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慶應義塾大学SFC AO入試対策!人物重視の選抜で評価されるのは自己分析と未来を描く力

更新日:
大学受験
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慶應義塾大学SFC(総合政策学部・環境情報学部)のAO入試は、学力だけでなく「人柄」や「未来を描く力」が問われる人物重視の選抜方式。本記事では、独自の視点で合格を勝ち取った洋々の先輩メンター・喜納天志さんにインタビューを実施。自身が行った書類作成や面接準備の工夫、そして受験生に伝えているAO入試対策のポイントについて語っていただきました。

塾選ジャーナル編集部

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洋々

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洋々は将来に亘って社会で活躍できる人材を育てる、総合型選抜専門塾。総合型選抜の塾の総本山として、特に慶應義塾大学、早稲田大学をはじめ、数多くの名門大学への合格実績を誇る。

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目次

<お話を伺った人>
総合型選抜の個別指導塾 洋々メンター
喜納 天志(きのう たかし)さん

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大学:慶應義塾大学総合政策学部
入学年月日:2022年4月(現役合格)現4年生
合格した受験方式:AO入試
出身高校:駒込学園高等学校国際教養コース

慶應義塾大学SFC(総合政策学部)にAO入試で合格。入試時点の保有資格は、英検一級・IELTs 7.5・剣道2段。親の転勤で小学2年の終わり~中学1年までの5年間をウクライナで過ごした帰国生。中学時代から数々のボランティア活動にも積極的に参加。洋々のスタッフとなって4年目のベテランメンターで、個別指導のほか、YouTubeの企画・編集や、「洋トピア(メンター在中型自習室)」での指導も担当するなど多岐にわたり活躍中。

慶應義塾大学SFCのAO入試とは?

慶應義塾大学SFCのAO入試の傾向

—慶應義塾大学SFCのAO入試とはどのようなものなのでしょうか?

喜納 天志さん(以下、喜納):
慶應義塾大学SFCのAO入試では、高校からの推薦も評点平均の制限も問われません。一般入試が点数化した学力を評価するのに対して、AO入試では「人柄」や「人間らしさ」が評価されます。自分と大学のマッチングを明確に示さなければならない点がこの入試の難しいところです。

自らの経験を「大学で得る学び」、そして「大学卒業後の未来」に結びつけて言語化できる人は、AO入試に向いていると思います。

—「自分が学びたいこと」と「大学で提供される学び」の整合性も重要になってくるのでしょうか?

喜納:自分の経験をどう学問的に伝えるか、そして入学後の自身の構想が大学側の強みと適合するか、この2点がとても重要です。どんなに自身の経験が素晴らしくても、この大学で学ぶ意義を明示できなければ、合格を手にするのは難しいでしょう。

—「学問的に伝える」とは、具体的にはどのようなイメージになりますか?

喜納:
自分の経験、そして考えていることを語るとき、どうしても話が「自分目線」に偏ります。そこからいったん「自分目線」を外して、「相手から見たらどうか?」という視点で捉え直し伝えることだと思います。

「この経験や考えが一般的に、他者から見てどう捉えられるか?」「納得してもらえるような根拠、エビデンスがあるか?」と再考し、他者が理解できる内容にブラッシュアップされていることが大切です。

そのためにも、自分が掲げるテーマに対する深い洞察と理解が前提になります。

特にSFCは「研究者になりたい人」「研究者の素質がある人」を求めています。その人物像に自分がマッチしていると示すためにも、多角的な視点を持っていることを積極的にアピールしたいところです。

参考:慶應義塾大学SFCのAO入試概要

【募集人員】

総合政策学部 150名
環境情報学部 150名

※2025年度に実施するAO入試(4月入学/9月入学)の合計数

【入試内容】

求められる出願資格(一部抜粋) 志望理由や入学後の構想が明確である者
入学後の目標や構想をより高いレベルで実現する意欲と能力を有する者
重視される点 自らの研究活動を通じ、未来における社会に寄与する構想があること
1次選考概要 書類選考
※対象コンテストで所定の成績を収め、証明できる書面を提出できる場合、1次選考の免除申請も可能
2次選考概要 面接試験(1人30分程度)

※AO入試の各期において、総合政策学部と環境情報学部へ併願は不可

【出願・選考日程】

出願登録・出願書類受付期間 次の①②および③を行うことにより出願が完了
①オンライン申請
(オンライン出願システムを使用)
2025年8月1日(金)10:00~9月1日(月)15:00

②入学検定料納付
2025年8月1日(金)~9月2日(火)22:59

③出願書類の提出(郵送)
2025年9月1日(月)~9月2日(火)

※締切日消印有効
(海外からの出願は締切日必着)
※出願書類の郵送方法の指定あり
1次選考合格発表 2025年10月9日(木)11:00~10月26日(日)16:59
オンライン出願システム
※1次選考合格者のみ受験票を発行
2次選考 【総合政策学部】
2025年10月18日(土)/10月19日(日)のいずれか

【環境情報学部】
2025年10月25日(土)/10月26日(日)のいずれか
※面接は湘南藤沢キャンパスにて実施
合格発表 2025年11月4日(火)11:00~
オンライン出願システム
入学手続期間(予定) 【2026年4月入学】
2025年12月2日(火)11:00~2026年1月8日(木)

【2026年9月入学】
2026年7月下旬

【出願書類】

オンライン申請するもの(一部抜粋) ①応募試験基本情報
オンライン出願システム上の指示に従って入力

②志願者に関する履歴など
オンライン出願システム上の指示に従って入力 ③志願者評価
志願者を客観的に知る立場にある2名に評価書の作成を依頼
※2親等内の親族は除く

④活動報告
・学業を含めた活動に積極的に取り組んだ成果についての自己評価と選んだ理由を記述(200字以内)
・中学校卒業以降に取り組んだすべての分野の活動
・成果を入力

⑤志望理由・入学後の学習計画・自己アピール文章(2000字以内)と自由記述(A4サイズ2枚以内)を用いて、志望理由と入学後の学習計画、自己アピールを自由に表現する

⑥任意提出資料
郵送で提出するもの(一部抜粋) ①入学志願票(2枚)
オンライン申請、入学検定料の支払いが完了した後に、オンライン出願システムより印刷

②「調査書」など、成績・卒業に関する証明書類(厳封されたもの(※))
書類詳細は募集要項を確認

(※)中の書類が見えないよう封がされ、のり付け部分に学校印や封かん用シールまたはサインなどがある状態

③宛て名ラベル
(郵送で提出する書類を送る封筒に貼付)

オンライン申請、入学検定料の支払いが完了した後に、オンライン出願システムより印刷

参照:慶應義塾大学「アドミッションズ・オフィスによる自由応募入試(AO入試)

詳細および最新情報は、必ず募集要項を確認してください。

喜納さんが慶應義塾大学SFCのAO入試を志した理由

—喜納さん自身の受験体験についても伺いたいと思います。なぜ慶應慶應義塾大学SFC(総合政策学部)のAO入試を受験しようと思ったのかを教えていただけますか?

喜納:中学時代から所属していたボランティア団体にいた4名の先輩が、総合政策学部のあるSFC(慶應義塾大学 湘南藤沢キャンパス)に通っていたんです。彼らの大学生活の話を聞いて、面白そうなところだなと感じていました。

同時に印象的だったのは、その先輩4名のキャラクターが全員バラバラだったこと。考え方もやっていることもまったく異なる人たちを受け入れるSFCの文化にも引かれるものがありました。

入試方法に関しては、高校に入ってすぐの面談で、「お前は一般入試じゃなくてAO入試だな」と担任の先生に言われまして(笑)。自分でも漠然と同じことを考えていたので、「やっぱりそうか」と思いましたね。

—ご自身のどのようなところがAO入試に向いていると考えていましたか?

喜納:僕は小学2年の終わり~中学1年の終わりまでの5年間をウクライナで過ごしたので、高校は帰国生入試で合格をいただきました。筆記試験と面接を受けたのですが、そのときの面接に手応えを感じたんですよね。

面接の場で「高校生活で何をやりたいのか」を話し、「それなら本校で実現できますね」と入学が決まったことで、生徒と学校のマッチングの重要性も体感できました。高校受験で得た成功体験と自己理解が、SFCのAO入試を志す原動力となったと思います。

—帰国子女であるというご経験は生かすことができたと思いますか?

喜納:海外で生活した経験は生かせていると思いますが、それだけではないと思います。

例えば、私の場合は海外の大学に進学するという選択肢もあったわけです。にもかかわらず「自分が日本の大学、そしてSFCに行きたいのはなぜなのか?」を繰り返し自己分析し、答えを出しました。これは、AO入試に合格した一つの要因だと思います。

もし帰国子女だという事実だけでAO入試に挑んだのであれば、合格できなかったと思います。海外経験は単に親の転勤によるもので、自分の意思による選択ではないですから。

大事なのは特殊な経験だけではなく、自分の意志で選択してきたことの中から共通するものをピックアップして、自分の強みを組み立てていくことだと思います。

慶應義塾大学SFCのAO入試に向けて実施した対策

— AO入試の入試対策を本格的に始めたのはいつ頃ですか?

喜納:高校3年生の5月中旬くらいです。洋々に入塾して、8月末まで3カ月半かけて提出書類の準備を進めていきました。書類で1次選考が通れば10月下旬に2次選考の面接があるスケジュールだったので、書類提出後も面接に向けて研究を続ける日々でしたね。

—書類と面接では、どちらの対策を重視していましたか?

喜納:書類に記載したことと面接で話すことの整合性が大切なので、書類作成と面接の準備を分けては考えていませんでした。面接対策講座で基本的な面接マナーを学びはしましたが、時間をかけて練習はしていません。

書類も面接も、やるべきことは「自分の意見をどのように言語化して、どのように相手に簡潔に伝えるか」です。書類作成のために、自分の志望理由や入学後の展望について、洋々のメンターをはじめさまざまな人と対話を重ね考察を深めていきました。

—準備を進める中で、不安を感じたことなどがあれば教えてください。

喜納:
AO入試には、当然ながら模試というものがありません。なので、自分のやっていることが正解なのかどうか、指標となるものがないんですよね。例えば、書いた志望理由書を誰かに見せたとき、良いと言ってくれる人と悪いと言ってくれる人、どちらも出てきます。自分自身で良し悪しの判断をする必要があり、そのときは不安を感じました。

—その不安はどのように解消していきましたか?

喜納:僕が意識していたことは2つあります。

一つは「もし合格しなくても、自分に後悔がなければいい」と腹をくくること。自分自身で「これ以上のものはない」と自信が持てる書類を出して、仮に落ちたとしたら「自分の合わない大学だっただけ」と思うようにしていました。

もう一つは入試の準備をする中で、絶対的な正解がないことに対して、絶対的な正解を求めることをやめたことです。

その代わりに、私生活のほうで正解があるものに取り組んで、気持ちのバランスを保っていましたね。僕の場合はレシピどおりに作れば絶対においしいものができる料理で、心のバランスを維持していました。

—とてもユニークな考え方ですね!

喜納:もともと少しひねくれているというか、私は王道から少し外れたいという意志が強いタイプなんです(笑)。SFCを受験する際も、SFCらしい人間になろうとは考えず、むしろ「ちょっと違う人間であるほうが面白い」と思っていました。

—今振り返ると、そうした個性が合格に結びついたと感じていますか?

喜納:
おそらくそうだと思います。僕がアピールしたのは、「SFCは革新的なことをしたいと考えている人が多いキャンパスなので、彼らが逸脱しないよう、自分が交通整備をする役割を担いますよ」ということでした。

何かを発明したり、新しいことを始めたりするときには、既存のものを壊す必要があります。同時に、何でも壊せばいいというわけではなく、「何を壊して何を残すか」を決めなければいけません。一歩引いた視点を持つ人間として、自分がほかの生徒にとって必要な存在であると主張したんです。

—AO入試がいかに人物重視の入試なのかわかりました。面接で自分を見てもらうためにも書類審査は突破すべき関門ですが、書類作成時に意識していた点はありますか?

喜納:まずは自分の個性を出すことです。志望理由書をしっかり記載したうえで、自由記述や任意提出資料は、自分のキャラクターを知ってもらうために、ややフランクに仕上げていきました。

僕は「きっちりした人間である」という印象を書類でも与えたかったんです。だから、志望理由書に記載しきれなかった部分については、任意提出資料を使ってフォローしました。

任意提出資料を「相手が知りたい、かゆいところに手が届く書類」にしたんです。

AO入試で提出する書類は、自由度が非常に高いのが特徴です。デザインが得意ならデザイン性を持たせてもいいし、研究結果を発表する場にしてもいい。特定のファイルサイズ内であれば、本当に自由に表現できるので、ぜひ自分らしさをいかんなく発揮してほしいですね。

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慶應義塾大学SFCのAO入試に向けて受験生が取り組むべき対策は?

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慶應義塾大学SFCのAO入試に求められる力を引き出すには?


—喜納さんは多くの受験生と向き合ってこられました。AO入試を目指す受験生は、どんな悩みや課題を抱えていることが多いですか?

喜納:最初は「何をしたらいいのかわからない」「自分の意見をどう出せばいいのか不安」という子が多いですね。一般入試のように正解が見えないため、「これで本当に受かるのか」と疑問を持つのも自然だと思います。

AO入試では、ドリルや宿題で身につく力ではなく、自分の主体的な答えが問われます。だから私の役割は“先生”ではなく、答えを教える人でもありません。精神的に頼られる存在になると、生徒が私の意見を正解だと勘違いしてしまうからです。

対話では、まず自分で調べてもらい、そのうえで「次はこんな調べ方をするといいよ」と部分的なアドバイスを心がけています。

—「何をしたらいいのかがわからない」「自分の意見をどのように出せばいいかわからない」という子には、どう向き合っていますか?

 

喜納:穴埋め式のフォーマットを作って、宿題にしています。例えば、

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というように、

  • 主語と目的
  • 問題解決策
  • そのように考える根拠

など、押さえてほしいポイントをひな形に入れて、穴埋めしながら考えてもらいます。

どんな子でも本当は自分の意見を持っていると思うんです。でも、自分の主張に自信が持てないから不安で話せなくなってしまうのだと思います。

—なるほど。どうしても自分の意見を表現できない子は、何から始めればいいでしょうか?

喜納:
どうしても自分の意見が言えない場合は、まずその子が興味関心を持っているテーマについて調べてきてもらうことから始めます。

  1. テーマを調べることで他者の意見を知る
  2. そのテーマについて自分が何を感じたかを話す
  3. 自分か感じたことに対する他者の意見を知るために調べ直す
  4. そのうえで自分はどう思うかを考える

このような順序を繰り返しながら思考を深め、軸にするテーマを決めていきます。

「自分の意見がない」という子に、無理に「自分の意見を言ってください」と言うのはハードルが高すぎますよね。そんなときは、スタート地点を少し手前にずらして始めるのは有効な手段だと思います。

あとは1~4の流れで、自分と他者の考えを交互に繰り返しぶつけ合います。すると主張に主観だけでなく客観性が生まれてきて、根拠が強くなっていきます。

自己分析やテーマを決めるには“感情史”を作るのもおすすめ

—テーマを決めたり、自分の強みを見つけたりするために、自己理解を深める方法はありますか?

喜納:僕が自己アピールの軸を作るにあたって最初に取り組んだのは、自分の“感情史”を作ることでした。

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  • 横軸:自分の誕生から大学受験までの時間軸
  • 縦軸:自分の感情の振れ幅

このように自分の人生を年表にして、「楽しかったこと」「悲しかったこと」「嫌だったこと」を整理しました。

感情史を作ることで、自分がやってきたことと、感情が動いた出来事の間にどんな共通点があるかを考えるきっかけになります。また、自分が好きなことや意識的に鍛えてきたことの可視化にも役立ちました。

—メンターとして担当している生徒さんにも、“感情史”の作成をおすすめしていますか?

喜納:
人によります。特に自分の一つの経験に強い自信を持っている子、例えば「野球で全国大会に出場しました」というような経験がある子におすすめすることが多いですね。

一つ強い経験があると、それだけで突破しようとする傾向が強いんです。そうすると充分な検討を重ねずに足元をすくわれかねないので、「それ以外にもやってきたことがあるよね」と気づいてもらうために活用しています。

SFCが重視するのは“未来志向”。卒業後の活動まで視野に入れる

-自己の掲げたテーマを、志望理由として落とし込んでいくうえで大事な点はどこになりますか?

喜納:
僕が生徒たちと話をするときは否定から入らず、「なぜそう思うの?」を聞くようにしています。最初から「これが正しい」と決めつけてしまうと、どうしても従来の考え方になってしまうからです。

SFCは、この先どうなるかわからない未来に向けて前向きな進化を続ける“未来志向”を求めています。そのため古い慣習や常識にとらわれない柔軟な視野を持つことが大切です

-受験生に、SFCの未来志向に通じる意識を持ってもらうために、どんな工夫をされていますか?

喜納:提出する書類にある「入学後の学習計画」という項目を、「学習計画」ではなく「研究計画」として作成するよう伝えています。そうすると「その研究をどのように社会に役立ててほしいか」「その研究で未来に何をかなえたいのか」まで書かなきゃいけなくなるんですよね。

学習計画は大学に通う4年間で終わってしまいます。でも研究としてのゴールを描けば、自然と5年以上の歳月が必要になり、未来志向の強度が高まります。大学院に進むのか、大学での研究を生かして企業に就職するのか、大学卒業後の未来まで考えることになるので、志望理由に説得力が備わるはずです

 AO入試に挑む受験生が押さえるべき3つのルール

-最後に、これからAO入試に挑む受験生が押さえておきたいルールがあれば教えてください

喜納:
僕がメンターとして向き合ってきた受験生たちに必ず伝えてきたことは次の3つです。

①大学が提示している基本的なルールは絶対に守る

喜納:基本的なことですが、大学側が数字で提示している規定ルールは絶対に守ること。例えば書類の文字数やファイルのサイズといったものです。社会性を見られている部分だと思うので、最低限やるべきことと心得えておきたいですね。

②自分がやりたいことが、社会的にどう評価されるかを考える

喜納:未来志向が強いSFCでは、社会的にどう評価されるかが重視されます。「自分が面白いから」だけではなく、人にもその面白さが伝わるかがカギですね。自分のやりたいことが、社会貢献につながるか?という視点を持つと考えやすいかもしれません。

③迷ったときは、自分の考えを貫く

喜納:僕が受験生のみんなに繰り返し伝えているのは、迷ったら自分が考えた方向に進んだほうがいいということです。誰に反対されたとしても、自分が正しいと思う道を進めば後悔がないと思います。もし合格しなかったとしても、それは大学との相性が良くなかっただけ。結果にとらわれず、最後まで自分らしくやり切ることを優先してほしいですね。

AO入試を通じて成長できること

 受験前後で一番の変化は、自己肯定感が上がったこと

-AO入試を経験したことで、ご自身はどのように変化したと思いますか?

喜納:僕が感じた一番大きな変化は、自己肯定感が上がったことです。自分を客観的に見て自分の言葉で言語化してみると、「見どころがあるな」と気づけたというか。自己理解が深まったことで、選択や行動に迷いが減り、ミスも少なくなりましたね。

仮に不合格だったとしても、この経験で得られたことは人生の中で大きな意味を持っただろうと思います。人物本位のAO入試に挑戦したからこその大きな収穫でした。

-メンターとして、生徒の成長を間近で見る機会も多いと思います。特に印象に残っている子がいれば、ぜひエピソードを教えてください。

喜納:印象的だったのは「新しい化粧品を開発したい」という高校1年生の女子との対話です。化粧の知識がゼロの私にも伝わるように説明する必要があり、彼女にとっては表現力を磨く機会になったと思います。

専門的なテーマを理解してもらうには対話力が必要です。未知の領域と彼女の成長を目の当たりにして、私自身も良い学びを得ました。

清水GMが語る、慶應義塾大学SFCのAO入試に必要な視点と準備

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清水GM:慶應SFCのAO入試は、書類と面接で審査されるとてもシンプルな入試です。筆記試験がないだけでなく、出願時に評定や英語資格の要件も課されていません。

こうした入試で重要になるのは、自分の世界観を魅力的に伝えること、そしてインタビューでも語られていた「マッチング」をアピールすることです。つまり、

  • これまで自分が取り組んできたこと
  • 大学で追求したいこと
  • 卒業後に実現したいこと

この3点を一貫した形でまとめ、自分の考えを示しながら、SFCという環境の必要性を伝えることが求められます。

2000字の志望理由書とA4・2ページの自由記述で表現するためには、テーマの絞り込みも欠かせません。これまでの経験や考えの中からSFCでの研究につながる要素を探し出し、それを中心に据えることで、自分の世界観とSFCの理念をマッチングさせやすくなります。

また書類作成と面接準備を分けて考える必要はありません。どちらでも一貫して選んだテーマを語り、自分の世界観とSFCとのマッチングを伝えることが、合格につながるカギになります。

執筆者プロフィール

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