年内入試に出願しても、同じ大学・他大学の一般入試を併願できる制度となっています。そのため、年内入試でチャレンジしつつ、万が一に備えて一般入試を受けるという戦略を取ることも可能です。
ただし注意したいのは、指定校推薦のような「専願制」の入試方式です。これらは「合格した場合はその大学へ必ず進学する」ことが前提となっているため、他大学の併願や、一般入試の受験が制限される場合があります。
そのため、出願を検討している大学・学部の募集要項を必ず事前に確認し、併願の可否や注意点を把握しておくことが重要です。
また、大学によっては「同一学部内での重複出願不可」「日程の重複」など、実質的に併願が難しくなるケースもあるため、出願計画は早めに立てておくと安心です。
年内入試対策として塾に通う必要はありますか?
年内入試では、調査書や推薦書に加え、面接・小論文・プレゼンテーションなど、大学ごとの多様な評価項目に対応する必要があります。
中でも、面接や小論文は「どう対策すればよいかわからない」と感じる受験生も多く、独学だけでは不安が残る部分です。内容の構成や話し方、表現方法などは、第三者からの客観的なフィードバックを受けることで、大きく改善できる分野でもあります。
そのため、必要に応じて塾や予備校のサポートを活用することは、効果的な対策手段のひとつです。必要に応じて、学校外の力も借りながら準備を進めていくことをおすすめします。
おすすめの塾については、以下の記事をご覧ください。
まとめ 年内入試をうまく利用して志望校合格のチャンスを増やそう!
年内入試は、総合型選抜や学校推薦型選抜を中心に、学力以外の強みや高校生活での取り組みを評価してもらえる入試方式です。
一般入試とは異なる選抜基準が用いられるため、自分の個性や志望理由をしっかり伝えられる人にとっては、大きなチャンスとなる可能性があります。
さらに、近年では「学力型年内入試」と呼ばれる新たな入試形式も注目を集めています。これは、学力検査を主軸にしながらも、小論文や調査書とあわせて評価を行う方式で、「年内に結果が出る入試+学力重視」というハイブリッド型です。
2026年度入試ではこの形式を採用する大学も増える見込みであり、「学力で勝負したいけれど早く結果を出したい」受験生にとっては大きな選択肢となるでしょう。
年内入試と一般入試を組み合わせて戦略的に受験計画を立てることで、合格のチャンスを最大化することができます。
これから受験を迎える方は、各大学の募集要項をしっかり確認し、自分らしさを活かせる入試方法を選びましょう。
執筆者プロフィール

塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。