【神奈川・千葉・埼玉】各国立中学校の特徴を紹介|進学実績や受験情報、学費、おすすめの学習塾も解説


編集部
塾選ジャーナル編集部
神奈川県や千葉県、埼玉県内には、どのような国立中学校があるのでしょうか?国立の教育系大学や教育学部を母体とする学校は、もともと教育研究をおこなう場として設立された経緯があります。そのため、一般的な公立中学校とは異なる、最新の教育研究に基づいたユニークな学習指導を受けられるのが魅力です。
今回は神奈川県と千葉県、埼玉県内にある国立中学校を、全部で4カ所ピックアップ。それぞれの特徴や進学実績、受験情報、学費などを解説します。また、中学受験におすすめの学習塾も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
神奈川・千葉・埼玉県の国立中学校を紹介
神奈川県と千葉県、埼玉県にはそれぞれ、次のような国立中学校が存在しています。
学校 | 住所 | 最寄駅 | 偏差値 | 生徒数 | 倍率 |
---|---|---|---|---|---|
横浜国立大学教育学部附属横浜中学校 | 神奈川県横浜市南区大岡2-31-3 | 横浜市営地下鉄、または京浜急行の弘明寺駅 | 58 | 1,170名ほど | ・一般 4.7倍 ・帰国 1.4倍 (いずれも2022年度入試) |
横浜国立大学教育学部 附属鎌倉中学校 | 神奈川県鎌倉市雪ノ下 3-5-10 | JR、または江ノ島電鉄の鎌倉駅 | 51 | 434名 | 3.83倍(2022年度入試) |
千葉大学教育学部附属中学校 | 千葉県千葉市稲毛区弥生町1-33 | ・京成電鉄みどり台駅 ・JR西千葉駅 | 60 | 454名ほど | 4.9倍(2022年度入試) |
埼玉大学教育学部附属中学校 | 埼玉県さいたま市南区別所4-2-5 | JR中浦和駅 | 57 | 521名ほど | 5.3倍(2022年度入試) |
学校ごとの特徴などを以下で見ていきましょう。
横浜国立大学教育学部附属横浜中学校
参照リンク:横浜国立大学教育学部附属横浜中学校
横浜国立大学教育学部附属横浜中学校はもともと横浜市中区立野にありましたが、1981年に現在の場所へ移転されました。帰国子女を毎年、15名ほど受け入れています。
進学実績
運営母体となる国立大学法人横浜国立大学は附属高校を持っていないため、卒業生は外部の高校へ進学します。
2020年度の卒業生は東京学芸大学附属高等学校や東京工業大学附属科学技術高等学校、神奈川総合高等学校、鎌倉高等学校、慶應義塾高等学校などへの合格実績があります。合格者数は公表されていません。
受験情報
2022年度の入学試験(一般生枠)は、2022年2月3日におこなわれました。試験科目は国語・算数・理科・社会です。
学校の特徴
「知」「徳」「体」の3つを教育目標とし、「柔軟な思考力と行動力で、これからの社会をよりよく生きるための 幅広い能力を身に付けた人間」を育てます。主要5教科は3学期制、4教科は2学期制を導入。横浜国立大学教育学部と連携を取り、最先端の研究に基づいたオリジナリティあふれる教育が特徴です。
教師は県内各地から集まった経験豊富な人材ばかりで、意欲的な学習をおこなっています。コンピュータ教室には1クラス分のパソコンが設置されているほか、すべての生徒が1台のタブレットPCを使用可能。世界の学術機関へインターネットアクセスができる環境で、子どもたちの主体的な学びを支えます。
H4.学費
2020年度入学生の初年度学費は次の通りです。
項目 | 金額 |
---|---|
PTA会費 | 1万5,600円 |
教材費 | 1万2,000円 |
タブレットPC端末費 | 5万7,600円 |
学年会費 | 4,800円 |
生徒会費 | 2,400円 |
図書費 | 2,400円 |
学級費 | 1,800円 |
安全衛生費 | 8,400円 |
宿泊行事積立金 | 7万2,000円 |
銀行手数料 | 1,056円 |
後援会入会金 | 15万円 |
合計 | 34万3,656円 |
横浜国立大学教育学部附属鎌倉中学校
参照リンク:横浜国立大学教育学部附属鎌倉中学校
横浜国立大学教育学部 附属鎌倉中学校は鎌倉市にある、唯一の国立中学校です。帰国子女を毎年、15名ほど受け入れています。
進学実績
運営母体となる国立大学法人横浜国立大学は附属高校を持っていないため、卒業生は外部の高校へ進学します。具体的な進学先は、ホームページ上で公表されていません。
受験情報
2022年度の入学試験(一般生枠)は学力検査が2022年2月4日、面接が2月5日におこなわれました。試験科目は国語・算数・面接です。面接は本人のみとなっています。
学校の特徴
「夢ふくらませ」「心あたたかく」「力あわせる」をテーマとし、人間として調和がとれた生徒の育成を目指しています。
横浜国立大学教育学部の附属学校としての特徴を生かし、教育学部と連携した理論的・実践的研究を実施。深い学びを得られるよう、主体的・対話的な授業をおこなっています。
学校全体の特徴のひとつが、生徒同士のつながりが強いことです。普段の授業では話し合いの中から自分と他者との意見の違いを比べたり、グループワークを通じて協働での課題解決学習をおこなったりと、他の生徒との関わりから自分自身を成長できるようになっています。
また、「LIFE」と呼ばれる総合的な学習の時間が設けられているのも特徴です。中学1年生は「鎌倉地域を知る」、2年生は「鎌倉を支える人たちの思いを知る」、3年生は「鎌倉のためにできることを実行する」のテーマのもとに、1年を通した生き方探究学習を進めていきます。
学費
学費はホームページ上で公表されていません。
千葉大学教育学部附属中学校
参照リンク:千葉大学教育学部附属中学校
自由な校風で生徒の自主性が尊重されていることで人気を集めているのが、千葉大学教育学部附属中学校です。
進学実績
運営母体の国立大学法人千葉大学は附属高校を持っていないため、卒業生は外部の高校へ進学しています。
開成高等学校や渋谷教育学園幕張高等学校、東京学芸大学附属高等学校、筑波大学附属高等学校といった全国最難関高校のほか、千葉高等学校や千葉東高等学校などの難関県立高校へ進学する子どもが少なくありません。
受験情報
2023年度の入学試験(一般生)は一次選考が2022年12月24日、二次選考が2023年1月20日におこなわれる予定です。
試験科目は一次選考が総合問題・作文・自己アピール申請書、二次選考がプレゼンテーション・集団討論です。総合問題は教科学習をベースとした記述式、プレゼンテーションは自己アピール申請書に基づいた自己アピールと質問となっています。
学校の特徴
「広い視野に立って、明るく生き生きと活動する生徒を育成すること」を教育目標にかかげ、自己理解の上に自らの行動を自己決定し、自己実現しうる主体的人間を形成しています。
千葉大学教育学部と連携した中学1年生の職業調べ、2年生の研究室訪問のほか、教育理論確率に向けた研究授業の実施など、国立中学校ならではの取り組みが豊富です。また、千葉大学の臨海実習所にて理科の校外学習や社会の現地学習などを、希望制で開催。大学レベルの充実した環境下で、体験的な学習を進められます。
教科学習は指導要領以外の内容もあつかわれ、特に数学と理科は高度なレベルまで対応。数学は少人数制授業を採用し、よりきめ細かい指導をおこなっています。
学費
2022年度における初年度学費は、9万7,000円です。内訳はPTA会費や後援会費、教材費、校外学習費、ICT教育推進、教育環境整備費などとなっています。
埼玉大学教育学部附属中学校
参照リンク:埼玉大学教育学部附属中学校
最後は埼玉県さいたま市にある、埼玉大学教育学部附属中学校です。
進学実績
運営母体の国立大学法人埼玉大学は附属高校を持っていないため、卒業生は外部の高校へ進学しています。
浦和高等学校や浦和第一女子高等学校といった県立トップ高校のほか、開成高等学校、筑波大学附属高等学校といった最難関高校へ進学する生徒もいます。
2019年度の卒業生は国立高校へ7名、県公立高校へ39名、県内私立高校へ76名、県外私立高校へ50名の合格実績がありました。学校名は公表されていません。
受験情報
2022年度の入学試験(一般)は2022年2月1日におこなわれました。試験科目は国語・算数・理科・社会です。
学校の特徴
「正しい判断力とたくましい実践力を持った自主的人間の形成」を教育目標にかかげ、生徒の学習指導だけでなく、教育に関する理論及び実践についての研究・実証もおこなっています。
教科学習では「主体的・対話的で深い学び」を大切に捉え、一人ひとりの資質や能力の育成を実現。すべての学年で週2回の「総合的な学習の時間(附中トライアル)」を設けており、体験的な学習をおこないます。中学1年生は職場での体験学習、2年生は林間学校に向けた探究学習、3年生は日本文化の探究講座と舞台表現の体験学習が内容です。
学費
ホームページ上で学費は公表されていません。
中学受験におすすめの学習塾
学校のレベルにもよりますが、基本的に中学受験では塾通いが必須です。小学校の授業ではあつかわない問題が出題されたり、面接が課されたりするため、専門的な受験対策が欠かせません。
最後に上記で紹介したような国立中学校受験対策におすすめの学習塾を、全部で5カ所紹介します。
おすすめ塾①SAPIX
SAPIXは難関中学受験に強い、集団指導スタイルの学習塾です。2022年度の入試では横浜国立大学教育学部附属横浜中学校へ6名、千葉大学教育学部附属中学校へ4名、埼玉大学教育学部附属中学校へ2名の合格者を輩出しています。
「じっくりと本物の学力を育てていく」ことを目標に、子どもの成長過程と個性に合わせた学習指導を実施。復習中心の学習法で、らせん階段を上っていくようにレベルアップできます。また、平常授業以外にも長期休暇中などは特別講習が設けられ、年間を通して中学受験をサポートしてくれる学習塾です。
授業料は小学6年生で、月5万9,950円です。
おすすめ塾②日能研
日能研の授業スタイルも集団型です。2022年度の入試では横浜国立大学教育学部附属横浜中学校へ10名、横浜国立大学教育学部附属鎌倉中学校へ4名、千葉大学教育学部附属中学校へ1名、埼玉大学教育学部附属中学校へ2名の合格者を輩出しています。
小学1年生から通塾が可能で、学年に合わせた無理のない中学受験対策を進められるのが特徴です。6年生の後期からは合格力を育てるために、PDCサイクルを何度も回していきます。合格判定テストや合格力実践テスト、合格力育成テストなどのテストが充実しており、入試本番の雰囲気を感じながら実力を身につけられます。
小学6年生が通塾する場合の授業料は、「Wコース4科」で月3万2,076円です。
おすすめ塾③個別指導の明光義塾
個別指導の明光義塾は、個別指導スタイルの学習塾です。ホームページ上で合格実績は公表されていないため、各自でお問い合わせください。
小学生向けの中学受験対策では、志望校の出題傾向に合わせたオリジナルの学習プランを作成。一人ひとりの課題やスピードに合わせて勉強を進められます。
生徒と講師との対話式の授業を大切にしており、わからないところはその場で質問できます。また、生徒や保護者を対象とするカウンセリングが定期的におこなわれるなど、サポート体制も整った学習塾です。
小学6年生が週1回通塾した場合、月の授業料は1万3,200円(90分授業)となっています。詳細はこちらの記事でも解説しているので、ぜひご覧ください。
おすすめ塾④四谷大塚
4つ目のおすすめ塾は四谷大塚です。授業は集団指導型で、小学1年生~3年生を対象とする「リトルコース」、小学4年生~6年生を対象とする「進学コース」があります。
2022年度の入試では横浜国立大学教育学部附属横浜中学校へ7名、横浜国立大学教育学部附属鎌倉中学校へ2名、千葉大学教育学部附属中学校へ17名、埼玉大学教育学部附属中学校へ1名の合格者を輩出しています。
授業は学力別のクラスでおこなわれ、メイン教材となる予習シリーズの完全理解を目標とした内容です。
小学6年生が通塾する場合の授業料は、8月までが月5万7,750円、9月以降は月7万9,750円です。
おすすめ塾⑤進学個別指導のTOMAS
進学個別指導のTOMASは、1対1の完全マンツーマンスタイルの学習塾。ホームページ上に今回紹介した4校の合格実績は掲載されていません。各自でお問い合わせください。
オリジナル教材の「王道」シリーズを用いて、マンツーマン授業で基礎力と実戦力を身につけていきます。解いた問題の答案を分析し、志望校合格に必要な基準に達するための必要な対策をおこないます。無理と無駄がない中学合格システムで、難関校対策を進めていきたい子どもにおすすめです。
授業料はホームページ上で公表されていません。各自でお問い合わせください。また、こちらの記事でも塾の詳細を解説しています。
まとめ
神奈川県には2校、千葉県と埼玉県にはそれぞれ1校ずつ国立中学校が設置されています。いずれも国立大学教育学部附属校で、最新の研究に基づいたユニークな教育を受けられるのが特徴です。
附属高校がないことから高校受験は必須ですが、どの学校も偏差値が高い入れる難関高校への進学者が多くなっています。
中学入試では高度な問題が出題されることから、塾通いは欠かせません。今回紹介した塾情報を参考にしながら、受験勉強を効率的に進めていきましょう。
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