分詞構文とは?基礎的な6つの用法と表現方法を例文で徹底解説
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塾選ジャーナル編集部
本記事では分詞構文の基本的な6つの用法や表現方法について解説をしていきます。例文を使いながら分かりやすく解説をしていきますので、テスト英語はもちろん英会話でもお役に立てる記事です。ぜひこちらの記事を参考に分詞構文をマスターしてください。
「分詞構文がわからない」
「分詞構文の問題が解けない!」
高校英語で登場し、昔から高校生を悩ませている分詞構文。分詞構文で英語が分からなくなったと感じていませんか?
分詞構文とは「文の省略」や「文の修飾」をしている構文です。
分詞構文の「6つの用法」や「分詞構文の形」がわかれば、分詞構文が正しく理解できるようになります。長文読解で分詞構文が出てきても、今までより読みやすくなりますよ。
今回はこの分詞構文の種類や用法・活用法を詳しく説明します。
この記事でわかること
・分詞構文とは
・分詞構文の種類
・分詞構文の練習問題
・分詞構文の応用
・分詞構文の効果的な活用法
分詞構文とは
分詞構文を理解するにはこの章で紹介する次の4つを理解しておきましょう。
①そもそも分詞とは何か
②分詞構文とは
③分詞構文の基本的な使い方
④分詞構文を使った例文
⑤分詞構文の作り方
それではまず分詞のポイントをつかんでいきたいと思います。
そもそも分詞とは何か
分詞tとは、動詞を語形変化させて作った修飾語です。
分詞の役割は「名詞の修飾」や「文の修飾」で、文章の後ろから詳しく修飾することです。
※例文画像挿入
例)That girl playing the piano is my sister.
「あのピアノを弾いている女の子が、私の妹です。」
例文のように「That girl」がどのような様子かを「playing the piano」という分詞+αで修飾しています。
動詞から作ったため、playの後ろに単語をつなげることができた上に、動詞がもっていた性質がそのまま残るのが特徴です。
この分詞がつくる単語の集まり(句)が分詞構文を作ります。
Tips!
分詞と関係代名詞の違いは?
分詞が名詞を修飾する働きをしますが、同じような働きをするものに関係代名詞があります。
訳もほとんど同じようになる時もあります。分詞と関係代名詞の何が違うのかはっきりとつかんでおきたいですよね。この2つの違いを理解しておくと、英文法の理解がより深まります。
分詞は「句」
関係代名詞は「節」になっている点が大きな違いです。
つまり、2つの違いは「単語の集まり(句)」なのか、「文の一部」かということです。
分詞で表現するものには、主語や動詞がありません。つまり文章ではなく、分詞は単語の集まりである「句」です。
ex)The dog running over there is our dog.
「向こうで走っている犬は、うちの犬です。」
関係代名詞の働きは、文と文をつなぐ接続詞と、名詞を言い換えする代名詞の働きの両方を持つものとしてよく出てきます。関係代名詞の文をよく見てみると、文章の主語と動詞、その他に関係代名詞と一緒に主語や動詞の役割をはたす部分が出てきます。
そのため、関係代名詞は主語と動詞のある「節」になっています。
ex)A dog which is running over there is our dog.
このwhichは主格の関係代名詞といって、主語の役割を持っています。
英語の学習でもそうですが、日本語でも主語や動詞のある文章にして説明する時は、会話でパッと必要なことだけ言ってしまう場合のどちらでも使えます。
まずは使いやすいものだけ覚えて使えるようにしてから、状況に合わせて使える表現を増やしていきましょう!
分詞構文とは
分詞構文は「分詞を使って文の修飾をするもの」です。
文章の接続詞、主語、そして動詞を省略してシンプルな形にしています。例文を使って分詞構文を見てみましょう。
<分詞構文を使った文>
例)Playng the piano , I forgat the TV program.
「ピアノを弾いていたので、そのテレビ番組のことを忘れてしまいました。」
英語は同表現の繰り返しを避けるとわかりやすく、シンプルに伝えたいことを伝えることができます。
分詞構文は伝えたい文(主節の文)をそのまま、修飾語(分詞構文にした文)を軽くしてニュアンスが伝わりやすくなっています。
分詞構文の基本的な使い方
①文頭 ②文中 ③文末 などで分詞構文を使えます。
①文頭で使う
例)Feeling hungry, students ate a lot of cookies.
「お腹がすいていたので、生徒たちはたくさんクッキーを食べた。」
②文中で使う
例)Students, feeling hungry, ate a lot of cookies.
「お腹がすいていた生徒たちは、クッキーをたくさん食べた。」
③文末で使う
例)Students ate a lot of cookies, feeling hungry.
「生徒たちはたくさんクッキーを食べた、お腹がすいていたからね。」
日本語もどこに修飾語をつけるかで伝えたいニュアンスが変わりますよね。
分詞構文も同じように修飾語として使うことができます。
分詞構文を使った例文
分詞構文はまず現在分詞を使った文と、過去分詞を使った例文を訳せるようにしましょう。
現在分詞を使った分詞構文
例)Sittinng on the bench, she was reading a book .
「ベンチに座りながら、彼女は本を読んでいた」
現在分詞の文は主語が「〜する」という能動の意味で訳します。
過去分詞を使った分詞構文
例)Seen at the supermarket, Mr.White bought a bottle of wine.
「スーパーで見られたとき、ホワイトさんはワインを1本買っていた。」
分詞構文を使った文では、接続詞と主語、動詞が省略されています。特に「接続詞」を補って訳すと自然な意
味が伝えられます。
過去分詞の文では主語が「〜される」という受動の意味で訳します。
現在分詞と過去分詞で訳し方が異なるところはこれまで学習してきた分詞の文章と同じです。
分詞構文の作り方
それでは分詞構文を実際に作ってみましょう。手順は3つあります。
①接続詞をとる
②主語をとる
③動詞を分詞にする
1つずつ確認してみましょう。
①接続詞をとる
2つの文をつなぐ接続詞をとります。
②主語をとる
次に2つの文の主語が同じときに主語もとります。
③動詞を分詞にする
残った動詞が能動態ならば、現在分詞のdoingの形にします。もし受動態の場合はbeing+doneの形にしますが大抵の場合beingは省略するため、doneだけの形にします。
①〜③のステップをするだけで、実は現在分詞は簡単に作ることができます。
分詞構文を作ることができるようになったら、その逆にもチャレンジしてみましょう。
分詞構文の種類
分詞構文には次のように種類があります。それぞれの違いや特徴を理解しておきましょうね。
・現在分詞と過去分詞の違い
・分詞構文の位置と6つの用法
・5つの分詞構文の形と変化
この3つをつかんでください。
現在分詞と過去分詞の違い
分詞構文を作る現在分詞と過去分詞は同じ分詞ですが、単語が持っているイメージが違います。
現在分詞「doing」
躍動感がある能動の「〜している」というイメージ
過去分詞「done」
他動詞なら受動の「〜された」 自動詞なら完了の「〜してしまった」というイメージ
この単語のイメージの違いで分詞構文は大きく2つの使い分けをします。
自ら行う「能動」と、何かの影響を受ける「受動」で使いわけて分詞構文が作れるようになりましょう。
分詞構文の位置と6つの用法
分詞構文は、主に6つの用法があります。
まずは簡単な文章を分詞構文にして訳してみましょう。
①時(when while as)「〜のとき」
「僕が家に帰ったとき、母はテレビを見ていました。」
When I came home, my mother was watching TV.
<分詞構文>
I coming home, my mother was watching TV.
②条件(if)「〜ならば」
「もし動物園にいくなら、ライオンは見たいです。」
If we go to the zoo, we want to see the lions.
<分詞構文>
Going to the zoo, we want to see the lions.
③原因・理由(because since as)「〜だから、なので」
「雨がたくさん降ったので、僕らは公園へは行けませんでした。」
Because we had much rain, we couldn’'t go to the park.
<分詞構文>
Having much rain, we couldn’'t go to the park.
④譲歩(though although)「〜だが」
「お腹が空いていたが、彼は食べ物を持っていなかった。」
Though he was hungry, he didn’t have anything to eat.
<分詞構文>
Being hungry, he didn’t have anything to eat.
⑤付帯状況(while)「〜しながら」
「彼女は本を読みながら、ケーキを食べていた。」
She was reading a book while she was eating a piece of cake.
<分詞構文>
She was reading a book, eating a piece of cake.
⑥結果(and)「そして〜になる(なった)」
「スーパーマーケットへ行き、水を1本買った。」
I went to the supermarket and I bought a bottle of water.
<分詞構文>
I went to the supermarket, buying a bottle of water.
簡単な文章で作ってみると、分詞構文の用法と訳もわかりやすいですね。
分詞構文の形と変化
分詞構文は次の5つの形があります。。
・現在分詞の分詞構文
分詞構文の動詞が能動のときは「現在分詞」を使います。
【過去分詞の分詞構文】
分詞構文の動詞が受動のときは「過去分詞」を使います。
【否定の分詞構文】
否定の分詞構文では、分詞の前に「Not」をつけて分詞構文にします。
例)Not knowing the song, I couldn’t sing.
「その曲を知らなかったので、私は歌えなかった」
・完了の分詞構文
分詞構文の文がメインの文節よりも順序的に過去の出来事の場合は「Having+過去分詞」を使って完了の分詞構文にします。
例)Having seen her before, I remembered her at once
「以前に会ったことがあったので、私はすぐに彼女だとわかった。」
Having+過去分詞の形にすると「完了形」と同じ形になるため、時制がずれていることがわかります。
・独立分詞構文
分詞の意味上の主語が、文節(主節)の主語と一致しないときは、省略することができません。この主語だけを残した分詞構文を「独立分詞構文」と言います。
例)Today being my brother’s birthday, I bought her a present.
「今日は弟の誕生日だったので、僕はプレゼントを買った。」
メインの文節の主語は「I」ですが、分詞構文の意味上の主語は「Today」です。このような場合には「Today」をそのまま残して、分詞構文を作ります。
分詞構文の練習問題
次の問題の( )に適した分詞を入れて、分詞構文を作ってみましょう。
①「簡単なフランス語で書いてあるで、その本は多くの人々に読まれています。」
( )in easy French, the book is read by many people.
②「学校の近くに住んでいるけれど、彼女はよく学校に遅刻する。」
( )near the school, she is often late for school.
③「体調がよくない感じがしたので、昨日は家にいました。」
( )( )well, I stayed at home.
④「たいへん驚いたので、私は何も言えませんでした。」
Greatly( ), I couldn’t say anything.
⑤「彼女はたった5歳なのに、上手にピアノを弾ける。」
( ) only five years old, she can play the piano well
【解答】
①「簡単なフランス語で書いてあるので、その本は多くの人々に読まれています。」
(Written)in easy French, the book is read by many people.
→本はフランス語で書かれていると、受動態であるため、過去分詞にします。
②「学校の近くに住んでいるけれど、彼女はよく学校に遅刻する。」
(Living)near the school, she is often late for school.
→彼女は住んでいると、能動態であるため、現在分詞にします。
③「体調がよくない感じがしたので、昨日は家にいました。」
(Not)(feeling)well, I stayed at home.
→否定の文章であるため、Notをつけます。感じている(Feeling)が、能動態であるため、現在分詞にします。
④「たいへん驚いたので、私は何も言えませんでした。」
Greatly(surprised), I couldn’t say anything.
→私は驚かされていると、受動態であるため、過去分詞にしましょう。
⑤「彼女はたった5歳なのに、上手にピアノを弾ける。」
(Being) only five years old, she can play the piano well
→彼女は5歳であるという状態をあらわすbe動詞を用います。さらに、能動態であるため、現在分詞のBeingとなります。
分詞構文の応用
分詞構文に慣れてきたところで本格的に重要なポイントをおさえておきましょう。
・分詞構文を使った表現方法
・分詞構文と他の文法構造の比較
・分詞構文の誤用例と注意点
分詞構文を使った表現方法
分詞構文には慣用表現があり、長文や文法の問題でもよく出てくるので覚えておきましょう。
例)Frankly speaking, we must do that.
「率直に言って、我々はそれをやるべきだ。」
<慣用表現>
Frankly speaking「率直に言って」
Talking of 〜 「〜と言えば」
Weather permitting「天気がよければ」
Judging from〜 「〜から判断すると」
Compared with 〜「〜と比べると」 など
知らないと正解できないのも慣用表現の特徴です。
何度も音読しておければ、単語の意味から訳することができるためすぐにできるようになります。
分詞構文と他の文法構造の比較
分詞構文はほかの文法と違っているところがあります。
それは、分詞構文には「主語と動詞がない」点です。
訳を見るとわかりますが、接続詞と主語、動詞がある形の訳にしますが、実際には分詞の部分のみで表現しています。本当は文章のように訳すものですが、なるべく情報をシンプルにして伝えることが分詞構文の目的でもあるため、日本語の役に対して英単語の数が極端に少なくなります。
これが分詞構文を勉強するときに難しく感じてしまう原因にもなっています。
分詞構文は「分詞を使って文を修飾する」ものです。結局は「オマケ」の修飾語あることを思い出してみるとすこし楽に学習することができるでしょう。
分詞構文の誤用例と注意点
分詞構文を使う際に誤った使い方、間違いをしないように次のポイントに注意しておきましょう。
分詞構文を作る際に間違ってしまうのは主に次の3つです。
①能動と受動を正しく使う
②完了の分詞構文を正しく使う
③独立分詞構文の書く
・能動と受動を正しく使う
分詞は時制は示していないため、意味上の主語のことを考えて分詞を使いましょう。日本語の意味だけ考えるのではなく、英語で動詞を能動で使うのか、受動で使うのかなど気をつけておきたいところです。
例)×Had no money, I sold the car.
◯ Having no money, I sold the car.
「お金がなかったので、私は車を売った。」
Hadが受動の意味になってしまうため、正しくHavingで使いましょう。
・完了の分詞構文を正しく使う
時制がずれているため、完了の分詞構文を使うことを忘れないようにしましょう。順序的に前を示す語句を一緒に使うことが多いです。
例)×Visiting it before, I know the shop well.
◯Having visited it before, I know the shop well.
「以前に行ったことがあるので、私はその店をよく知っている」
Visitingだとbeforeがあるのに過去であることを表していません。Havingにすれば過去のことだとわかります。
・独立分詞構文の主語の書く
意味上の主語が異なっているのに書くのを忘れてしまうことも、分詞構文の問題ではよくあることです。この点も気をつけておきましょう。
例)×Being a holiday, we played video games at home.
◯It being a holiday, we played video games at home.
「休日だったので、私たちは家でゲームをした。」
主語はItの文が分詞構文の文です。独立分詞構文になるように、Itを忘れず先頭に書いておきましょう。
分詞構文の応用問題
それでは応用問題を使って分詞構文の練習をしておきましょう。
次の文を英語に訳してください。
①「天気が許すなら、私たちはそこへ行きます。」
②「スミスさんと言えば、最近彼女に会いましたか。」
③「ホストファザーはソファーに座って笑っていた。」
④「マイクは一生懸命働いたので、彼は疲れていた。」
⑤「バスがなかったので彼らは歩かなければいけなかった。」
【解答】
①「天気が許すなら、私たちはそこへ行きます。」
→Weather permitting, we will go there.
②「スミスさんと言えば、最近彼女に会いましたか。」
→Talking of Ms.Smith, have you seen her lately ?
③「ホストファザーはソファーに座って笑っていた。」
→The host father,seated on the sofa ,was smiling.
④「マイクは一生懸命働いたので、彼は疲れていた。」
→Having worked hard, Mike was tired.
⑤「バスがなかったので彼らは歩かなければいけなかった。」
→There being no bus, they had to walk.
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分詞構文の効果的な活用法
それでは分詞構文を実際に活用してみましょう。ここでは2つのポイントを押さえてください。
分詞構文を使った文章の書き方
まずは分詞構文を後ろにつける形にして書いてみましょう。
慣れるまでは接続詞ではさまれた2つの文を作り、そのあとに分詞構文を作るのがおすすめです。
例えばとても簡単な文章ですが、
We had dinner while we were talking about the soccer game.
という文章を作ってこれを分詞構文にしてみましょう。
We had dinner, talking about the soccer game.
「サッカーの試合の話をしながら、夕食を食べました。」
文章自体が難しくない上に、主節を最初にもってくるため、分詞構文を後ろにつなげることも楽にできます。まずはこのようなところから使ってみると、分詞構文を使う機会も増えます。
まずは使ってみる機会を増やすことから始めてみましょう。
分詞構文を使ったスピーキングのポイント
スピーキングで使う際には、分詞構文を文末で使うか、文中で使うのがおすすめです。
実は、分詞構文は「書き言葉」で使われることが多い表現です。文章の流れのなかで使うと省略された接続詞が何なのかもつかみやすくなる上に、読み手も簡単に想像することができます。
会話でいきなり分詞構文で始まると、突然すぎて相手にわからない場合も出てくる恐れがあるため、文章の書き方でも説明をしたように分詞構文を文末につけるか文中に入れて使いましょう。聞き手にわかりやすい文章になります。
まとめ
分詞構文がどのようなものかをつかめてきましたか?
今回学んだことを整理しておきましょう。
分詞構文とは
・分詞構文とは「分詞を使って文の修飾をするもの」
・文頭、文中、文末で使える
・分詞構文は ①接続詞をとる ②主語をとる ③動詞を分詞にする の順で作る
まずは分詞構文の特徴を知って、使ってみることでした。
分詞構文を実際に作ってみることで、ただ問題を解くことよりもすぐわかるようになります。
分詞構文の種類と応用力をつけるために
・現在分詞と過去分詞の違いをつかむ
・6つの用法を理解する
・分詞構文の慣用表現を覚える
・分詞構文の文章を作れるようになる
・分詞構文の問題演習をする
分詞構文で困ったら、接続詞のある文章に復元をしましょう。
さいごに
分詞構文がわかると大学受験の文法問題だけでなく、長文読解もよくわかるようになります。
読解問題こそ分詞構文が使われることが多いため、できるようになったことを実感できます。
長文読解が解けると英語のやる気にもつながります。ぜひチャレンジしてください!
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