トライ式高等学院の学費は高い?他校との比較や支援制度を徹底解説

「トライ式高等学院の学費が実際どのくらいかかるのか知りたい」
そんな疑問を抱えて検索している方は多いかもしれません。公式サイトや口コミでは全体像が分かりにくく、不安を感じる保護者も少なくありません。
結論から言うと、トライ式高等学院は通信制高校のサポート校のため、学費はやや高めに設定されています。その一方で、学習面・生活面でのサポート体制が充実しています。
本記事では、学費の内訳や他校との比較、支援制度についてわかりやすく解説し、費用面の疑問を解消します。

編集部
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トライ式高等学院はどんな学校?通信制高校との違いも解説
トライ式高等学院は、「家庭教師のトライ」に由来する通信制高校のサポート校です。まず押さえておきたいのは、トライ式高等学院に入学すると同時に連携する通信制の高校にも入学となる点。サポート校に通うだけでは高校卒業資格は得られないという点です。
- サポート校の役割
サポート校とは、通信制高校に在籍している生徒が卒業できるように、学習面や生活面を支援する民間教育機関。授業のフォローやレポート提出のサポート、進路指導、生活リズムやメンタル面のケアなどを行います。
- 卒業資格について
高等学校卒業資格(以下、高卒資格)を授与するのは、あくまで 文部科学省認可の通信制高校です。トライ式高等学院に通う生徒は、例えば鹿島学園高校のような提携通信制高校に同時に在籍し、必要な単位を修得することで高等学校卒業資格を取得できます。
- 学費の構造
トライ式高等学院の学費は二重構造です。提携している通信制高校に支払う学費があり、さらにサポート校であるトライ式高等学院にも学費が必要になります。
通信制高校の卒業は、トライ式高等学院に通学しなくても可能です。ただし不登校の経験など、通学に不安がある場合は、同学院での個別指導や進学対策、生活面の伴走サポートが大きな支えになります。
通信制高校とサポート校の違い
<参考:通信制高校とサポート校の比較>
項目 | 通信制高校 | サポート校 例:トライ式高等学院 |
---|---|---|
法的な位置づけ | 文部科学省認可の学校 | 民間教育機関 (高校ではない) |
卒業資格 | 高卒資格を取得できる | 高卒資格は取得できない (通信制高校に在籍が必要) |
学費 | 年間20〜30万円程度 | 通信制高校の学費+サポート料 |
学習方法 | 自学自習+スクーリング+試験 | 個別指導・生活習慣改善・進路指導 |
サポート体制 | 限定的 | 学習・生活・進路を総合的にサポート |
向いている人 | 自分で学習管理が できる生徒 |
不登校経験者や学習習慣に不安がある生徒 |
\ポイント/
通信制高校とは?
通信制高校は文部科学省認可の正式な高校で、卒業すると高卒資格が得られます。学習はレポート提出・スクーリング・単位認定試験が柱で、自分のペースで学べるのが特長です。一方で、自己管理力が求められ、孤立しやすい側面もあり、心配な場合はサポート校を利用する生徒もいます。
サポート校とは?
サポート校は通信制高校に在籍する生徒の学習・生活を支援する民間教育機関です。法律上の“高校”ではないため、サポート校だけでは高卒資格は取得できません。そのため通信制高校との“セット”で利用する形になります。
主な役割は、レポートの進行管理、対面・個別指導、進路相談、生活リズムの再構築、メンタルケアなど、継続学習のための伴走をすることです。
学費は通信制高校の学費に加算されるため、総額すると高めになる傾向があります。不登校経験や学習ブランクがある生徒にとっては大きな安心につながります。
トライ式高等学院の学費はいくら?
トライ式高等学院がサポート校であるため、入学を検討するうえで気になるのが学費です。
学費の内訳(入学金・授業料・設備費など)
トライ式高等学院の公式HPでは、入学金や授業料、設備費などの具体的金額は公表されていません。詳細は個別相談会や資料請求での確認が必要です。
ただし、提携する通信制高校の学費を含めた総額については、「私立の全日制高校と同程度」と説明されています。これは学費の大きな目安になります。
以下は、東京都が発表した私立高校の平均学費(令和7年度)です。
<参考:私立高校の平均学費(令和7年度)>
項目 | 金額 |
---|---|
入学金 | 254,311円(初年度のみ) |
授業料 | 500,648円(年額) |
施設費 | 35,715円(3年間分) |
その他 | 197,397円(年額) |
初年度納付金 | 987,437円 |
検定料(参考) | 23,375円(受験時のみ) |
初年度の学費(検定料を含む) | 1,011,446円 |
参照:東京都「令和7年度 東京都内私立高等学校(全日制)の学費の状況について」
検定料を含む初年度の学費は、101万1,446円です。
一見すると「高い」と感じるかもしれませんが、トライ式高等学院では大学受験対策まで含めたサポートが受けられるため、塾代が不要になると考えることもできます。
コース別の費用比較(普通科・特進科)
トライ式高等学院では普通科と特進科が設けられていますが、公式サイトには金額の詳細は公表されていません。詳細は個別相談会で直接確認する必要があります。
一般的には、進学指導が厚いコースほど費用が高くなる傾向があり、他のサポート校でも共通しています。
3年間の合計費用シミュレーション
東京都内の私立高校の学費平均を目安に試算すると、
- 初年度学費(検定料を含む):1,011,446円
- 授業料・その他(2~3年次):約1,396,090円
- 3年間合計:約2,407,536円
\注意!/
他の通信制高校・サポート校との学費比較
「トライ式高等学院の学費は高いのか?」を判断するには、他校や一般的な高校の学費と比較するのが分かりやすい方法です。特にN高はコースごとに費用差が大きいため、選び方によって負担額が変わります。
さらに東京都のデータを参考に、私立高校の平均的な学費も併せて整理しました。具体的な金額は高校によって異なります。
<参考:他校との学費比較>
学校名 / 区分 | 学費の目安(年間) | 特徴 |
---|---|---|
公立の通信制高校 | 4~5万円 | |
私立の通信制高校 | 40~45万円 | |
東京都内私立高校(平均) | 約100万円 | ー |
N高等学校 | ネットコース:約21万円 通学コース:約75~400万円 |
・サポート校ではないため、卒業すれば全日制高校卒業と同等の高卒資格が得られる。 ・コースによって費用差が大きいが、ネット型は安価、通学型は割高 |
クラーク記念国際 | 約30~97万円 | ・サポート校ではないため、卒業すれば全日制高校卒業と同じ資格が得られる。 ・週5日通学が基本。学校行事や部活が充実し、全日制に近い環境 |
HR高等学院 | 約84~130万円 | ・トライ式高等学院と同じく、サポート校のため提携校の学費も必要 |
トライ式高等学院に入学する場合、通信制高校のみの学費より高額ですが、その分、手厚い個別サポートが受けられる点が特徴です。
- 生徒一人ひとりに合った学習プログラムの提供
- 大学進学や就職のサポート
- 生活面や学習面に関わる相談
など高校生活を支えるための体制が整っているため、人件費や設備費の面で公立よりは学費が高くなります。
学費の免除制度や支払い方
「家計に余裕がない」「まとまった学費をつくれそうにない」といった場合に役立つのが、分割払いや免除制度です。続いて、トライ式高等学院で利用できる学費の分割払いや免除制度について紹介します。
就学支援金制度による軽減額
通信制高校へ通っている生徒は、文部科学省の「高等学校等就学支援金」を受けられます。
元々この制度は「公立高校の授業料が全額無償」になる一方で、「私立高校には一定の支援金が支給」されるものでした。法改正によって私立高校への支給額は増えており、さらに各都道府県独自の上乗せがあるため、地域によっては私立高校でも授業料が実質無料になるケースも出てきています。
高等学校等就学支援金は、通信制高校も対象です。私立通信制高校への支援金の額は、1単位あたり4,812円が支給されます。卒業に必要な74単位を取得すると、最大で35万6,000円が軽減されます。
ただし、支給の対象となるのは通信制高校にかかる授業料部分です。サポート校の学費は対象ではないため、注意してください。
分割払いの可否と注意点
トライ式高等学院では、学費の分割払いが利用できます。分割払いの詳細は、最寄りのキャンパスにお問い合わせください。
分割払いでも支払期日を守れなかった場合は、学校の在籍や卒業に影響が生じるかもしれません。家計に余裕がない場合は、入学前から資金計画を立てておくようにしましょう。
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学費免除や特待制度の有無
トライ式高等学院の公式ホームページでは、学費免除や特待生制度についての情報が掲載されていませんでした。各自で最寄りのキャンパスへお問い合わせください。
公的な制度である「高校生等奨学給付金」は受けられます。主な対象は生活保護世帯や住民税所得割が非課税の世帯です。教科書代や教材費といった授業料以外の費用として、年間5万2,100~5万2,600円が返還不要で支給されます。
トライ式高等学院の概要
サポート校や通信制高校を選ぶ際は学費だけでなく、進学サポートの実績やサポート校としての概要も理解しておくことが大切です。
トライ式高等学院は、「家庭教師のトライ」が運営する通信制高校のサポート校です。通信制高校の卒業に必要な学習をクリアできるように、さまざまなサポートをしています。
項目 | 内容 |
---|---|
種別 | 通信制高校のサポート校 |
学習スタイル | ・通学型 ・在宅型 ・オンライン型 |
コース | ・普通科 ・特進科 |
キャンパス数 | 全国に123カ所 (2025年8月時点) |
提携している 通信制高校 |
・鹿島学園高等学校 ・日本航空高等学校 ・高松中央高等学校 ・ルネサンス高等学校 ・鹿島朝日高等学校 |
サポート内容 | ・一人ひとりにオリジナル計画を作成 ・講師やカウンセラーによる訪問 ・担任とカウンセラーによるメンタルサポート ・年4回の三者面談 |
トライ式高等学院へ入学すると、同時に提携している通信制高校にも入学します。
まずは提携している通信制高校の卒業に必要な学習を、しっかりサポートします。具体的には、レポート提出や30時間の特別活動への参加、年20日ほどのスクーリングへの出席などの支援です。
通信制高校に関する学習以外の時間は、自由に学びたいことを学べるように配慮されている点が特徴です。
学び方は、下記の3つから選択できます。
- 通学型:キャンパスへ実際に通って仲間と高校生活を送る
- 在宅型:講師が自宅へ訪問して勉強を教えてもらえる
- オンライン型:インターネットを介して指導を受ける
学習スタイルはいつでも変更ができ、さらに複数のスタイルの組み合わせもできます。コースは、下記の2つを設置しています。
- 普通:まずは高校卒業を目指す子どもにおすすめ
- 特進科:大学進学を目指している子どもにおすすめ
高校卒業率は99.2%と高く、学力に不安がある子どもも、大学に進学したい子どももしっかりサポートしてもらえます。特進科は、志望校合格に向けたオーダーメイドの学習カリキュラムで、推薦入試や難関大学入試にも対応しています。
トライ式高等学院はどんな子におすすめ?
次に当てはまる子どもは、トライ式高等学院に向いています。
学習の遅れや苦手科目を克服したい
まずは学習の遅れや苦手科目を克服したい子どもです。
「中学校へほとんど通っていなかった」「他の同級生よりも、勉強が遅れている」といった場合、通常の授業だけでは、勉強内容がよくわからないかもしれません。課されるレポートも一人ではうまく書けず、苦労することが多いでしょう。
トライ式高等学院では、マンツーマン指導で通信制高校の学習をしっかりサポートします。生徒一人ひとりに合わせてカリキュラムを作成し、学習の遅れや苦手科目の克服、レポート作成などを支えます。
不登校や登校に不安がある
「中学校は不登校で通えなかった」「同級生とうまく関われない」といった悩みを抱えている子どもにも向いています。
トライ式高等学院には小学校や中学校から不登校だったものの、卒業をして進路を確定させてきた生徒が多数います。マンツーマン個別指導で、小学校・中学校の復習から時間割を組んでもらえるため、安心して勉強を始められるでしょう。
通学する場合は、徐々に登校日数を増やすことが可能です。まずは週1~2日の登校から始めて、それぞれのタイミングに合わせて登校日数を調整できます。
また通学自体が難しい場合は、自宅型やオンライン型で受講するのもよいでしょう。
そのうえで大学進学や資格取得を目指したい
「学習の遅れや苦手科目を克服したい」「不登校や登校に不安がある」を前提に、大学進学や資格取得を目指したい子どもにもおすすめです。
トライ式高等学院では通信制高校の卒業に必要な学習だけでなく、大学進学や資格取得に向けたサポートにも力を入れています。ITパスポートや簿記といった資格取得に向けた試験対策も可能です。
集団生活より自分のペースで学びたい
他の子どもとの集団生活より、自分のペースで学びたい子どもにも向いています。
例えば自宅型やオンライン型なら、学校やキャンパスへ通う必要がありません。暮らし慣れた自宅で、周りを気にすることなく自分のペースで勉強できます。どの学習スタイルを選んでも、行事や部活動への参加は自由です。
トライ式高等学院 学費に関してよくある質問
最後にトライ式高等学院の学費に関する、よくある質問を紹介します。
不登校でも全日制の高校に行ける?
不登校でも全日制の高校に行けますが、受験時の調査書に注意が必要です。
全日制の高校受験では、調査書項目の欠席日数と内申点が大きな影響を与えます。一般的に3年間で30日以上、つまり年間10日以上欠席していると「審議の対象」となるといわれています。
一方の通信制高校では、調査書を審査の対象としていません。
トライ式高等学院の卒業率は?
トライ式高等学院の卒業率は、99.2%と高い数値です。
専任制の講師によるマンツーマン授業やカウンセラーによるサポートなど、卒業に必要な学習へのサポート体制がそろっています。
通信制高校で1番学費が安いのは?
通信制高校で最も学費が安いのは、公立の学校です。具体的な金額は都道府県や学校ごとに異なりますが、例えば都立の通信制高校の学費は、年間5万円ほどで済みます(スクーリング時の交通費含む)。
しかし、現在は高等学校等就学支援金制度で助成を受けられること、またトライ式高等学院の学費には、サポート校としての個別指導費なども含まれていることなどから、公立校と比べて決して高いとはいえません。
まとめ 学費だけで判断せず、子どもに合うかを見極めて
トライ式高等学院へ通う場合、通信制高校にのみ通う場合と比べて学費は高くなりますが、資格取得や大学進学に向けたサポートをしっかり受けられます。
就学支援金などを利用すれば、提携校でかかる負担は軽減できます。高卒資格を確実に取得して進学や将来に備えたい方なら、検討の余地がある選択肢です。まずは資料請求や説明会で最新の学費を確認し、ご家庭に合う進路かどうか調べてみましょう。
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