大学受験に向けた古文の勉強法|覚え方や読解のコツ、成績が伸びない原因、おすすめ塾など解説


編集部
塾選ジャーナル編集部
「大学受験で古文が必要だけど、点数が伸び悩んでいる」「点数アップにつながる勉強法を知りたい」などと思っている高校生はいませんか?古文を苦手とする受験生は少なくありませんが、正しい勉強法に沿って対策していくことで、誰でも高得点マークを目指せるでしょう。
今回は大学受験に向けた古文の勉強法について、単語・文法の覚え方や読解のコツ、成績が伸びない主な原因、受験対策でおすすめの学習塾情報などと一緒に解説します。
大学受験に向けた古文の勉強法
大学受験の古文を攻略するためには、所定のステップに沿って勉強を進めていくことが大切です。「古文単語」と「古文文法」→「解釈」→「読解」と、全部で3つのステップを順に踏んでいきましょう。
それぞれのステップにおける、おすすめの勉強法は次の通りです。
古文単語の勉強法や覚え方
古文は日本語ですが、ほとんど外国語と同じです。現在の生活では使わない単語や文法がたくさん使われるため、英語を勉強するときと同じような方法をとりましょう。まずは、古文でよく使われる単語を徹底的に覚えます。
単語を覚える際は、単語帳を使うのがおすすめです。単語帳によって収録されている単語数が異なりますが、大学受験ではだいたい300語あれば十分でしょう。難関大学を目指す人や、出題される古文の問題が難しい大学を目指す人は、500語が目安です。ただし、最初から500語の単語帳に取り組むと覚える量が多くなるため、300語の単語帳が終わってから移ってください。
また、単語一つひとつで異なる意味を持つことも多く、最初からすべての意味を暗記しようとすると挫折します。まずは1単語1意味を覚え、少しずつ他の意味もインプットしていくスムーズです。
古文文法の勉強法や覚え方
古文単語と一緒に学習を進めたいのが、古文文法です。単語の意味がわかっても、文法知識がないと古文の文章は読めません。
文法知識が身についていない子どもは、語り口調などでわかりやすい参考書を1冊準備しましょう。基本的な文法事項を頭の中に入れたら、問題集などを使って演習します。間違えた問題は解説をよく読んだり、必要に応じて文法の参考書へ戻って確認したりしましょう。
入試問題によっては文法の知識のみが問われることもあるため、文法学習が得点へダイレクトにつながります。
古文解釈の勉強法
古文単語と古文文法を身につけたら、古文解釈の勉強に取りかかります。解釈とは古文の読み方・解き方のことです。
古文では文章中の主語が省略されていたり、敬意が誰を指しているのかがわかりにくかったりと、文と文とのつながりが理解しにくい問題も少なくありません。「一文一文の意味は捉えられるけれど、文章全体の意味がいまひとつつかめない」といった状況を防ぐために、解釈の勉強が効果的です。解釈専用の参考書があるので、活用するとよいでしょう。
古文長文の勉強法
解釈の勉強で古文の読み方・解き方を理解したら、最後は長文読解です。文章を読んで設問が解けるようになるだけでなく、文章全体の要旨を理解できるところまで読解力を上げましょう。長文読解に関する問題集に取り組み、間違えた設問や文章中で理解できないところがあれば、単語や文法、解釈の参考書に戻ってください。
大学入試の古文は、似たような文章が出題されがちです。そのため、一度勉強したものを完璧に理解することで、入試本番での得点アップが期待できます。
大学受験に向けた古文読解のコツ
古文の入試問題を解く際は、前述したような単語・文法・解釈・長文など、項目ごとの勉強法が有効です。また、以下で紹介する4つのコツを理解しておくことで、よりスムーズに古文読解を進めていけるようになるでしょう。読解問題に取り組む際、特に意識してみてください。
まずは問題文をチェックする
文章を読む前に、問題文をチェックしましょう。主に英語の長文読解で用いられている方法ですが、古文でも効果的です。
設問の内容にざっと目を通し、何が問われているのかを確認してください。その後文章を読み始めると、問題を解くために必要な部分をスムーズに拾えます。また、話しの全体像をつかめるメリットもあるでしょう。
流れや全体像をぼんやりイメージする
2つ目のコツは、流れや全体像をぼんやりとイメージすることです。読解の問題を解く上で、一文一文すべてを正確に訳する必要はありません。各設問で問われている箇所を見つけ出し、内容に沿った解答ができれば大丈夫です。
そのため、文章を逐一訳すことは止めて、読みながらおおまかな流れや全体像をイメージすることを意識しましょう。この訓練を続けていくと、わからない単語や言い回しが出てきても、ある程度の内容を想像できるようになります。
わからない部分は飛ばして読み進める
文章を読んでいる途中でわからない部分があった場合、多くの子どもは立ち止まってじっくり考えたり、前の文へ戻ったりするかもしれません。古文では立ち止まって推測できるものがある一方、先を読み進めていくことで初めてわかるものもあります。
そのため、わからない部分が出てきたら、必要以上に立ち止まらず、飛ばして読み進めていきましょう。
注釈やリード文からヒントを得る
古文の問題には注釈やリード文、出典が書かれているものが少なくありません。問題を解くために必要がない情報と思って無視する受験生がいますが、実はヒントが隠されている可能性があります。
たとえば、リード文には話のあらすじが、注釈には和歌の意味が書いてあることがあり、文章を正しく読み解くためのヒントとなるはずです。また、出典が日記となっていた場合、作者が物語の主語となることが多いでしょう。誰の目線で書かれているかを知るだけでも、読解がスムーズに進みます。
古文ができない|成績が伸びない原因とは?
自分では勉強しているつもりでも、古文の成績がなかなかアップしない子どもがいるかもしれません。成績が伸びない主な原因は、次の3つです。
単語や文法の基礎を疎かにする
古文を苦手とする学生の多くは、単語や文法の基礎を疎かにしている傾向があります。しかし、前述したように、古文はある意味で外国語と同じです。基本的な単語と文法の知識がなければ、当然のことながら書かれている文章を読むことができません。
どちらの学習も単調なものですが、文章を正しく読んで問題を解けるようにするためには、単語と文法の基礎固めをしっかりおこないましょう。
問題を解いて復習をしない
古文に限ったことではありませんが、問題を解いただけで、復習をしないことも成績が伸びない原因といえるでしょう。特に間違えた箇所をふり返り、「知らない単語があったから」「解釈の方法が間違っていた」など、間違えた原因を理解することが大切です。
問題を解き終わって答え合わせをしたら、間違えた箇所を中心に復習してください。わからないところを一つひとつなくす作業を通して、古文の得点アップにつなげられます。
全文を完璧に訳そうとする
先で述べたように、古文の読解問題を解く上で、すべての文章を完璧に訳す必要はありません。模擬試験などで文章をすべて丁寧に訳しながら読んでいると、問題を解く時間がなくなってしまいます。主語が省略されていたり、敬意の方向があいまいだったりする文章を、短い時間の中で正確に理解するのは大変です。
全文を訳さず、おおまかなストーリーをつかみ、各設問を解くために必要な情報が得られる程度に読み進めていくと、成績が伸びていくことでしょう。
大学受験に向けた古文対策はいつから?
古文の勉強を始めるべき時期は、それぞれのケースによって異なります。私立大学を目指す文系学生は受験科目が少ないため、比較的早い段階から勉強を始める余裕があるでしょう。反対に、国公立大学を目指す理系学生の場合は受験科目が多く、また、古文は大学入試共通テストでしか使いません。
できるだけ早いうちから始めるのが理想ですが、古文は後から勉強を始めても十分挽回できます。文系学生は遅くても高校3年生の夏休み頃、理系学生は高校3年生の10月頃から勉強をスタートさせても間に合うでしょう。
試験の科目数や古文の配点割合、他の科目の状況などを見ながら、それぞれに合ったタイミングで勉強を始めてください。
【大学受験】古文対策におすすめの塾・予備校
最後に大学受験の古文対策で、ジュクセンがおすすめする塾・予備校を全部で5カ所紹介します。
おすすめ塾①:鶏鳴学園
少人数のゼミ形式で、古文を含めた国語力のアップをサポートしてくれるのが鶏鳴学園です。
塾の特徴
高校生向けには「高1クラス」「高2クラス」のほか、高校3年生と高卒生を対象とする「受験クラス」も開講されています。受験クラスでは大学受験に完全対応したカリキュラムを用い、志望大学・学部への合格を目指せるのが特徴です。
授業は少人数のゼミ形式。他の生徒と話し合いを通じて、「読み、書き、話し、聞き、考える」の総合的な能力を伸ばせます。「ノリナガの古文」という10ページにも満たないオリジナルテキストだけを使用し、「音読&直訳」をメインに合格力を養います。
料金
鶏鳴学園のホームページによると、「受験クラス」の授業料は第Ⅰ期(4月~6月)と第Ⅱ期(9月~11月)のそれぞれで11万円となっています。
おすすめ塾②:直井メソッド国語専門塾
マンツーマン指導で古文の力をアップできるのが、直井メソッド国語専門塾です。
塾の特徴
国語を専門とする学習塾で、古文にも対応しています。対面式のほか、オンラインでの指導も可能です。マンツーマンのため、「できるだけ短期間で古文の力をアップさせたい人」「古文が苦手で、何から勉強すればよいのか分からない人」などに適しています。
授業ではテキストの文章解説だけでなく、問題文と設問との関係を理解しながら読む練習を取り入れています。簡易なものから始めて徐々にレベルを上げていき、初めて出会う作品でも一人で読めるようになるでしょう。
料金
直井メソッド国語専門塾のホームページによると、新高校3年生が対面式の「大学受験コース」を受講する場合、月の授業料は3万9,050円です(月4回、1回55分授業)。
おすすめ塾③:鈴木国語研究所
おすすめ塾の3カ所目は、鈴木国語研究所です。
塾の特徴
1クラスあたりの人数は20名までです。「大学受験 古文講座」が開設されており、大学入試レベルに対応できる実力養成を目的とします。
実際に古文の文章を精読した後で、読むために必要な文法や単語、各種の知識を復習。さらにテストをおこない、学んだ内容が定着しているかどうかを確認します。精読では特に助詞・助動詞などの区別を明確におこない、古文自体の読解力」を身につけられるのが特徴です。
料金
鈴木国語研究所のホームページによると、「大学受験 古文講座」の授業料は月2万6,000円です。
おすすめ塾④:臨海セミナー
集団型で、古文の単語から読解対策までおこないたい子どもにおすすめなのが、臨海セミナーです。
塾の特徴
授業は複数の生徒が一緒に受ける、集団指導型です。高校3年生向けには「入試古典文法(SL)」や「基礎(SL)古文読解」「難関(HL)古文読解」などが開催されており、自分の学力に合わせて勉強を進められます。
また、週1回T.A.(ティーチングアシスタント)と一緒に古文単語を覚えてテストする、「古文単語ゼミ」も受講可能。週1回の通塾だけで、入試に必要な古文単語をしっかり身につけられます。
塾の詳細はこちらの記事でも解説しているので、ぜひ目を通してみてください。
料金
臨海セミナーのホームページによると、高校3年生が通った場合の月額授業料は、1講座につき9,900円です。また、「古文単語ゼミ」は月額4,950円となっています。
おすすめ塾⑤:進学個別指導のTOMAS
最後のおすすめ塾は、進学個別指導のTOMASです。
塾の特徴
授業スタイルは1対1のマンツーマンです。授業中は常に講師がそばにいるため、わからないとことはすぐに質問できます。
一人ひとりに合わせて学習カリキュラムを作ってくれるので、大学受験の古文対策にもぴったり。単語や文法、解釈、長文まで、子どもの学習ニーズに沿った形で勉強を進められます。
塾の詳細はこちらの記事でも解説しているので、ぜひご覧ください。
料金
高校3年生が週1回通った場合の月額授業料は、約4万2,000円です。こちらの記事でも料金について解説しています。
まとめ
大学受験生の中には古文を苦手とする学生もいますが、正しい勉強法に沿って対策をすれば、比較的短期間でも点数アップが期待できます。まずは古文単語と古文文法の基礎を身につけ、古文解釈、古文長文へと移っていきましょう。
「一人では勉強できない」「効率的な勉強方法を知りたい」などと思っている子どもは、学習塾へ通う方法があります。塾によって特徴が異なるため、いくつか気になったところを比較・検討してみてください。
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