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学費が安い大学はどこ?国公立・私立・地域・文理別ランキングと進学のヒントを解説【2025年度版】

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大学受験
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「学費がネックで進学を諦めそう…」 そう不安を感じている高校生や保護者へ。実は国公立大学だけでなく、学費が比較的安く通える私立大学や地域ごとの選択肢も多数存在しています。

今回は国公立・私立を問わず、学費が安い大学をピックアップして紹介するとともに、地域別・学部別に分類してわかりやすく整理しました

さらに奨学金や授業料免除制度、生活費を抑える工夫まで含めて、進学を現実的にするためのヒントを丁寧に解説します。

塾選ジャーナル編集部

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目次

大学の学費の基礎知識

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大学進学の際には、学費がどれくらいかかるのかを、事前に把握しておくことが大切です。学費には授業料のほかに、入学金や施設設備費、実習費などさまざまな項目が含まれます。

また国公立か私立の選択も、学費に大きく影響する要素です。ここでは大学の学費の基本的な仕組みや相場を解説します。

いくらだったら学費は安い?

大学の学費が安いと感じられるかどうかは、家庭の経済状況や進学スタイルによって異なりますが、文部科学省の「国公私立大学の授業料等の推移」「私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査結果」によると、

  • 国立大学の授業料:535,800円/年
  • 公立大学の授業料の平均:536,363円/年 
  • 私立大学の授業料の平均:1,126,476円/年

※国公立大学は入学料を除く授業料の年額
※私立大学は入学料を除く授業料と施設設備費の合計年額

となっています。

それぞれの平均額を比較してみると、国公立大学の学費がかなり安く感じられるのではないでしょうか?

国公立大学は、授業料が年間約54万円に設定されており、私立大学と比較してコストを抑えやすいです。一方で私立大学の中でも、夜間部や地方の大学では、初年度の学費が50万円台に収まるケースもあります。

私立大学の場合は、学費の年額が平均を大きく下回る大学もあるので、学費を軸に選ぶなら探して検討してみるとよいでしょう。ただし私立の医歯薬系学部や一部の理系学部では、年間で200万円以上かかることもあり、学部系統によっては意に添う額の学校は少ないでしょう。

自分にとっての「安い」の基準を、あらかじめ明確にしておくことが、後悔のない進路選びにつながります。

国公立と私立の平均的な学費の違い

大学の学費は、国公立と私立で平均額が異なります。国公立大学の年間授業料は、約54万円です。年間授業料に入学金の約28万円を加えても、4年間の総額はおよそ250万円程度に収まるでしょう。

一方で私立大学の学費は、国公立よりも高いです。文系学部でも年間70万〜100万円理系では100万円を超えることも珍しくありません。その結果、4年間の総費用は350万〜500万円か、医療系学部や芸術系学部ではそれ以上になる場合もあります。

進学先として国公立か私立を選ぶかは、学費負担に大きく影響するポイントです。将来の経済的負担を見据え、各大学の学費や内訳を、丁寧に比較検討しましょう。

入学金・授業料・施設費など費用構造の基本

大学の学費は「入学金」「授業料」「施設費」「実習費」「諸会費」など、複数の費用項目で構成されています。

入学金は、初年度のみにかかる費用です。授業料は毎年必要な費用で、私立大学のほうが割高な傾向があります。また私立では施設費といった名目で、キャンパスの整備・維持に関わる費用も発生することが多いです。

さらに実習が多い学部では、実習費も必要です。特に医学系や看護系学部では、学費が高額になる傾向があります。

学費は、単に授業料だけではなく、複数の項目を総合的に把握することが大切です。

2025年最新版 学費が安い大学ランキング

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全国の大学の中から、学費が安い大学をピックアップして紹介します。学費を抑えつつ充実した教育環境を提供する大学を探している方は、ぜひ参考にしてください(詳細情報は大学の公式サイトや最新の募集要項を必ず確認してください)。

学費が安い国公立大学10選

  大学名 学部名 初年度納入金(円) 4年間総額(円)
1 小樽商科大学 商学部(夜間) 408,900 1,212,600
2 埼玉大学 経済学部(夜間) 408,900 1,212,600
3 静岡大学 人文社会学部(夜間) 408,900 1,212,600
4 大阪教育大学 教育学部(夜間) 408,900 1,212,600
5 神戸市外国語大学 外国語学部(夜間) 408,900 1,212,600
6 香川大学 法学部、経済学部(夜間) 408,900 1,212,600
7 愛媛大学 法文学部(夜間) 408,900 1,212,600
8 岡山大学 法学部、経済学部(夜間) 408,900 1,212,600
9 前橋工科大学 総合デザイン工学科 683,000 1,607,200
10 公立千歳科学技術大学 理工学部 833,100 2,440,500

参照:小樽商科大学埼玉大学静岡大学大阪教育大学神戸市外国語大学香川大学愛媛大学岡山大学前橋工科大学公立千歳科学技術大学 の学費に関するページ

全国で学費が安い私立大学10選

  大学名 学部名 初年度納入金(円) 4年間総額(円)
1 静岡県立農林環境専門職大学 全コース 463,300 1,107,900
2 東京電機大学 工学部第二部 444,860+
※学費単位従量制
1,378,060
3 朝日大学 保健医療学部 看護学科 662,500 1,450,000
4 福岡大学 商学部(夜間) 472,370 1,712,780
5 大阪経済大学 経営学部(夜間) 613,000 2,003,000
6 熊本学園大学 社会福祉学部(夜間) 687,000 2,107,000
7 北海学園大学 経済学部、経営学部、法学部、人文学部(夜間) 639,000 2,280,000
8 東洋大学 文学部、経済学部、経営学部、法学部、社会学部、国際学部(夜間) 710,000 2,300,000
9 日本大学 法学部(夜間) 740,000 2,480,000
10 駒澤大学 法学部(夜間) 797,500 2,800,000

参照:静岡県立農林環境専門職大学東京電機大学朝日大学福岡大学大阪経済大学熊本学園大学北海学園大学東洋大学日本大学駒澤大学 の学費に関するページ

学費を見る際の注意点

初年度の入学金や諸費用に加え、4年間の授業料を合計した「総額」を基本としています。

ただし大学や学部によっては「施設費」や「実習費」などの一部費用が公開されていないません。さらに大学によっては、居住地域(例:県内・県外)ごとに初年度納入金や授業料が異なるケースもあります。

そのため志望校の学費については、大学の公式サイトや最新の募集要項を必ず確認しましょう。

地域別で学費が安い大学を探す

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ここでは、地域別に学費が比較的リーズナブルな大学を紹介します。進学先選びの参考にしてください。(詳細情報は大学の公式サイトや最新の募集要項を必ず確認してください)

東京・神奈川・千葉エリア

大学名 学部名 初年度納入金(円) 4年間総額(円)
電気通信大学 先端工学基礎課程(夜間) 408,900 1,212,600
東洋大学 文学部、経済学部、経営学部、法学部、社会学部、国際学部(夜間) 710,000 2,300,000
東京都立大学 全学部 802,800 2,365,200
お茶の水女子大学 全学部共通 817,800 2,425,200
東京外国語大学 全学部共通 817,800 2,425,200
東京海洋大学 全学部共通 817,800 2,425,200
横浜国立大学 全学部共通 817,800 2,425,200
東京学芸大学 教育学部 817,800 2,425,200
横浜市立大学 医学部看護学科 827,400 2,511,700
千葉大学 各学部共通
※医学部は除く
924,960 2,853,840

参照:電気通信大学東洋大学東京都立大学お茶の水女子大学東京外国語大学東京海洋大学横浜国立大学東京学芸大学横浜市立大学千葉大学 の学費に関するページ

その他 関東エリア

大学名 学部名 初年度納入金(円) 4年間総額(円)
前橋工科大学 総合デザイン工学科 683,000 1,607,200
高崎経済大学 経済学部、地域政策学部 802,800 2,365,200
群馬県立女子大学 文学部、国際コミュニケーション学部 817,800 2,425,200
茨城大学 人文社会科学部、教育学部、部理学部、工学部、農学部、地域未来共創学環 817,800 2,425,200
宇都宮大学 データサイエンス経営学部、地域デザイン科学部、国際学部、共同教育学部、工学部 817,800 2,425,200

参照:前橋工科大学高崎経済大学群馬県立女子大学茨城大学宇都宮大学 の学費に関するページ

北海道・東北エリア

大学名 学部名 初年度納入金(円) 4年間総額(円)
公立千歳科学技術大学 理工学部 833,100 2,440,500
旭川市立大学 経済学部 855,800 2,493,200
公立はこだて未来大学 システム情報科学部 895,460 2,502,860
札幌市立大学 デザイン学部、看護学部 907,460 2,514,860
青森公立大学 経営経済学部 722,400 2,576,400

参照:公立千歳科学技術大学旭川市立大学公立はこだて未来大学札幌市立大学青森公立大学 の学費に関するページ

東海エリア

大学名 学部名 初年度納入金(円) 4年間総額(円)
愛知県立大学 全学部 817,800 2,425,200
岐阜大学 全学部 817,800 2,425,200
三重大学 全学部 817,800 2,425,200
静岡大学 全学部 817,800 2,425,200
名古屋市立大学 全学部 867,800 2,475,200

参照:愛知県立大学岐阜大学三重大学静岡大学名古屋市立大学 の学費に関するページ

信越・北陸エリア

大学名 学部名 初年度納入金(円) 4年間総額(円)
都留文科大学 教養学部、文学部 817,800 2,425,200
福井県立大学 経済学部、生物資源学部、海洋生物資源学部、看護福祉学部、恐竜学部 817,800 2,425,200
長野県立大学 グローバルマネジメント学部、健康発達学部 958,800 2,566,200
長岡造形大学 造形学部 867,800 2,625,200
三条市立大学 工学部、マネジメント学部 877,800 2,665,200

参照:都留文科大学福井県立大学長野県立大学長岡造形大学三条市立大学 の学費に関するページ

関西エリア

大学名 学部名 初年度納入金(円) 4年間総額(円)
神戸市外国語大学 法学部、経済学部(第2部) 595,800 1,399,500
大阪経済大学 経営学部(夜間) 613,000 2,003,000
福知山公立大学 地域経営学部、情報学部 817,800 2,425,200
京都府立医科大学 医学部(看護学科) 817,800 2,425,200
大阪教育大学 法文学部 887,800 2,495,200

参照:神戸市外国語大学大阪経済大学福知山公立大学京都府立医科大学大阪教育大学 の学費に関するページ

中国・四国エリア

大学名 学部名 初年度納入金(円) 4年間総額(円)
愛媛大学 法文学部(夜間) 408,900 1,212,600
岡山大学 学部学生(夜間) 408,900 1,212,600
香川大学 学部生(夜間) 408,900 1,212,600
徳島大学 理工学部(夜間主コース) 408,900 1,212,600
広島大学 大学学部(夜間主) 408,900 1,212,600

参照:愛媛大学岡山大学香川大学徳島大学広島大学 の学費に関するページ

九州・沖縄のエリア

大学名 学部名 初年度納入金(円) 4年間総額(円)
琉球大学 夜間主コース 408,900 1,212,600
福岡大学 商学部(夜間) 472,370 1,712,780
熊本学園大学 社会福祉学部(夜間) 687,000 2,107,000
名桜大学 国際学部

人間健康学部

830,460 2,437,860
長崎県立大学 国際社会学部

情報システム学部

看護栄養学部

888,800 2,496,200

参照:琉球大学福岡大学熊本学園大学名桜大学長崎県立大学 の学費に関するページ

タイプ別に見る学費が安い学部・学科

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学部や学科の種類によっても、大学の学費には大きな差があります。ここでは、文系・理系・医療系・夜間部など、タイプ別に学費が安い学部・学科を紹介します。

文系で学費が安い大学

大学名 学部名 初年度納入金(円) 4年間総額(円)
埼玉大学 経済学部(夜間主コース) 408,900 1,212,600
福岡大学 商学部(夜間) 472,370 1,712,780
東洋大学 文学部、経済学部、経営学部、法学部、社会学部、国際学部(夜間) 710,000 2,300,000
都留文科大学 教養学部、文学部 817,800 2,425,200
名桜大学 国際学部 830,460 2,437,860

参照:埼玉大学福岡大学東洋大学都留文科大学名桜大学 の学費に関するページ

理系で学費が安い大学

大学名 学部名 初年度納入金(円) 4年間総額(円)
静岡県立農林環境専門職大学 生産環境経営学部 463,300 1,107,900
東京都立大学 都市教養学部理工学系、都市環境学部、システムデザイン学部、健康福祉学部 802,800 2,365,200
名桜大学 人間健康学部 830,460 2,437,860
公立千歳科学技術大学 理工学部 833,100 2,440,500
周南公立大学 情報科学部 849,590 2,552,360

参照:静岡県立農林環境専門職大学東京都立大学名桜大学公立千歳科学技術大学周南公立大学 の学費に関するページ

看護・医療系で学費が安い大学

大学名 学部名 初年度納入金(円) 4年間総額(円)
東京都立大学 健康福祉学部 802,800 2,365,200
神奈川県立保健福祉大学 保健福祉学部 817,800 2,425,200
京都府立医科大学 医学部(看護学科) 817,800 2,425,200
札幌市立大学 看護学部 907,460 2,514,860
周南公立大学 人間健康科学部(スポーツ健康科学科) 849,590 2,552,360

参照:東京都立大学神奈川県立保健福祉大学京都府立医科大学札幌市立大学周南公立大学 の学費に関するページ

医学部で学費が安い大学

国立大学医学部は、文部科学省により「標準額」として金額が定められています。

  • 入学金:282,000円
  • 授業料:3,214,800円(6年分)
  • 合計:3,496,800

なお千葉大学と東京医科歯科大学(東京科学大学)が、2020年4月から50万円ほど学費を値上げしています。

夜間学部で学費が安い大学

大学名 学部名 初年度納入金(円) 4年間総額(円)
小樽商科大学 商学部(夜間) 408,900 1,212,600
室蘭工業大学 理工学部(夜間) 408,900 1,212,600
神戸市外国語大学 外国語学部(第2部) 479,400 1,283,100
電気通信大学 先端工学基礎課程(夜間) 408,900 1,212,600
高知県立大学 文化総合系 408,900 1,212,600

参照:小樽商科大学室蘭工業大学神戸市外国語大学電気通信大学高知県立大学 の学費に関するページ                       

学費以外の費用も見てみよう

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大学進学にかかる費用は、授業料や入学金だけではありません。通学スタイルや生活拠点によっても、大きく変動する費用項目があります。学費以外の支出を把握しておくことで、より現実的な進学計画を立てることができます。

自宅通学と下宿のコスト比較

自宅から通える範囲の大学に進学する場合、家賃や光熱費などの住居関連コストがかからず、経済的な負担は軽くなります。一方で遠方の大学に進学し、下宿をする場合、毎月の家賃や生活費が必要です。

例えば首都圏での一人暮らしでは、月に7万〜10万円程度の家賃がかかります。年間では80万〜120万円以上の生活費がかかる計算です。学費以上に、生活コストの差が進学費用全体に影響を与えることもあります。

授業料以外にかかる交通費・生活費の目安

自宅通学でも、交通費が毎月数千〜数万円程度かかるケースが多く、年間では数万〜数十万円の出費が想定されます。さらに昼食代や教材費、クラブ活動などの費用なども合わせると、学費以外に年間30万〜50万円程度の生活費が必要になることも珍しくありません。

授業料以外の支出も含めて考えることで、実際の大学生活にかかる総コストを把握でき、無理のない資金計画が立てやすくなります。

奨学金や学費免除制度でさらに費用を抑える方法

大学進学にかかる費用が心配な方にとって、奨学金や学費免除制度の活用は非常に心強い選択肢です。国の支援だけでなく、大学独自の取り組みや自治体、民間団体など、さまざまな支援制度が整備されています。ここでは費用を抑える方法を紹介します。

日本学生支援機構 JASSOの制度を知っておこう

日本学生支援機構(JASSO)は、毎年数十万人もの学生が利用する、国内最大規模かつ最も信頼性の高い公的奨学金制度の窓口です。JASSOの奨学金には、大きく分けて2つの種類があります。

一つは「返済不要の給付型奨学金」で、もう一つは「返済が必要な貸与型奨学金」です。これらは、必要に応じて併用することもできます。特に給付型奨学金は、住民税非課税世帯やそれに準ずる低所得世帯の学生を対象としており、経済的負担を大幅に軽減できます。

貸与型奨学金についても、無利子または低利子で借り入れができ、卒業後の返済負担が比較的少ない点がメリットです。毎年4月から5月にかけて申請受付が始まるため、高校2年生の秋頃から、情報収集を始めるとよいでしょう。

大学が独自に設けている奨学金制度や授業料免除

大学によっては、独自の奨学金制度や授業料減免制度を設けている場合があります。条件を満たせば、返済不要の給付型奨学金や、授業料の一部〜全額免除といった、手厚い支援を受けられることもあります。

例えば東北大学では、研究意欲の高い優秀な学生を対象とした給付型奨学金制度が整備されています。また名桜大学や北九州市立大学のような地方自治体設置大学では、地域への貢献活動や地元企業への就職を条件にした学費支援を実施中です。

こうした制度は、大学公式サイトやパンフレット、オープンキャンパスなどで詳しく紹介されています。志望校にどのような支援制度があるのかを、早めに確認しておくことが大切です。

地方自治体が提供する奨学金

進学する地域や、出身地の地方自治体によっては、独自の奨学金制度を実施していることがあります。例えば秋田県の「奨学金返還助成制度」は、県内企業への就職を条件に最大120万円の奨学金返済が免除される制度です。

また東京都や埼玉県などの市町村でも、住民向けに条件付きの給付型奨学金を支給する取り組みが広がっています。これらの制度は進学前には見過ごされがちですが、家計を支える非常に有効な手段となるため、積極的に調べてみる価値があります。

民間団体・企業・財団による奨学金

奨学金といえば、国の制度を思い浮かべがちですが、民間団体や財団による支援も見逃せません。あしなが育英会は、親を亡くした遺児などを対象に月3万〜5万円の給付型奨学金を提供しており、精神的・経済的な支えとなります。

またJEES(日本国際教育支援協会)は、理系・看護・芸術分野に特化した支援を行っており、分野ごとの特性に応じたサポートが魅力です。さらに本庄国際奨学財団は、大学から大学院までを一貫して支援する手厚い給付制度を設けており、返済の心配なく学業に集中できます。

高等教育の修学支援新制度(無償化対象)

2020年度から始まった「高等教育の修学支援新制度」は、住民税非課税世帯およびそれに準ずる世帯を対象に、授業料や入学金の減免と給付型奨学金を組み合わせた支援を提供する制度です。

大学・短大・専門学校など幅広い教育機関で適用され、一定の条件を満たせば実質的に「無償」で進学することも可能です。進学先や本人の収入状況によって、対象かどうかが決まるため、制度の内容を事前に確認しておくことが重要です。進学を諦めかけていた方にとって、希望を取り戻す大きなチャンスになるかもしれません。

日本政策金融公庫などの国の教育ローン

急な学費の支出や入学準備金が必要になったとき、国の教育ローン(日本政策金融公庫)も頼れる存在です。低金利かつ返済期間が長く、家計への負担を分散しやすくなります。

授業料・入学金だけでなく、教材費や通学費などにも利用可能で、ほかの奨学金制度と併用することで資金計画が立てやすくなります。審査や手続きには時間がかかる場合もあるため、早めに相談・資料請求しておくのがおすすめです。

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学費が安い大学について、よくある質問 FAQ

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進学に向けて、「学費が安い大学」に関連するよくある質問をまとめました。

情報収集の段階で感じる素朴な疑問や、制度の細かいポイントにお答えします。

日本一学費が安い大学はどこですか?

日本で最も学費が安いとされている大学は、国公立大学の夜間課程(第二部)です。
特に「小樽商科大学(夜間)」「埼玉大学(夜間)」「静岡大学(夜間)」などでは、初年度納入金が約40万円台・4年間で約121万円程度と、非常に低く抑えられています。

また私立では「静岡県立農林環境専門職大学」のように初年度46万円台・4年総額約110万円台という例もあり、地域に根差した実学系大学は学費が低めに設定されている傾向があります。

大学無償化の年収600万はいつからですか?

大学無償化制度(高等教育の修学支援新制度)で「年収600万円程度」の世帯が支援対象となったのは2024年度からです。さらに2025年度からはこの制度が拡充され、多子世帯に限り所得制限が撤廃されます。つまり、年収600万円を超える世帯であっても、扶養する子どもが3人以上いれば大学無償化の支援対象となるのです。

ただし支援を受けるには学業意欲や進学先の学校が制度の対象校であることなど、いくつかの条件もありますので、事前に確認しておくことが大切です。(参照:文部科学省「授業料等減免額(上限)・給付型奨学金の支給額(昼間制・夜間制)」「令和7年度からの奨学金制度の改正(多子世帯の大学等の授業料等無償化)に係るFAQ」

親の貯金がなくても大学に進学できますか?

奨学金制度や学費免除制度、教育ローンを活用すれば、親に十分な貯金がなくても進学は可能です。

特にJASSOの給付型奨学金は、住民税非課税世帯などを対象に授業料の減免と月額支給を組み合わせた支援を行っています。さらに大学独自や地方自治体、民間財団の奨学金も組み合わせれば、実質的に“無償”で大学に通えるケースも珍しくありません。諦めずに、制度を調べて利用しましょう。

返済しなくてもいい奨学金はありますか?

返済不要の給付型奨学金は、JASSOをはじめ、大学独自、自治体、企業・財団などさまざまな団体が提供しています。例えば、

  • JASSOの給付型奨学金:年額20万〜90万円相当
  • 地方自治体(例:愛媛県、秋田県など):地元就職で返済不要
  • 民間団体(例:あしなが育英会、本庄国際奨学財団など):対象条件を満たせば全額給付

これらは基本的に学力や経済状況、地域要件などが審査基準になります。早めに準備して申し込めば、借金をせずに大学に通うことも可能です。

早慶上智で学費が安いのはどこですか?

文系学部を前提とすると、3校の中で学費が比較的安いのは早稲田大学です。

早稲田大学・慶應義塾大学・上智大学はいずれも私立の難関大学ですが、学費面では若干の差があります。特に文学部や法学部などの文系学部で比較した場合、早稲田大学がやや安価な傾向があります。例えば2024年度の初年度納入金は以下のとおりです。

  • 早稲田大学(文学部など):約124万〜130万円
  • 慶應義塾大学(文学部など):145万円前後
  • 上智大学(文学部・国際教養学部など):約138万〜163万円

また2年次以降は入学金が不要となるため、負担はさらに軽くなるケースが多いです。

  • 早稲田:約124万〜130万円
  • 慶應: 126万円前後
  • 上智: 約118万〜141万円

参照:早稲田大学慶應義塾大学上智大学 の学費に関するページ

ただし学費は学部や学科によって異なり、留学制度や設備費の有無などでも変動があります。「どこが安いか」を判断する際は、希望する学部のホームページで詳細費用を確認してください。

GMARCHや関関同立で入学金が安いのはどこですか?

入学金が比較的安い大学は、学習院大学や明治大学、青山学院大学、ほか関関同立の各大学です。

<GMARCH>

  • 法政大学:240,000円
  • 中央大学:240,000円
  • 学習院大学:200,000円
  • 立教大学:225,000円
  • 明治大学:200,000円
  • 青山学院大学:200,000円

<関関同立>

  • 関西大学:200,000円
  • 関西学院大学:200,000円
  • 同志社大学:200,000
  • 立命館大学:200,000

入学金は大学や学部、学科によって変動する場合もあるので、正確な金額は希望する大学のホームページで詳細費用を確認してください。

日東駒専で学費が安いのはどこですか?

文系学部を前提とすると、4校の中で学費が最も安いのは駒澤大学です。

日東駒専はいずれも私立大学の中堅校として人気ですが、学費には差があります。特に文系学部(法学部・経済学部・文学部など)においては、駒澤大学と専修大学が比較的、学費の負担が軽い傾向があります。

  • 駒澤大学(文系):約1,290,000〜1,320,000円
  • 専修大学(文系):約1,239,000〜1,358,000円
  • 東洋大学(文系):約1,265,000〜1,405,000円
  • 日本大学(文系):約1,240,000〜1,620,000円

※数値は初年度の納入金
参照:駒澤大学専修大学東洋大学日本大学 の学費に関するページ

ただし学費は学部やコースによっても異なるため、正確な金額は各大学のホームページで詳細費用を確認してください。

通信制大学は安いですか?

通信制大学は、学費を大きく抑えられる進学スタイルとして注目されています。入学金・年間授業料を含めても年間10万〜20万円程度で学べる大学も存在します。例えば、

  • 放送大学:卒業までに必要な学費は約77万円
    ※授業料+教材費入学料+卒業に必要な124単位を修得した場合
  • サイバー大学:卒業までの総費用は約2,728,000円
    ※入学金は含む。124単位取得の場合

ただし通学型の大学とは異なり、キャンパスライフや対面授業、サークル活動などは制限される点も理解して選ぶことが大切です。

看護学部や医学部で学費が安い大学はありますか?

看護・医学系学部は、施設・実習費などが高額になりがちですが、国公立大学なら学費は一律で年間約54万円+入学金約28万円程度に抑えられています。例えば、

  • 看護学部:東京都立大学、札幌市立大学、京都府立医科大学など
  • 医学部(6年制):秋田大学、群馬大学、筑波大学、京都大学など

一方で私立医大では6年間で2,000万〜3,000万円を超えるケースもあるため、「学費を抑える」なら国公立を第一選択とするのが現実的です。

まとめ 学費の不安があっても進学はあきらめなくていい

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大学進学において「学費」は大きなハードルに感じられるかもしれません。しかし全国には学費の安い国公立大学や、夜間・通信制課程など、費用を抑えて通える進学先が確かに存在しています。

さらにJASSOの給付型奨学金をはじめ、大学独自の減免制度、地方自治体の返済不要支援、民間財団の給付金など、経済的に不安を抱える学生を支える制度も充実しています。

「自分には無理かも…」と思わず、まずは情報を知ること、早めに行動することが進学への第一歩です。

学費の不安は、正しい知識と支援の活用で軽減できます。進学したいという気持ちがあるなら、諦める必要はありません。

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塾選ジャーナル編集部
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