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高校面接で聞かれる!定番質問10選と答え方のコツを高校受験のプロが解説

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高校受験
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高校受験の推薦入試では、多くの学校で「面接」が選考の重要な要素となります。

「どんな質問が出るんだろう?」「どう答えたらいい?」「服装やマナーにも気をつけないと…」そんな不安を抱える高校受験生や保護者の方も多いのではないでしょうか。

本記事では、これまで数多くの高校受験指導をしてきた大山先生監修のもと、都立高校・私立高校の面接でよく聞かれる質問とその答え方のポイントを、わかりやすく解説します。初めての面接でも自信をもって臨めるよう、心構えや練習法も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

塾選ジャーナル編集部

編集部

塾選ジャーナル編集部

塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。

大山雅司

監修者

大山雅司

塾講師として中学・高校・大学受験指導を行っている。2020年にYou Tubeチャンネル「ひのき三軒茶屋」を開設し、主に高校受験に関する内容を配信中。2024年8月には都立高校の口コミ・データサイト「都立合格.com(ドットコム)」の運用を開始。“受験を少しでも面白く乗り越える”手助けを行うことを目標に動画制作を行っている。

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目次

高校面接でよく聞かれる「定番質問10選」と答え方のコツ

高校面接の定番質問10選

高校受験のプロ 大山先生が、令和5年度の都立高校・私立高校入試で実際に聞かれた面接質問を100件ずつ分析し、出現頻度の高いキーワードを抽出。分析結果をもとに、定番質問10個と答え方のポイントを紹介します。

① 将来の夢・進路について

「将来の夢は何ですか?」「将来は、どのような進路を考えていますか?」など、将来の夢や進路に関する質問は定番です。

面接を受ける前に、将来の夢と卒業後の進路などをセットにして、内容をある程度イメージしておきましょう。

仮に定まっていない場合でも「まだ決まっていません」とだけ答えるのはNGです。決まっていないなりに、どうしていくつもりなのかを答える姿勢が求められます。

具体的な職業ではなくても、現時点で特に関心を持っている分野を明確にするとよいでしょう。「医療関係に興味があるので、医療従事者、もしくは医療研究の分野に携わりたいです。」などと言い切る形で答えると、前向きな姿勢が評価されます。

また職業や分野に興味を持ったきっかけや、夢の実現に向けて、高校でどのように学びを深めていきたいかなども一緒に伝えると、さらに良い回答となります。

② 中学校生活で頑張ったこと・印象に残っていること

中学校生活で特に頑張ったことや、中学校生活で印象に残っていることなども、よく聞かれます。「頑張ったこと≒印象に残ったこと、思い出」と捉えると、回答内容を準備しやすいです。

例えば「部活動の大会と定期テストの勉強期間が重なってしまった時には、電車での移動時間を活用して英単語を覚えるなど、忙しい中でも工夫して時間を使う力が身につきました。」など、具体的なエピソードをもとに、体験から得たものを付け加えるようにしましょう。

また、同じ内容を「勉強と部活動の両立が大変でした。部活動が忙しい時期に勉強がおろそかになってしまい定期試験の成績が大きく下がってしまったことがありました。しかし、そこから反省し、電車での移動時間を活用して英単語を覚えるなど、忙しい中でも工夫して時間を使うことで、両立を図れるようになりました。」といったように、苦労したことや後悔したことにも転用可能です。

③ 得意・不得意教科

得意教科と不得意教科は、セットとして考えておくとよいでしょう。

得意教科は好きになった理由やきっかけを伝えたうえで、今後はさらにどのように伸ばしていきたいかも説明します。

不得意教科も不得意になった理由やきっかけを伝え、克服するために現時点でどのような努力をしているかも述べましょう。例えば「不得意な教科は英語です。文法がよくわからず、英文を読んでも意味を理解できませんでした。基礎レベルの参考書を購入し、毎日30分間は読むように努力しています」などと伝えると、好印象です。

④ 本校の印象・特色・知っていること

志望校の印象や特色、知っていることなどを質問されることもあります。自分が受験しようと思っている学校のことを、どれだけ理解できているかが評価ポイントです。

学校のホームページやパンフレット、説明会で渡された資料などに、教育目標や特色などが記載されているため、事前にチェックしておくとよいでしょう。

印象は「説明会で感じたこと」など、具体的な内容を伝えるようにします。「説明会の印象を教えてください」と聞かれる場合もあるため、説明会時の印象をあらかじめ準備しておくと、どちらの質問にも対応しやすいです。説明会で教師が話した内容や、案内されたときの印象などを交えるようにしましょう。

⑤ 自己PR

自己PRは長所や短所といった、他の質問と内容が重なってしまいがちですが、重なってしまっても問題ありません。自己PRに関しては受験生の受け答えではなく、プレゼンと考えましょう。

これまでの経験や自分の長所・短所、高校入学後の目標、自分の強みをどのように学校生活に生かせるかなどを簡潔にまとめてスピーチします。

落ち着いて話すことを意識しながら、実際に時間を計って練習してみるとよいでしょう。また、「面接で絶対に言いたかったのに聞かれなかった」項目をここに込めることも有効です。

自己PRに「面接の中で必ず伝えたいと思っている内容」を込めるといいでしょう。

⑥ 入学後の抱負

入学後の抱負は将来の夢や得意教科、中学校での経験といった項目と関連づけて話すのがポイントです。

「将来はエンジニアになりたいので、入学後は理数系科目の学びを深めたいです」「中学校ではサッカーを頑張ったため、入学後もサッカー部に所属して、勉強と両立させたいです」など、つながりを意識してみると考えやすいでしょう。

また「勉強以外で、入学後の抱負を教えてください」と質問されるパターンもあるため、勉強以外での活動も別に準備しておくと安心です。

⑦ 長所・短所

長所と短所もセットで考えておきましょう。また先で述べた自己PRとも重なります。

長所も短所も「どのように」を意識して話をします。

例えば「長所は、何事にもコツコツと取り組めることです。入学後は毎日の勉強にコツコツと取り組み、計画的に大学受験対策をしていきたいです」「短所はときどき忘れ物があることです。忘れ物がないよう、メモに持ち物を書くように意識しています」など、長所は高校入学後にどのように活かすか、短所はどのように克服しようとしているかを付け加えるのがポイントです。

⑧ 部活について

高校入学後の部活動について聞かれる場合があるため、あらかじめ部活動をどうするか決めておくとよいでしょう。

部活動へ入る予定であれば、中学校からの継続なのか否か、それぞれの理由を明確に準備しておきます。

入らない場合は、代わりに頑張りたい活動を明確にしてください。学内活動であれば委員会や生徒会など、学外活動であれば習い事やボランティア、地域イベントなどが挙げられます。

⑨ 校則・ルールについて

最近の面接で増えてきているのが、校則やルールに関する質問です。「本校の校則について、どう思いますか?」「ルールを守らない人をどう思いますか?」といった質問があります。

校則やルールについての質問に対しては、必ず守るスタンスをとりましょう

「もし守らない人がいたら、あなたはどうしますか?」といった質問に対しては、「まずは話を聞きます」「話し合います」など、対話を重視する姿勢を示すと印象が良くなります。

さらに、校則やマナーの意義についても、自分なりの考えを持っておくと安心です。ルールの目的や必要性を理解していることは、面接官に誠実な印象を与えます。

⑩ 最近のニュース

最近のニュースを聞かれる場合があるため、あらかじめ話題を決めておきましょう。科学や環境、教育といった社会性が高いニュースが無難です。

「ニュースを見て、どう感じたか」「なぜ関心があるのか」などを掘り下げて、自分なりの考えをまとめておきます。

また工業や農業といった専門学科を受験する場合は、学科の専門に関わるニュースを挙げるようにしてください。

大山先生

減少傾向にある質問(参考)
最近読んだ本/趣味/休日の過ごし方
→ 個人の思想やプライバシーにかかわる質問のため、特に都立高校では避けられる傾向にあります。

高校面接が推薦入試で重視される理由

そもそも「高校面接はそんなに重要なの?」と思う方もいるかもしれません。この章では、面接が重要視される理由を4つの視点から整理し、面接の意義を改めて確認していきます。

なぜ面接が必要なのか

面接は、学校側が求める人物像に合った生徒を選ぶための重要な選抜手段です。志望理由の明確さやコミュニケーション能力、将来への意欲など、書類や筆記試験だけでは分からない側面を見極める役割を果たしています。

この章では、推薦入試で面接が重視される理由を具体的に解説します。

① 学校や学科の求める人物像との適合性を確認するため

推薦入試は、単に学力だけでなく「学校の理念や学科の方針に合った人物」を選抜する入試です。面接では、志望理由や学びたい内容、将来の目標などが具体的で誠実であるか、学校の方針に適しているかを見極めます。

② コミュニケーション能力や意欲を評価するため

面接を通じて、話す力・表現力・相手の質問意図を理解する力・人柄・意欲の強さなど、学力試験では測れない非認知的な力が評価されます。

③ 書類との整合性を確認するため

調査書や自己推薦書、志望理由書の内容と、面接での受け答えに食い違いがないか確認します。特に推薦入試では、自己PRや志望動機が重視されるため、面接での一貫性が重要視されます。

④ 入学後の適応力や伸びしろを見極めるため

推薦入試は、将来の成長可能性や、入学後の学校生活への適応力も選抜基準の一つです。面接は「この生徒は入学後にしっかり伸びてくれるか」という視点で評価されます。

大山先生

特に都立高校では、面接も得点化されます。公平性・客観性の観点から、受験生ごとに質問が大幅に変わることは考えにくいでしょう。一方、私立高校では「マッチングの確認」としての意味合いが強く、面接カードに基づいた質問や志望理由の深掘りも多く見られます。

評価の4つの観点(表情・話し方・姿勢・内容)

高校面接で評価されるポイントは、表情・話し方・姿勢・内容の4つです。

① 表情 │ 笑顔で明るい印象を意識

初対面の面接官に好印象を持ってもらうためには、笑顔で明るい表情を意識しましょう。笑顔は相手に親しみや安心感を与え、「この生徒の話をもっと聞きたい」と思ってもらえます。

「上の歯を見せながら話すこと」を意識すると、口角が上がって明るい表情をつくれます。さらにまぶたを持ち上げて目を広げると、黒目が強調されて好印象を与えられるでしょう。

② 話し方 │ はっきりとした口調を意識

話すときは明るく落ち着いたトーンで、はっきりとした口調を意識してください。小さな声や早口、口を動かさずに話すと、暗い印象を与えたり、聞き取れなかったりします。

③ 姿勢 │ 背筋をピンと伸ばす

立っているときも座っているときも、姿勢は大切です。猫背にならないように胸を張り、背筋をピンと伸ばすことを意識しましょう。

④ 内容 │ 正直に前向きに答える

質問への返答内容は、正直で前向きなものが好印象です。わからない質問を無理にごまかそうとしても、すぐに面接官に見抜かれます。そのため、質問には正直に答えるようにしましょう。

ただし、わからない質問に対して「わかりません」と答えるだけでは、評価はマイナスです。「帰宅してから、インターネットで調べてみます」「高校入学後に勉強していきたいです」など、前向きな言葉を付け加えるようにしましょう。

また、質問内容によっては「わからないなりに考えた答えが聞きたい」という場合もあります。

あくまで、あなた自身の意見を求められた場合は、すぐに「わかりません」に逃げるのではなく、今の自分自身がどう考えるかを素直に答えることをおすすめします。

個人面接・集団面接・グループ討論の違い

面接とひと口にいっても、個人面接・集団面接・グループ討論など、いくつかの種類に分けられます。

個人面接は受験生1名に対し、面接官1~3名が面接をします。志望理由や自己PR、中学校で頑張ったことなど、一般的な質問をされることが多いでしょう。

集団面接は受験生2~6名ほどがひとつのグループになって、面接官と面接するスタイルです。面接官からの質問に受験生一人ひとりが順番に答えるため、他の受験生と返答内容や積極性などが比較されます。

他の受験生たちとひとつのテーマに対して議論するのが、グループ討論です。グループの中で自分の立ち位置や協調性、他の受験生の話しの聞き方などが評価されます。

個人面接・集団面接・グループ討論ごとに評価ポイントが異なるため、事前によく理解しておくことが欠かせません。

高校面接に強くなる!回答の「3ステップ構成」と想定外質問の対処法

すべての質問に使える!3ステップ構成

高校面接では様々な内容を質問されるため、なかには「回答を考えるのが大変」「どのように考えればいいのかな」などと思っている方も多いのではないでしょうか。

どの質問にも共通して使えるのが、以下の3ステップ構成です。

高校面接に強くなる3ステップ構成と想定外質問の対処法

1.回答・結論(Answer):質問への端的な答え

2.理由(Why):その答えになる背景やきっかけ

3.具体化・方法(How):背景の詳細や実現するための方法

上記の型を意識することで、話に広がりを持たせつつ、説得力のある答えを短時間で組み立てられます。

例えば「高校を卒業した後は、どのような進路を考えていますか?」といった質問に対する、3ステップ構成を取り入れた回答は次のとおりです。

1.回答・結論(Answer)「卒業後は、国立大学の教育学部へ進学したいです」

2.理由(Why)「父親が中学校の教員をしており、私も教員になりたいからです」

3.具体化・方法(How)「国立大学は受験科目数が多いため、できるだけ早く志望校を決めて、受験勉強に取り組みたいです」

質問によっては、理由と具体化・方法のどちらかひとつだけの回答でも十分でしょう。

変わった質問・難しい質問にも動じない!高校面接での対応力を高めよう

高校によっては、変わった質問や想定外の難しい質問をしてくる場合もあります。過去の面接では、次のような質問が実際にあったようです。

  • 「首都圏への人口一極集中について、どう思いますか?」
  • 「理系離れについて、どう思いますか?」
  • 「なぜ世の中にはルールがあると思いますか?」

どの質問も、その場ですぐに答えにくいものばかりでしょう。受験生によってはパニックになって、何も答えられなくなるかもしれません。

変わった質問や想定外の難しい質問に、正解はありません。面接官は受験生が準備できていないことを知りながら、あえて聞いています。大切なのは常識の範囲で自分なりの考えをまとめて、面接官へ伝えることです。

面接は「自分のことを言葉で伝える力」が問われる場です。これまで紹介した10個の質問を中心に、3ステップ構成で答え方の準備と実践練習を進めていきましょう。

高校面接でやってはいけないこととは?落ちる人の共通点も紹介

面接で避けるべき言動

高校面接では、「なんとなく」「親に言われたから」など、主体性が感じられない言葉はNGです。また、あいさつをしない、椅子にだらしなく座る、スマートフォンの電源を切っていないなどのマナー違反も減点対象に。

言葉づかいや態度ひとつで印象は大きく左右されるため、基本的な礼儀を徹底しましょう。

高校受験の面接で落ちる人の共通点

質問の意図をくみ取れない回答や、極端に短い返答、無表情な態度などは「準備不足」と受け取られます。自己PRが抽象的すぎる、志望理由に具体性がないといった点もマイナス評価につながる可能性が高いです。

緊張していても、自分なりの言葉で真剣に答える姿勢が重要です。

高校受験の面接で受かりやすい人の共通点

高校受験の面接に受かる人は、質問に対して誠実に答える姿勢を大切にしています。学校への理解や志望理由を自分の言葉で説明できること、ハキハキとした受け答え、そして笑顔やアイコンタクトなど、基本的なコミュニケーションができることが共通点です。

内容の完成度以上に、「伝えようとする姿勢」が評価されます。

都立高校と私立高校で面接の傾向はどう違う?頻出ワードも分析

都立高校と私立高校の面接傾向の違いと頻出ワード分析

令和5年度の都立高校・私立高校入試で実際に聞かれた面接質問を100件ずつ分析し、出現頻度の高いキーワードを抽出したところ、以下の結果となりました。

都立高校面接 頻出ワード

抽出語 回数 抽出語 回数
将来 150 短所 78
中学校 143 校則 74
142 高校 74
教科 130 豊富 72
本校 125 ニュース 67
印象 116 最近 65
得意 115 進路 64
不得意 112 理由 55
PR 111 卒業 53
自己 111 48
入学 108 ルール 42
長所 103 説明 41
部活 101 思い出 40
頑張る 85 残る 33
生活 83 一番 25

私立高校面接 頻出ワード

抽出語 回数 抽出語 回数
将来 187 高校 84
入学 176 生活 83
部活 160 記入 80
148 面接 69
頑張る 141 カード 64
豊富 140 印象 62
志望 130 最近 59
理由 121 思い出 59
教科 119 ニュース 54
中学校 118 校則 54
中学 117 自己 51
長所 107 試験 51
得意 106 PR 48
短所 89 進路 47
不得意 87 趣味 42

参照元:高校情報ステーション「面接状況一覧」を元に大山先生が抽出

例えば「将来の夢は何ですか?」の質問には「将来」「夢」の単語が含まれており、上記の表ではそれぞれでカウントされています。以下のように、別々の単語でもひとつの質問内容にまとまるものが多くあります。

  • 将来/夢/進路
  • 中学校/思い出/頑張る
  • 得意/不得意/教科
  • 本校/印象/校則
  • 自己/PR/長所/短所
  • 入学/抱負/部活/ルール/ニュース

これらの頻出ワードも踏まえ、都立高校・私立高校の面接傾向の違いをまとめました。

都立高校と私立高校の面接傾向の違い(比較表)

項目 都立高校 私立高校
主な質問傾向 将来の夢、長所・短所、自己PRなどの定番質問が中心 志望理由、面接カードの記入内容、趣味など個別性のある質問が多い
評価方法 面接は点数化され、合否に直接影響 面接の重視度は学校によって異なる(参考程度の場合も)
質問の進め方 公平性確保のため、全員にある程度共通の質問を行う傾向 記入済みの志望理由書や面接カードの内容を掘り下げる形式が多い
重視される力 表現力、自己分析、論理性など 学校との相性、個性、意欲、将来像など

都立高校受験 面接の傾向

都立高校の面接では、「将来の夢」「自分の長所・短所」「自己PR」などの定番質問が中心です。

これは、面接が内申点や作文と同様に点数化され、合否判定に影響する重要な選抜要素であるためです。公平・公正な評価を行うため、受験生全員に対して一定のフォーマットで質問を行う傾向があると考えられるでしょう。

私立高校受験 面接の傾向

一方で私立高校の面接では、都立高校とは異なる質問傾向や評価方針が見られます。

面接で頻出するワードを比較すると、私立高校では「志望」「理由」「面接カード」「記入」が出現しています。これは、事前に提出した志望理由書や面接カードをもとに、内容を掘り下げる形の質問が多いことを示唆しています。

さらに、「趣味」などのパーソナルな話題に触れる質問も多く、受験生の個性や人柄を丁寧に見る傾向があります。

高校面接でやっておきたい事前準備

高校面接でやっておきたい事前準備

高校入試の面接では「下準備がすべて」といったも過言ではありません。面接の対策を始める前に、次のものに目を通しておきましょう。

東京都教育委員会のホームページにある「本校の期待する生徒の姿」には、都立高校ごとのモットーや教育目標が一覧化されています。

高校のホームページやパンフレット、説明会で配布された資料などにも、よく目を通しておくとよいでしょう。

進学研究会高校情報ステーションの「高校受験資料室」には、都立高校と千葉県立高校、東京都・千葉県・埼玉県・神奈川県にある私立高校における、過去の面接状況が載っています。実際に聞かれた質問内容が掲載されているため、面接対策に役立ちます。

当日の持ち物と身だしなみチェックリスト

受験当日は、持ち物と身だしなみにも注意しておきたいところです。当日になって焦らないよう、数日前から余裕を持って準備しましょう。

持ち物と身だしなみのチェックリストを紹介します。

持ち物チェックリスト

「受験票がない!」「腕時計を忘れた!」といった状況に陥らないよう、前日の夜と当日の朝の2回は持ち物をチェックしましょう。

以下は受験会場に持って行くべき、必須の持ち物です。

必須の持ち物リスト

  • 受験票
  • 学生証
  • 筆記用具
  • 腕時計
  • 現金や交通系のICカード
  • ハンカチ
  • ポケットティッシュ

また持って行くと役立つものは、次のとおりです。

役立つ持ち物リスト

  • スマホ
  • 参考書
  • 頭痛薬といった持病の薬
  • 折りたたみ傘

ただし、スマホや参考書は高校によって持ち込みが禁止されているため、受験先の指示に従ってください。

また不要なものは、あらかじめバッグの中から取り出しておきましょう。

身だしなみチェックリスト

「人は見た目が9割」といわれるように、高校入試の面接官は受験生の身だしなみ(清潔感)もチェックしています。面接の受け答えが完璧でも、身だしなみで減点されてしまうのは非常にもったいないことです。

以下のチェック表に沿って、当日の身だしなみを確認し、清潔感のある印象にしましょう。

身だしなみチェックリスト

  • 制服やシャツがシワシワになっていないか(シワが気になるときはアイロンをかける)
  • 靴は磨かれているか
  • 靴下は無地か
  • 髪留めやゴムはシンプルか
  • 爪が伸びていないか
  • ひげが伸びていないか

また受験会場付近へ到着したら、次のチェック表に沿って最終確認をすると安心です。

身だしなみ最終確認リスト

  • 前髪が目をおおっていないか
  • 第一ボタンまで閉まっているか
  • ネクタイの結び目が整っているか
  • 校章が曲がっていないか
  • 制服に糸くずが付いていないか
  • ズボンが汚れていないか
  • 靴が汚れていないか

持ち物の中に手鏡やハンカチを入れておくと、受験会場付近でもチェックしやすいでしょう。

面接当日の流れと心構え

高校面接当日の流れと心構え

いくら面接の受け答えの練習をしても、受験会場や面接中のマナーが悪いと、減点されてしまう可能性があります。

当日に失敗しないよう、面接の流れや心構えを理解しておきましょう。

控室〜面接の流れ

控室での過ごし方や面接中のマナーなどは、2つ以上の情報を参考にしないことが大切です。

情報によって細かい部分が異なり、受験生によっては「どっちが正しいの?」とパニックになってしまいます。いろいろな情報を調べることで、時間の無駄にもつながるでしょう。

面接はマナー講習の場ではないため、丁寧にする意識さえあれば問題ありません。基本的には学校や塾で練習したものだけで十分です。参考にする情報は、ひとつに絞りましょう。

以下は、ある程度共通している流れやマナーです。

【控室から入室まで】

  1. 控室では服装や身だしなみを整えて、静かに名前が呼ばれるのを待つ(私語厳禁)
  2. 名前が呼ばれたら「はい」と返事をする
  3. 面接室にドアがある場合は、軽く2~3回ノックをする
  4. 返事があってからドアを開ける
  5. 開けた状態で「失礼します」と言い、お辞儀をする
  6. 入室し、面接官の前でもう一度軽くお辞儀をする
  7. 「おかけください」と言われたら、「失礼します」と言って静かに座る

【面接中】

  1. 深く腰をかけて、背筋を伸ばす
  2. キョロキョロせず、視線は面接官の首元あたりに持っていく
  3. 質問には落ち着いた口調で、はっきりと応える

【退室まで】

  1. 「これで面接は終わりです」と言われたら、「はい」と返事をして立ちあがる
  2. 「ありがとうございました」と言いながらお辞儀をして、出口へ向かう
  3. 出口の前で再び面接官の方を向いて、お辞儀をする
  4. 静かにドアを開けて、退出する

入室から退室までの流れは、何度も練習しておきましょう。体が流れを覚えて、自然とできるようになります。

面接の前日にやっておきたい準備と避けたい行動

面接の前日は「主な質問に対する回答の整理」「一連の流れの練習」「持ち物のチェック」の3つをしましょう。前日は体調管理とリラックスが重要なので、早めに就寝をして十分な睡眠時間を確保してください。

直前になって面接に関する他の情報を見たり、夜遅くまで面接の練習をしたりするのはNGです。これまで対策してきたことを信じて、心に余裕を持って過ごすようにしましょう。

トラブル時の対応方法

「受験票を忘れてしまった」「人身事故で電車が止まってしまった」など、面接当日にトラブルが起きた場合は、どう対応すればよいのでしょうか。

最も大切なことは、パニックにならないことです。保護者が一緒にいる場合も、保護者がパニックになってしまうと、子どもが動揺します。

自宅に受験票を取りに戻る時間がない場合は、通っている中学校や受験する高校に連絡しましょう。どうすればよいのか指示をしてもらえます。

人身事故で電車が止まってしまった場合、冷静に代替ルートを考えます。遅刻しそうなときも、通っている中学校や受験する高校に連絡してください。

面接練習の進め方と家庭でできるサポート

面接は事前にどれだけ練習をしたかによって、結果が変わるといわれています。そのため、面接が合否に大きく影響を与える場合は、時間を確保してしっかりと練習しておきましょう。

以下で面接練習の進め方と、家庭でもできるサポートを紹介します。

ひとりでもできる練習法(録音・動画活用など)

面接官役をしてくれる人が周りにいない場合、工夫すれば一人でも練習はできます。

例えば、スマホの録音や録画機能をうまく活用してみるとよいでしょう。声のトーンや間の取り方、話すスピード、表情、立ち振る舞いなどを客観的にチェックできます。

録画する場合は、スマホを固定する三脚があると便利です。

保護者と一緒に取り組む場合の注意点

保護者が面接官をする場合、まずは面接本番と同じような状況をつくってください。両者の間にテーブルや机を置いて、本番と似たような状況下で練習します。

練習中は「表情」「声の大きさ」「話しの長さ」「結論から述べているか」の4つをチェックしてもらいましょう。

ただし、保護者からのアドバイスだけに頼らないことも大切です。面接で求めていることや受験生に対する印象などは、面接官一人ひとりによって異なります。そのため、保護者一人のアドバイスや意見だけに頼らず、学校の先生や塾の講師など、様々な人たちの話を聞くようにしましょう。

学校の先生や塾を活用した本番さながらの練習

本番さながらの練習をしたい場合は、学校の先生や塾を活用するとよいでしょう。どちらも面接で求められているものやマナーなどを熟知しているため、より効果的なアドバイスをもらえます。

塾の中には推薦入試用のコースや講座を設け、面接練習に十分な時間をかけられるところもあります。

高校面接に関するよくあるQ&A

最後に面接に関するよくある質問を紹介します。

緊張で言葉が出てこなかったらどうしたらいい?

まずは「すみません、緊張してしまいました」「ちょっと考えてもいいですか?」と伝えましょう。何も言わずに黙ってしまうよりも、緊張している旨を正直に伝えた方が、評価は下がりません。

深呼吸をしてから、質問内容に答えましょう。

質問が聞き取れなかったらどうしたらいい?

「すみません、もう一度言っていただけますか?」と聞き返しましょう。

聞き返すこと自体は、まったく悪いことではありません。

すぐに回答が思い浮かばないときはどうすればいい?

すぐに回答が思い浮かばなかったときは「すみません、少し考えてもよろしいでしょうか」と伝えた上で、考えをまとめてみましょう。

高校の面接で「貴校」と言ったらどうですか?

「貴校」は、受験する高校を指す丁寧で正しい表現です。主に志望理由書や調査書などの文章で用いられることが多く、敬語としても問題ありません。

一方で、面接などの口頭の場では「御校(おんこう)」を使う方が自然とされています。例えば、「御校を志望した理由は〜」という言い方のほうが、会話としてなじみやすく、違和感を持たれにくいでしょう。

「質問はありますか?」と聞かれたときの答え方・例文は?

高校面接では、面接の最後に「質問はありますか?」と聞かれることがあります。このとき、「特にありません」で終わらせるよりも、学校への関心や意欲を伝えるチャンスと考えましょう。

例えば、「部活動と勉強を両立している先輩はどのように時間を使っていますか?」など、学校生活に前向きな姿勢が伝わる質問が好印象です。

ただし、調べればすぐに分かることや、面接時間を圧迫する質問は避けるようにしましょう。

まとめ|“正解”よりも“誠実さ”が伝わる面接を

特に高校受験の推薦入試では面接が重視される傾向にあるため、事前にしっかりと対策をしておくことが大切です。表情・話し方・姿勢・内容の4つのポイントを意識しながら、何度も練習をくり返しましょう。

面接では“正解”よりも“誠実さ”が大切です。嘘をつかず、自分の気持ちや考えを正直に伝えるようにしてください。

また推薦入試が終わった後は、結果を待たずに一般入試対策へ切り替えましょう。推薦入試対策は「自分はこの学校にふさわしい」と思い込んでいく作業です。仮に推薦入試で不合格だったとしても、思いこんだ内容は一般入試対策にも役立ちます。

※参考動画:
【面接】質問の新定番10選と対策法を解説する
【高校入試】面接対策まとめ。身だしなみ・マナー・質問内容など

執筆者プロフィール

塾選ジャーナル編集部
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塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。

監修者プロフィール

大山雅司
ひのき進学教室 三軒茶屋校講師
大山雅司

塾講師として中学・高校・大学受験指導を行っている。2020年にYou Tubeチャンネル「ひのき三軒茶屋」を開設し、主に高校受験に関する内容を配信中。2024年8月には都立高校の口コミ・データサイト「都立合格.com(ドットコム)」の運用を開始。“受験を少しでも面白く乗り越える”手助けを行うことを目標に動画制作を行っている。

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